太田述正コラム#3107(2009.2.20)
<皆さんとディスカッション(続x404)>
<かえるくん>
≫イスラエルは、新たな過激派が生まれたら、充分に力をつける前にたたくということを繰り返すつもりでしょうか。 ≪(コラム#3017。マソン)
ども。参照項のひとつとして。
米ゴールデングローブ賞の(外国映画賞)と数々の賞を獲得したイスラエルのドキュメンタリー映画「バシールとワルツを」について町山智浩が紹介しています。
http://podcast.tbsradio.jp/st/files/st20090127.mp3
尚、本題に入るまでちょっと間があります。
因みに「戦場でワルツを」という邦題で夏頃に公開される予定です。
<太田>
マソンさんの1月初めの投稿のどこに引っかけたのかよく分からない投稿ですが、町山さんの話、面白かったです。
紹介していただき、ありがとう。
こういう反戦/自省映画がイスラエルでつくられることこそ、自由民主主義イスラエルの強みだ、と改めて思います。
<マソン>
<コラム#3103で>「日本では弘法大師が仏教を根付かせました」といったのはわりと常識的なことかと思ってそのまま書いてしまいました。
ふさわしい典拠がなかなかネットで見つからなかったのですが、こちらはどうでしょうか。
「仏教ー日本の仏教」『佛教学ー仏教についての総合的な百科事典』さんのサイトより
http://wiki.livedoor.jp/inaoka15/d/%ca%a9%b6%b5%a1%bc%c6%fc%cb%dc%a4%ce%ca%a9%b6%b5
仏教が伝来した頃については、「天皇自身は異国の神である仏教に対して天皇家伝統の傍観的態度で終始した」と書かれています。
空海、最澄の時代になってやっと、「化外の地域とされた東北地方まで天台・真言の僧が布教の足跡をのばし,仏教はほぼ日本全域にひろまった」のです。
最澄は空海から教えを受けています。
また日本であちこちのお寺をたずねると、空海がどんなに人気があるかわかりますよね。他のどんな僧侶とも比較になりません。
<太田>
ご紹介いただいたサイトは、最後の部分を除き、客観的な大変よい日本仏教史を記述していると思いました。
しかし、残念ながら、その中でマソンさんの主張を裏付ける記述は見あたりませんでしたね。
いずれにせよ、少なくとも、空海と最澄を併せて論じるべきだったのではないでしょうか。
なお、「最澄は空海から教えを受けています」なんてのも、典拠、例えば
http://homepage3.nifty.com/btocjun/rekisi%20kikou/kouyasan/3-kuukai%20saityou.htm
をつけましょうね。
>日本であちこちのお寺をたずねると、空海がどんなに人気があるかわかりますよね。他のどんな僧侶とも比較になりません。
ははは。マソンさんが空海の絶大なファンであることはよく分かりました。
<michisuzu>
≫michisuzuちゃん、天皇制や昭和天皇についてのスタンスはちょっと脇に置いて、天皇制存続の観点から自決/退位の是非を考えてみてごらん。 いや、考えてみても無駄なんだなあ。 相手は、天皇制存続を至上命題とするDNAを代代1000数百年にわたって受け継いできているプロ中のプロです。 我々どシロウトが束になってかかったってかなう相手じゃないよ。 恐らく間違いなく昭和天皇の判断の方が正しかったはずだ。≪(コラム#3105。太田)
支持されるはずもなく書いている私はそれは十分知っているつもりです。
→うぉ! 急に謙虚になったmichisuzuちゃん。(太田)
ただ日本国民の多くが疑いもせずに信じている2千年も本当にDNAが確実に継がれてきたという説には私は大きな疑惑を持っています。
→衝撃的な新説が飛び出したもんだわさ。(太田)
セックスに大らか(明治時代までは)な日本ではフリーセックスが常識なので、万世一系なんてほとんどありえないジョークだと思っています。
→典拠がいるよ! 涙目・・・(太田)
適当な典拠はありませんが、一般的な庶民よりも貴族などの上流階級がフリーセックスなのは万国共通の常識(太田様はご存知ないかも知れませんが)です。
http://ja.yourpedia.org/wiki/%E6%80%A7%E9%A2%A8%E4%BF%97
→典拠なき常識とはこれいかに??? それにしても、典拠がないと言いながら典拠らしきものつけないでよ。実際、典拠になってない!(太田=michisuzuちゃんに典拠を付けさせる会会長)
<ベラドンナ>
リンク先のyourpediaの基本方針「Yourpediaは、あらゆる意味で情報の正確性を保証しません」に笑ってしまいました。
<マソン>
天皇陛下の責任の取り方ですが、私は、なにがなんでも生き残ることで責任を取ったと考えていて、michisuzuさんは自決か退位でしか責任を取れなかったと考えておられるわけですね<(コラム#3105参照)>。
私は、昭和天皇は生き残るという責任を果たして、天皇制・日本文化・日本国民を守ったと考えています。
michisuzuさんは、自決か退位という責任を果たして、日本人に責任の取り方を学ばせるべきだったということでしょうか。
さらにいうと私は、天皇陛下のしなければならなかったことを、天皇制・日本文化・日本国民が守られたという結果から判断しています。
michisuzuさんは、天皇陛下のしなければならなかったことを、国民が責任の取り方(身分に合った身の処し方?)を学んだかどうかで判断するのでしょうか。
<ζηθ>(http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1196337365/l50x)
≫退位した後に自害されたら史上最高の天皇と尊敬されたでしょうし、その後の日本人に身をもって責任のとり方のお手本になったでしょう!≪(コラム#3105。michisuzu)
http://www13.plala.or.jp/kyowato/yoronchosa.html
みちすずたん、この世代別世論調査・図3を見てみ~
昭和天皇に対する感情の懸隔の原因って何だろう?
<太田>
michisuzuちゃん、みんな優しいと思わないか・・。
それにしても、この典拠の主のおじさん、ズレてるよねえ。
世論調査の推移を紹介した部分はよしとして、おじさん、
「・・・いやしくも「国家・国民の象徴」たるものは、国民の――圧倒的多数の国民の「敬意」と「賛仰」を一身に集中されている、というのがその大前提であり、国民の常識であるはずだ。「好感」というような語句は極く軽い表現、人との接触関係において、プラス的感情を表わす語としては低い方に属する用語である。「国家・国民の象徴」たる人物に対して、国民が「好感」程度の感情しかもっていないというのでは、象徴の座にある資格はありえないと考えるものがいても不思議ではない。・・・同じような論理になるが、隣人・知人・友人、そして会ったこともないスターや有名人に対して「無感情」というのは、明らかに中立的感情であるが、国民の尊敬と賛仰の的であることが前提にされている――そうであることが、その地位の本来の定義であり、資格条件である天皇というものに対し、国民の多数が「無感情」であるということは、その人物が天皇の地位に留まるのは許されないことであって、前記「好感」と「無感情」が大半を占めるような天皇制は、すでに形骸化していると言わねばならないのである。・・・」
て言ってるけど、そんなこと言ったら、天皇制は、その創世記を除き、常に形骸化していたのであり、それで構わなかったのです。
その形骸化していた天皇制が、危機の時代にいかに大きな役割を果たすか、ということがおじさんには分かってないわけね。
「・・・ いくら日本国民が、忘れっぽい、合理性のない人間であるにしても、この戦争の、血にまみれた時代を辛じて生き残った者の半分近くが、「天皇を尊敬している」というのは、あまりにもひど過ぎる。・・・」
というくだりもそうです。
あの戦争は、自由民主主義的日本が、当時の日本国民の圧倒的多数の意思に基づいて、天皇を国家統合の象徴として戦った乾坤一擲の大戦争であり、かかる危機の時代を昭和天皇と共有した日本人の過半が、昭和天皇(その後継者を含む)を尊敬し続けることに何の不思議もないのです。
記事の紹介です。
「・・・泥酔を思わせる中川氏の醜態会見をめぐり、衆院予算委で同氏の酒絡みのうわさを聞かれた麻生首相は語気を強めて語った。 「中川氏とメシを食べたことは何十回とあるが、私の前で酒を飲んだことは私の記憶ではありません。ないんです。私の場合は」 盟友関係でありながら酒好きの中川氏の本来の姿を知らないという苦しすぎる弁明・・・ところが、質問が続くとお約束の発言のぶれが出た。「20回以上、中川氏と酒席を同席したが、会見のような状態は一度もない」と軌道修正。・・・」
http://www.taipeitimes.com/News/
「・・・辞任した中川昭一前財務相が、失態を演じた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)での記者会見直前に行われたロシアのクドリン副首相兼財務相との日ロ財務相会談でも、もうろうとした状態で受け答えしていたことが・・・分かった。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090220/stt0902200826001-n1.htm
「・・・G7・・・後に、ろれつが回らない状態で記者会見して辞任に追い込まれた中川昭一前財務・金融担当相 が、<こ>の会見終了後、同行した財務省幹部や現地大使とともにバチカン市内を約2時間、観光していたことが・・・分かった。・・・」
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&id=755744
この麻生と中川の両名は、およそ社会人になる資格を欠いていると言わざるをえません。
あのビル・エモット(Bill Emmott)がうれしーいコラムをガーディアンに寄稿してますよ。
・・・Japan stands a good chance of being one of the few countries to benefit from the economic crisis.・・・The important thing in a democracy is to punish those who have failed and to bring in a new crowd capable of making new mistakes. Japan has waited far too long for that.・・・
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2009/feb/20/comment-japan-economy-emmott
そこへ行くと、同じような趣旨の記事でも、ニューヨークタイムスのは微妙にズレてるね。
・・・Political analysts and lawmakers say a defeat could even spell the end of the Liberal Democratic Party, which has appeared outdated with no ideology to bind it together beyond a desire to hold onto power. In its place could emerge new, more modern types of political parties bound together by a shared agenda and principles.・・・
For now, the winner would probably be the largest opposition party, the Democratic Party of Japan, which endorses similar policies to the Liberal Democrats and also lacks an ideological core. ・・・
http://www.nytimes.com/2009/02/20/world/asia/20japan.html?ref=world&pagewanted=print
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太田述正コラム#3108(2009.2.20)
<信頼の帝国(その1)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x404)
- 公開日:
http://www.n-shingo.com/cgibin/msgboard/msgboard.cgi?page=408西村真吾衆議院議員2月14日のブログ
に大変重大なことが書いてあります
下記その一部抜粋です
『日本のマスコミでは小さく報道された。しかし、英国の新聞では一面で報道された。それは、アメリカのオバマ大統領が、アメリカの戦略核弾頭の数を八〇パーセントも削減して一〇〇〇発にするという方針を表明したことである。
我が国の外務大臣は、このアメリカの戦略核弾頭八〇パーセント削減は何を意味するかカウンターパートに質さねばならない。
現在でも、我が国を取り巻く東アジアの核戦力バランスは、アメリカに不利になりつつある。中国は核戦力増強を急ぎ、現在保有する核弾頭は八〇〇発程度か。北朝鮮の日本向けノドンミサイルは二〇〇基で内一割程度が核弾頭で他は生物化学兵器などと言われる。
このアメリカに不利になりつつある日本周辺諸国の核戦力増強の中で、さらにアメリカの戦略核が八〇パーセント削減されれば、日本に対するアメリカの核の傘は機能しない。』
大田述正先生は、民社党支持なので当然左翼・媚中・反軍拡であられると思い、中国の軍拡について
昔質問したところ、中国の軍拡については心配いらないよとの答を受けまして、当然その辺りの呑気な答であろうと当方の予想どおりでした。
今回先生の考えは如何なものですか? 西村議員の上記の抜粋中で「英国の新聞では一面で報道された。」とありましたが先生もどこかでご覧になりましたか?
当方は中国の核ミサイルの数についてははっきりした数はわかりませんが、数百発~数千発と聞いています。その内10%~20%が向けられとすれば憶測ですが、少なくとも3桁(100発~999発)の核ミサイルが日本に向けられています。
元防衛省主任研究員平松茂雄氏などは暗澹たる予測をされていて、今のままでいくと早ければ2010年代前半、遅くとも2020年頃には日本は中国の属国、最悪の場合には中国領になると言っておられます。大田述正先生もそんな未来に賛成なのですか? そしてこのブログの左翼の皆さんもやはり賛成なのですか?
>><太田>
michisuzuちゃん、みんな優しいと思わないか・・。
それにしても、この典拠の主のおじさん、ズレてるよねえ。
世論調査の推移を紹介した部分はよしとして、おじさん、<< ↑ 本当にねえ。日本人は天皇に関することになると感情的になるので怖いですねえ・・・。 正直私も流石にネットでしかこの手の議論はしたくありませんわ^^ 下手すると脅迫に遭うか火でもつけられかねませんからね? 天皇が政治利用されるのは明治維新の大久保さんと西郷さんの悪知恵(失礼)から始まったのですからねえ。 身分の低い自分たちが政府の要人になったときに国民の畏敬を受けれないのを見越して天皇を利用したのは明らかです。(この辺は流石に典拠いらないでしょ?)