太田述正コラム#2752(2008.8.26)
<皆さんとディスカッション(続x232)>
<バグってハニー>
 –ノーボスチ・ロシア通信社の見立て–
 8月8日、長期に亘る砲兵準備と銃撃戦の後、グルジア軍はツヒンワリに侵入した。これは何を意味するか? この件について幾人かの専門家が言っているように、グルジア-オセチア紛争を武力で解決する試みなのか? どうやら、そうでもあり、そうでもなさそうだ。南オセチアへのグルジアの攻撃の場合ロシアとアブハジアが南オセチアを擁護するシナリオは、非常に確率が高かった。NATOがグルジア軍を直接には支援しないことも非常に確率が高かった。もちろん、これはすべてトビリシでも判っていたことで、従い、グルジア大統領のミハイル・サーカシヴィリは軍事作戦で自分の領地問題を解決することなど殆ど期待していなかった。それならば、なぜこの、ウラジミール・プーチン曰く、「流血のアヴァンチュール」なのか? 今回のグルジア-オセチア対立が始まる直前にサーカシヴィリは、紛争地帯にNATOの調停軍が立ち会うことが必要であると幾度となく言っていた。このような立会いは、当然、南オセチアとアブハジアをグルジアの構成に戻すためにアブハジアと、とりわけ南オセチアに強い圧力を掛けることができる。恐らく、今回の南オセチアに対するグリジアの侵攻は、調停国としての役割についてロシアがその能力を果たせないことを証明し、ロシアを紛争に引き入れ、そのことにより、紛争地帯にNATOの調停軍を導入することを可能にさせる目的を持っていたのだろう。
(この一個前の記事も参考になります)
http://jp.rian.ru/analytics/politics/20080821/116187082.html
<海驢>
 「ノーボスチ・ロシア通信社」いいですよね。貴重な情報源です。
 ご紹介の記事の「2つ前(解説-政治の)」の記事を読むと、今回の紛争の原因としてサーカシビリ大統領の精神的な問題が挙げられていました。読みようによっては、単に敵対者を貶めるプロパガンダなのですが。
<以下、引用:ノーボスチ・ロシア通信社 - 解説 - 政治 - バラ色の毛皮を着た臆病者 http://jp.rian.ru/analytics/politics/20080815/116060968.html>
 ・・・2年前、世界の7つの精神専門病院がミハイル・サーカシヴィリの精神的健全性についてスキャンダラスな鑑定を出したことを思い出すと良い。このことは当時、世界のマスコミが広く報道した。
 ・・・サーカシヴィリは、誇大妄想、自己過信、強要を誇示する。医者たちはこれを「強制またはマニアック症候群」と呼んでいる。精神科の専門家が 2年前に下した結論は、現在現実の生活の図式でも確認されている。「サーカシヴィリは、社会の価値を評価できないほど、内面の激しい感情と自分自身をゆるぎないと主張する願望に取り憑かれている。政権への志向ではサーカシヴィリは、自分が決めたことに対しては危険や恐怖感を簡単に無感覚になることができ、そのことにより、恐らく、政治及び軍事紛争を含め、問題を大きく煽動化させてしまう」。
 政権を所有したことは、どうやら、サーカシヴィリを、彼の性格にある病的な素質をさらにもっと拡大させ、「領土保全」狂の名のもとに数千の犠牲を出す殺人者の過ちを犯すずさんで無節操な政治屋にさせてしまうようだ。彼は、「何らかの」オセチア人のために時間を費やし、自分を蛇行させることを望まなかった。集団大虐殺は意識的に選択され、南オセチア攻撃計画を「きれいな森」作戦と呼んだことを思い起こせば十分だ。土地全焼作戦を行使して、すべての生き物、特に人間、を消滅させて、原始からある状態にして南オセチアをグルジアに「戻す」課題を設定した。
<引用終わり>
 ちなみに上記の記事冒頭では、欧米メディアの一面的報道への対抗措置(?)か、CNN記者が写真をすり替えたとする記述もあります。
<以下、引用:ノーボスチ・ロシア通信社 - 解説 - 政治 - バラ色の毛皮を着た臆病者>
 ・・・しかし、「野蛮」の規模は彼らを若干がっかりさせた。なぜなら、ロシアの航空攻撃は軍事標的だけに絞られ、ヨシフ・スターリンの故郷のゴリ市の民間居住区域には照準を当てていなかったからだ。その時、CNNの記者は、崩壊されたツヒンワリの廃墟をゴリ市の崩壊に見せかけるため写真フィルムをすり替えるというやり方がきたない小細工を行なった。これはもはやプロのジャーナリストの倫理の欠如の問題だ。
<引用終わり>
 次に、コラム#2746でのバグってハニーさんの投稿へのお返事です。
>そんなこと言えば、同時期ロシア軍もグルジアのすぐ北側で8,000人規模の軍事演習をしているのですが(AFPの同記事や他の太田コラム参照)。「米軍の増派とグルジアの紛争は全く無関係だとされているが、それを証明することはできない」けど、ロシア軍による軍事演習は今回の衝突とは無関係なんでしょ?陰謀論ウォッチャーとしては、ロシア側の陰謀論がほとんどないのが私にはやや不満ですね。
 このへん、太田さんも「米国/グルジア側の陰謀=ロシア側非陰謀」説(コラム#2746)なんて仰っていましたが、どうも誤解があるようですね。
 当方の意見は、特段ロシアの肩を持つものではなく、客観的な情勢判断をすべきというのが主旨です。日本が「真の独立」を目指すためには、英米のご都合主義に沿った見方しかしないのではまずいでしょう?ということです。
 このため、「今回の紛争で米露どちらがより多く得点したのでしょうね?(コラム#2746)という論題提起とともに、ロシア贔屓のメルマガ情報を参考に挙げた以降、英米メディアによる報道のみに立脚した判断を現時点ですべきでないことを述べてきたのです。
 また、英米側の視点からはあまり見えてこないですが、まずは今回の紛争地域に国境を接し、安全保障上の脅威を直接感じる国(=ロシア)と、資源権益と戦略上の関わりでしかない国(=米国)では立場が全く異なる、という認識が必要だと思います。
※参考:「欧米はロシアが持つ懸念を理解すべき」元英陸軍参謀総長 写真5枚 国際ニュース : AFPBB News
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2507912/3225772
 そうすれば、「ロシア側の陰謀論がない」というのはある意味当然ではないでしょうか。
【陰謀/隠謀】
(1)ひそかに計画する、よくないくわだて。
「―をめぐらす」
(2)〔法〕 二人以上の者の間で、共同で犯罪を行おうという合意が成立すること。犯罪の実行に着手する以前の段階であるが、内乱・外患・私戦などの罪についてのみ処罰される。
※参考:いんぼう 0 【陰謀/隠謀】 – goo 辞書
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%B1%A2%CB%C5&kind=jn&mode=0&base=1&row=0
 上記の陰謀の定義からすれば、カフカスは「ロシアの柔らかい腹」であり安全保障上の重大な地域の一つであることは明白なので、何をするにしても「ひそかに」とは言えないでしょうし、英米的論法からいえば「よくないくわだて」であっても、ロシアからみれば「自国の安全確保」という観点だし、ボスニア・コソボ以後の事例からすれば一定の正当性を認めざるを得ないため、「よくない」なんていえないかと(もっとも、二重基準を恥じない英米はそれでもそう言うのかもしれませんが)。
※参考:専門家「欧米諸国はコソボのつけをグルジアで払うことに」 写真12枚 国際ニュース : AFPBB News
http://www.afpbb.com/article/politics/2509274/3251122
 件の軍事演習も、ロシアは「ロシア領内」、一方の米国はグルジア(米国内、ではないですよねぇ)。同じように軍事的威圧といっても、自国から遥かに離れた所でやるのでは、意味合いが違ってくるのは当然ですよね。
 それに、バグってハニーさんが提示されたAFPの記事中にも、「一方、ロシア軍は3日、グルジア政府と南オセチア自治州との間で「大規模な軍事衝突」の危険性が高まっていることを警告していた。」とありますから、陰謀論を成立させるのは難しいのでは?
※参考:ロシア軍のグルジア攻撃、進攻の時期や迅速さに米軍「驚き」 写真6枚 国際ニュース : AFPBB News
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2505280/3206532
 蛇足ですが、上記のAFPの記事は、コラム#2747(非公開)の「グルジアに侵攻したロシア軍は、戦車は古く、空爆は不正確、のろまな戦術でしかも上からの指示でしか動かない・・・」などというロシア軍の評価と少し違いますね。また、「・・・軍は、民間人の余計な犠牲を防ぐために重兵器や戦闘機の行使を制限することを余儀なくされた。」というような情報もありますし、やっぱり多面的に情報を眺めてみる必要性を感じますね。
※参考:ノーボスチ・ロシア通信社 – 解説 – 政治 – 戦争は最大の調停手段なり?
http://jp.rian.ru/analytics/politics/20080820/116144868.html
<ライサ>
>ロシア軍は、戦車は古く、空爆は不正確、のろまな戦術でしかも上からの指示でしか動かない・・・」などという・・・・この部分に関しては海驢様へ。
 これは反論ではありませんし、私は兵器のことは詳しくないので、断定は出来ませんが、かなり当たっていると思います。
 この紛争に関して様々な映像が見られますが、撤収時の映像や戦闘シーン、それ等を見た限りでは、いつかどこかで見たような兵器が多いなーと言う印象です。イラク戰のときの、多国籍軍や、アメリカ軍の兵器と見比べると、ピンポイントなどの言葉は探しても見えない、皆無です。戦車も、兵員輸送車もいかにも古そうです。 白煙もうもうのシーンもありましたよね。撤収にも普通考えるより時間がかかる訳ですよね。多分、ロシアのお偉いさんは気持ち的には、嘘を言っていないと思います。実態が追いついていないのでしょう。
 詳しくはニューヨークタイムスを見てね!
http://www.nytimes.com/2008/08/23/world/europe/23georgia.html?_r=1&oref=slogin
KARALETI, Georgia:The Russian tank creaked and groaned at the checkpoint, its journey north across the new administrative boundary of South Ossetia almost complete. The driver’s face, grease-streaked and tired looking, jutted from the hatch.A cigarette hung from his mouth.
 南オセチアの新しい境界線に向けて撤収するため、北上を続けていたロシア軍の戦車は検問所で停止し多時点で、撤収自体はほとんど完了した?。そこでは、「戦車はうめきながらギシギシ音を立てるのみだった」。脂ぎった顔には疲労の色が隠せない戦車の操縦手は、咥えタバコでハッチから顔を出した。
He swore, uttering the single, unprintable syllable that is the most foul word in the Russian language. His source of frustration: his T-62 main battle tank, of a sort that first came into service in the Soviet Union in the 1960s, would not turn to the left.
 ロシア語の中でも本当にひどい、個々に表現は出来ないような言葉でののしりの言葉をつぶやいた。彼のストレスの元凶は、、彼が乗っているロシア製の主力戦車T-62(この紛争では?)( 初の実戦投入は1969年?)は最初にソビエト連邦の戦力として登場したのは1960年代のことで、古くさい物だった。
“It’s time to blow it up and throw it away,” a soldier standing nearby said.
「もうこんな戦車ぶち壊して、ほっぽりなげて(さっさと歩いて帰ろうぜ!)と、そばに居る兵士は言った。
The Russian incursion into Georgia had already energized the world’s corps of military attaches, who have been provided a rare chance to see the Russian Army operating in the field.
グルジアへのロシア軍の侵攻は、各国にとってロシア軍の作戦状況の現状を知るのにまたとないチャンスとなった。
The Russian Army’s state of readiness might fall well short of Western standards. But it proved more than able to handle its mission of routing the Georgians.
ロシア陸軍の総合的な戦闘能力は西側のそれと比べれば低いかもしれない。しかし「グルジア紛争」に「対処」するには十分なものと判断されたため、投入され証明されたようだ。
 関連して、やはり、日本のエネルギー対策が心配です。
 「グ・ロ紛争が面白い」と言うような投稿が有ったとき、真っ先に思ったことは、エネルギー問題でしたが、オリンピックも終わり、中国はこれから、多分、嫌でも本格的に、褌(何となく、下品と感じてしまうのは、私だけでしょうか《笑》)を締め直さなければならないと思っているでしょう。
 グルジアには2本(分岐して3本?)の石油ラインBTE・BTCと鉄道などで石油やガスを、いわゆる西欧に供給しています。この紛争で、グルジアの侵攻が失敗かどうかは別として、ロシアは、いざとなれば、「ヨーロッパの首を締め上げてやるぞ、簡単な事だ!」と、示す例をまた1つ作ったわけです、今までもヨーロッパに対しては様々な、圧力をかけていますが。
 日本の伊藤忠商事は国際石油メジャーのBP社(英)などが手がけるアゼルバイジャンの原油生産に関わっていて原油などは主としてBTCで欧州に向けて輸出されているそうです。しかし伊藤忠は「日本向けのエネルギー供給そのものへの影響はないだろう」等とのんきのことを言ってます。
 私は、言いたかないけど、『お前らは、官僚(失礼)と同じで、悪いことは、そもそも「起こらない事を前提」に物を言っているのか』と思ってしまいます。
 だって、考えてみてください、私の狭い知識の範囲では、過去に2度ほどあった、いわゆる「オイルショック」だって、「日本だけだよ、オイルショックなんて言っているのは」と識者の一部が指摘していましたが、いまだに、「ショック」の言葉がまかり通っています。ショックではなく「危機」でしょう、ショックは予想もしなかった事が起きたとき感じる感情ですよねー。「危機」には、それなりの対処をしなくては!対処をわざとしないで、その時になって、「おー、ショック!」て言って責任逃れの手段にするのかな!
 何でも、あらかじめ分かっている事柄が、、、、そのことが起こったら、「オー、ショック!」て言いますか。いえ、言えますか。
 商社様、通産省様(経産省様)、お願いだから、もし、国民のことを考えているのなら、あらかじめ手を打って準備してください。嫌な事は責任逃れをしていて、、、最悪の結果は国民に押しつけないで~!、「隅から隅まで、づづ、づいーと、宜しくお願いいたします~!」(太田さんご贔屓の民主党ならやってくれますか!?笑)
 中国やインドが本気(今までだって本気かも知れないけど、もっと本気で)で、暴れ始めたら、爆食中国や知能の高いインドに日本がかなうはずは有りません。13対1や16対1じゃー、よほど、「褌を締め直して」(また下品な言葉を言ってしまった)事に当たらないと、モンゴル人どころか、中国人横綱に加えて、インド人横綱が何十人も出てしまいますよ。(人種差別の意図は有りません、念の為)。
 さらにEU対日本となったら、これもパワーバランス的にも、地政学的にもかないませんよね。中南米や、北米などもいわゆる囲い込みをしても、それぞれの区域で自立できるのに、、、、日本の将来を考えると、恐ろしくて夜も寝られません。 代わりに昼寝をしています(冗談です)。
 賢明なる投稿者の皆様、日本のエネルギー政策はどうしたら良いと思いますか。教えてください。
 ちなみに、どなたか私に「素人の振り」とお褒めの(?)言葉をかけていただきましたが、玄人、いわゆる、プロがここに投稿しているんでしょうか、面白いと言ってご覧になっている方はいらっしゃるようですが。
 大変失礼いたしました、この掲示板の主催者でいらっしゃる太田さんは間違いなくプロです。
<太田>
 ライサさん。
 せっかくでしたら、コラムをお書きになりませんか。
 半年に3~4篇書いていただければ、名誉有料読者として、会費なしで全コラムを配信させていただきますよ。
 ただしその場合、これはライサさんに限りませんが、私に対しては、最低限のアイデンティティー等を明かしていただく必要があります。
<バグってハニー> 
 海驢さん、皆さんへ 。
私が「ロシア側の陰謀論がない」と書いたのは、ロシア陰謀論が実際に唱えられていない、と言う意味ではありません。むしろ、米英のメディアはこれはロシアがサアカシビリをはめようとした罠である、というような論調でしょう。
 私が「ロシア側の陰謀論がない」と書いたのは、日本人の間では様々な米国陰謀論が人気なのに対して、ロシア陰謀論を唱えている「日本人」がほとんどいない、という現状を憂えているのです。つまり、「多面的に情報を眺めてみる必要性」などというお題目とは裏腹に、もっぱらこの紛争が米国にどんな利益をもたらしたか、という観点からしか語られていないことが不満なのです。太田さんも「このような説をとる読者の方がこれほど多いということは、やはり、日本国民の多くが、先の大戦の経緯に由来する強い潜在的反米意識をお持ちであること(コラム#249)を「証明」しているように思えてなりませんねえ」と嘆息されていましたが、要するに私も「どうせグルジアとかロシアとかどうでもいいんだろ、単に米国の悪口が言いたいだけなんだろ」と言いたいのです。
 それで、こういう態度は海驢さんの投稿や引用された陰謀論者の間で明らかに見て取れます。今次の紛争は米国にとっては「イラン攻撃の地ならし」「石油パイプラインのため」「ネオコン・軍産複合体の陰謀」「反露感情を醸成するため」「ポーランドにMDを受け入れさせるため」はては「マケイン候補を勝たせるため」だったりするわけです。
 一方のロシア側はどんな利益を得たのか。「カフカスは「ロシアの柔らかい腹」であり安全保障上の重大な地域の一つである」なんて、漠然とした書き方しかしてないじゃないですか。
>今回の紛争で米露どちらがより多く得点したのでしょうね?
 米国だと言いたいのでしょうが、こんな議論の仕方じゃその答えになるのは当たり前じゃないですか。だって、ロシア側にはどんな得点があったのか全く列挙してないのですから…。多様な視点をもつ、なんて私には掛け声にしか聞こえないのですが。
>まずは今回の紛争地域に国境を接し、安全保障上の脅威を直接感じる国(=ロシア)と、資源権益と戦略上の関わりでしかない国(=米国)では立場が全く異なる、という認識が必要だと思います。
 まさしく、卓見だと思います。前にも書きましたが、ロシアと領土問題を抱え、安全保障上の脅威を直接感じる国=日本です。グルジア紛争は我々と無関係な問題ではありません。一つだけ、みなさんに確認したいのですが、コソボの例が盛んに取り上げられてますけど、今回のロシアの軍事行動は正当だとお考えなのですか?つまり、ロシアが「安全保障上の重大な地域の一つ」に「脅威」を感じれば、主権を持つ隣国に軍隊を進め、占拠し続けることが正当化されると考えているのですか?
 日本にとってロシアは隣国であり、日本にとって米国が同盟国である以上、日本人が取るべき態度なんて決まりきっていると思いますけどね。今、米国以外にドイツとスペインのフリゲート艦がグルジア目指して黒海に入りました。私にとって西側同盟諸国が今回の事態を自分の問題として受け止めている証左なのですが、大方の日本人にとってはこれも米国の陰謀なんでしょうね。
http://jp.rian.ru/analytics/politics/20080821/116187082.html
<田吾作>
 グルジアに関する古い資料をご紹介します。
BP’s Eye - 円・元・ドルの同時代史 記事一覧
http://www.nikkeibp.co.jp/jp/report/senior/test04.shtml
の記事中
第16回~グルジア通貨は対ドル固定
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/293/293124.html
第17回~「ラリ」はドルをいつも見ている
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/294/294462.html
第18回~米国のユーラシア戦略と通貨
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/296/296932.html
第19回~米国のユーラシア戦略と通貨(2)
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/298/298279.html
(08/08/24アクセス)
が当面関係する資料だと私には思われます。
 私はこの分野に関して土地勘が働きませんので(《参考資料》を読み終わって商品
の意味をようやく理解した程度)、要約も解説も出来ません。
(参考資料)【はなふさ ともかず】による『資本論』の「第一章 商品」の意訳
お金とは何かを明らかにしたマルクス
http://www.geocities.jp/hgonzaemon/intro_marx_intro.html
『資本論』
http://www.geocities.jp/hgonzaemon/capital.html
(08/08/24アクセス)
<太田>
 いつも情報提供、ありがとうございます。
<太郎>
移民の話ですが、反対の方達はおもに第2の在日勢力が出来上がるのではないか? という懸念をしていると思うのですが、太田さんはそういう勢力にならないと思ってるのですか?
 もしくはそうさせない方法があるのでしょうか?
<太田>
 例えば、コラム#2685(未公開)において、以下のように記したところです。
 ご参考まで。
 「日本における代表的な「差別」である部落「差別」と朝鮮人(在日)「差別」は、米国における黒人差別や黄色人差別、あるいはフランス等西欧諸国におけるユダヤ人差別やイスラム教徒に対する差別に比べて、相対的に、歴史(根)が浅く、差別の態様と程度も甚だしくない、という点で様相をかなり異にするものだ。日本は英国と並んで世界で最も差別の少ない国の一つといえよう。
 しかも最近では、部落民あるいは在日に「対する」差別が問題というより、部落民にあっては1960年代末以降、そして在日にあっては戦後、部落民や在日に「よる」それ以外の人々に対する差別が問題となっている、という、まことにもって奇妙な状況が日本では見られる。これは英国を含め、世界で他にあまり例を見ないことだ(ここまで、差別にカギ括弧を付けたのは、日本の「差別」にこうした事情があるためだ)。
 (中略)
 戦後在日と部落民に「よる」差別に翻弄されてきたことが、日本人にとってトラウマとなっており、移民受入問題を冷静に議論することが困難になっているとわかるだろう。
 とりわけ、人口比的には1%にも満たない在日(近代日本が初めて受け入れた移民)に「よる」差別体験は、大きいと考えられる。英国や西欧諸国のように10%にもなるような移民を抱えたら、日本は彼らにかき回されて無茶苦茶になる、と多くの日本人は思い込んでいるのではないだろうか。
 しかし、在日と部落民に「よる」差別に翻弄されてきたのは、敗戦によっても日本人の心暖かさは失われなかった一方で、敗戦によって日本人が自信喪失に陥ったからにほかならない。日本人が、不条理なことには毅然と対処する気概を取り戻しさえすれば、新たに移民を受け入れても二度と翻弄されるようなことはあり得ないだろう。」
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太田述正コラム#2753(2008.8.26)
<音楽の数学的分析>
→非公開