太田述正コラム#3093(2009.2.13)
<皆さんとディスカッション(続x397)>
<太田>
 コラム#3092「在イラク米軍の歴史的大回心(その3)」(未公開)の最後の方、「4 終わりに」の最初の文章を、「いささか払った犠牲が大き過ぎましたが、(ペトラユースの「協力」の下での)オディエルノの回心により、米国は、ようやくのことで、イラクの泥沼的状況を打開することができたのでした。」に訂正します。
<TK>
≫以後、ROMに徹します。≪(コラム#3091。kujo)
 まことに残念です。もう少し議論を見守りたかったのですが・・・
FYI:
 アメリカ大統領選候補者であったマケインの子息が再びイラクに配属される予定であったことと、副大統領候補であったペイリンとバイデンの子息がイラクに従軍している、ということに言及しているアイゼンハワーの息子のエッセイを紹介している太田述正コラム#2819(2008.9.29)もあわせて参照ください。
<遠江人>
≫以後、書き込みを慎みます。≪(同上)
 これに懲りずにまた出直してみてください。
 太田コラムの投稿子に必要な条件の一つは打たれ強さですから。
<Nelson>
≫真実を知りたい(その目的のために厳密に考えたい)というだけで,他意はありません.・・・・すみませんが,何を指して「まともな議論にならない」とおっしゃっているのか混乱します。≪(コラム#3089。ドイツゲーマー)
 
 真実が知りたいとお思いなのですね・・・。
 一番最初に「まともな議論にならない」と申し上げたのは、貴方がただ私への「勝」を求めているのか、「真実を共に探求」しにきたのかのメルクマールとして使用したまでのことです。
 残念ながら、その割に、おっしゃるのは「2つの聖断が重要な局面において天皇の意思が通っていた証拠だ」というご指摘だけで何もないし、また、節々に現れるあなたのご発言についても、その中身を見ると議論の勝敗だけにこだわっているような印象を受けていたので、私とあなたの求めるものが違うのだと理解していました。
 どうやら、私の設定したメルクマールは機能しなかったみたいですね・・・。
 さて、形式的議論はここまでにして、実質的議論です。
 最初に私は昭和天皇の「実質的責任」について、『ここでいう「実質的責任」の有無は、昭和天皇が第二次世界大戦あたりの帝国の政策(主に安全保障政策)に、実質的に相当程度関与したのか否かが基準(コラム#3059)』と述べたことを確認しておきます。
 以前もお聞きしたことだと思うのですけど、整理のためにもう一度。私は左翼の法学者様のご指摘で2つ説明していただきたいことがあるのです。
 1つは、「重要な局面」とは何か?わかる範囲で具体的にどの局面を言うのか答えて頂きたい。
 もう1つは、「2つの聖断が重要な局面において天皇の意思が通っていた証拠だ」というご指摘の理屈が承知しかねる。 
 私は「2つの聖断」は昭和天皇がとる立憲君主制の例外だと述べましたが、その「例外」によって、なぜ、立憲君主制を重視していたとされる期間における、「2つの聖断」の局面とは違う「重要な局面」において、昭和天皇が第二次世界大戦あたりの帝国の政策(主に安全保障政策)に、実質的に相当程度関与したといえるのかがよくわからないんです。
 「2つの聖断」は、太田様も指摘しておられる(典拠省略)ように、国民サイドで判断できなかった場合にとられた例外的な措置であったので、なお承服しかねるのです。
 とりあえず、最初の疑問だけでも答えていただきたいです。でないと、これ以上議論を続けるのはお互いに厳しいです。
≫それから,軍部を「国民サイド」とするのはちょっと疑問です.≪(同上)
 (皇族方もおられましたが・・・)軍人のほとんどは国民(臣民)であったので、「国民サイド」といったのですよ。
≫ご就職以外で「忙殺され」る「私事」というと・・・!!!≪(コラム#3091。太田)
 私事とは、アルバイトです。友人との卒業旅行(インドとその周辺)の飛行機代などを稼ぐために、平日はずっと働いています。
 今日は予定したアルバイトが急遽なくなったので、パソコンに向かう時間ができたのでした。
<太田>
 勉強もきちんとしていたようだし、しかも、アルバイトの傍ら太田コラムに投稿までしているMs.Nelson、頑張ってますねえ。拍手拍手。
 しかも、卒業旅行先がインド等とは見識が高い。
 インドに旅行すると、感受性の高い人はみんな哲学者になって戻ってきます。
 私は、インドを2回訪問したことがあり、若干インドには土地勘があります。
 太田ブログでインド関係のコラムにまとめてアクセスできるようになっているので、出発前にお時間があれば、目を通されることをお奨めします。
 できれば、お帰りになってから、旅行記をコラムにしてもらえるといいなあ。
<コバ>
 テレビ朝日の報道ステーションを見ていたら、小泉が麻生批判を始め、自民党内に動きが出るかもとのこと。民主党は小池+小泉の連携を非常に恐れているようです。政治能力や国際感覚など、太田さんをうならせる小池が自民党の顔、総裁になってしまうと、腐敗しきった自民党の延命がさらにさらにさらに伸び伸びに伸びまくってしまいます。何としてでも、非正規労働者の意地を見せて小池、小泉連中には自民党崩壊の憂き目を食らわしてやりたいもんですが…。ウルトラCで自民党、ぶっ壊せないかなあ…。
<太田>
 コバさんのこれまでの投稿の中でも最も冴えてる一つじゃないかな。
 私も全く同感です。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009021390011417.html
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009021390070751.html
 一番悪いのは小泉元首相です。
 大蔵/財務官僚の掌の上で、無能な女性議員を絵に描いたような田中真紀子を外相に据えたり、無能な男性議員を絵に描いたような「・・・小派閥の幹部だった<麻生太郎>を・・・首相当時、・・・党政調会長、総務相、外相に起用し続け、「首相候補に押し上げた」」り、
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090212/stt0902122213008-n1.htm
要は、ただひたすら、自分(や自分の地盤を次ぐ子供のために)の人気とりだけのために、自民党や自民党議員達、ひいては有権者をしゃぶり尽くす、ということをずっとやってきたのが彼なのです。
 何度も警鐘を鳴らしてきたことですが、小沢一郎が代表のままでは民主党の行く末が心配でなりません。
 本会議よりも党務を優先し、
http://news.livedoor.com/article/detail/4015230/
来日するヒラリー・クリントンの面会希望を袖にする小沢一郎。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090212/stt0902122025006-n1.htm
 こんな人物を党首に掲げたままでは、小池百合子クラスが自民党総裁にでもなったら、次の総選挙で、マジまたも自民党に負けるかもよ。
 さて、記事の紹介です。
 日立が英国の列車製造を受注したことが、同国の労組等の強い反発を呼んでいます。
http://www.guardian.co.uk/business/2009/feb/12/super-express-train-jobs-row
 日経ビジネスの次のシリーズ記事は面白い。
謝韜:・・・中国が改革開放を始めた頃は、日本の経済は良かった。だから鄧小平も開国の象徴のような明治維新に学べ、そして新幹線に追いつけと、当初は日本を見本にしていましたね。・・・ところがその後日本経済は衰退していった。そこでアメリカ留学組が持ち帰ったグローバルな競争原理を至上とする市場万能主義に傾いていったわけですよ。・・・
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20090204/184978/
 <20世紀はアメリカ型資本主義とソ連型共産主義とスウェーデン型民主社会主義という三つの社会制度が歴史の舞台でモデルコンテストを演じた時代だった。前二者は敗退し、民主社会主義が勝利を収めた>・・・
謝韜:08憲章・・・は、精神は理解できるんですけどねぇ……。しかし、今の中国における実現性という点から考えると、実現性は非常に薄いでしょうねぇ、残念ながら……。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20090212/185831/
 <>内は、ここに登場する謝韜氏・・どうやら現中共当局の思想的指南役らしい・・の考えを要約したものだが、ここだけはまるでダメですねえ。
 アングロサクソンと欧州両文明の対峙、という物の見方を彼らに教えてあげたいなあ。
 次は、めずらしく日本発の人間科学の成果です。
 「・・・ねたみの感情は・・・、身体的な痛みや葛藤などを処理する脳の前部帯状回が働いていることがわかった。
 <また、ねたましい人が不幸になったとき、人はうれしく思うものだが、このとき、>脳の線条体が活発に動いた。この領域は、社会的、金銭的な報酬を得たときに活動することがわかっている。
 <ちなみに>、ねたみにかかわる脳の領域の活動が高い人ほど、他人の不幸を喜ぶ領域で反応が強く出た。・・・」
http://www.asahi.com/science/update/0212/TKY200902120302.html
 英テレグラフ紙が、キスの科学的解明記事を載せ、
http://www.telegraph.co.uk/scienceandtechnology/science/4558541/Kissing-feels-so-pleasurable-due-to-hormone-surge-find-scientists.html
それをMixiがキャリーしていました。
 「・・・<実験で>キスしてもらったときの変化を調べてみると、ストレスホルモンのコルチゾールが減少した・・・。しかし、ストレスを軽減させ<紐帯を築く>・・・働きがあるというオキシトシンに関しては男性のみが上昇。その後、研究を繰り返したところ、女性の場合は・・・<実験の>ようなムードの少ない場所ではホルモンが急増しないことが分かった・・・。 ・・・<キスに伴い、>唾液に含まれるフェロモンが交換されることによって<上記>ホルモンが<分泌されるのではないか。また、>他人と細菌を共有することで体内の防衛機構を強化させ<ている。>」(Mixi(Gigazine)による最後の訳し方は不正確だったので直した。)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=49&id=748425
 michisuzちゃん、自分のmixi日記で紹介しているみたいね。
 コラム#2979でご紹介した、セックス中毒者の自伝「Love Junkie」の著者インタビューが出ています。
http://latimesblogs.latimes.com/jacketcopy/2009/02/rachel-resnick.html
 英国でも結婚する人がどんどん減っています。
http://www.guardian.co.uk/uk/2009/feb/13/1
 サルコジ仏大統領と彼の現夫人のカーラとが初めて会った日の二人のやりとりがガーディアンとBBCに出ています。
 いやもうまいりました。
 ・・・when Bruni told the recently divorced French president that she knew about his reputation for womanising, Sarkozy replied: “My reputation is no worse than yours. I know you well without ever meeting you. I understand everything about you . . . You make love because no one makes love to you. I know everything about you because I am so much you.”
 For some unexplained reason Bruni missed the opportunity to switch seats at that point, but everyone else at the table stopped talking. Sarkozy went on: “We will announce our engagement. You will see, we will do better than Marilyn and Kennedy,” he said, citing a relationship not often used as a benchmark for success. How hard do you have to try to do better than Marilyn and Kennedy?
 ”Engagement? Never!” replied Bruni. “From now on, I will only live with a man who gives me a child.”
 To this, Sarkozy said: “I have already brought up five. Why not six?”
 At some point in the conversation, Sarkozy raised a few potential difficulties, including the effect of the paparazzi on their relationship. “When it comes to the celebrity press, you are an amateur,” said Bruni. “My encounter with Mick [Jagger] stayed secret for eight years. We passed through all the capitals of the world and no photographer ever caught us.”
 ”How could you have stayed eight years with a man who has such ridiculous calves?” said Sarkozy. Who thinks the most ridiculous thing about Mick Jagger is his calves?
 So far, so excruciating. But then Sarkozy apparently leaned over and whispered in her ear: “Bet you don’t have the nerve right now in front of everyone to kiss me on the mouth.” Perhaps this sounds better in French. Bruni made no reply. He asked her to spend Christmas with him. She said no. ・・・
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2009/feb/13/relationships
 ・・・She was later given a lift home in the presidential car and gave Mr Sarakozy her phone number. They did not spend the night together, insists Mr Seguela.
 Within minutes of arriving home, Ms Bruni is said to have called her host and declared: “Your chum – what charm, what intelligence, what attention, what energy, what seductiveness. But I find him a bit of a boor. I left him my number and he still hasn’t called.”
 Within seven weeks they were married.
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/7885580.stm
 なお、最初の方の記事では、ブレア前英首相、クリントン元米大統領、ブラウン英首相、オバマ米大統領、それぞれの結婚相手との最初の出会いの際のやりとりを想像したスキットが出ており、抱腹絶倒ものです。
 なお、彼らはみんなパワーカップルで、共稼ぎでっせ。
 どこかの国はまるでまるで遅れてるねえ。
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太田述正コラム#3094(2009.2.13)
<米国・バチカン関係史>
→非公開