太田述正コラム#3145(2009.3.11)
<皆さんとディスカッション(続x422)>
<ζθσ>(http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1196337365/l50x
日本が独立して軍隊を持てば麻生のようなアホ政治家がトップに立つこともなく政治はちゃんとするという太田説は希望的観測であって信憑性は無い。
なぜなら最強の軍隊を持つ独立国のアメリカ大統領がブッシュのようなアホでも長期間務まっていたという現実の歴史があるのだから、日本が独立して軍隊を持ってもトップの資質など何も変わらない可能性も十分ありうる。
<太田>
私も随分ブッシュを批判してきたけど、彼を麻生と比較するのは余りにもブッシュに失礼です。
麻生は学習院政経学部を卒業していますが、留学はしたものの大学院は出ていません。
これに対しブッシュは、エールで歴史学を専攻して学士号をとった後、ハーバードビジネススクルールを卒業しています。
ということは、少なくとも彼の知的能力、しかも実践的な知的能力、は米国の上澄み中の上澄みに属するということです。
なお、下掲の引用をご覧じよ。
・・・There is simply no way on earth that the son of the then? Ambassador to China (technically, head of the Beijing Liaison Office), or anyone else, could have coasted through Harvard Business School with a ‘gentleman’s C.’ I never, ever heard of a case of an incompetent student being allowed to graduate, simply because a certain family was prominent.・・・
http://www.americanthinker.com/2004/02/gwb_hbs_mba.html
問題は、
his Harvard MBA explains the way he governs
(同上)
であることから、彼がビジネススクールで教わった手法に忠実であり過ぎたことにむしろ問題があったのではないか、ということであるように私は思います(コラム#507、509)。
<サヨク>
民主党小沢代表の「政治資金規正法違反」問題が連日マスメディアで取り沙汰されてます。
ここは、小沢代表にも民主党員にも「己の清廉性」などにこだわらずに踏ん張って欲しい。彼らが第一に目指すべきは政権交代だと考えるから。
有権者も同様に「規正法違反」よりも「政権交代」を優先させましょう。小沢批判は交代してからおおいにやりましょう。
ここは「くれぐれも己の清廉性や潔癖性」を守るために、「政権交代」の可能性を潰して欲しくないと考えますネ。サヨクのぼくでも。
「検察」は愚かです。マスメディアも。
典拠は無し。
<太田>
私は、小沢は、自分でどこまで認識しているかどうかはともかくとして、日本の戦後体制・・日本型政治経済システムと吉田ドクトリンがセットになったもの・・をそっくりそのまま、ただし、政高官低の形で再建しようとしているだけである、と見ています。
ですから、
「準大手ゼネコン「西松建設」から民主党・小沢代表の資金管理団体「陸山会」への違法献金事件に絡んで、同社の他に、大手ゼネコン3社と準大手1社の計4社も小沢代表側に迂回献金していた疑いがあることが関係者の話で分かった。5社分を合わせると、1年間に1億円前後だったという。 大手は「清水建設」「大林組」「大成建設」、準大手は「戸田建設」で、西松建設分とともに各社側から代表側への1年分の献金額の一覧と、下請け業者などを介した手法を示す内容を記載した資料があったとされる。・・・ 清水建設広報部は「個別具体的な内容に関しては回答を控える」、大林組広報室は「政治資金規正法に基づいた適正な対応を 行っている」、大成建設広報部は「政治資金規正法の範囲内で適法に行っている」、戸田建設広報部は「コメントを控える」としている。・・・」
http://www.asahi.com/national/update/0311/TKY200903100388.html
という具合であり、大手ゼネコンからはみかじめ料を、準大手ゼネコンからは斡旋料を吸い上げる、という最も自民党的な錬金術に勤しんできたわけです。
もちろん対象はゼネコンだけには限りません。
これから山のように小沢がらみの錬金術疑惑が吹き出してくることでしょう。
このようにカネに汚いだけでなく、小沢は、吉田ドクトリン墨守者として、(国連決議に基づく集団安全保障は認めつつも、)日本の集団的自衛権行使を頑なに拒み続けてきました。
そんな人物であれば、当然危機管理能力も欠如しているはずです。
そう、今回の秘書逮捕に際し、小沢は危機に際してのその無能ぶりをさらけだしました。
まず、一個人ないし政治家として、
「・・・<小沢は、>検察の捜査を「異常な手法、不公正」と批判した・・・。鳩山幹事長の「国策捜査」発言と相まって、民主党全体が、検察捜査を批判し全面対決をしようとしている印象を与えることになった。・・・しかし、「国策捜査」というのが政府・与党と結託して政治的意図で捜査を行うことという意味であれば、検察がそのような捜査を行うことはあり得ない。検察自身の捜査方針が<官僚機構の既得権限擁護といった>政治的意図に影響される余地が全くないとまで断言はできないが、・・・強制 捜査着手直後の段階で「国策捜査批判」を展開することは、そのような不当な捜査が一般的にもあり得るという前提で批判しているように受け取られかねない。
同様に、不適切であったのは、「金の出所を詮索することはない」と述べた点である。企業が資金を出して政治献金を行う場合、その企業からのものであるこ とを政治家の側に認識してもらわなければ献金する意味がない。政治団体の政治献金の資金の拠出者が西松建設だったのであれば、少なくともその点についての認識があると考えるのが常識であろう。その常識に反する弁明をしたために、その後、新聞で、秘書と西松建設側が直接献金先についての話をしていたことなど、弁明を覆す事実が指摘され、イメージを悪化させることにつながった。・・・」
と無能ぶりをさらけだし、また民主党代表として、
「国会議員に、寄附の受領又は政治資金パーティーの購入に当たって資金の拠出者を確認する義務を課す政治資金規正法の改正を政権公約に<新たに>掲げる<とともに、かつて民主党が菅代表当時に選挙公約として掲げたことがあるところの、>「公共工事受注企業からの政治献金の全面禁止」<を選挙公約として復活することで危機をチャンスに変えることも可能なのにやろうとしない>」ことで、その無能ぶりをさらけだしました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090310/188674/?top#author_profile_tag
なお、上記コラムを書いた郷原信郎が、小沢秘書逮捕に係る「政治資金規正法違反の成否のポイントは、西松建設が資金の拠出者であったことの認識があったかどうかではない。政治団体が実体のないダミーであったか否か、その点について小沢氏側に認識があったか否かなのである」と二度も記しているのは理解に苦しみます。小沢はもちろん後者の意味で弁明しているのだし、いずれにせよそんな弁明が通らないことは、これまでのメディア報道に照らし、明らかだからです。
サヨクさん、愚かなのは「検察」でも「マスメディア」でもなく、小沢なのですよ。
(自分の不始末で)民主党が負った傷を深めてしまい、しかも傷を治して反転攻勢をかける才覚もない小沢は、即刻代表を辞任するしか残された道はないのです。
<θζσ>(http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1196337365/l50x
『選択』誌 2008年12月号 「情報カプセル、政治」
「民主党・長妻議員の動きにピリピリする霞が関」 霞が関の「居酒屋タクシー」問題を、各府省庁への「質問」で暴いた民主党の長妻昭衆院議員。
その長妻氏が十月、内閣総務官室あてに「首相官邸に百二十人分の空き執務スペースがあるのか」という資料請求をしたため、霞が関の官僚らの間に緊張が走った。
民主が政権を奪取した場合、小沢一郎代表は、中央官庁の機構改革を断行して総勢百人以上の議員を各省庁に配置すると明言している。 「長妻氏の資料請求は、官邸にも大量の議員や民間人を送り込むことを想定してのことだ」と民主党関係者は解説する。
この話は所管の内閣府から霞が関全体に一気に広がった。「民主党政権が誕生すれば、役所の幹部ポストについて政治家と民間人の任用が格段に増えることは確実。ポストを 失う各省庁の幹部たちはピリピリしている。 天下りなど認められるはずもないし」と財務省関係者。
この資料請求を受け、警察庁など 複数の省庁で、民主党の霞が関改革、特に人事方針に関して情報収集するよう号令がかけられたという。 ある中央官庁幹部は「とにかく民主党に政権をとらせなければすむことだ。元警察庁長官の漆間巌官房副長官の指揮のもと、警察庁や国税庁などが民主党議員のスキャンダル探しに躍起となっている」と語る。
<太田>
情報提供ありがとう。次の記事も似たようなものですね。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090306/188365/?top
それにしても民主党は、ひたすら官僚をぶっ叩くだけって感じですね。
私のかねてより主張している恩給制度の復活等、激変緩和措置をパッケージで出さないと、政権交替をかちとっても官僚の総スカンを食って、新政権はすぐぶっ倒されるだろうし、政権交替さえ覚束なくなりかねないってことが、どうして分からないのかなあ。
<moshika>
小沢氏自身は、「政権交代」のために辞任する可能性も匂わせているようですよ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009031102000098.html
小沢辞任は党内でも大きな声となっているようです。
http://www.asahi.com/politics/update/0308/TKY200903080137.html?ref=reca
じゃあ、次はとなると岡田氏や前原氏ということになるでしょうし、太田さんの仰るような「岡田、前原、管、鳩山以外の若手代表」(太田コラム#3135)は民主党の選択肢としては聞こえてきません。
では、来るべき総選挙で我々は誰に投票すべきか(しないべきか)?
「日本の安全保障」を利権としてだけ存在させ続ける自民党、またそのご相伴に預かっている公明党、そして少なくとも今回の西松事件で名前が挙がったような自民党系民主党議員には投票しないことで「政治の清廉性や潔癖性」を実現するべきでは。
その上で「政権交代」を実現させるような投票行動をとるべきでしょう。
<少数株主>
実は、ヤオハン(現、マックスバリュ東海株式会社)で、ヤオハンの社債すべて返済したと、イオンの社長がのべ、地裁も認め、更正が終わったと小さな記事で見ましたが、小生まだヤオハンの転換社債(額面100万)持っています。
確かに無記名で、持ち主探すの困難ですが、ヤオハンのHPに探している旨いちども見たことありません。当然債権者集会の案内もありません。
とにかく<イオンの社長は、>ダイエー中内に匹敵する、えげつない人と思えます。
克也氏がイオンと全く政治的に関係ないなら岡田氏が総理になっても、問題ないかもしれませんが、兄弟である以上無理でしょう。
・・・太田述正コラム#3143岡田は止めとけは全くそうだと思います。
<太田>
岡田克也は私の故郷の三重県四日市を選挙区としていますが、ご存じのようにイオン発祥の地は四日市です。そして、イオン丸抱えの彼の選挙の実態からすると、彼はイオンの政治部長だと言われても仕方ない面があります。
彼はもともと通産官僚ですが、当時は、イオンから流通業界の監督官庁たる旧通産省に出向していた、と揶揄したくもなります。
イオンが全国的に巨大な存在感のある大企業であることに鑑みると、ご懸念は当たっています。
サヨクさん、moshikaさん、少数株主さん、結局緊急避難的には、消去法で行って、次の民主党代表は、やはり鳩山由紀夫・・自民党のしかも旧田中派の出身だが、純粋な2世政治家とは言えず、しかも、家産があってカネにきれい、おまけに学問が身についている・・が一番無難な気がしますね。
記事の紹介です。
人民網が、映画を引き合いに出して、またまた日本ヨイショ記事を掲げました。
http://j.peopledaily.com.cn/94473/6610588.html
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太田述正コラム#3146(2009.3.11)
<麻薬問題の危機的現状(その3)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x422)
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