太田述正コラム#14707(2025.1.17)
<皆さんとディスカッション(続x6139)/映画評論245:武則天(その3)>

<太田>

 安倍問題/防衛費増。↓

 なし。

 ウクライナ問題/ガザ戦争。↓

 <予定通りだろ。↓>
 Israel delays vote to approve Gaza ceasefire deal・・・
https://www.bbc.com/news/articles/c93ll522e9no

 妄想瘋癲老人米国。↓

 なし。

 それでは、その他の国内記事の紹介です。↓

 日・文カルト問題。↓

 <ご心配なことで。↓>
 「日本と協力進める中国、”現職大統領拘束”韓国との外交はストップ・・・韓国・YTN・・・韓国ネット「早く正常な状態に…」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b947258-s39-c10-d0191.html
 <それはそれは。↓>
 「・・・今年の韓国の成長率見通し(2.2%)は、日本の長期不況直前を下回る。財政赤字と家計債務の割合は、日本の1990年代初めと似ている。日本が韓国に追い越されたように、産業競争力で隣の中国に押される様子も似ている。人口構造の高齢化は30年前の日本より深刻だ。韓国経済が低成長、物価安、低金利に代表される日本化(Japanification)に陥り、「新興衰退国」に転落しかねないとの懸念が高まっている。原因は新たな成長動力となる産業を模索できず、構造改革を行えず、輸出依存型経済の構造へとシフトすることに失敗したためと分析されている。利害対立を調整すべき政界が改革に背を向けていることも、不況初期の日本との共通点だ。
 1970年代から80年代にかけ、世界2位の経済大国だった日本はそれでも失われた30年に耐える体力があった。20年以上蓄積した資本で世界最大の債権保有国になり、基軸通貨を保有していた。延世大の金正湜(キム・ジョンシク)名誉教授は「今年時点で世界14位の韓国経済は日本に比べ資本の蓄積が不足しているため、一度低成長トンネルに入ると元には戻りにくい」と話した。」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/01/04/2025010480008.html
 <ちゃいますがな。太田コラムを読みなさい!↓>
 「「韓国には創意性や躍動感が残っている…過去の栄光に酔い変化を拒否した日本の失敗を繰り返すな」・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/01/04/2025010480007.html

 その通りだねえ。↓

 「・・・単に敵国にダメージを与える、戦利品や利権を得る、というだけでなく、「勝って領土とすること」へのこだわりは、ローマ人に始まるのではないか・・・
 かつてプラトンが、その著書『国家』のなかで「知を愛する人」「勝利を愛する人」「利得を愛する人」を人間の基本的な3分類としたのは、都市国家ローマがイタリアを統一するずっと以前のことだった。しかしこの3類型にそれぞれ、ギリシア人、ローマ人、フェニキア人をあてはめると、ずいぶんとしっくりきてしまう。・・・
 前146年は、ローマにとって忘れがたい年となった。ローマはカルタゴを滅亡させ、マケドニアを属州化し、ギリシアの有力都市コリントスを破壊した。イタリア半島からみて、西にはカルタゴ勢力圏があり、東にはマケドニア・ギリシア勢力圏があったが、そのすべてがローマの手中におちたのだ。ローマは「世界帝国」への扉を開いたのである。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/c8e3831593cf9beecc01661a42176b7d7afbb18c
 「・・・宗教によらない日本の道徳教育と、キリスト教以前のローマ人の規範である「父祖の遺風」・・・」
https://gendai.media/articles/-/144489?utm_source=yahoonews&utm_medium=related&utm_campaign=link&utm_content=related

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <総体継受継続中。↓>
 「中国のSNS・小紅書(RED)に、「日本国民の素養にまた衝撃を受けた」との投稿があった。・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b946848-s25-c30-d0052.html
 「日本で交通事故を起こした香港人女性のSNS投稿に批判が殺到している。香港メディアの香港01が・・・報じた。・・・
 「ぶつかっておいて『何の問題もない』とはどういうことだ」「(事故が起きて)警察に通報するのは問題だとでもいうのか?」「香港では当て逃げが当然なのか?」「香港人の評判を落とすな」「海外で恥をさらすな。外国で起こした事故を誇らしげにネットに投稿するなんて香港人だけだ」「無教養。自分が相手の車に追突しておいて、よくそんな大口をたたけるな」「警察に通報しないと保険は効かない。レンタカーを借りる時に説明を聞かなかったのか?」といった声が並んだという。」
https://www.recordchina.co.jp/b947253-s25-c30-d0052.html
 <いまだに、自分の脂肪以外、誰にも感謝の言葉を発してないなあ。↓>
 「日本の海で36時間漂流して救助された女性が「感謝」したのは・・・中国メディアの紅星新聞・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b947200-s25-c30-d0052.html
 <痴漢は継受しなくていいからね。↓>
 「・・・中国メディアの環球時報は、・・・近年日本では大学入学共通テスト開催日に遅刻できない受験生を狙った痴漢事案が増えていると紹介し、ネット上ではテスト当日を「絶好の痴漢日和」「痴漢祭り」などと称する書き込みが相次ぎ、受験生に恐怖心を抱かせているとした。
 このニュースは中国のSNS・微博(ウェイボー)で注目を集め、検索ワードランキングの上位に入った。中国のネットユーザーは「AVのシーンは日本の現実世界でも存在するんだな」「他人に面倒をかけたがらないのが日本人(では?)」「日本ってとても異常だと思う部分がいくつかある」「中国なら自家用車で送迎するか、学校がバスを手配してくれる。しかも受験票を忘れて取りに帰るために、警察が誘導してくれる」「公共交通機関に監視カメラがないのだろうか」といった感想を残している。
 また、「他人が触れると電流が流れる、痴漢防止用の下着を開発してはどうか」との提案には多くの賛同が寄せられる一方で、「アイデアはいいが、日本の電車はすごい混雑しているから関係ない人が感電してしまう可能性がある」と指摘するユーザーもいた。」
https://www.recordchina.co.jp/b947251-s25-c30-d0193.html
 <ご愛顧に深謝。↓>
 「「名探偵コナン」×「ハリーポッター」のコラボに中国ネット期待=「夢のよう」・・・中国のポータルサイト・捜狐・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b947270-s25-c30-d0201.html
 「訪日外国人の消費額が初の8兆円超え、・・・中国が1兆7335億円で全体の21.3%を占めてトップ。以下、台湾が1兆936億円、韓国が9632億円、米国が9021億円、香港が6584億円と続いた。この5つの国・地域で全体の65.7%を占めた。・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b947254-s25-c30-d0052.html
 <日中交流人士モノ。↓>
 「<卓球>張本智和が決勝進出、相手は54位の中国選手=中国メディア「張本が優位に見えるが…」・・・中国のポータルサイト・捜狐・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b947322-s25-c50-d0052.html
 「<卓球>張本智和に挑む中国の若手、「体力」がポイントに?・・・中国のポータルサイト・捜狐・・・」

https://www.recordchina.co.jp/b947263-s25-c50-d0052.html

                --映画評論245:武則天(その3)--

3回目までの最大の見せ場は、武則天・・当時は武如意と呼ばれていたことにこの番組ではなっている・・と太宗の出会いであり、彼女が、一人で仮面をつけて蘭陵王の舞を舞っているところに、太宗が現れ、二人で暫時舞を続け、分れる、という挿話が描かれる。
 もちろん、これはフィクションだが、「北斉の兵士たちは「蘭陵王<(注3)>入陣曲」という歌謡を作り、[高長恭]の勇猛を称えた。・・・「入陣曲」は、武則天の宴において孫の岐王李範が『蘭陵王』の演目を舞うなど後世に受け継がれていった。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E9%95%B7%E6%81%AD
ということから、この舞、武則天と縁が深いものであったことは事実らしい。

 (注3)541~573年。「北斉の皇族。長恭は字であり、・・・蘭陵王(らんりょうおう)・・・の王号で知られる。・・・
 549年に東魏の重臣である父が暗殺されると、同母弟の高洋(長恭の叔父)がその仇を討ち、翌年には東魏の孝静帝に禅譲を迫って北斉を建国した。・・・
 560年3月、・・・長恭は徐州の蘭陵王に封ぜられる(蘭陵郡は現在の山東省臨沂市に位置する)。・・・
 <北周による北斉の洛陽包囲戦の際、>高長恭は500騎を率いて北周軍に・・・突入し、洛陽城西北角の金墉城にたどりついた。しかし、包囲が厳しかったため、城の守備兵たちには高長恭の率いる部隊が味方かどうか分からなかった。そこで高長恭が兜を脱いで素顔をさらしたところ(当時、将兵は戦闘時に兜とともに鉄の仮面をつけ、頭と顔を防御していた)、味方であること知った守備兵たちは弩を下ろして開門し、このことにより北周に勝利したという。北斉の兵士たちは「蘭陵王入陣曲」という歌謡を作り、彼の勇猛を称えた。この逸話が変化し、唐代には「その美貌が兵卒たちの士気を下げることを恐れ、常に仮面をつけて戦っていた」という、現在知られている伝説が誕生した(唐代の『教坊記』には「大面出北斉。蘭陵王長恭性膽勇,而貌若婦人。自嫌不足以威敵,乃刻木為假面,臨陣著之。」とあり、自身の婦人のような容貌が、敵を威圧するのに足りないことを嫌って、木面をつけて戦陣に臨んだ、と記されている)。・・・
 勇猛な武将でありながら美貌の持ち主であり、なおかつ主君に妬まれて悲劇的な最期を遂げたことから人気は高かった。特に『蘭陵王入陣曲』は唐代に日本に伝わり、雅楽の演目『蘭陵王(陵王)』として演じられている。・・・
 日本の小説では、曲を題材にした三島由紀夫の『蘭陵王』や高長恭本人を題材にした田中芳樹の『蘭陵王』がある。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E9%95%B7%E6%81%AD

 なお、長孫皇后は存命時、よく『蘭陵王』を舞っていたというのが、この挿話のふれこみなのだが、同皇后の母は、北斉の皇室の流れを汲む高氏である
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E5%AD%AB%E7%9A%87%E5%90%8E
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E5%8B%B1
という点もミソだ。
 ところで、『蘭陵王』は、日本の雅楽の曲目の中では、具体的史実に即しているという点で異質
https://www.nihongagakukai.gr.jp/about_gagaku/track.html
であり、騎馬遊牧民の脅威を、日本の貴族達に刷り込むという副次的目的もあって演じられることになったのではないか、というのが私の大胆な仮説た。

(続く)

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太田述正コラム#14708(2025.1.17)
<池上裕子『織豊政権と江戸幕府』を読む(その4)>

→非公開