太田述正コラム#2898(2008.11.7)
<皆さんとディスカッション(続x300)>
<コバ>
女性にとって愛のないセックスは苦痛以外のなにものでもない(太田コラム#1701)ならば、「愛」を女性に与えられる男性だけしか女性とセックスして子どもを得ることが出来なくなる時代がすぐに来るかもしれませんね(子づくりに男性が必要ない世界!)。
性問題については、英国、もしくはブラジル(太田コラム#2018)が世界で最先端を進んでいるのでしょうか。
ところで、NHKラジオで聴いた限り、日本の女性はほとんどが年収600万円以上の男性と結婚したいそうで、200~400万円ぐらいで4%程度、それ以下は論外みたいな結果でした。自分は爺さんになるまでエロ本を愛するしかないのか、そもそも爺さんになるまで生きれるのか…orz
<太田>
「女性にとって愛のないセックスは苦痛以外のなにものでもない」の前に「平均的な・・・女<性におい>ては」、がついていることをお忘れでは?
なお、ブラジルが性問題について最先端を進んでいる、と言えるのかどうかは疑問です。
英国(コラム#2800)については、おっしゃる通りかもしれませんね。
<ゴリポン先生>
消費税については、ぜいたく品の税率を上げ、食料など生活必需品の税率を低くするという意味で、最高税率の引き上げには賛成です。ただし、それには「インボイス」の導入が絶対必要だと思います。
(インボイスについては野口悠紀雄氏著「『超』税金学」および
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B6%88%E8%B2%BB%E7%A8%8E%E6%B3%95
のインヴォイスの欄を参照。)
インボイスのない消費税は益税が生じやすく、税の捕捉が困難になると考えます。また、税制一般について申しますと、土地の有効利用を促進するため、土地保有税の実効税率を1~3%にする
(古いデータになりますが、
http://wp.cao.go.jp/zenbun/keizai/wp-je98/wp-je98bun-3-5-3z.html
を見ると、土地保有税の実効税率は0.3%ほどになっています。)
そして研究員や取締役、さらには一般社員のモチベーションを上げるため、所得税の大幅減税をやるといいと思います。あわせて、税をきちんと取るため、徴税に関わる人の増員の必要性を感じます。
<安保>
KYさんとやら、英国、東欧で働けばインテリだとでも思ってるの?
田母神幕僚長の論文を“こき下ろす”貴方の能書きこそつまらんの一言だ。
どこの大学出てるのか知らないが、まさしく貴方の文章の無知蒙昧貧のなさ。
「文は人なり」。故に太田さんと似たもの同士良き友達になるのだろうけど・・・。
KYさん曰く↓
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次に、原文そのものですが、そもそも論文の体裁が全く整っていません。
「日本は侵略国家」であったかどうか議論するなら、「侵略」の法的定義の歴史的変遷をきちんと論述した上で、当時の(といっても、開国から昭和20年まで結構な期間があり、交戦国も多岐にわたりますが)日本の国策を議論しなけりゃ、いくら書いてもゴミです。仮にも高級士官ともあろう者が、全く一時資料も引用せず、主題との関係が不明な事柄を羅列しています。(コラム#2896)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
貴方は論文に文字制限がないと思っているの?法的定義の歴史的変遷を?何言ってるの?
貴方にとって反論の隙無き嫌味タッらしく、難解こそが論文なのか?
あれだけ分かり易く簡潔平易に貴方に書けるのか?
「難しいことを易しく」これが頭の良い人の文章だ。
所詮、類は類を呼ぶって奴か・・・。
まあ、反面教師としては適当なのかも。失礼。
<自民党不投票運動>
–田母神論文の否定は亡国への道だ–
自民党不投票運動
日本政府は、中共の傀儡政権に成り下がったのか。田母神論文の正しさを見よ。
http://www.apa.co.jp/book_report/images/2008jyusyou_saiyuusyu.pdf
もし村山談話を支持するなら、もはや日本は独立国足り得ない。
この論文を否定する麻生太郎、浜田靖一は中共の犬に成り下がった。いずれこの両名には天誅が下るに違いない。
次の総選挙に自民党が政権を維持することはない。まともな日本人は自民党に投票しないからだ。自らの愚かさに早く目覚めるべきだ。
<太田>
こりゃ面白い。
理由は何であれ、自民党離れが進むのは大変結構なことです。
確かに自民党も日本の「右」もだらしないことおびただしいね。
何度も日本に関する歴史認識で「米国が日本に民主主義をもたらした」等の(韓国ばりに言えば)「妄言」を吐いてきたブッシュ大統領ですが、彼は、昨年の8月22日に以下のような極めつきの「妄言」を吐いています。
「・・私が今言った敵とはアルカーイダのことではないし、攻撃とは9.11のことではない。また、帝国とはオサマ・ビンラディンが夢見る過激なカリフのことではない。それは1940年代の日本帝国の軍部(war machine)のことであり、真珠湾奇襲のことであり、帝国を東アジア全体に押しつけようとした試みのことだ。最終的に米国が第二次世界大戦で勝利し、その後米国はアジアで更に二つの陸上戦争を戦った。・・・われわれが極東で戦った諸戦争と今日われわれが戦っている対テロ戦争との間には違いが多々ある。しかし、一つの重要な類似点は、核心にあるのがイデオロギー闘争だという点だ。日本の軍部や朝鮮の共産主義者達は人間世界に正しい秩序をもたらすという容赦なきビジョンに突き動かされていた。彼らが米国人達を殺したのは、彼らがイデオロギーを他の人々に押しつけようとしたところ、その行く手にわれわれが立ちふさがったからだ。」(コラム#2017)
この時、自民党の議員の中からも、「右」の論客の中からも、ブッシュ批判の声は全くあがりませんでした。慰安婦問題ではあんなに喧しいのにね。
残念ながら、というか、当然のことながらと言うべきでしょうが、「左」からも何の声もあがりませんでした。
声を上げたのは、ひょっとして日本中で私だけだったかも。
その時、あなた方お二方は何してたの?
ブッシュに、米国に怒り狂わなかったの? 自民党や「右」の連中に絶望しなかったの?
全然知らなかった?
ホントにあんたら、おめでたいよなあ。
<海驢>
≫・・・伊藤乾氏のコラムに出てくるアメリカ兵のエピソードは考えさせられました。≪(コラム#2896。moshika)
そんな簡単に「単なる経験談」を信用しても良いのでしょうか?
外国TV局への取材時の対応が真実(または全て)とは限りません。
建前上、「あらゆる論評は「軍務規定違反」とされ、職位を失う理由とされてしまう」のでしょうが、実態が異なるのは以下の如く太田コラムでも取り上げられてきたところです。
≫イラクのタルアファーという都市に駐留している第3装甲騎兵の副連隊長であるインリン中佐による、Armed ForcesJournal5月号への将軍達を真っ向から批判した論考の発表です。この装甲騎兵連隊は、ブッシュ大統領がわざわざ言及したことがあり、現在バグダッドで展開されている治安作戦の模範となっただけに、インリン論考の衝撃は大きいものがありました。インリンは、この論考を発表することを上司に通知はしましたが、許可は求めませんでした。彼は将軍になる可能性を自ら捨て去ったと言えるのかもしれませんが、米陸軍を辞めるつもりはありません。彼は、この論考を事前に30名の同僚達に読んでもらったところ、中佐以下からは、ほぼ全員から賛同の声が返ってきたそうです。・・・(中略)・・・米軍内に漲っている下克上の気運がひしひしと伝わってきますね。≪(コラム#1771。太田)
≫仮にブッシュ=チェイニー・ラインがイラン攻撃を命じたとしても、ゲーツ(米国防長官)は自らこのことをリークし、或いは制服幹部達がこのことをリークするのを黙認することによって、この命令を覆すことを目論むでしょうし、それで覆せなければ、今度はファロン(前米中央軍司令官)が公然と異論を唱えて辞表を叩き付けることでしょう。≪(コラム#2074。太田)
これらの例から、米国軍人だって上官・政府と異なる意見を公表する(またはその可能性がある)ことが判りますし、それにより議論が行われ、異議に則った作戦・政策が決定されて事態が好転したということも生じています。
伊東乾氏については、当方も引用したこともあるのですが、ご専門以外の歴史認識等はかなり違和感ある人という印象です。当方が最初に読んだ記事は<「徐燃化」と海軍技術将校の記録 :http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20080811/167694/?P=1>でしたが、その誤謬の多さに呆れたものです。例えば以下の如く。
≫広島や長崎の原爆も、輸送機で運んで、落下傘をつけて投下したものです。(引用:伊東乾氏「徐燃化・・・」)≪
⇒広島へ原爆を投下したのは「爆撃機B-29」であり、エノラ・ゲイという機名は有名ですね。投下については、≫リトルボーイは・・・(中略)・・・放物線を描いて約43秒間落下した後、高度約600メートルの上空で核分裂爆発を起こした。(引用:広島市への原子爆弾投下 – Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%83%E5%B3%B6%E5%B8%82%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%AD%90%E7%88%86%E5%BC%BE%E6%8A%95%E4%B8%8B)≪という記述から「落下傘をつけて」いたとは思われません。長崎も同様。
田母神氏の論文については、張作霖爆殺=コミンテルン陰謀説(コラム#1881にて太田さんが検証済み)や盧溝橋事件=劉少奇指示説(証言者葛西氏の言う物証メモがない)など、いい加減な根拠を持ち出して脇が甘いと思いますが、日本の現状を憂えるお気持ちは伝わってきます。「論文に値しない」という意見もありますが、募集先が学会でも論壇でもないですし、平易で分かりやすいという面もあると思います。
いずれにせよ、田母神氏の論文が最優秀に選定された背景・理由は(論文の体をなしてないとか、内容が不十分とか、不適切とかを含め)、まだ明らかになっていません(もしかしたら米国様からの日本重武装化への布石かもしれませんし、もしかしたら民主党へのアシスト?)。
背景情報が十分でないうちから性急に評価を下すことには、少々違和感を覚えています。
<大>
田母神氏の行為につきましては、僕も太田さんや伊東さんと同じように感じますし、これをいかに厳重に処罰したところで憲法(特に21条)に反する可能性もほとんどないだろうと思います。
ところで、伊東 乾さんのコラムを読みました。
少し話がそれるのですが、
「アメリカが未だにアレルギーを持つ真珠湾攻撃」http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20081104/176177/?P=5
などの文章や、その他文章全体的に見ても、太平洋戦争において日本は被害者だったという認識や真珠湾攻撃あたりの事実に触れること自体などは、米国が相当敏感に反応する認識や行為なのかなという印象を受けました。
従軍慰安婦の問題は人権にも関わるし、なんとなく危険っぽいのはわかりますが、これも同じようなものですか?
真珠湾攻撃について単に米国が加害者よばわりされるという不愉快さ以上の何かしらの背景があるのでしょうか?
太田さんも確か戦前の歴史認識は結論としては田母神氏と概ね同じだというお話だったと思いますが、(コラム#2888、もっとも「買いかぶりすぎだ」ともおっしゃっていますが、)太田さんの認識も同様に米国に対しては危険なのですか?
これまでのディスカッションシリーズで太田さんがもうこの話にうんざりしているような空気が出ている中、KYで申し訳ないのですが、よろしければ教えてください。
<太田>
上述したブッシュの歴史認識は、無知な米国民(「米国民の知的劣化」シリーズ・・コラム#2890、2892(未公開))の歴史認識の程度を示すものだと思えばいいでしょう。
しかし、(現在、形の上では袂を分かったとはいえ、)ライト牧師に私淑していたオバマは、このブッシュの歴史認識が誤っていることが分かっている、とあえて断言させてもらいます(コラム#2546。なお、#2520、2521、2523等も参照されたい。ちなみに、ライトは原爆投下と9.11同時多発テロを同一視している(#2520))。
米国が未曾有の自信喪失に陥っている現在、そして、米国が有色人種差別という業病をようやく克服しつつある現在、(ちょっと恥ずかしいけど)太田史観・・戦間期の米国はファシズム/共産主義音痴でかつ有色人種差別意識に凝り固まっていて、あろうことか、「自由民主主義」日本に敵対し、日本帝国を瓦解させることで東アジアに未曾有の大災厄をもたらした・・に、少なくとも米国の、オバマを含むインテリの多くが真剣に耳を傾けてくれるであろうことを私は確信しています。
<moshika>
海驢さんへ。
>外国TV局への取材時の対応が真実(または全て)とは限りません。建前上、「あらゆる論評は「軍務規定違反」とされ、職位を失う理由とされてしまう」のでしょうが、実態が異なるのは以下の如く太田コラムでも取り上げられてきたところです。 (太田コラム#1771、#2074)の例から、米国軍人だって上官・政府と異なる意見を公表する(またはその可能性がある)ことが判ります
これは示していただいた例からその通りですね。
>それにより議論が行われ、異議に則った作戦・政策が決定されて事態が好転したということも生じています。
私は、伊藤氏の例から、田母神氏が「政府見解に反する歴史解釈を、政府高官が公に述べること」について、騒ぎになることすら予測されていなかったこと、当然、職を賭すなどお考えになられていなかったこと(田母神氏の「私、実は、これほどですね、大騒ぎになるとは予測していませんでした。もうそろそろ日本も 自由に発言できる時期になったのではないのか、という私の判断がひょっとしたら誤っていたかもしれません。」等の発言から、そう理解しました。)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081104/plc0811040009000-n1.htm
と、建前だとしても「あらゆる論評は「軍務規定違反」とされ、職位を失う理由とされてしまう」ことを認識している米国軍人とのギャップに、驚きを感じた次第です。
海驢さんに示していただいた例にでてくる米国軍人でも、自分の行動の影響とそのリスクを見極めて行動しているように見受けられます。田母神氏は行動の影響が読めていない上での御主張ですから、その異議に則った政策が決定されるはずなどあるわけがなく、稚拙であったのではと評価します。
(通常なら田母神派の?)東洋学園大学准教授・櫻田淳氏も、「空幕長論文の正しさ・つたなさ」と題して、田母神論文が「正しい議論」と評価されたとしても、時局に即した「必然性」がない(「賢い議論ではない」)と述べられています。
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/081107/acd0811070337000-n1.htm
>いずれにせよ、田母神氏の論文が最優秀に選定された背景・理由は(論文の体をなしてないとか、内容が不十分とか、不適切とかを含め)、まだ明らかになって いません(もしかしたら米国様からの日本重武装化への布石かもしれませんし、もしかしたら民主党へのアシスト?)。背景情報が十分でないうちから性急に評価を下すことには、少々違和感を覚えています。
新たな情報から、評価が変わることはあり得ますね。しかし、現時点で田母神氏の論文がもたらすであろう結果の評価を聞くとネガティブな印象を持たざるを得ません。
太田さんによれば、
「自衛官幹部を内局で課長や局長として勤務させて政策決定に関与させ、国会答弁の場にも立たせることで、彼らに political correctness 感覚を身につけてもらう必要があるのです。ところが、田母神氏は、呆れるほどのKYぶりを世間に晒してしまい、ために、自衛官幹部の内局での上述のような 形の勤務の実現を阻害する虞れが出てきました。」(太田コラム#2893)
「田母神氏は、自衛官幹部全体に対する信頼を失墜せしめ、内局を制服・背広混成組織にすることに対する疑念を生ぜしめ、防衛省の組織改革の最大の眼目の実現を阻害しかねない」(太田コラム#2888)
とのことで、自衛隊の未来に不利益を招くことが予想されます。
私見ですが、今回の田母神氏騒動で好転する事態をなんら見出せません。民主党へのアシストになるとしても、上記の付随的不利益を見ると肯定評価はできません。
ところで一点、民主党が、田母神氏の問題を受けて、統合幕僚長と陸海空3幕僚長の計4ポストを国会同意人事とする自衛隊法改正案を今国会に提出する検討に入ったようですが、これはどのように評価されるべきかは御教授賜りたいところです。
http://www.asahi.com/politics/update/1106/TKY200811060294.html
<太田>
そんなことになれば、全省庁の事務次官や局長クラスについても国会同意人事にすべきことになりかねません。
それより、統合幕僚長や陸海空3幕僚長、とりわけ統合幕僚長を親任官
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%8D%E8%A8%BC%E5%AE%98
にしていない、という非常識さこそただちに改めるべきです。
<Keizoo>
–(情報求ム)Gmail転送トラブルについて–
コラムを一旦Gmailのアカウント(アドレス)で受信し、別メールアドレスに転送するように設定されている方から、しばしば転送されない事象が発生するとの連絡をいただきました。
原因として考えられるのは、
1.Gmailのシステムに起因するもの
2.Gmailの個人アカウント設定に起因するもの(転送設定、フィルタ)
3.メール転送先のプロバイダに起因するもの
4.メール受信者の環境に起因するもの(メーラー、スパムフィルタ、ウイルス対策アプリ)
であり、2と4であれば設定次第で容易に解決できます。
ついては、同様のケースが他にあるのかどうか確認したく、
1)発生頻度はどの程度?(どのコラム番号が転送されなかったか?)
2)他の受信メール全般でも同様に発生しているか?太田コラム限定か?
3)Gmailの転送設定は?
参考:私の場合、メールの転送設定は、Gmailの[フィルタ]、subject:(太田述正コラム)でフィルタ設定しています。
以上の情報をお寄せいただくよう、お願いいたします。
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太田述正コラム#2899(2008.11.7)
<オバマ大統領誕生(続々)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x300)
- 公開日:
オバマの勝利演説を見る限りでは、彼もブッシュと同様の歴史認識を持っていると思われますがいかがでしょうか。
(11/4)オバマ氏の勝利演説(全文)
http://www.nikkei.co.jp/senkyo/us2008/news/20081105u0bb5000_05.html
”爆弾が(真珠)湾に落ち、圧政が世界を脅迫した時、彼女は偉大な世代が立ち上がり、民主主義を救うのを目撃した。イエス・ウィー・キャン。 ”