太田述正コラム#3099(2009.2.16)
<皆さんとディスカッション(続x400)>
<michisuzu>
≫小沢よりマシな人、民主党にいくらでもいますよ。 例えば、私が直接知っている人では鳩山由紀夫。直接は知らないけれど、よさそうな人では野田佳彦。≪(コラム#3097。太田)
 野田さんが民主党で最も立派な政治家であることは私も認めます、岡田さんも十分に素晴らしいとは思いますが、彼らは首相としては能力あると思いますが、政権奪取のパワーとしてはいささか豪腕振りが不足していると思うのです。
 自民党から政権奪取する時のパワーは小沢さんが一番だと思っています。
 政権奪取後の2代目首相は岡田さん、3代目が野田さんなら民主党は9年間は政権が取れると思います。
 小沢さんの欠点については私も必ずしも擁護しませんが、およそ欠点の無い政治家は居ないのですから。
 ようはバランスでしょう、現時点は日本の憲政史上初の政権交代なのですから、ここは目をつぶって小沢さんに賭けましょう!ってことですよ。
<ωψχ>(http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1196337365/l50x
 あなたは現職の国会議員の中で、首相に最もふさわしいのはだれだと思いますか。1人だけ名前を挙げてください。
 鳩山由紀夫
 99年1月 0.2% http://www.fnn-news.com/archives/yoron/inquiry990117.html
 99年10月 1.7% http://www.fnn-news.com/archives/yoron/inquiry991009.html
 01年2月 2.1% http://www.fnn-news.com/archives/yoron/inquiry010223.html
 08年9月 1.7% http://www.fnn-news.com/archives/yoron/inquiry080926.html
 08年11月 3.4% http://www.fnn-news.com/archives/yoron/inquiry081201.html
 09年1月 1.9% http://www.fnn-news.com/archives/yoron/inquiry090112.html
http://www.fnn-news.com/archives/yoron/inquiry080714.html
 Q12. 9月に代表選挙が予定される民主党の次期代表に一番ふさわしい人は誰だと思いますか。次の中から1人だけお選びください。
  小沢 一郎 現代表 24.4
  菅 直人 代表代行 13.0
  前原 誠司 前代表 10.4
  岡田 克也 元代表 8.4
  鳩山 由紀夫 幹事長 8.3
 はとやん、人気無いよねー。
 頼りなさそうなのが政治家としてはダメなんかなー。
<太田>
 michisuzuちゃん、こんな風に典拠をつければ、読者のみんなのためになるんだよ。
 あなたの意見・・インターネット空間上では完全な匿名の意見・・なんて何の権威もないんだから。
 michisuzuちゃん、単なるトリックスター
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC
で終わって欲しくないから色々注文をつけてんだよ。
 分かって欲しいなあ。
<michisuzu>
 <コラム#3012「イスラエルのガザ攻撃(続々)(その2)」を読みました。>
 イギリスの2枚舌外交のお陰で延々と続く不幸の連鎖は一体いつまで続くのでしょうか?
 イスラエルを応援するアメリカのユダヤ資本が衰えることも期待できないし、未来永劫この争いは解決できないのでしょうか?
 なんらかの解決手段って無いのでしょうか?
<太田>
 イスラエルは、基本的にユダヤ教徒の国ではあっても、その国民の大部分はもともと建国当初から世俗的な人々です。
 しかも、彼らは一層世俗化しつつあります。
 これに対し、パレスティナ人はハマスの隆盛ぶりを見てもお分かりのように、イスラム教原理主義化しつつあります。イスラム教は、そもそも原理主義的な宗教であり、何もなくてもその原理主義的傾向を強めていくというやっかいな代物です。
 ヨルダン川西岸も多かれ少なかれそうですが、とりわけガザは、パレスティナ以外のアラブ世界に逃げることができないところの、パレスティナ人の巨大な難民収容所になっていて、全世界からの施し物で命を長らえている・・ガザ住民に至っては、3分の2が国連によって「難民」に認定されている・・という閉塞状況の下、イスラム原理主義化が進行しているわけです。
 このような、いわば牢獄のような環境下で過去10年間にガザ地区で人口が40%近くも増える
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/7891434.stm
という無責任ぶりにも、現在のパレスティナ人の倒錯の度合いのひどさが伺えます。
 パレスティナ以外のアラブ諸国、とりわけエジプトとヨルダンが国境をパレスティナ人に対して開放し、難民収容所状況を解消する(コラム#3062(未公開)で紹介したジョン・ボルトンの3カ国オプションを参照)という決断を下し、パレスティナ住民(とりわけガザ住民)に改心(回心?)を促さない限り、「不幸の連鎖」はいつまでも続くでしょう。それまでは、「解決手段」など見あたりません。
 イスラエル国民の大部分は、従ってイスラエルの主要政党は、まさにパレスティナ「問題」を「解決」しないという「解決手段」を、見通しうる将来にかけて追求する決意を固めている、と言ってよいでしょう(コラム#省略)。
 ところで、村上春樹が、イスラエルの文学賞を受賞し、現地での授賞式でイスラエルのガザ攻撃等を批判しました。
http://www.asahi.com/culture/update/0216/TKY200902160022.html
 しかし、この文学賞(エルサレム賞)は、「社会における個人の自由」に貢献した文学者に隔年で贈られるものです。
 このような趣旨の文学賞はイスラム世界には存在しえない、ということくらい村上は分からないのでしょうか。村上は、ハマスのような「社会における個人の自由」を蹂躙する者の側に立ったと言わざるをえません。
 まさに、ダボス会議での、トルコのエルドガン首相・・このところのトルコのイスラム教原理主義化傾向には憂うべきものがある・・の言動
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/7860328.stm
を思い出させるものがあります。
 なお、本日公開したコラム#3014で、「今回の<イスラエルの>ハマス等に対する地上侵攻は、<2006年の>ヒズボラに対する地上侵攻よりも、はるかに円滑に進行するでしょうし、ヒズボラとはとは違って、ハマスは著しく弱体化するどころか、失権する可能性が高い、と私は思います。」と記したところですが、下掲のガーディアンの記事がこの私の予測の正しさを裏付けたところです。
 ・・・Amnesty International said Hamas forces and militias were involved in a “campaign of abductions, deliberate and unlawful killings, torture and death threats against those they accuse of ‘collaborating’ with Israel, as well as opponents and critics”.・・・
 Hamas apparently fears it lost some of its control in Gaza during Israel’s devastating three-week war and launched a new and violent crackdown to enforce its rule, targeting not only those suspected of giving information to the Israeli military but also escaped prisoners and all perceived internal opponents.・・・
 ・・・many Palestinians no longer felt affiliated to any political group, either Hamas or Fatah, its West Bank-based rival. “Politicians and the media think that there is a simple division between Gaza and the West Bank, between Hamas and Fatah … The majority of the Palestinian people today are with none of them.”
http://www.guardian.co.uk/world/2009/feb/13/hamas-gaza-murders-abduction-torture
<ψχω>(http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1196337365/l50x
中川大臣がG7でやっちまったらしい。
この人も東大卒。
<ミュンヘン>
 中川財務・金融担当相がG7閉幕後の会見でちぐはぐなやりとりで醜態をさらしました。http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00149442.html
 その前にもG7財政リーダーのミーティングでも居眠りをして外国メディアから皮肉を言われる始末。
http://blogs.abcnews.com/politicalpunch/2009/02/asleep-at-the-w.html
 麻生内閣の支持率も日本テレビの2月世論調査では9.2%と落ちる所まで落ちたという感じなのですが。
http://www.ntv.co.jp/yoron/200902/soku-index.html
これでも何とか持っているというのが不思議な日本という国ですね。
<太田>
 「中川昭一財務相兼金融担当相が、先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7) 閉幕後に行った14日の記者会見で、日銀の現在の政策金利を言い間違えるなど“迷言”を連発。ろれつが回らなくなったり目を閉じる場面もあったことから、 外国メディアの記者らから「深酒」や「居眠り」を疑われた。財務相同行筋は「今まで見た中で一番ひどかった」とはらはらした様子だった。」
http://news.goo.ne.jp/article/kyodo/politics/CO2009021501000408.html
 詳しくは、下掲参照。
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2009/02/16/01.html
 また、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090130-00000627-san-pol
http://www.asyura2.com/08/senkyo55/msg/825.html
も改めてどうぞ。
 なお、かねてから指摘しているように、日本の法学部(だけ)出は短大卒相当だと考えて下さいね。
 中川昭一もそうです。
 麻生、小沢同様2世政治家である彼もまた、裸の実力じゃまともな職には就けなかった男ですね。
 それどころか、中川なんて、即刻アル中治療のため入院しなきゃ廃人になっちゃうかもね。
 こんな人物をよりにもよって財務相兼金融担当相に起用するとは、精神障害宰相、麻生太郎の面目躍如と言うべきか。
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-090216X749.html?C=S
 これらすべてをもたらしたのは、性懲りもなく毎回自民党に票を投じてきた有権者達と、彼らを覚醒させようとしてこなかった日本の主要ジャーナリズムであり、論壇なのです。
 こんな脳死状態の日本がこれまでもってきたのは、米国が日本の外交・安全保障の基本担ってきており、かつ日本人の平均的能力が極めて高い、というただそれだけの理由からです。
<moshika>
 少し前の話になりますが、韓国では京畿道女性連続殺人事件(7人殺)をきっかけに、死刑執行の復活を求める声が高まったそうです。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090203/kor0902031928005-n3.htm
 そうした世論を先取りしてか、保守系各紙が容疑者の顔写真を掲載してしまい、法曹界からは抑制の声が上がっているとの事です(韓国は容疑者の顔や実名を出さないのがメディアの慣例)。
 http://www.47news.jp/CN/200902/CN2009020201000147.html
 これまでは実名を控えていたという点で、犯罪報道に関して日本より進歩的と思われる韓国ですが、死刑についても97年以降は執行されておらず、アムネスティからは「事実上の死刑廃止国」に分類されています。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/071230/kor0712301922001-n1.htm
 猟奇的大量殺人事件を期に韓国の死刑制度がどうなるか気になりますが、翻って我が日本です。これを期に太田コラムにおける死刑制度についてのコラム・ディスカッション(文末参照)を読んでみました。
 太田さんは
≫日本は憲法で戦争を放棄し、軍隊の保持を禁止しています。ですから、戦闘行為によって(軍隊にあらざる)自衛隊が人を殺すことも、自衛官が殺されることもありえません。この憲法の精神に照らせば、「国権の発動」としての殺人である死刑についても、許されてよいわけがありません。≪(コラム#2201)
として、憲法9条と死刑制度が並存する状況を批判的(皮肉的?)に指摘されていますが、その通りだと思います。
 少しweb検索してみますと、先達がいらっしゃるようですね。
 「(死刑制度の)違憲説は、つとに木村亀二などによって唱えられてきたが、その根拠の要旨は次の通りである。…さらに、憲法の9条は戦争の放棄を規定しているが、…戦争を否定することは個人的価値の優位を認め国家の絶対性を否認することである。他方で、死刑を肯定することは超個人的価値としての国家の絶対性を肯定することである。日本国憲法の根本原理は戦争否定の平和主義である以上は、その当然の帰結として、日本国憲法は国家的価値の絶対性の上にのみ可能な死刑を否定するものと見なければならない。」(p33~p34)
 
 合憲だという立場は違憲説をことごとく退けていますが、奥平康弘氏の「日本の違憲論は…パンチ力に欠けている。憲法の基本理念たる平和主義、…(などに) もとづく議論は、核心からは遠い抽象論」(p33)という言葉が日本の憲法における状況を表しているのでしょう。憲法は「核心」ではない、つまり日本国憲法には規範性は無いということですね。
(以上、註は下記URLより)
http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/bitstream/10086/8824/1/hogaku0010100210.pdf
≫ところが、憲法第9条墨守論者と死刑廃止論者とは必ずしもオーバーラップしていません。不思議で仕方がありません。≪(同上)
 実質的な9条墨守論者集団でありながら、その当然の帰結である死刑廃止・停止をしない自民党の支離滅裂ぶりを想起すべきですね。
≫他方、世界で死刑廃止論が主流になりつつあることにも私は奇異な念を抱かざるをえません。死刑を廃止した地域(例えばEU)にせよ国にせよ、日本の憲法第9条と同趣旨の憲法条項を持つところが一つもないからです。人間の世界ではどうしてこんな偽善がまかり通るのでしょうか。(死刑に係る誤審の可能性が喧伝されますが、戦争が過誤によって起こることがめずらしくなく、しかも戦争の過程で同士討ちや民間人の死者・・いわゆるコラテラルダメッジ・・が生じることが避けられないことを思い出してください。)≪(コラム#2201。太田)
≫普通の国が日本の憲法第9条と同趣旨の憲法条項を持つことはしたくてもできないと思います。そんな状況で、せめて平時における死刑は廃止したい、という気持ちは分からなくも無いのですが。≪(コラム#2208。遠州人)
 フランスは2007年に死刑廃止を憲法に明文規定したそうですね。
 その理由のひとつには、2004年にテロという「戦争の新しい形式」の「予防的措置」としての死刑復活が国会に議員立法で提案され(p248)、こうした動きに対する国家のあり方として「政治的」に憲法に明記したという経緯もある(p252)ようです。
 (以上、註は下記URLより)
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/legis/234/023408.pdf
≫どうして「世界が死刑廃止の趨勢にある」のでしょうか。 長くなるので簡単にしますが、それは、「世界で戦争が放棄される趨勢にある・・戦争が国際的警察行動で取って代わられつつある・・趨勢にある」ことと連動していると考えている、と申し上げておきましょう。≪(コラム#2451。太田)
      
 「戦争が国際的警察行動で取って代わられつつある」という指摘は良くわからないのですが、フランスの死刑廃止明記はテロの首謀者に対する死刑の復活すら退けられて行われた経緯があるので、その具体例として考えてよいのでしょうか。
 また、9条のようなものも他国で存在し得る可能性がありえるということでしょうか。
http://blog.ohtan.net/archives/51081797.html(コラム#2201)
http://blog.ohtan.net/archives/51082752.html(コラム#2203)
http://blog.ohtan.net/archives/51084758.html(コラム#2208)
http://blog.ohtan.net/archives/51086248.html(コラム#2212)
http://blog.ohtan.net/archives/51091222.html(コラム#2222)
http://blog.ohtan.net/archives/51173033.html(コラム#2451)
http://blog.ohtan.net/archives/50955090.html(コラム#743)
http://blog.ohtan.net/archives/51034272.html(コラム#2065)
<太田>
 見事にまとめられましたね。
<KT>
 近頃、不況だなんだのと騒がれています。
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/090214/fnc0902142044008-n1.htm
 自分は、アルバイト先で思ったのは、経済のみアングロサクソン化したことで、すぐ順応する人と、順応できない人に分かれてしまったのではないのかと考えました。
 あと、ゆとり教育を支持した国民全員に対し、若者は一揆を起こしてもいいんじゃないのかとも思ってます。
 こういうこと書くと、「左」なんでしょうね・・・。
<太田>
 記事の紹介です。
 女性が喫煙を始めるきっかけは深刻なようですね。
 ・・・Experience of depression, suicidal thoughts and lack of exercise have little impact on male adolescents’ smoking, while they serve as major causes of smoking among their female counterparts. In the case of female adults, if they undergo divorce, bereavement, or separation, they are more likely to smoke than men.
http://english.chosun.com/w21data/html/news/200902/200902160002.html
 オバマ新政権の対中政策は見物ですね。
  ・・・When Hillary Rodham Clinton needed a way to restore her reputation after the failure of her 1990s healthcare initiative, China provided the opportunity.
 As first lady, Clinton delivered a fiery speech on human rights at a women’s conference in Beijing in 1995, winning a worldwide following while dismaying her Chinese hosts, who banned coverage in the country’s official media.・・・
 Clinton has contended that the complex issues related to China should fall under the nation’s top diplomat, not economic officials, who controlled them during the Bush years, or others, ・・・
 Clinton wants a new focus on issues such as climate change, energy, human rights and China’s repression of Tibet. She wants to engage with the Chinese on difficult economic issues, including currency values,・・・
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-china-clinton15-2009feb15,0,134656,print.story
 日記をつけるのはとてもいいことらしいですよ。
 Dear diarists take heart. Writing about your feelings can help the brain overcome emotional upsets and leave you feeling happier, psychologists have found.・・・
http://www.guardian.co.uk/science/2009/feb/15/psychology-usa
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太田述正コラム#3100(2009.2.16)
<バレンタインデー抄(その3)>
→非公開