太田述正コラム#3133(2009.3.5)
<ソマリア海賊対策における法案の一般法化について/皆さんとディスカッション(続x416)>
 (これはNelsonさんによるコラムです。)
       ソマリア海賊対策における法案の一般法化について
1 始めに
 平成21年1月28日、政府は、ようやくソマリア沖の海賊対策として、自衛隊法82条に基づく海上警備行動を発令し、海上自衛隊を派遣する方針を正式決定した。海上警備行動に「ソマリア沖・アデン湾における海賊対処のための準備に関する防衛大臣指示」
http://www.mod.go.jp/j/news/2009/01/28c.html
及び「ソマリア沖・アデン湾における海賊対処のための準備に関する命令」
http://www.mod.go.jp/j/news/2009/01/28d.html
を発出した。
 今後、政府・与党は、「海賊行為への対処等に関する法律(仮称)」の策定に向け議論し、3月上旬に国会提出を目指している。
2 国内の法制化の動き
 2月25日の毎日新聞の記事から紹介する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090225-00000012-mai-pol
 『<海賊対策法案>武器先制使用を容認 警職法を準用・・・政府が3月上旬の国会提出を目指している海賊対策法案の概要が判明した。警察官職務執行法 <7条>1)を準用し、自衛隊法<82条> 2) に基づく海上警備行動では認めていない、海賊活動制止のための武器使用を可能とする。これまで自衛隊の 海外派遣では、憲法で禁じる「武力の行使」にならないよう正当防衛、緊急避難に該当する場合でしか武器使用を認めてこなかった。武器使用基準を事実上、緩和することになり、論議を呼びそうだ。・・・
 海賊対策法案は、政府が近く海警行動を発令し、海上自衛隊の護衛艦を派遣するアフリカ・ソマリア沖に限らず、他の海域での活動も想定。期限を設けない恒久法とする。保護対象は、日本籍船だけでなく外国籍船にも拡大。海賊行為の取り締まりの活動主体は海上保安官とし、海保で対応が困難な場合に自衛隊が補完するものと位置づける。
 武器使用基準は、警職法7条・・・を準用することで、停船命令に従わなかった海賊船に対し、船体射撃などの武器の使用を認める。
 政府はソマリア沖の海賊対策として3月上旬に海警行動を発令し、海自の護衛艦を派遣する。ただ、海警行動では、保護対象が日本船籍や日本の貨物を積載した船舶などに限られており、海賊対策法案が成立した段階で、対策法に基づく派遣に切り替える方針だ。法案は09年度予算成立後に国会で審議される・・・
 海賊対策法案では、海上自衛隊の護衛艦が、停船命令を無視した海賊船を射撃して強制的に停船させることが可能になる。国際法上も公海上で海賊を取り締まることは可能。国内で認められている海賊取り締まりの権限を公海上に広げるのが、法案の骨格だ。
 これまでの自衛隊の海外派遣では、自分や近くにいる関係者を守るための正当防衛に限って武器使用を容認。一方で、治安維持活動など任務を遂行するための武器使用は憲法違反になる恐れがあるため、認めてこなかった。新テロ対策特別措置法により派遣されている海自艦はソマリア沖でも活動しているが、正当防衛以外の船体射撃は許されていない。 政府は、海賊対策は警察活動だとして、「従来の自衛隊の海外派遣の武器使用とは全く次元が異なる。憲法解釈を変更するものではない」(内閣官房幹部)と説明している。・・・』

1)警察官職務執行法7条「警察官は、犯人の逮捕若しくは逃走の防止、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため必要であると認める相当な理由のある場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。但し、刑法 (明治40年法律第45号)第36条 (正当防衛)若しくは同法第37条 (緊急避難)に該当する場合又は左の各号の一に該当する場合を除いては、人に危害を与えてはならない」
2)自衛隊法82条「防衛大臣は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に海上において必要な行動をとることを命ずることができる」
3 日本に対する国際的な期待
 2月6日の東京新聞の朝刊の記事から。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009020602000062.html
 『ソマリア海賊対策 日本関連船以外も保護を・・・・・欧州連合(EU)がソマリア沖で進める海賊対策「アタランタ作戦」の司令官を務めるフィリップ・ ジョーンズ英海軍准将が四日、ロンドン郊外ノースウッドの英軍常設統合作戦司令部で本紙との会見に応じ、日本の防衛省が検討しているソマリア沖へのP3C哨戒機派遣について大きな期待感を示した。・・・ 
 ・・・ジョーンズ司令官は「現在、投入している哨戒機は2機。多国籍軍が行う海上治安活動による偵察写真も利用しているが、辛うじて間に合っている程度だ」と説明。日本がP3Cを派遣することになれば「非常に歓迎する」と述べた。
 現場海域にはEU以外にも中国、ロシアなどの軍艦も展開中で、情報の共有や活動区域の調整も重要だ。司令官は「共通の作戦周波数を設けるなど現場での協力関係は進んでおり、政治的にも追認するようEUに求めている」と述べ、海賊対策での外交的な協力関係の進展が必要な局面に入っていると指摘した。
 海賊が発生した場合の対処について司令官は「とにかく一番近い軍艦に駆けつけてもらうようにしている。これは国連海洋法条約<100~107条>に定め られた軍艦の義務だと考えている」と強調したが、海自艦が派遣されても、保護できるのは日本関連の船舶だけで、無関係の外国船を保護するためには新法の制定が必要だ。
 この点について司令官は「EUの中にも海賊対処法のない国があり、拘束した海賊の訴追などで法的な問題を抱えている。だが、集団になって移動する商船のうちEU関連の船だけを守るのは極めて難しいし、われわれはやらない」と述べた。・・・』
4 感想
 まず、2の毎日新聞の記事の「警察官職務執行法<7条>1)を準用し、自衛隊法<82条> 2)に基づく海上警備行動では認めていない、海賊活動制止のための武器使用を可能とする」という箇所は誤りと考える。
 なぜなら、自衛隊法82条の海上警備行動が発令された場合、「自衛隊の自衛官は、自衛隊法第93条第1項において準用する警察官職務執行法第七条の規定 により武器を使用することができるほか、当該自衛官のうち海上自衛官にあっては、自衛隊法第93条第3項において準用する海上保安庁法第20条第2項 (3前項において準用する警察官職務執行法第7条の規定により武器を使用する場合のほか、第17条第1項の規定により武器を使用することができる(長島昭久議員の質問14に対する政府答弁書)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b170340.htm?OpenDocument
とされている。
 したがって、海上警備行動発令下において警職法7条準用し、海賊活動制止のための武器使用は可能であると解する。
 次に、毎日新聞の記事において「海警行動では、保護対象が日本船籍や日本の貨物を積載した船舶などに限られており」とし、また東京新聞の記事において「海自艦が派遣されても、保護できるのは日本関連の船舶だけで、無関係の外国船を保護するためには新法の制定が必要だ」としているが、私は海上警備行動発令下においては、新法制定がなくとも、無関係の外国船籍を保護し得ると考える。
 なぜなら、海上警備行動発令に基づいて、海上保安庁法5条2項(4が準用し、政府解釈によれば「海上保安庁は、海上保安庁法(昭和23年法律第28号)第2条第1項の規定に基づき、海上における犯罪の予防及び鎮圧、海難救助その他海上の安全の確保に関する事務等を行うことにより、海上の安全及び治安の確保を図ることを任務としている。これらの事務等は、日本国民の人命及び財産の保護に寄与することを目的としており、この目的の達成に資する範囲内において、同法第一条第一項の「人命及び財産」は日本国民以外の者のものも含まれると解され、これらの者の人命及び財産に対する海賊行為に対して所要の措置をとることも同庁の事務に含まれる・・・(長島昭久議員の質問7に対する政府答弁書)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b170340.htm?OpenDocument
とされている。
 本件のソマリア海賊への対処において、無関係の外国船籍を保護することは、間接的に我が国に関係する船舶の安全にもつながるため、日本国民の人命及び財産の保護に寄与することという目的の達成に資する範囲内である。
 よって、無関係な外国船を保護することは、海上警備行動発令下であれば、新法がなくとも可能と解する。
 以上のように検討していくと、ソマリア海賊が話題になった10月中旬以降すぐにでも、海上警備行動を発令し十分対応できたにもかかわらず、海上自衛隊をいまだ派遣せず、海賊対策法案を作成している意義はあるのか考えたくなる。      

3)海上保安庁法第20条第2項 「前項において準用する警察官職務執行法第7条の規定により武器を使用する場合のほか、第17条第1項の規定に基づき船 舶の進行の停止を繰り返し命じても乗組員等がこれに応ぜずなお海上保安官又は海上保安官補の職務の執行に対して抵抗し、又は逃亡しようとする場合において、海上保安庁長官が当該船舶の外観、航海の態様、乗組員等の異常な挙動その他周囲の事情及びこれらに関連する情報から合理的に判断して次の各号のすべてに該当する事態であると認めたときは、海上保安官又は海上保安官補は、当該船舶の進行を停止させるために他に手段がないと信ずるに足りる相当な理由のある ときには、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる」
4)海上保安庁法5条「海上保安庁は、第2条第1項の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる」、同条2項「海難の際の人命、積荷及び船舶の救助並びに天災事変その他救済を必要とする場合における援助に関すること」
<太田>
 Well done!
 なお、もし引き続き半年に2~3回コラムを書いていただけるようなら、名誉有料会員にさせていただき、無償で私の全コラムを配信させていただきます。
<Nelson>
 ありがとうございます。太田様にそこまで言ってもらえるとは!!・・・身に余る光栄です!太田様のご厚意大変感謝しております。
 しかしながら、3月下旬以降の転居先やその周辺でのPC環境が万全でないことや、社会人1年目で修行の身になることもあり、おそらく今迄のようにコメントや投稿することは難しいので、申し訳ありませんが半年2・3回のコラムを作成するのは到底できないでしょう。
 ただし、太田様のHPはチェックしていくつもりです。
——————————————————————————–            皆さんとディスカッション(続x416)
<ηζβ>(http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1196337365/l50x
・・・「米国が独立=ガバナンスの確保を至上命題としている」という前提が正しいとしても、だから「『日本にも独立=ガバナンスの確保をして欲しい』と米国は望んでいる」とはならないでしょ。<(コラム#3131参照)>
 自他の立場はイコールじゃない。
<太田>
 「なお」書きの方だけをなんで云々しているのか理解できないなあ。
 「ご質問については、コラム#3005をご参照下さい。」と書いてあったでしょ。
 そちらで引用してあった関連コラムを読んでね。
<びり江>
 田母神氏が自著の出版会見で自民党から出馬のオファーが来たことを明かしました。(スポーツ報知27日)
 随分虫の良い話ですが、まさか彼がここまで人気者になるとは思わなかったということでしょうか?
 仮に自民が田母神氏を擁立した場合、日本の独立に繋がると米国も歓迎するのではないですか?
<太田>
 いやーびり江さん、ご健在でしたか。
 万一そんなオファーを受け容れるようなことがあれば、田母神氏は恥の上塗りですね。
 最後のセンテンス、読まなかったことにしましょう。
<YY>
≫裏舞台(mixi)から表舞台へと引き立てようと思ったけれど、michisuzuちゃんには荷が重すぎましたね。 最後がちょっと見苦しかったけど、これまでよく頑張りました。花マル。≪(コラム#3131。太田)
 え~!?終わっちゃうんですか?
 ディベートが苦手な日本人が、太田さんのときに手厳しい指導によってできるようになる、その成長過程を見ているようで、お二人のやりとりは好きでした。
 残念です。
 手前勝手な希望ですが、どうかmichisuzuちゃんには短気をおこさず、今後とも果敢に挑戦していただきたいものです。
 (お二人のやりとりを通じて、議論内容に対する本質的な理解が整理されていくと感じたことが多かったことも「残念」と思う理由の一つでもあります。)
<太田>
 太田コラムの読者は、おおむね皆さん、michisuzuちゃんに対して暖かい方ばかりだったと思いますが、素晴らしいはなむけの言葉をいただいたことに対し、彼女に代わって心から御礼申し上げます。
 これで、彼女も思い残すことはないでしょう。
 それにしても、女性の方が男性よりはるかにプライドにこだわる(コラム#3105)って、彼女のケース見て、改めて実感しました。
 これに懲りずに、女性の読者の方々、どしどし投稿しましょう!
 さて、記事の紹介です。
 今回は、小沢秘書逮捕事件関連にしぼりました。
 「・・・西松建設は、東北地方でダムなどの大規模工事の受注を目指し、新政治問題研究会を設立した95年ごろから小沢代表側に献金を始めた。小沢事務所が、西松建設側と献金額や配分について調整したのはこのころだったとされ、「総額は年2500万円」「陸山会と、小沢代表が代表を務める政党支部の二つに配分」などと決めた。この調整は、どちらかに献金が偏って小沢代表側との密接な関係が目立つことを避ける狙いがあった・・・大久保秘書は00年ごろ、先輩秘書から同社との交渉役を引き継いだ。その後、大久保秘書は毎年、同社の岡崎元部長と相談し、 2500万円の献金総額を陸山会と政党支部にどのように割り振るかを決めていたが、数年前からは同社の資金繰りが悪化したため総額を減らし、06年中に献金をやめた・・・」
http://www.asahi.com/national/update/0304/TKY200903040291.html
 「・・・ 西松建設は03年以降、2500万円のうち1500万円程度を、ダミーの二つの政治団体から、陸山会と、小沢代表が代表を務める「民主党岩手県第4区総支部」、小沢代表が最高顧問を務める「民主党岩手県総支部連合会」に分散して献金。 残りの1000万円前後については、主に同支部に、同社の下請け企業が献金をする形を取った。これらの下請け企業は、東北の建設会社などが中心で、多いときで20社前後あり、1社50万円程度の献金をしていた。 ダミーの政治団体には、西松社員が払い込んだ会費を賞与で補填する形で、同社が資金を拠出。下請けの建設会社にも、西松建設が下請け発注する際、工事代金を水増しして献金分を負担することが多かった。 いずれも、西松建設が提供した資金が、政治団体や下請け企業の名義の献金として、小沢代表側の政治団体の政治資金収支報告書に記載されるという仕組みだった。西松側には同社の名前を表に出さないようにする狙いがあった。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090305-OYT1T00081.htm?from=main3
→おっそろしく良くできた脱法行為のシステムですねえ。(太田)
 「・・・ 西松前社長の国沢幹雄容疑者(70)らが「大久保秘書にダム工事が受注できるようお願いした」と東京地検特捜部に供述した・・・問題の工事は、国土交通省東北地方整備局が平成18年3月に発注した岩手県の胆沢ダムの関連施設工事。西松などの共同企業体(JV)が約95億円で受注した。入札で予定価格を下回る金額で応札したのは、西松などのJVだけだった。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090305/crm0903050130003-n1.htm
→請託について証言があり、しかも、小沢サイドの口利きに基づき、東北地方整備局が西松のJVを指名した上で、民間主導の談合が自主的に行われ、このJVが落札した可能性が大だということ。今回、官僚の関与の話が出てきていないのはどうしてでしょうね。
 どうして権力から遠ざかっている小沢に影響力があったかって? だって個々の建設業者や官僚がどんな悪いことやってきたか、彼はみんな知っているんだから、たてついたらつぶされちゃうし、再び権力を掌握する可能性があるとさえみんな思っているんだから当たり前でしょ。(太田)
 「・・・陸山会は献金を受ける際、西松建設に請求書を渡していたことが判明・・・、検察が最も意識したのは時効の問題だった。政治資金規正法の虚偽記入罪の時効は5年で、逮捕容疑になった2100万円のうち、03年の 700万円分は今月末に時効を迎える。特捜部は「捜査を先延ばしする選択肢はなかった」としており、別の検察幹部も「これだけの違法行為を見つけたのに見 逃すことは出来ない」と強調する。 一方、「国民生活にかかわる問題に影響を与えるのは避けたかった」と語る幹部もいる。09年度予算案が衆院本会議で可決されたのは2月27日で、それまで事件着手のタイミングを図っていたことを示唆している。」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090305-OYT1T00049.htm?from=main4
→請求書の現物があったとしたら完全にアウトですね。検察が時効のことを考慮したというのはホントらしいな。(太田)
 「・・・ 西松建設関係者によると、同社は政治家側に献金する場合、これら2団体名義で銀行口座に振り込んだほか、役員クラスの幹部が議員事務所などに直接持参することもあったという。献金額や献金先は、大久保容疑者と一緒に逮捕された前社長、国沢幹雄容疑者(70)が中心になって決定していたとされる。 一方、大久保容疑者は陸山会から同社に直接請求書を送り、同社は2団体を通じて献金していた・・・」
http://mainichi.jp/select/today/news/20090305k0000m040141000c.html
→直接手渡しとは、これまたレトロですねえ。手帳類にメモってあったら、これだけで小沢、アウチですね。(太田)
 「・・・鳩山幹事長は代議士会で「衆院選を間近に控えており、検察側に政治的な意図があったと疑われて当然ではないか」と捜査の不当性を訴えた。
 また、次期衆院選の公認候補らに、小沢氏の記者会見要旨を送付。捜査を「遺憾だ」とする幹事長談話も送った。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090304-OYT1T01000.htm
→これで鳩山由紀夫は小沢と心中することに決しちゃいました。ホント馬鹿だね、見損なったねえ。(太田)
 「・・・小沢代表は、「政治的にも法律的にも、非常に不公正な国家権力、検察権力の行使だ」などと検察批判を展開した。 西松建設の政治団体の献金先には多数の与野党議員がいるのに、自分だけが強制捜査されたことなどに対する反発だろう。だが、小沢代表側への献金額が突出していた事実は否定できない。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090304-OYT1T01126.htm
→額が突出していたこと、証拠や証言が得られていたこと、時効が近づいていたこと、こんな話は小沢不祥事の氷山の一角であるとの心証を検察が得ているであろうこと、が小沢がまず捜査対象となった理由でしょう。こんなタンカを切った以上、小沢がそう遠くない将来に失脚することは確定的です。(太田)
 「・・・民主党の山岡賢次国対委員長は「違法な寄付を受けた事実はなく、適正に対処し、また処理をしている」と文書で回答した。・・・2団体からの献金がない自民党議員のベテラン秘書は「献金する団体は、団体の素性を議員側に知ってもらわなければメリットがない。(2団体が実質的に西松建設であることを)知らないはずがない」と首をかしげた。・・・」
http://mainichi.jp/select/today/news/20090305k0000m040154000c.html
→小沢はむろんですが、彼以外で今回名前が出た与野党議員や地方自治体の首長は次回の選挙で全員落選して欲しいものです。山岡の場合、それより前に小沢と共に心中とあいなる可能性大ですが・・。(太田)
 「・・・ 国民新党代表代行の亀井静香が同夜、「国策捜査だ」と電話でぶつけてきた怒りにも、<小沢は>「おれもそう思う」と応じた。 「辞任は考えていない。不公正な検察権力の行使だ。秘書の嫌疑は晴れる。起訴などはない」・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090305/stt0903050023000-n1.htm
→二世政治家でもないのに、建設相時代を含め、ダーティな噂の絶えない、元警察官僚の亀井が臆面もなくこんなことよく言いますね。(太田)
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太田述正コラム#3134(2009.3.5)
<ブラウン訪米と米英特殊関係(その1)>
→非公開