太田述正コラム#14544(2024.10.26)
<G・クラーク『ユニークな日本人』を読む(その15)>(2025.1.21公開)

⇒ここからは、竹村健一によるクラークのインタビュー部分からの紹介ですが、長いだけで、全体が既紹介部分の付けたり、焼き直しに過ぎない、と言っていいでしょう。(太田)

 「私がまず日本人についていいたいことは、日本人は心理・考え方の面でほかの民族とはあまりに違っていて、しかも、昔からすこしも変わっていないということです。・・・
 日本人の心、日本人の考え方はいっこうに変わっていない。
 そしてこわれない。
 変わることもできないんです。・・・
 日本の文化<(注10)>っていうのはね、ないんですよ。・・・

(注10)「英語やフランス語は、日本語・<漢>語・ドイツ語とは異なり、「文化」と区別される「教養」という語を持っていないので、その間の区分が明示的でない。
 人類学においては、人間と自然や動物の差異を説明するための概念が文化である。
 こうした定義の最初のものはイギリスの人類学者エドワード・バーネット・タイラー (1871) の、<「>広く民族学で使われる文化、あるいは文明の定義とは、知識、信仰、芸術、道徳、法律、慣行、その他、人が社会の成員として獲得した能力や習慣を含むところの複合された総体のことである<」>・・・である。
 この定義は動物に社会が存在しないことが自明とされていた時代の定義であり、後に野生動物も社会を形成することが認められるようになると、新たな制約が加えられた。動物が使うことがない言語によって特徴づけるようになったのである。この場合、動物の音声コミュニケーションとは異なる特徴である再帰性や象徴性が強調された。レヴィ=ストロースによれば、言語は文化の条件であるという。つまり文化は、それが非言語的なものであっても言語的な性質を備えている象徴的な事象と定義するもので、構造主義文化人類学者によく使われる。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%8C%96
 エドワード・バーネット・タイラー(Sir Edward Burnett Tylor。1832~1917年)は、「イギリスの人類学者。「文化人類学の父」と呼ばれる。宗教の起源に関してアニミズムを提唱した。・・・大学の学位は取得しなかった<が、>・・・オックスフォード大学の初代人類学教室の教授になった。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%BC
 「文明(・・・英: civilization、ラテン語: civilizatio)は、人間が作り出した高度な文化あるいは社会を包括的に指す。
 文明が発生するには、まず前提として農耕による食糧生産の開始と、それによる余剰農産物の生産がなければならない。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E6%98%8E

 だから・・・なんでも・・・受け入れられるのです。・・・
 文化というものは、・・・たとえば宗教や習慣、広い意味でいえばイデオロギーや思想の体系、それが文化なのです。」(10~11)

⇒私の文化/文明という言葉の使い方は、概ね、「注10」の通りであり、クラークも同じだとすればですが、彼が、日本には文化が(、従って文明も、)ないと言っている以上、彼は、日本人は人間未満の動物に等しい、と言っているに等しく、これぞ人種主義、と謗られても致し方ないでしょう。(太田)

(続く)