太田述正コラム#3051(2009.1.23)
<皆さんとディスカッション(続x376)>
<Nelson>
≫内局キャリアによる、自分達の権限縮小を回避するためのマヌーバーの一つと見るべきかもしれません。≪(コラム#3049。太田)
 内局キャリアの方が「安全保障のプロ」であることを自称しているのなら、自らの権限縮小回避のためだけに重要な運用事項には内局を噛ますという算段をすることは、考えにくいですね。
 しかし、そのような小細工を内局キャリアの方々が自らの保身のためだけにしたのなら、彼らは防衛省内の滑稽な道化になりつつありますね。
 もっとも、安全保障のない国の防衛省自体が道化なのですが・・・。
<michisuzu>
≫michisuzuちゃん、マジ、日本での女性を対象としたアファーマティブアクション(議員や会社役員に女性を一定の割合以上占めさせる)導入の是非についてどう思う? 直感でもいいですよ。≪(コラム#3049。太田)
 う~ん、これは難問ですね。
 正直北欧では成功しているかに聞きますが。
 現在でも自民党の女性議員の中でまともな人が約3人(名称省略)くらいしか見当たりませんし。
 野党でも数人いるかいないかです。
 今の女性議員のレベル(一般的日本の女性のレベルでなく議員に出馬する女性のレベルです)では無理に増やすのはかえって議員の質を貶めるのではないでしょうか?
 数十年掛けて徐々に増えていくのがベストではないでしょうか?
<太田>
 難問でも、「問題」を見てから回答を書くまで5分ちょっとというのはさすがだねえ。
 ところでmichisuzuちゃんは会社役員についても同じ意見なのかなあ?
 また、政治家のまとも率、男性議員の方が高いと思ってるわけね。
 本当にそうかな。
 深澤真紀さんが次のようなことを言ってますよ。
 「男性グループの中で、1人だけが女性である「紅一点」状態。「紅一点」でいることを好きな女性というのは、けっこう多いものです。 ・・・
 「紅一点女子」の大きな特徴は、「女性には厳しいけれど、男性にはかなり甘い」ことです。・・・
 一方で、「男性化」や「おやじ化」を図ることで社会や組織の中で生き延びる「おやじ女子」という存在もいます。
 「おやじ女子」<も>・・・「紅一点女子」と同じように、女性に対して否定的な感情を持つことが多いのです。 ・・・
 これからは、男性が男性を、男性が女性を、女性が女性を、そして女性が男性を、それぞれに、お互いに合った方法で助け合えるようにするためにも、まずは女性同士がお互いを育て、育てられる方法を身につけることが大事だと思うのです。 」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/skillup/20090121/183356/
 あなたは「紅一点」と「おやじ女子」のどちら?
 いやーどうも。おちょくってゴメンなさい。
 あなたは太田コラムの読者になる以前から、日本の政治の現状はひどい、政治家もひどいって思ってたんでしょう。
 そのとおり、そしてその原因は吉田ドクトリンにある、と私は主張しているわけです。
 しかし、あなたが示唆しているように、男性より女性の政治家の方が更にひどいのだとすれば、その原因は他に求めなければならない。私は、日本の男女差別の深刻さ(注)がその背景にあると思っているのです。
 (注)コラム#310に係る(このコラムの中身とは関係ない)質疑応答参照。なお、この時の質問者から「自らをフェミニストと思ったことは無いと仰いますがここ<で太田さんが>・・・上げられている考え方はフェミニストのそれと殆ど変わりがありませんよ。」という指摘は、今考えて見ればその通りだと思う。
 日本の平均的女性の社会参画の度合いは男性に比べて、はるかに(先進国としては考えられないくらい)低い。その結果、日本の多くの女性は、意図するとせざるとにかかわらず、無責任極まる存在になってしまっている。
 このことが、日本の経済の生産性を低め、政治の生産性を一層低め、かつまた日本に少子化をもたらし、その挙げ句、日本の大部分の女性も、そして大部分の男性までをも不幸にしてしまっている、と思うのです。
 そもそも、私は自分の身近に幸せな女性を見たことがない。
 ずっと、これは私の近親、友人、職場等の特殊事情かもしれないと思っていたんだけれど、しばらく前から、そうではあるまいと思うに至りました。
 深刻な男女差別の下で、大部分の女性は、低次元の欲求不満が鬱積するばかりで悶々としているということではないだろうか。
 私は、上田令子さんやmichisuzuちゃんのような女性に、もっと日本の女性の状況の深刻さを直視して欲しい。
 その上で私は、深沢さんご推奨のように、日本の女性同士が協力し合い、男性の協力者を募り、(ここから先は恐らく深沢さんとは違うけど、)日本で本格的な男女共同参画社会を実現する「革命」に乗り出して欲しいと思っているんです。
 こういった文脈の中で、どうして私が女性を対象としたアファーマティブアクションを唱えているかを理解して欲しいんだな。
 michisuzuちゃんのカンが鋭いところ、決断が早いところは、上田さんとよく似てる。
 上田さんは、現在東京の江戸川区議だけど、将来は国政に携わる志をお持ちであるとも聞いています。あなたにも冗談抜きで一度は政治家になって欲しいな。応援しますよ。
<χχχ>(http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1196337365/l50x
おーたん、タグ使おうよ。(コラム#3049での「一読者」投稿参照。)
メルマガもテキストメルマガじゃなくてHTMLメルマガにしようよ。
 

引用文

 おーたんコメント

 

読者コメント

 おーたん回答
って書けば、きっと見やすくなるお。
<keizoo>
 

タグを使ってhtml形式のメールにすれば、見やすくなる利点はありますね。ブログもhtml形式で問題なく表示されますし。
 <しかし、>変更した場合のデメリットとしては、以下が考えられます。
1)新たにタグを入力する手間が増える。
2)過去のバックナンバーコラムをアーカイヴとして配信する時、今はテキスト形式で作成されているので、その中にタグが混じると見づらくなる。
3)携帯電話でメルマガを受信されている人は、タグ入りだとどう見えるんでしょう?私は携帯メールを使ってないのでよくわからないです。
 メールの形式として、htmlメールは以前は敬遠されていたのですが、最近はどうなんでしょう?
 個人的な意見としては、現状のままでいいのではないでしょうか。
 長期的には、バックナンバーの検索を容易にするためにも、アーカイヴをベタ打ちテキストでない形式にする手もありかと思いますが・・・。
<SF>
 ファリード・ザカリア「それでもアメリカは世界の中心だ」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090120/183238/
 ちゃんと英米欧を分けて語っていることなど、太田コラムを読んでいるかどうかで読み取れる内容が変わりそうなインタビュー記事です。だけど、「日本モデル」はいただけないですね。(民主主義に体制変革されたわけではありませんからね)
 「日本が米国から独立しようとする考えはバカげている」もです。
<太田>
 彼が言っている「独立」とは、日本が米国と中共双方に対して中立的スタンスをとることを指していると思います。
 いずれにせよ、ザカリア自身が日本あるいは日米関係についてあまり詳しくなさそうなのに、ザカリアの言うことを有り難がって拝聴する、日経ビジネスの姿勢自体、噴飯ものです。
<SF>
 「オバマ大統領は何をどう“change”するのか」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20090116/182813/
 宮田先生の主張は毎度ごもっともなので、今回だけことさら取り上げるのもなんなのですが、属国という表現が出てきたので、つい引用してしまいます:
<引用>
 日本の政策やマニフェストと呼ばれているものは論理性と具体性が欠けていることに気がつかれるだろう。米国は日本より、はるかに科学的論理的な国の経営を 戦略的に行おうとしているのだ。日本の科学技術政策がこのままでは、いつまで経っても属国のような立場から抜け出せない。

<雅>
 いま、話題の消費税問題ですが、マスコミの皆様がこぞってこの問題を報道していますが、2011年に増税論を報道をするだけで<す。しかし>、
第一、 2011年現在でも自民党が政権与党という保証はないのに、党内決定の論争を昔の自民党内での争いの如く報じるのは全くナンセンスである。少なくとも、現在の参議院の与党は自民党ではない。
第二、 消費税の増税論のアナウンスにより消費者の購買欲を下げ景気を減速させるのは必定で、少なからず定額給付(これもばからしいが、、、)若しくは減税をする効果を簡単に打ち消すのは明確である。(橋本内閣時の消費税増税論の効果をみれば一目瞭然
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%8B%E6%9C%AC%E9%BE%8D%E5%A4%AA%E9%83%8E
 しかしながら、マスコミが政府の御用聞き(いいなりと言った方がいいですね。)となっていると考えれば全ての辻褄が合いますよね。マスコミがマスコミとして機能していないのは、金太郎飴みたいな報道をみれば明確にわかりますね。
 やっぱし、一度自由民主党と鉄のトライアングルを一度壊さなきゃいけませんね。
<太田>
 コラム#3050(未公開)で私が行った岡崎久彦氏批判を補足するような投稿をしていただき、ありがとうございます。
 さて、本日ご紹介する記事は、台湾についての不思議な記事です。
 わざわざ読むほどの記事ではありませんが、お暇な方は、このURLをクリックしてみてください。
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-betel-beauty22-2009jan22,0,780835.story
 写真が3枚出てくるのですが、Before you jump to conclusions, she isn’t selling her body なのですぞ。
 何と、彼女達はキンマの実(betel nuts)をドライバー達に売りつける商売をしている(させられている)のです。
 もとは日本帝国の領域だったとはいえ、台湾は近くて遠い国でもあることを実感させられます。
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太田述正コラム#3052(2009.1.23)
<オバマの就任演説(続)>
→非公開