太田述正コラム#2684(2008.7.23)
<皆さんとディスカッション(続x201)>
<海驢>
≫理性から導き出されていないものは、全て宗教です。≪(コラム#2682。MS)
移民問題という本筋とは関係なくて申し訳ないのですが・・・。
世の中には「経験智」「伝統」「文化」なんていうのもあります。
「理性」から導き出されていないものでも、「宗教」としてではなく尊重すべきものがあるのではないでしょうか?
「巨人の肩に乗っている」ことを忘れて「理性」に傾倒しすぎると、「珍歩的ブンカジン」みたいになってしまいますよ。
<MS>
私は理性が優れていて、宗教が劣っているとは一言も言っていませんよ。
『日本社会は単一民族ないしは一国家一民族一文明であるべきだ、という宗教的信念を持っている安保さんと、そのことに何の価値も見出していない私が議論しても、公理体系がちがうので、お互いを説得できなくても仕方がないですね。』
という意味です。
ステレオタイプな批判は、TVのコメンテータだけにしてください。
<threepinner>
太田様、はじめまして。小生は陸上自衛官たる医官です。
偶然にも最近、太田さんのブログ群に接しまして、痛快感を禁じ得ません。
内局官僚について、「ガバナンスとインテグリティの欠如、しかも技術系には無力」、と切り捨てておいでですが、制服組たる陸自衛生科についても既に同様の病状です。運用屋として階級を付けた者でも Military Medicine誌を読む者は皆無ですし、多少とも公衆衛生に関わる部署に付く者でCDCやWHOの週報を読んでいる者は居りません。教官や研究員ですらそうですから、デファクトスタンダードたる姿を知っているコアな Medical Officer として通用する人材はすでにいない、と言ってよいと思います。いわば完璧に素人のみによってフラフラとその時の状況にあわせて辻褄あわせてきたのが陸自衛生科だろうと思います。
しかしながら、厚労省主導の特定健診が推進され、健診と指導にて診療機会を低減するという方針が進められると、健康管理と診療をパッケージでやってきた陸自衛生科の存在理由をあやうくします。端的に言えば、今後は防衛省共済組合・契約業者・指導に当る部外医療機関が患者の流れをコントロールする立場につき、部内病院を受診する患者・患者予備群は激減いたします。本来であれば指導に該当する予備群のみデータと依頼を出せばよかったのですが、検診結果のデータベース化と業務手順の標準化ができない果てに、全被検者のデータを共済組合に渡すことになり、選別を彼らに委ねることになりました。
これまで曲がりなりにも陸自衛生科が尊敬されてきたのは診療というリアルな世界で実績をあげつつ教育をしてきたからですが、いよいよこの最後の柱も消える運命となりました。小生自身は先輩方が残してくれた旧システムによって一人前となりましたから、可能な限り恩返しするつもりでおりましたのでさびしい限りです。昨今いわれる医官退職問題とは次元の異なる危機について理解する者も少数です。中病、防医大以外の自衛隊病院の経営(診療)に第一線のところから支えてきた人材も実は少なかったという事だろうと思います。
太田さんの扱っておられる事象からすればコップの中の嵐かもしれませんが何かの足しになれば幸いです。今後の活躍、期待しております。
<太田>
貴重な実態開示をしていただき、ありがとうございます。
私は防衛省の退廃・腐敗は3自衛隊にも及んでいると思っています。
しかし、現行の防衛省の態勢を前提とすれば、責任が最も重いのは内局であり、だからこそ、私はもっぱら内局批判を行ってきたのです。
仮に組織改革の結果、幹部自衛官が防衛省キャリアと同等の責任を防衛省の管理運営について負うようになった暁には、私は遠慮容赦なく幹部自衛官の退廃・腐敗に対しても声を挙げることになるでしょう。
<植草一秀>http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2008/week30/index.html
太田様、・・・<コラム#2674で>メッセージをありがとうございました。私も蒲島熊本知事の政治的主張を支持しているわけではないことを補足させていただきます。
また、私が日本の核武装には反対であることも補足させていただきます。
次期総選挙での民主党の勝利と政権交代実現を心より念じております。
<太田>
失礼ながら一見さんからこういう「誤解」が出てくるとすると、やはりあの「過激」なブログ・タイトルはマズイのでは?
<桜井誠>http://doronpa01.ameblo.jp/
平成20年7月16日、チャンネル桜の番組収録に参加させていただきました。昨年9月以来、およそ10カ月ぶりのチャンネル桜入りでした。当日は相変わらずの猛暑でスタジオまでの坂道を登るのも汗をかきかきでしたが、今回の収録は外気温に負けないくらいの熱く充実した内容でした。
移民問題に端を発し、日本 における外国人問題をどう捉えるのかを各専門家が集結し、喧々諤々の論争を繰り広げま<した>。参加者の一人として特に印象深かったのは西尾幹二先生と太田述正 先生(元防衛庁審議官)の丁々発止のやりとりでした。ぜひチャンネル桜放送の同番組をご視聴ください。
<sophy>http://starlight.la.coocan.jp/blog/2008/07/post-434.html
以下、コラム#2668へのコメントです。
自衛隊のパレードや戦闘機のショーでは大歓声が上がったところでなんの意味があるのか私には理解できません。
輪島市でも体験したのですが、災害地から引き上げる自衛隊を、地域の住民の方々は、大歓声ではなく心のこもった感謝の声で送っています。
仮に自衛隊のパレードや戦闘機のショーを国威高揚のために行うならば、地域に根付いている自衛隊員の方々の文字とおり必死の苦労は泡のようにはじけてしまうでしょう。
自衛隊は専守防衛の精鋭を鍛えることこそ、第一義とするべきなのです。故に、戦争ができる普通の国以上の努力が必要とされるのです。
人類が人類の恩恵者達よりも破壊者達に対して相変わらず賞賛を惜しまない限り、戦争は結局、野心の最たる追求となろう。(ギボン「ローマ帝国衰亡史」)
<太田>
専守防衛なら、自衛隊の10分の9は存続させる必要はない、とかねてから私は力説しているところです。
もちろん、災害派遣のために自衛隊を存続させる必要もまたありません。
都心パレードの復活は、自衛隊に意味のある任務・・集団的自衛権行使を前提とした海外派遣任務・・を付与した時点で、初めて考慮されるべきでしょう。
なお、ギボンの引用、ちょっとヘンじゃないですか?
<ライサ>
≫「そもそも、韓国の人々の対日感情が悪い、というのは思い込みに過ぎません」≪(コラム#2680。太田)
衆愚さんの例を挙げての反論に対して、太田さんの答えは、
>「日本の外務省は学術機関ではありませんが、学術機関だって間違うことが多々あることに鑑みれば、外務省のサイトに載っている見解なんて更に疑ってかかるべきです。 とにかく、竹島問題に限らず、朝鮮日報の日本語電子版を毎日読んでごらんなさい」
と言っています。
衆愚さんは、一般的民衆?の意見の例示をインターネットから得た情報(これがすべての情報を正しく反映しているかどうかは分かりませんが)で示しています。
太田さんは「とにかく・・・朝鮮日報の日本語電子版を毎日読んでごらんなさい。」と有力メディアをあげています。朝鮮日報は一般的印象では親日的に感じられますし、日本人が読んでいてとても気分を良くしてくれる?新聞で有名です。韓国での評判は知りませんが。
ですから、日本人の間では、「とにかく」と力説するほどですから、太田さんを筆頭に?(笑)、かなり多くのファンがいます。
また「私の見解を ◎代弁していただいていただいている◎ 感のあるMSさんの実体験を踏まえた投稿内容だけをまとめて以下に掲げさせていただきます。」とも述べています。
だとすると、太田さんの論の進め方「○○だって間違うことが多々あることに鑑みれば、」で行くと「朝鮮日報だって・・・・」と言えませんか。インターネットの大多数?の意見と、一新聞社の社の方針や、過去の個人的体験を単純に比較検討の材料として持ち出すのはどうなんでしょうか。
ちなみに、私は日本の農村に嫁入り?してきた女性(約20人ぐらい)などに、一過的な観光ではなく、日本語講座で日本語を、教えた体験がありますが、(ちなみに濁音の発声練習は、とてもてこずりました)そのときの体験では、彼女らの本音は、経済的理由で日本人と結婚しただけで、日本人に、それも夫に好意を持っている人は少なく感じました。これも私の個人的経験で狭い範囲ですが、<MS>さんの個人的体験からの帰納的推測は、あまりにも範囲が狭く、これをもって結論に導くのは少し危険ではないでしょうか。
一例ですが、下記の記述なども間違った学術機関の判断だからとして、太田さんのめがねに適わないからと言って、、、取るに足らないと片付けられてしまうのでしょうか。
http://ipsnews.net/news.asp?idnews=36821
Among the more positively-viewed countries, Japan was seen most favourably by Indonesians (84 percent), Kenyans and Canadians (74 percent), and Filipinos (70 percent), despite Tokyo’s occupation of the archipelago during World War II. Less surprisingly, the most negative views were found in South Korea (58 percent negative) and China (63 percent), both of which have long demanded apologies by Tokyo for abuses committed by its occupation forces.
もっとも58パーセントや63パーセントが多いか少ないかは、個人的見解によりますが、好意的な国々に対して反対として挙げているわけですから、よく思っていないということを強調する結果になると思います。
アジア・バロメーター
アジア諸国に関して、この調査よりさらに包括的な意識調査が、猪口孝教授〔中央大学〕を代表とするアジア・バロメーターと題するプロジェクトによって行われている。 日本に対する好感度がアジアのほとんどの国で高く、中国と韓国で低いことは、アジア・バロメーターによっても確認されている。
zxcvbさんのご意見(コラム#2682)はもっともだと思いました。
<太田>
農村への外国人花嫁については、韓国出身者と他国出身者を比較する経験かデータが必要です。
また、ご指摘の世論調査結果は私も承知していますが、韓国人や支那人の対日感情は、アイルランド人やスコットランド人の対イギリス感情・・アイルランドはいまだにアングロサクソン主導のNATOに加盟していないし、スコットランドは英国から離脱しようとしている・・や、アルジェリア人の対フランス感情と比較してみて初めて正当な評価ができると思いますよ。
<運動>
コラム#2301「ガンジー・チャーチル・ホロコースト(その1)」を読みました。
http://blog.ohtan.net/archives/51238191.html#comments
あなたが中東でどんな”洗礼”を受けたか知りませんが、ユダヤの主張するホロコースト関連の論説だけは何とも極端で誰が見てもおかしいですなぁ。
それともこういう態度を適宜示しておくことが活動の後援を得るために必要なんですかね。
<太田>
ご指摘のシリーズは、現在、逐次公開中であり、ご意見を寄せられるのは時期尚早ではないでしょうか。
それにしても、ガンジーがユダヤ人嫌いで、チャーチルがユダヤ人大好き人間という事実がお気に沿わないようですね。
ところで、光人社のサイト(
http://www.kojinsha.co.jp/new/kinkan01.html
で、次の記述を発見しました。
属国の防衛革命
著者:太田述正×兵頭二十八 ISBN:978-4-7698
予価:1,890円 発行年月日:2008年9月下旬発売
実に手回しいいですねえ。
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太田述正コラム#2685(2008.7.23)
<部落・在日問題>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x201)
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