太田述正コラム#14595(2024.11.22)
<皆さんとディスカッション(続x6084)/映画評論192:女王トミュリス 史上最強の戦士>
<cq1ABSfY>
兵庫県知事選についてですが、私は兵庫県民ではないものの、見分ける力のない人のようです。
知事が告発された内容も、それほど重大な問題のようには思えませんでしたし、メディアの報道や全会一致で可決された不信任決議にも違和感を覚えました。
以前太田さんが斎藤知事に精神障害の疑いを指摘されていたと思いますが、議会との対立が続くことで最終的に県民が不利益を被る可能性が高いのでしょうか?
今後の参考にしたいため、斎藤知事が不適格とされる理由について教えて下さい。
<太田>
政治家は、市長、知事、以上であれば、相当高い知力も求められるけれど、有権者なる他人の気持ちに応えて仕事をしなければならない以上、その全員にとって必要不可欠なのは共感する力(empathy能力=人の気持ちに寄り添える能力)です。
西播磨局長だった職員の事実上の自死を受け、(県職員労働組合からも事実上の辞職をを求められたということもあるところ、それに加え、)片山副知事から、「「「知事の一連の対応にも問題があった。初動で『うそ八百』など、言葉が強すぎた。すぐに謝るべきだった」と<の考えの下、>・・・「県政が停滞している。自分も責任を取るので、一緒に辞任しませんか」と迫<り、>・・・再三、辞職か出直し選挙に打って出るよう伝え<たものの、知事に拒否され、片山氏は、やむなく、1人で>辞職した
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240712-OYT1T50006/
わけですが、斎藤知事は、西播磨局長の心の痛みに対してはもちろんのこと、同局長の心の痛みへの共感能力を持っていた片山氏が抱いた慙愧の念に対しても、何ら共感を示さなかったことからすると、そもそも、共感能力を殆ど持ち合わしていない人物である、と私は見た次第です。
このような症状の背景には、アスペルガー症候群、自己愛性人格障害、自閉スペクトラム症候群、といった精神障害があると考えられる
https://www.touch-wood.jp/understanding-empathy-lack/
ことから、斎藤氏には精神障害の疑いがある、と、私は指摘したのです。
(斎藤氏が片山氏の提言に従って直ちに出直し選挙に臨んでいたら、今回のように再選できなかった可能性がありますが、それは結果論です。)
<太田>
安倍問題/防衛費増。↓
<キモー。夫妻共にカルト親近性あり、と見た。↓>
「・・・安倍昭恵夫人は、安倍元首相銃撃事件を受けて「神武天皇にゆかりのある奈良の大和西大寺で(引用者註、安倍元首相が)亡くなったんだから、それが意味することがすべてなの。そういう運命にあったのよ」と述べているといわれる・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/300d642104e8820b63b7c8d40e36dc628a9b1d14
ウクライナ問題。↓
<費用対効果比が絶望的に悪いだろうに。↓>
「ウクライナへのミサイル攻撃、新開発の「極超音速の中距離弾道」と判明…プーチン氏「米欧は迎撃できない」・・・」
https://www.yomiuri.co.jp/world/20241122-OYT1T50030/
ガザ戦争。↓
<2対1かあ。それとも、2対2にしたかったけど、イスラエルに殺されちまって数合わせができなかったんか?↓>
Arrest warrants issued for Netanyahu, Gallant and Hamas commander over alleged war crimes・・・
https://www.bbc.com/news/articles/cly2exvx944o
それでは、その他の国内記事の紹介です。↓
兵庫県知事問題。↓
<公益通報制度の不備の問題などほんの一部のハナシであり、「「問題の本質」はパワハラ」にも顕現しているところの、斎藤知事の共感する力の欠如だっての。↓>
「斎藤元彦県知事「問題の本質」はパワハラにあらず。マスコミは「内部告発=公益通報制度」の不備こそ追及せよ・・・
内部通報した社員を守るために2006年に施行された「公益通報者保護法」の第3~5条には、内部告発を理由とした解雇、派遣労働契約の解除、その他の減給、降格といった不利な扱いを禁止すると書かれていますが、肝心要の罰則規定が明記されていません。・・・」
https://www.mag2.com/p/news/629142
<後出しジャンケン的鉛筆舐めコラムの典型。片山前副知事の慙愧の念の爪の垢でも煎じて飲んだら?↓>
「・・・テレビ局がほんの「つなぎ」程度の軽い気持ちで始めたその報道に対して、水面下でくすぶっていた「井戸派」の人びとが「齋藤の首を取るチャンス到来!」とばかりに続々と乗っかり、あれよあれよという内に大火事になって、ついには百条委員会にまで発展する騒動になってしまった。
私は騒動の最初期に「告発文書」現物の文面を入手して読んでいたので、そのうえで率直に言わせてもらうと、かなり好意的に見積もっても、その内容は突拍子のない記述が含まれていると言わざるを得ないものだった。しかもこの文書は完全に匿名であり、筆者自身が齋藤氏からハラスメントなどを受けたと告発する内容でも、信頼できる根拠を示して齋藤氏の不正を訴えるものでもなかった。これを齋藤氏側が「公益通報」として処理せず退けたのを、「不当なもみ消し行為」と一面的に糾弾するのは無理がある。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/54b3e7250db3bed301c082b08d251940607d3b97
<20年も知事を変えなかった兵庫県民が急に改革志向になるワケねーがな。↓>
「・・・最も重要なことは、人々は「新しい戦線」以前に「現状に対するノー」を突き付けていることにある。兵庫では20年もの長期にわたって体制が変わらず、改革志向のニーズが高まっていた。斎藤氏による知事公用車「センチュリー」の解約とワンボックス車への変更による経費削減や、県職員OBの外郭団体への天下りの制限、県庁舎の建て替えの見直しなどが好意的に受け止められていた点に注意を払う必要がある。・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E6%96%8E%E8%97%A4%E6%B0%8F%E5%86%8D%E9%81%B8%E3%81%A7-%E5%85%B5%E5%BA%AB%E7%9C%8C%E6%B0%91%E3%82%92%E6%89%B9%E5%88%A4-%E3%81%99%E3%82%8B%E4%BA%BA%E3%81%AE-%E7%9B%B2%E7%82%B9-%E7%96%91%E6%83%91-%E3%81%AB%E4%B9%97%E3%81%A3%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%A8%B2%E6%9D%91%E6%B0%8F%E3%81%AE%E6%88%A6%E7%95%A5%E3%82%82%E3%81%BE%E3%81%9A%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F/ar-AA1uwY3s?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=9991a7afb58a4b52844fb5c4de6e0ce6&ei=18
<こういう共感力の高い人が政治家/組織トップ適格者なのよね。↓>
「・・・筆者は新聞記者時代に相生市に赴任し、2年半谷口市長を取材しましたが、市長が市職員を怒鳴るところを見たことがありませんでした。「声を荒げるタイプじゃない」と相生市の関係者は言います。なぜ記者会見で感情的になったのか。数年ぶりに再会した市長に聞きました。 相生市の谷口芳紀市長は11月14日、県内29市長でつくる市長会の有志22人の代表として、神戸市内で行われた記者会見に出席しました。 「2日前に小野市の蓬萊務市長から『(記者会見に)来れるか』と電話があった。お世話になった西播磨県民局長が関係する話なのに、姫路市長も西播磨のほかの市長も所用で会見に来られないと聞き、西播磨から誰か(市長が)出ておかないと、と思って出席することにした」 市長7人が順番にあいさつする中で、谷口市長は話す表情は徐々に険しくなり、「悪い奴を兵庫県から追い出して、新しい風を入れるのは誰や言うたら、稲村や!」と稲村氏支持を宣言して机をたたき、「やはり上司として、部下が亡くなられた」と西播磨県民局長自死の責任にも言及し、「その道義的な責任を感じられないというのは、私は少なくとも、県知事として資格がないんじゃないかと、こう思っております」と再び机をたたき、「何が悪い!」と声を荒げました。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/94dc53c79156460c83bb5be7f15ca9a2d2b0935b
<県職員達の反応は当然。↓>
「・・・「会場には県幹部職員に加え熱心な支持者の姿もありました。それでも過去の知事就任式と比べれば人の数は格段に少なかったです」(関係者) なぜこのような状況になったのか。斎藤体制に報復されると恐れる人が多いため特定につながる所属や年齢、性別も記せないが、集英社オンラインは選挙後に県職員の声を集めた。 そこでは失望を通り越した絶望や恐怖まで口にする人がいた。 「当確の報が出た時、全身から力が抜けて茫然自失になりました。次の日からのことを考えると涙が止まりませんでした」(県職員Xさん) ・・・
「知事とコミュニケーションをとりながら進めていくことができない。一緒に県政を担っている感じが全くしない」という空気が生まれ、「本庁の局長たちがこぞって地方に異動願いを出している」事態が失職前から起きていたという。 ・・・
職員のZさんは「百条委員会のアンケートに実名で回答した職員たちがどんなに怯えているかと思うと夜も眠れません」と心配を隠さない。 就任式では耳を傾けると口にした斎藤知事。しかし前日の18日にはメディアの囲み取材に、 「民意を得たので(県)職員の皆さんは知事部局として一緒にやっていくのが地方公務員の責務」と断言している。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/5281ae955620fda8f9746db0581a3abca8c6e371
<維新が候補者を立てなかったら斎藤当選はなかった可能性が高い。維新/吉村府知事、は消滅する途中、わざわざ立つ鳥跡を濁しちまった。↓>
「斎藤元彦氏を見捨て、”無所属の対抗馬”を送り出して大惨敗…兵庫県知事選挙で撃沈した「本当の敗者」の正体・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/8bb42d73f46c3c2c31418b03f0b1e0a1022e9043
日本の野球、なんでこんなに強くなっちゃったんだろ?↓
「侍ジャパンが米国撃破 国際大会25連勝でプレミア連覇に前進 小園が2発7打点 高橋宏が4回無失点・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/31a13c81fb645c95b2d709a437370164b3f10d95
「ドジャース大谷翔平が満票でMVP 2年連続3度目、DHで史上初、両リーグ受賞2人目・・・」
https://www.sankei.com/article/20241122-TI5CDXVK5RJZDKXIGY5QXGD6RE/
よくやった。↓
日・文カルト問題。↓
<・・・。↓>
「尹大統領と対照的?石破首相の外交マナーに韓国も注目「傲慢で無礼な印象」「文前大統領よりはまし」・・・韓国・ソウル新聞・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b944287-s39-c100-d0165.html
欧米史トリビア。↓
Augustus the Strong・・the 18th-century elector of Saxony and sovereign of Poland・・the king of bling–The extravagant 18th-century king of Poland and patron of the arts・・・
https://www.theguardian.com/books/2024/nov/21/augustus-the-strong-by-tim-blanning-review-king-poland-biography
中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
<日中交流人士モノ。↓>
「<卓球>張本智和と握手した中国男子監督の「表情」に批判、「負けた上に風格まで失った」・・・香港メディアの香港01・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b944365-s25-c50-d0052.html
「<卓球>「普段は言わないけど…」、張本智和の発言が話題に=中国ネット「泣けてきた」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b944283-s25-c50-d0052.html
「<卓球>張本智和が中国のファンに博多ラーメンをお薦め=「僕も食べました」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b944306-s25-c50-d0052.html
「「勝ったらこれやろうと」張本智和のAPTダンスに中国ネット「かわいい」「妹に教わった?」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b944311-s25-c50-d0192.html
「<卓球>張本美和が田志希に勝利=中国ネット「第4ゲームの反撃お見事」「成長著しい」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b944275-s25-c50-d0192.html
<メッだよ。↓>
「<サッカー>中国サポーターの狂気的行為は日中ファンの衝突という悲劇を起こしかねない・・・香港メディアの香港01・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b944332-s25-c50-d0052.html
<その調子。↓>
「<サッカー>日本のファンが「中国を出場禁止に」とFIFAに訴え、中国ネット「おっしゃる通り」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b944284-s25-c50-d0052.html
<おや、日中共闘?↓>
「国際機関が「シャークフィニング」禁止の動きも、日本と中国が反対・・・独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイト・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b944277-s25-c30-d0193.html
<太田>
一 Quest 3S
昨日、3D動画ファイルの表記による視聴に初成功!
しかし、表記、装着感は前の製品に比べると改善されたが操作性では後退した感があるのが残念。
同じ操作をしても、同じ結果になる場合とならない場合があるのが困る。
立ち上げたり、切ったり、といった、基本中の基本に関してすらそうなのだから、余計なところで時間を浪費してしまう。
二 全自動洗濯機
本日も快調だった。
どうやら、障害が自然治癒した(?!)と判断してよさそうだ。
–映画評論192:女王トミュリス 史上最強の戦士–
「2019年<の>・・・カザフスタン<映画。>・・・
戦え、自由のために。紀元前550年頃の中央アジアの草原=ステップ地帯。マッサゲタイ<(注a)>族の長である父と家族を殺され、すべてを奪われた少女トミュリス<(注b)>。群雄割拠する草原の厳しい時代の中、孤独に耐えながらも鍛錬を重ね、バラバラになった臣下、新しい仲間を得て、成長したトミュリスは復讐を果たす。家族、一族が増え、徐々にマッサゲタイ国を大きくしていくトミュリスだったが、すぐ隣国にまで迫る空前の大帝国アケネメス朝ペルシアのキュロス大王が配下になるよう脅してくる。トミュリスは脅しに屈せず、圧倒的な兵力差のペルシア軍を相手に、巧みな戦術と最強の戦士と称される自らと民族の誇りを懸けて戦いを挑む!」
https://filmarks.com/movies/92439
(注a)「マッサゲタイ(ギリシア語:・・・Massagetai、ラテン語:Massagetae)は、紀元前6世紀から紀元前1世紀までその存在が確認される中央アジアの遊牧民および遊牧国家。カスピ海の東側に住んでいたと思われる。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%B5%E3%82%B2%E3%82%BF%E3%82%A4
(注b)「トミュリス(Tomyris)は、紀元前530年頃の人物<。>・・・
ヘロドトスによると、ペルシアはマッサゲタイ族との初めの戦いに敗れたため、キュロス自らが滅ぼしたリュディア王国の最後の王であり、臣下としたクロイソスの献策を受け入れて、貧しかったマッサゲタイ族を誘惑するために豪華な食事と酔い気を起こすハシシ(Hashish)と雌馬のミルクを戦場に置いて、これを飲ませるように仕組んだ。それに見事に嵌ったマッサゲタイ軍が酔っ払ったところを、ペルシア軍は一方的に虐殺、スパルガビセスを捕虜とした。後にスパルガビセスはそれを恥じて自殺して果てた。
ペルシアの騙し討ちとスパルガビセスの死を知ったトミュリスはキュロスに対して戦闘を仕掛け、激しい戦いの後にマッサゲタイ軍はペルシア軍を打ち負かして、この戦いでキュロスは戦死した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%82%B9
勧善懲悪の戦争映画だが、映画とは本来こういうものだしこういうものでありたい、という理念型的名作。
カザフスタンもなかなかやるじゃんと拍手を送りたい。
なお、ペルシアとマッサゲタイ族との戦いを三回ではなく一回としている点、と、スパルガビセスの死をペルシア訪問中の謀殺としている点、で、ヘロドトスの『歴史』に従っていない。
面白いのは、「ユダヤ人をバビロン捕囚から解放したことで、聖書や哲学者クセノポンの著作(『キュロスの教育』)において高く評価され、キュロスは理想的な君主として東西洋問わずイメージ付けされるようになった。近代に入ると、パフラヴィー朝の皇帝モハンマド・レザー・パフラヴィーはイラン人の民族意識を高揚させる政策を取り、キュロスはペルシア帝国の建国者として賞揚された。キュロスの円筒印章が「世界史上最古の人権宣言」としてさかんに喧伝された。1971年にはキュロスのアケメネス朝建国2500年を記念するという名目でペルセポリスで盛大なイラン建国二千五百年祭典を開催し、パサルガダエのキュロス大王陵にて国王の演説が行われた。またこの時にイラン暦の紀元がキュロス即位時(紀元前559年)に変更されてイラン皇帝暦と名を変え、ヒジュラ暦に代わって国家の公式な暦となった。なお、この暦が正式に施行されたのは翌1976年(皇帝暦2535年)であった。しかしわずか3年後の1979年にイラン革命が起こり、パフラヴィー朝王政の崩壊に伴ってイラン皇帝暦も廃止された。
近年ではイラン民族主義の高揚に伴い、キュロス大王の人気や知名度がイラン人の間で高まるようになり、キュロスがバビロニア軍を撃ち破って古代オリエントを一統したイラン暦の8月7日(グレゴリオ暦10月29日)をイラン民族主義の記念日(キュロス大王の日)にしょうとする動きが盛んになっている。イスラム神権政治を掲げるイラン当局はこうした動きを警戒している。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%AD%E3%82%B92%E4%B8%96
という「理想的な君主」たるキュロスが、この映画では、徹底的に悪役として描かれていることだ。
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太田述正コラム#14596(2024.11.22)
<浜口恵俊『間人主義の社会 日本』を読む(その3)>
→非公開