太田述正コラム#2781(2008.9.10)
<皆さんとディスカッション(続x242)>
<海驢>
 コラム#2779の「プーチン首相、CNNのインタビューに答える~その5」にて、プーチン首相が言及した「12歳の女の子とその叔母へのインタビュー」の映像を見つけましたので、ご紹介いたします。
※参考:YouTube – 12 year old ossetian girl tells the truth about Georgia.
http://jp.youtube.com/watch?v=5idQm8YyJs4
 太田さんをはじめ、英語が堪能な方は不要でしょうが、当方のように英語が不自由な人間もおりますので念のため、映像の内容は以下のとおりです。
<以下、引用:投稿No.1391「プーチン首相、CNNのインタビューに答える~その5」より転載>
 このクリップではまず、12歳のアマンダさんが「先ず始めにお話したいのはロシア軍へのお礼です。私たちはグルジア軍の攻撃から逃げたので、ロシア軍の攻撃ではありません。」といいました。するとアナウンサーは、話を遮り今度は叔母のローラさんに切り替えます。ところがローラさんも「この戦争はサーカシュヴィリが始めたのです。彼こそが張本人なのです。」と言い出したのであわてたアナウンサーが「遮りたくはないのですが、コマーシャルです。また戻ってきますから。」と焦ってコマーシャルに切り替えます。
 ローラさんはひるまず「分かってます、このような発言を聞きたくないってことは承知してます。」と言ったところで画面はコマーシャルに。
 その後もアナウンサーは「後10秒だけですよ。どうぞ。」とプレッシャーをかけます。ローラさんは「皆さんにこの紛争はサーカシュヴィリが始めたのです。グルジア政府が責任を取るべきで…」と話したところで、「はい、では残念ながらインタビューはここで時間切れです。サンフランシスコの12歳の女の子の目撃した話でした。戦争には灰色の部分があるということです。」とお茶を濁して終わっています。)
<引用終わり>
 どうやら、「米フォックスニュースが、南オセチアの親戚を訪問していた12歳の米国人少女とその叔母さんに対して、生中継でインタビューする事に成功」したとのことらしいのですが、まんまとロシアに填められたのではないかという意見も出ています。
 ついでに、英ロイターがグルジア紛争関連で「やらせ報道」をやらかしてしまったらしい、という情報も(リンク先ページは文章が少々荒いですが、ご容赦を)。
※参考:アサヒるロイター 或る浪人の手記
http://restororation.blog37.fc2.com/blog-entry-1351.html
 虚々実々たるプロパガンダ戦を目の当たりにする、という感じですね。
<スワン>
 現役女性閣僚であるダティ法相がシングルマザーになるというニュース(コラム#2778(未公開))には驚きました。
 フランス国内では、フランス国営テレビが子供の父親はアズナール前スペイン首相ではない(コラム#2788)と報道したほか、Le figaro(
http://www.lefigaro.fr/politique/2008/09/03/01002-20080903ARTFIG00417-rachida-dati-confirme-sa-grossesse-.php
http://www.lefigaro.fr/politique/2008/09/04/01002-20080904ARTFIG00009-rachida-dati-annonce-qu-elle-attend-un-enfant-.php

Le monde(リンク切れ)
Le point (
http://www.lepoint.fr/actualites-politique/l-affranchie/917/0/271825
等、主要メディアで報道がされています。でもそんなに大騒ぎしていない印象なのは、他人の恋愛に口出ししないフランスの伝統なのか、それともサルコジ大統領の意向なのでしょうか。
 そういえば、サルコジ大統領がセシリア前夫人と離婚したとき、次の大統領夫人はダティ法相と噂されていたのを思い出しました。カーラ夫人と争っていた(コラム#2788)とはどこまで本当なんでしょうね?
 日本で、もし国会議員がが未婚の母になったら、次の選挙が危うくなるのではないでしょうか。さすが自由とアムールの国フランスですね。
 私は春に、コンコルド広場近くのリヴォリ通りで、ダティ法相とすれ違ったことがありますが、すらっとして若々しく、モデルみたいに綺麗な女性でした。恋人がいて当然だと思います。
 ところで、Le point誌で小池百合子議員が取り上げられていました。
http://www.lepoint.fr/actualites-monde/pour-la-premiere-fois-une-femme-brigue-la-tete-du-gouvernement/924/0/272178
 「日本で初めて女性が政治の頂点を目指す」と書かれていますが、小池氏が次の首相になる可能性はあるのでしょうか?
<太田>
 お久しぶりです。
 客観的に見て、小池百合子氏は、麻生太郎氏より、能力においても政治センスにおいてもはるかに優れていると私は思っています。(小池氏についてはコラム#2036、2137、2694等、麻生氏についてはコラム#931、1423、2064参照。)
 次期自民党総裁/首相は麻生氏で決まりでしょうが、麻生氏が安倍、福田に続く元首相の七光り組の掉尾を飾る、戦後最低の首相として、自民党を崩壊に導くことを心から期待しています。
 小池氏が今回の総裁選で、麻生氏に次ぐ二位につけることができたら、彼女には自民党崩壊後に再編されるであろう政界で首相になる可能性がマジ出てくることでしょう。
 なお、ダティ法相妊娠のニュースをフランス国内のメディアが余りとりあげていないのは、国営放送の税金での運営方式ないしそのトップの政治任命制への切り替え構想のぶちあげ(http://www.guardian.co.uk/world/2008/jun/27/france.television
。9月10日アクセス)等、メディア規制を強めているサルコジ大統領への慮りもあるのではないでしょうか。
<雅>
 –まあ、すごい時期に–
厚生労働省から労基署に通達が渡ったようです。
名ばかり管理職に対する通達
http://www.asahi.com/job/news/TKY200809090067.html
 しかしこんな時期にこんな通達だしたら、物価高で外食を控える消費者と原材料の高騰で苦しんでいる外食チェーンにとどめの一発を刺すようなものではないですか?
 もう少し、時期を考えれば良いと思うのですけど、皆様どう思われますか?
<太田>
 厚生労働省で思い出しましたが、私が(コラム#600、2256、2455で)かねてから批判の対象としてきた、(旧厚生省出身の)横尾和子最高裁判事が任期を残して辞任しました(
http://www.asahi.com/national/update/0904/TKY200809040086.html
。9月4日アクセス)。
 遅きに失したきらいはあるけど、横尾さん、よい決断でしたね。
<衆愚>
 コラム#2703「不貞について」を読みました。
 青二才な阿呆の僕が言うのも変でしょうが、先生はまともな恋愛をされた事がないのかな?
 最後の先生の考察部分は普通に2chで炎上する可能性があるので非公開にすべきだと思います。
 次の選挙は民主に投票しようと思っているので、訳の解らない妄言を垂れ流すのはやめてくださいね。
 民主党の候補だった、知識人たる言説を期待しています。
<太田>
 どうも、コラム#2673「性科学の最新状況」(未公開)や#2703の趣旨を読み違える人が多いですねえ。
 コラム#2745(未公開)で私の恋愛観を記したところです。
<びり江>
 大学で、結婚は不自然な制度だと力説している民法の先生がいたっけなぁ。
 フリーセックスの時代ってあといつ来るんでしょうか。
<太田>
 そうこなくっちゃ。
 世界の動きを軟らかい頭でフォローしましょう!
 避妊法の発達によってセックスが生殖から完全に切り離されるとともに、男女とも性的に成熟してから60年も生き続けるようになった現在、これまでの結婚観や恋愛観がそのまま維持できないのは明かだと思いませんか?
 ただし日本の場合、とにもかくにも第三世界並みの女性差別状況の抜本的是正をまずなしとげなければ話になりません。
 私は、戦後日本の女性差別状況が、これを所与のものと勘違いした日本の著述家達による誤った、あるいは雑ぱくな結婚観や恋愛観の垂れ流しをもたらしていると思っています。
 コラム#2745の中でも、漫画家の一条ゆかりさんと作家の石田衣良氏の恋愛観の雑ぱくさを指摘した次第ですが、現在の日本人の結婚観や恋愛観の歪みに大きく「貢献」している二人として、私は、作家の渡辺淳一氏と脚本家の橋田壽賀子氏をあげたいと思います。
 渡辺氏については、「以前から、2,3度、渡辺淳一さんの本にチャレンジするも、今度はこのおじさんのウブさが気にかかり、いつもなじめない私。そう、おじさん、百戦錬磨の女ったらしのような視点から書いてる?のかも?しれませんが、私にはデリケートでウブなおじさんの夢物語にしか思えない。(ついでに世間知らずと身勝手も追加しようかな。)大いに流行ってる愛ルケだから、ちがうかと思ったけど、今のところ同じ印象だな~。このおじさんには、女のことなんて一生わからないんじゃないか、と確信を強くした私。」(
http://plaza.rakuten.co.jp/ilovelecreuset/diary/200710020000/
。9月10日アクセス)というある女性の『愛の流刑地』評がすべてです。
 橋田氏については、彼女の「夫婦にとって大切なのは“愛”じゃない。一生続く“情”と“絆”です。」「私なんか、主人が浮気しても全然、恐くなかった。男の浮気なんか、最後まで続くはずないんだもの。――“情”と“絆”が最後は勝つと。でも、女の浮気は恐いですよ。浮気ですまなくなるから。ただね、浮気から本気になってついていった男を見てみると、前の亭主とたいして変わらない男だったりするんです。もっと悪い男だったりもする。女は、そこが馬鹿なんですね。」という発言(
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20080821/168490/?P=1&ST=life
。9月1日アクセス)はことごとく普遍性のないたわごとです。
 どうしてかって? 少し自分で考えてみてください。
 
<読者HA>
 ビクター・チャの長々と詳細な議論にたいし、太田サンの(コラム#1779での)軽い一撃が愉快です。
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太田述正コラム#2782(2008.9.10)
<金正日重病?>
→非公開