太田述正コラム#14513(2024.10.11)
<皆さんとディスカッション(続x6044)/映画評論150:インターステラー>
<太田>
安倍問題/防衛費増。↓
なし。
ウクライナ問題。↓
<パーチパチ。↓>
Ukraine Strike on Russia’s Shahed Drone Hub Sparks Chain Detonations–Massive Attack on Russia Sees Over 140 Ukrainian Drones Strike Nine Regions・・・
https://www.newsweek.com/ukraine-strike-russias-shahed-drone-hub-sparks-chain-detonations-1966799
<だから?↓>
「・・・ロシアの独立系世論調査機関「レバダ・センター」が実施した世論調査結果によりますと、ウクライナ侵攻は利益よりも弊害の方が大きいと考えるロシア人の割合が47%に達しました。
侵攻がロシアにとって利益をもたらしていると回答した人は28%でした。
侵攻がもたらす弊害として、回答者の52%が死や苦しみ、悲しみを挙げました。
21%が兵士の死亡、18%が物価上昇や多額の軍事支出など経済状況の悪化を挙げています。
弊害をもたらしているとする回答は女性や若者などに多くみられたということです。
レバダセンターによりますと、調査は対面式で行われ、政権への反対意見を述べにくい状況にもかかわらず、半数近くが侵攻に否定的な回答をしたことになります。・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E4%BA%BA%E3%81%AE%E5%8D%8A%E6%95%B0-%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E4%BE%B5%E6%94%BB%E3%81%AF%E5%BC%8A%E5%AE%B3-%E4%B8%96%E8%AB%96%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%81%A7%E6%98%8E%E3%82%89%E3%81%8B%E3%81%AB/ar-AA1s1t1b?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=1d5000952edd425fa6d9838885b4b389&ei=11
ガザ戦争。↓
<着々。↓>
22 killed in deadliest strike in central Beirut since start of war–Israeli strikes hit central Beirut on Thursday night in an attack local health officials said killed 22 people and injured 117.・・・
https://www.washingtonpost.com/world/2024/10/10/beirut-strike-lebanon-deadliest/ <とにかく、国連平和維持部隊・・執行部隊は異なる・・は無用の長物。↓>
Peacekeepers wounded by Israeli fire in Lebanon, U.N. says, as tensions rise–Israeli forces have fired at three U.N. positions in the south of Lebanon, the United Nations said Thursday, escalating a nearly week-long standoff with peacekeepers.・・・
https://www.washingtonpost.com/world/2024/10/10/israel-un-lebanon-border-peacekeepers-hezbollah/
それでは、その他の国内記事の紹介です。↓
なし。
日・文カルト問題。↓
<おめでとう!↓>
「韓国人初ノーベル文学賞の韓江氏「作家たちの努力と力がインスピレーション与えてくれた」 ・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2024/10/11/2024101180014.html
「韓国文壇の反応「韓江氏のノーベル賞受賞は遅すぎたくらい…K-POPやKドラマに続き『K文学』も快挙」・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2024/10/11/2024101180026.html
「韓江氏のノーベル文学賞受賞、韓国文化に新たな歴史【10月11日付社説】・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2024/10/11/2024101180034.html
「「アジア女性初のノーベル文学賞」韓江氏の受賞に日本でも祝賀と関心・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/324810
「ノーベル文学賞に韓江氏 韓国人初=「強烈な詩的散文」・・・」
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20241010003900882?section=society-culture/index
<報道価値乏しい。↓>
「「シャトル外交を継続しよう」…尹大統領・石破首相による初の首脳会談・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/324807
<文カルト健在?↓>
「・・・韓国・ソウル新聞は「日本に持ち出された韓国の文化遺産3点が日本の国宝に指定されていることが分かった」と伝えた。・・・
この記事を見た韓国のネットユーザーからは「日本は自分で作り出したものを国宝に指定するべきだ。なぜ他国のものを?」「日本は恥を知るべき」「盗んだものは返さないと。国宝に指定したのは、自分たちの窃盗行為を世界に知らせる戦略なのか?」など怒りの声が上がっている。
一方で「略奪されたものもあるけど、過去に日本人が朝鮮半島からもらったものも少なくない。日本が大切に保管していなければ研究すら不可能だったものもある」「大井戸茶碗のようなものは日本のおかげで現在まで原型のまま保管され、高い価値がついた。ちゃんと保管して展示してくれるならわざわざ返還してもらう必要はない」との声もある。
そのほか、「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権はこういう問題に全く関心がない。韓国にあるものだって日本にあげちゃうんだから」との声も見られた。」
https://www.recordchina.co.jp/b941793-s39-c30-d0191.html
中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
<邦語媒体より。
!!!!↓>
「・・・アジア・アフリカ語学部で日本語学科の教授は、ほとんどが旧満洲国の知識人か愛国華僑だった。愛国華僑というのは、日本に住んでいた華僑の人たちで、政府の「祖国が新中国になったよ。すごく発展している。あなたたちの力が必要だよ」という誘いに乗って中国に渡った人たちだ。各国語に愛国華僑の先生たちがいたが、2世・3世なので中国語があまりできない人もいた。
旧満洲出身の日本事情を教える先生がいて、講義のたびに「満洲国は素晴らしかった」という話が出た。何がよかったかといえば、白米のご飯が毎日食べられたというのだ。
「きれいな字を書いてはいけません」
愛国華僑の先生たちは「自分たちは騙されて中国へきた」とよく話していた。共産党のキャンペーンに乗せられ、新中国をめざしてきたのに文革がはじまったというのだ。「あなたたちはようやく育った知識人なのだから、ちゃんと勉強しなさい。礼儀作法やマナーも身につけなさい」と繰り返し言われた。
共産党政権になってから、上流階級の礼儀作法は封建社会の文化だと否定されたからだ。むしろ、粗野であることはプロレタリアートの美徳であり、正しい生き方だと教えられた。
たとえば、毛筆できれいな字を書くことはブルジョアジーの悪い趣味で、汚い字を書くことこそ正しいと習った(耳を疑うかもしれないが、本当のことだ!)。・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B4%E3%83%AB%E5%87%BA%E8%BA%AB%E8%80%85%E3%81%8C%E6%84%9F%E5%8B%95%E3%81%97%E3%81%9F%E8%A6%AA%E6%97%A5%E6%B4%BE%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E6%95%99%E5%B8%AB%E3%81%AE%E6%95%99%E3%81%88-%E5%85%88%E7%94%9F%E3%81%8C%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E3%81%AE%E6%95%99%E7%A7%91%E6%9B%B8%E3%82%92-%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%AF%E5%85%A8%E9%83%A8%E3%82%A6%E3%82%BD-%E3%81%A8%E5%90%A6%E5%AE%9A/ar-AA1s1aGn?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=df4e0bc88f6b4e26ac7edfb64676bee1&ei=30
<ここからは、レコードチャイナより。
・・・。↓>
「・・・北京・・・市延慶区八達嶺鎮にある京張(北京―張家口)鉄路三堡区間で先日調査が行われた際、三堡駅の北側約200メートルの地点で長さおよそ300メートルの緊急退避レールが偶然見つかったと紹介。検証の結果、レールは1939年に旧日本軍が建設したものであることが分かった<。>・・・
全長約200キロに及ぶ京張鉄路は100年余りの歴史を持ち、たびたび戦火や災害ダメージを受けてきたことから、初期のレールが残っていたことはラッキーだったという。1939年に山崩れが発生して三堡駅の線路と駅舎が全て押し流され、その後旧日本軍が同駅の修復を行った際に長さ300メートルの待避線を新設したとみられる。
・・・北京日報・・・記事は、今回の待避線発見について「日本軍による中国侵略の史実に新たな実物の証拠がもたらされた」とも伝えている。」
https://www.recordchina.co.jp/b941762-s25-c100-d0193.html
<まあまあ。↓>
「<卓球>中国女子監督、日本に敗れ「辞めろ」コール、拍手で応え表彰式を欠席・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b941771-s25-c50-d0192.html
<日中交流人士モノ。↓>
「<卓球>張本美和の強さに中国で驚きの声・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b941770-s25-c50-d0190.html
<ご声援に深謝。↓>
「<サッカー>「日本すごすぎ」「恐ろしい一面見た」と中国のファン感嘆=日本代表がサウジに快勝で首位独走・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b941831-s25-c50-d0052.html
<ご愛顧に深謝。↓>
「・・・「中国メーカーのEVの購入に興味があるか」との問いに、「ある」と答えた割合は、中国本土では90%、東南アジアでは73%、中東では65%、インドでは58%、欧州では41%だった。
中国との貿易紛争がある米国では「意外にも」29%に上り、最も低かったのは日本と韓国の14%だった。
・・・中国メディアの快科技・・・記事は、日本の自動車市場について「8月のプランド別販売台数ランキングのトップ10はすべて国内ブランドで、中国の比亜迪(BYD)はトップ20にも入っていない」と紹介し、「それに比べて、中国人は日本車の受け入れに寛容だ」と伝えた。」
https://www.recordchina.co.jp/b941766-s25-c20-d0192.html
<よろしい。↓>
「中国人か、羽田空港で女性2人がつかみ合い=ネット「恥さらし」「マナー守って」・・・香港メディアの香港01・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b941790-s25-c30-d0052.html
<太田>
–人間主義–
次回の東京オフ会では、前回に引き続き、八幡市講義用原稿を取り上げ、前回の続きの部分を深化させつつ紹介するつもりでいるところ、当然、「人間主義」を論じなければならないわけだが、ネットで調べていたら、私が見落としていた二つの本を見つけた。↓
G・クラーク『ユニークな日本人』(1979年):α
浜口恵俊『間人主義の社会 日本』(1982年):β
この間に、私は、「「日本型」経済体制論」(1980年)という論文
https://www.ohtan.net/eng/
を上梓しているが、それは、中根千枝らの日本文化論、や、種々の日本的経営論、の出来の悪さに辟易し、自分なりの対案を取り敢えず提起できたという思いだったのだろうが、だからこそ、αは無視し、βは買ったものの、全く読まないまま私の書架に埋もれていた(!)のだろう。
(ところで、太田HPの無料公開部分の中で、私の前掲論文が原文たる日本語では紹介されていなさそうなのは、困ったことだ。)
で、今回、αは買い、βは書架の中から探し出し、読んでいるのだが、この2著を読んでおれば、大いに参考になり、私の人間主義論がずっと早い時点で完成していた筈なのに、と、今になって臍を嚙んでいる。
それにしても、これまで、太田コラム読者が、誰もαやβの存在について私に対して注意喚起をしてくれなかったことはまことにもって残念でならない。
日本史オタク的な読者はいても日本論オタク的な読者は皆無だったということなのかも・・。
(先回りして申し上げておくが、幸い、私の人間主義論の方が、日本文化論ないし日本文明論の補助線として、この2著よりもはるかに出来が良い、と断言できるとは思う。
また、誤解する向きがあるかもしれないので念のために申し上げておくが、私の「「日本型」経済体制論)」は、私の人間主義論で乗り越えられたというわけではなく、互いに補完し合う関係にある。)
–映画評論149:インターステラー–
わずか4年弱前の2020年12月にアマゾンプライムで鑑賞した(コラム#11711)ばかりだったことを完全に忘れていて、先日再鑑賞してしまったところの、「『『インターステラー』(原題: Interstellar)は、2014年公開の<米>国の・・・SF映画<で、>・・・監督はクリストファー・ノーラン」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A9%E3%83%BC_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
だが、今回の鑑賞で気付いたのは、この映画の裏テーマは、父と娘の間の精神的インセスト(近親相姦)ではないか、ということだ。
これは、鑑賞後、下掲を読んで、確信に変わった。↓
「ジョナサン・ノーラン<が単独で執筆した>・・・当初の脚本では<主人公>クーパーの2人の子供はどちらも男の子であったが、自身も娘を持つ・・・監督<の>・・・クリストファー・ノーラン<・・脚本担当の2人(もう一人のジョナサンは実弟)のうちの1人でもある・・>が<準主人公の>マーフの性別を女の子に変更した。」(上掲)
(なお、ジョナサン・ノーランにだって娘はいる!
https://en.wikipedia.org/wiki/Jonathan_Nolan )
ちなみに、クリストファー・ノーラン(Sir Christopher Nolan。1970年~)は、英国生まれの英米二重国籍者で、University College Londonで英文学が専攻した人物であり、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3
その妻のエマ・トーマス(Dame Emma Thomas。1971年~)は、 英国人で、官僚の娘で、同じUniversity College Londonで古代史を専攻した人物であり、
https://en.wikipedia.org/wiki/Emma_Thomas
この映画は、この学歴エリートにしてサーとデイムにまで上り詰めたパワーカップル、と、他の1人、が制作したものだ。
母と息子の間のエディプスコンプレックス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%97%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9
だけでなく、父と娘の間のエレクトラコンプレックス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9
の方もだって、昔から指摘され、文芸作品にもなってきた事柄だし、後者については、和製英語であるマザーコンプレックス、就中マザコン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9
まで存在するのだから、この父娘インセスト・タブーが、SF作品の中で取り上げられても不思議ではない。
むしろ不思議なのは、そのことがこの映画の評論群の中で指摘されていなさそうなことだ。
なお、この映画では、主人公たる宇宙飛行士とその娘、重要な役割を果たす物理学者とその娘、という2組の精神的インセストが、かなり執拗に描かれている。
インセスト・タブー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%96%E3%83%BC
については、動物界のそれを含め、十分な研究がなされているとは言い難いが、劣性遺伝回避のために一般に近親相姦は回避されると考えられている一方で、人間界では、相姦中最も子孫を残しやすいためか、回避どころか、相姦を通り越して、文明、文化によっては部分的に奨励されることもあったところの、兄弟姉妹間の兄弟姉妹婚、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%84%E5%BC%9F%E5%A7%89%E5%A6%B9%E5%A9%9A
とは違って、母息子間、と、父娘間、では、結婚はもとより、単なる相姦もまた、強くタブー視されてきているけれど、母息子間よりも父娘間の方が、年齢を勘案すると生物学的に子孫を残し易いこともあるためか、少なくとも精神的な相姦(インセスト)がない方がおかしいと言えよう。
逆に言うと、主人公が幼い息子を喪失したことをトラウマ化して長く引きずるという『マイノリティ・リポート』の設定(コラム#14511)は嘘っぽいこと甚だしい、と言うべきか。
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太田述正コラム#14514(2024.10.11)
<中田力『日本古代史を科学する』を読む(その12)>
→非公開