太田述正コラム#13926(2023.12.23)
<映画評論101:ホリデイ>(2024.3.19公開)

1 始めに

 「『ホリデイ』(The Holiday)は、2006年の<米>国のロマンティック・コメディ映画。監督はナンシー・マイヤーズ、出演はキャメロン・ディアス、ケイト・ウィンスレット、ジュード・ロウ、ジャック・ブラックなど。休暇中にお互いの家を交換する「ホーム・エクスチェンジ」を題材にしている。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AA%E3%83%87%E3%82%A4_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

2 本題

 「批評家の一致した見解は「確かに甘美で感動的でさえあるが、『ホリデイ』はあまりにも完全に予想通りなので、観客は早めのチェックアウト時間を選ぶことになるかもしれない。」となっている」(上掲)で尽きており、この映画もストーリー評論を行うに値しません。
 そこで、まず、ホームエクスチェンジについて。
 「この仕組みの最大の利点は、宿泊費を支払う必要がないことである。自動車等の附帯物の利用が、可能な場合もある。また、まるで居住者のように生活することができ、異文化を体験できることも魅力のひとつである。しかしながら、各種条件を満たす旅行者を知人の中から探し出すことは極めて難しいことから、インターネット上の会員マッチングサービスを利用することが、一般的となっている。
 欧米では歴史も有り、かなり浸透してきており、利用者は数万人から数十万人に及ぶとされている。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B8
というのですが、こんなことがどうして可能なのか、が不思議です。
 本宅なら、高価なものや貴重品や重要書類等は別の家に移したり金庫に入れたりする必要があり、そういった事前準備が大変なはずなので、恐らく、別荘的なものの交換が中心なんでしょうが・・。
 それにしても、日本では聞いたことがありませんね。
 欧米等で日本の家の中では履物を脱ぐ、という文化が普及しないこともそうですが、ホームエクスチェンジ文化が欧米等に存在するのは不思議です。 
 次に、美人論を。
 何かの催し物の時に並んで立った(確か)木村文乃とチェ・ジ・ウ、CMで共演した永野芽郁と深田恭子/多部未華子、
https://www.oricon.co.jp/news/2080397/photo/4/
なのですが、単独で見れば木村文乃も永野芽郁も大変な美人であるところ、どちらもブスに見えてしまった経験があるところ、この映画でも、ケイト・ウィンスレットとキャメロン・ディアスが並ぶと前者がブスに見えてしまいました。
 『タイタニック』のヒロイン、ローズ役では絶世の美人に見えたのですが・・。
 このように美醜は相対的なもので、その時の相互の年齢差・・旬の時期の違い・・にもよります。
 なまじ、美人過ぎると、高齢になった時、昔を覚えている人には、コントラストで、美人でなかった女性に比して、その老醜により大きな衝撃・・はっきり言えば嫌悪感・・を与えられたりもします。
 女性の立場からはどうなのかを想像するのは困難なので措くとして、男性の立場から見て結婚が長続きすることが珍しくないのは、相手の「劣化」が連続的なのでそれに慣れてマヒしてしまうことに加え、愛情・・最初は雄としての、それからは家族としての・・が目を曇らせてくれるからでしょうね。