太田述正コラム#2671(2008.7.16)
<日本文化チャンネル桜収録記 3>(2009.1.23公開)
1 始めに
昨日の1914に、下掲のようなメールが届きました。
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明日の討論のタイトルですが、最終的に「在日外国人問題と移民政策」にさせていただきました。
移民問題に現在の在日外国人問題を加味させていただきます。
以下、最終的な番組情報です。
ご確認の程、よろしくお願い申し上げます。 草々
日本文化チャンネル桜
○○ ○○
記
タイトル:「闘論!倒論!討論!2008 日本よ、今...」
テーマ:「在日外国人問題と移民政策」
「移民」は日本を救うのか?滅ぼすのか?その是非を、現在の在日外国人問題も含めて議論していただきます。
収録日時:平成20年7月16日(水曜日)午前10時~13時30分
放送予定日:前半 平成20年7月17日(木曜日)夜8時~9時30分
後半 平成20年7月18日(金曜日)夜9時~10時00分
スカイパーフェクTV!241Ch. 日本文化チャンネル桜
収録場所:
弊社Aスタジオ(渋谷)
パネリスト:
(敬称略50音順)
浅川晃広(名古屋大学・大学院国際開発研究科・講師)
出井康博(ジャーナリスト)
太田述正(元防衛庁審議官)
桜井 誠(在日特権を許さない市民の会 代表)
西尾幹二(評論家)
平田文昭(アジア太平洋人権協議会 代表)
村田春樹(外国人参政権に反対する会 事務局)
司 会:
水島 総(日本文化チャンネル桜 代表)
鈴木邦子(桜プロジェクト キャスター)
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私は、テーマの拡大により、議論が発散してしまうのではないか、という危惧の念を持ちました。
また、熱心な読者の一人にこの確定パネリスト全員のお名前を伝えたところ、ざっと各パネリストの移民問題等への見解をネットで調べてくれました。
その読者によれば、どうも、浅川氏を除き、移民受入反対派ばかりらしいというのです。
こりゃ、またもや針のむしろにすわらされるな、と私は慮らざるを得ませんでした。
2 実際にはどうだったか
(1)始まる前
少し早めに「桜」に着いたためか、初めて控え室に通されました。
既に3名のパネリストとおぼしき方々が、熱心に議論をされていました。
それから収録室に移動し、パネリストの皆さん(前回ご一緒した西尾幹二氏を除く)と名刺交換をしました。
うれしい驚きであったのは、村田氏が、私のコラムが実に面白いので愛読しているとおっしゃったことです。しかも、拙著『防衛庁再生宣言』も読んでおられる。何と古本屋で7,700円で購入された由。9月に1冊ないし2冊出る私の新著、新新著は、将来高騰するであろうから、出たらただちに購入する、とおっしゃるのです。
村田氏は、拙著を読んで目から鱗が落ちた思いがしたのは、米国独立は英本国が英軍の北米駐留経費(の一部)を植民地側に負担させようとしたからだ、というくだりだったと付け加えておられました。
(2)始まってから
収録の際には、前夜急遽追加された在日外国人問題は余り話題にならず、もっぱら移民受入問題について議論が展開しました。
私は、移民受入問題は安全保障問題の一環である、というところから話を始めました。
ところが意外や意外、私の心配は杞憂に終わりました。
というのは、桜井誠氏を除くパネリストの皆さんの中には、司会の水島氏を含めて、移民受入(正確には移民大幅増加)絶対反対論者はおられず、むしろ、現在の日本政府・・私に言わせれば、属国政府・・に、移民受入問題に関するものを含め、広義の安全保障政策について、政策立案能力ないし意欲が欠如している点を憂慮される方ばかりだったからです。
このように、本日の議論の前提について、パネリストの間で一種のコンセンサスがおおむね成立していることを発見して、私は正直驚きました。
ところで、今回、パネリストの中でフリップを使ったのは私だけであり、かなり効果的な使用ができたと自画自賛しています。
パワーポイントのファイルをメール添付で「桜」に昨日送り、フリップにしてもらったのですが、このファイルは、読者SMさんに作成していただいたものです。
フリップの一枚目(コラム#2665)の末尾に、SMさんは、『寛容性と包摂性は世界帝国に限らず、いかなる国であれ、その国が繁栄するための必要条件である(太田述正)。』 を付け加えたらどうかと提案され、一も二もなく賛成させていただいたという経緯があります。
SMさん、そして「桜」のスタッフの方、まことにありがとうございました。
ちなみに、収録中と休憩時間を通じ、西尾氏及び水島氏と私とが一番「対立」したのは、西尾氏が単純労働者の受け入れ絶対反対を唱えられたのに対し、私がいいとこ取りはできないと反論した点と、水島氏が支那人と韓国人の移民受入に強硬に反対され、私が、支那人については理解できる部分もあるけれど、韓国人については全く懸念に及ばないのではないかと反論した点です。
水島氏は、自分は映画監督であると言われた上で、カンヌ国際映画祭で主演女優賞をとった韓国映画「シークレット・サンシャイン」(
http://www.cinemart.co.jp/sunshine/
)を鑑賞すれば、どうして韓国人の移民受入に自分が反対するか分かるはずだ、とおっしゃっていました。
こうなれば、逃げ隠れできません。
私は、機会をみつけて、必ず映画館におもむくつもりです。
収録終了後、私から西尾氏と水島氏に、アングロサクソンのバスク起源論(コラム#2271)をご説明しておきました。お二人とも目を丸くして聞いておられました。
今度は、私自身、少し「桜」の番組進行に慣れてきたこともあって、自説を落ち着いて説明できたように思いますが、番組そのものとしても、議論がかみ合っただけに、充実した内容になったのではないでしょうか。
日本文化チャンネル桜収録記 3
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