太田述正コラム#2940(2008.11.28)
<皆さんとディスカッション(続x320)>
<衆愚政治?>
 音楽のコンクールは審査員の評価ですよ。
 審査員が「良い」と言ったものだけが作品として優れているならば、どうして生前に評価されないアーティストが存在するんでしょうかね?
 それぞれの主観が時代を経て変わっただけの事だと思います。
 一つお聞きしたいですが、バッハの無伴奏パルティータとビートルズのホワイトアルバムはジャンルは違いますが音楽です。
 主観によらずにどう優劣をつけますか?
 また、その判断の根拠が誰かの主観でない根拠は?
 まさか、聴いた人の数です?
 とまれ、格付けを付けたがるのは日本人も同じのようですね。
 典拠もなしに太田さんを、こんな駄文に付き合わせてしまいました。
 申し訳ありません。
主観によって文化の優劣を付けるのはエスノセントリズムに繋がります。
→訂正
主観によって文化の優劣をつけるのは
×
文化の優劣をつけるのは

→再訂正
生前に評価されない×
生前に評価されず、没後、最評価される○
 これが言いたかっただけです。
<太田>
 もう少しよく考えてから投稿して下さいね。
 要するにこういうことでしょう。
1 「文化」の優劣をつけることは可能だ。
2 「文化」の優劣をつけるにあたっては、ジャンル分けを適切に行うことが大前提となる。(『文人見立 東海道五十三駅』(コラム#2938)なんてのはダメ。日本人は「無差別級」にこだわりすぎる。)
3 また、審査員を適切に選ばなければならない。
4 それでも、「文化」の優劣をつけるのはむつかしい。(コラム#2848参照)
5 だからといって、(ジャンルにもよるが、)「人気」をもっぱら勘案して優劣をつけることは控えるべきだ。
6 以上を踏まえて「文化」の優劣を適切につけたとしても、それが後世くつがえされる可能性がある。時代によって優劣をつける尺度が変わりうるからだ。
<ドイツゲーマー>
コラム#2935(未公開)を読みました。
 次々と通説がひっくり返されていく大恐慌の研究は面白そうです。
 典拠の方に登場したChristina Romer(UCバークレー教授)は、次期CEA委員長だそうですね。
<太田>
 CEA=経済諮問委員会(Council of Economic Advisers)ですね。
 ちなみに、ローレンス・サマーズ(Lawrence Summers)元財務長官・前ハーバード大学学長(コラム#600、638、639)が国家経済会議(National Economic Council、NEC)委員長になります
http://www.afpbb.com/article/politics/2542614/3553941
が、船頭が多くなりすぎないかな。
 「米国は有色人種差別的帝国主義国だった」と書いたコラム#2937(未公開)の感想はないんですか?
<HN>
 環境関連で良く読む武田邦彦(中部大学)先生のブログでも、
 『…「アメリカの属国から独立した日本へ」という政策を掲げる政党はないものだろうか? 日本に駐留しているアメリカ軍にはお引き取りいただき、イラクやアフガニスタン侵攻については距離を置き、日本からアメリカへの輸出に際しては半分を円決済にし、アメリカの経済システムを「汗をかく」システムに変更する・・・変えなければならないことは多い。
 次の総選挙までに、現在の政策と異なる政策を打ち出す政党は出現して欲しいもの
だ。そしてマスメディアも少しは本質に切り込んで欲しい。
(平成20年11月23日 執筆)』
http://takedanet.com/2008/11/post_48b6.html
と主張されています。
 以前の私は、えっ日本が属国?と思っておりましたが、約1年間太田ブログを拝読す
るうちに属国からの独立や政権交代を強く願うようになっております。
 現在、太田著書二冊購入し読んでいます。
 これからも益々のご活躍を、九州・・・より祈念致しております。
<太田>
 著書お買い上げありがとうございます。
 実際には名簿に載っていたのに勘違いで呼びかけをしてしまい(コラム#2936)、失礼しました。
 そもそも、「たかじん」効果で有料読者になられた多数の方々が、今月末で2度目の更新期を迎えることをすっかり忘れていました。
 この中で、ご自分で気がつかれて更新料を払い込まれたのは女性のあなただけだったのですが、おかげさまで、残りの方々にも昨日、注意喚起のメールを出すことができました。
 そうしたら、さっそく下掲のような、更新メールが寄せられました。
<IT>
 去年、秋から有料読者ですが、内容のレベルが高いですが、頑張ってついていきます。 「吉田ドクトリン」の放棄と「日本のアングロサクソン化」も大賛成です。
 くれぐれもお体をお大事に。
 時々は、体のためにコラムを休止されても読者は納得すると思いますよ。
 でも、「革命家」の太田さんは死んでも本望だとおっしゃるんでしょうね
 これからも、知的好奇心溢れるコラムを楽しみにしております。
<KM>
 出来る限り配信された日に読みたいと思っているのですが、2,3日遅れで拝読することが多いですが、必ず目を通しております。
 非常に勉強になり自分の仕事にも活かせるためずっと継続させて頂くつもりです。
 くれぐれもお体にはご留意ください。
<太田>
 それでは、例によっていくつか記事を挙げておきます。
 麻雀が、発祥の地の支那ではなく、日本で無形世界遺産に登録されちゃうんじゃないか、と人民網がちょっとジョークっぽい「真面目」な記事を掲げていました。
http://j.peopledaily.com.cn/94447/94451/6541246.html
(11月27日アクセス。以下同じ)
 国籍法改正について、自民党の女性代議士(弁護士)が、DNA鑑定導入への疑念を提示していました。確かにそうだよね。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081127/plc0811270311005-n1.htm
 1987年の大韓機爆破事件が韓国諜報機関のでっちあげだったというストーリーをねつ造し、前政権下の諜報機関が、事件の実行犯である金賢姫を追い詰めた、というおぞましい話を朝鮮日報が大々的に報じました。
http://www.chosunonline.com/article/20081126000052
http://www.chosunonline.com/article/20081126000053
http://www.chosunonline.com/article/20081126000054
http://www.chosunonline.com/article/20081127000014
http://www.chosunonline.com/article/20081127000015
 今年のガーディアン「ヘタクソ・セックス描写」文学賞が発表され、同紙に候補作の「・・描写」の抜粋が載っています。英語の不得意な方も、想像力を働かせて読んでみたら?
http://www.guardian.co.uk/books/2008/nov/25/bad-sex-award-shortlist
 ラテンアメリカの若者被殺人率が世界中でずば抜けて高い、というデータが出ています。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/7750054.stm
 小泉改革の行き過ぎと第三の道模索の必要性を訴えたコラムは興味深い。
 私の「縄文の顔をしたアングロサクソン化」の提唱と重なり合う部分があります。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20081127/178458/
(11月28日アクセス。以下同じ)
 東京のテーマレストランを列挙したガーディアンの記事がありました。
 テーマレストランって何だですって?
 英語の不得意な方も、この記事は店ごとに写真がついているので、ご覧になれば、お分かりになりますよ。
http://www.guardian.co.uk/travel/2008/nov/27/tokyo-theme-restaurants-japan-food?page=all
 米国ではオバマ人気が上がる一方です。
 本日も、久しぶりにアタマの良い大統領が登場したと大喜びの記事
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/11/26/AR2008112603233_pf.html
と、憲法学者たる大統領が登場したことで、ブッシュ政権時代の(私が言うところの)米国のファシスト国家化が解消されることへの期待を述べた記事
http://www.nytimes.com/2008/11/27/opinion/27cohen.html?_r=1&ref=opinion&pagewanted=print
が出ていました。
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太田述正コラム#2941(2008.11.28)
<田母神空幕長解任事件について>
→非公開