太田述正コラム#14743(2025.2.4)
<皆さんとディスカッション(続x6157)/映画評論245:武則天(その8)>
<太田>
安倍問題/防衛費増。↓
<昭和天皇にアピールするための逮捕目的の訪問だったと見てよく、恐らくは、岳父の牧野伸顕の指示によるもので、木戸に伝えたのも牧野だったのではないか。↓>
「・・・昭和二十年の初めであったと記憶するが、ある日、木戸[幸一]内府が私<・・藤田尚徳侍従長・・>に、「吉田茂君が、あなたにあいたいと言っているが……」 と言われる。吉田氏とは、それまで深い交際のある方ではなかったが、内府の紹介でもあり、私は快く官舎にお招きした。日曜日であった。吉田氏は紋付に白足袋という姿で、外務省の車に乗って、三番町の侍従長官舎にみえた。後年、首相となってからも、この服装で出歩いた人だが、空襲下の当時では随分と異様に思える服装であった。およそ二時間も歓談したが、吉田氏が私に述べられたのは、戦争の見通しと、和平交渉の方策であった。彼は大胆卒直に次のような趣旨を述べた。「すでに敗戦の勢いは必至で、挽回することは不可能な事態にきている。そこでソ連を仲介にして和平をはかろうとする動きがあるが、これはさけるべきだと思う。何故にこのように迂遠にして、実りの見通せぬ方法をえらぼうとしているのであろうか、私には解せぬことである。むしろ戦争をおさめようとするなら、日本が戦争をしかけた相手に、卒直に談判したらよいではないか。私としては米英に知人、友人も多いので、この方向で運動を進める積りだ」 雄弁ではないが、熱のこもった口調で訥々と語る吉田氏であった。当時米英を口にすることは国民のタブーであった。それをあえて口にする吉田氏の熱情に、私は心を打たれた。なぜ吉田氏が私に、その心中をうったえられたのか、それは分らない。侍従長として、陛下に私から直接奏上するとは思われなかったろうから、陛下の側近にあるものの和平に対する空気を打診されたものであったろう。私はもっぱら聞き役で、意見は述べなかったが、吉田氏は機嫌よく引きあげられた。木戸内府、近衛[文麿]公その他の間で、和平に対する工作は相当に進んでいたようだが、まだ表面化しなかった際である。吉田氏のこのような堂々とした態度は、さすがに憲兵隊の注視するところになったようだった。後に吉田氏は和平工作の廉(かど)で憲兵隊に捕われることになるのだが、陛下は当時から吉田氏の直情径行な愛国の志を十分に知っておられた。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/94582ab714395c76f9247dcf07172d17ff24be1f
ウクライナ問題/ガザ戦争。↓
<ヤルもんだねえ。↓>
「・・・モスクワ北西部の高級アパートで3日、爆発があり2人が死亡、少なくとも3人が負傷しました。死亡したのは、受刑者らを集めた志願兵部隊「アルバト」の創設者アルメン・サルキシャン氏とその警護要員です。サルキシャン氏はウクライナで親ロシア派として10年以上活動していて、ウクライナ当局が指名手配していました。・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%83%A2%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AF%E3%81%AE%E9%AB%98%E7%B4%9A%E3%82%A2%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%A7%E7%88%86%E7%99%BA-%E8%A6%AA%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E6%B4%BE%E7%8B%99%E3%81%84%E3%81%8B/ar-AA1ylYrd?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=2556d99744064667945470e709582b89&ei=46
妄想瘋癲老人米国。↓
<ゲップ。↓>
「対カナダ関税発動も1か月延期で合意・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f6122845ffe35c5e8b1ff4469546de528532a1a0
「・・・パナマが巨大経済圏構想「一帯一路」から離脱する方針を表明したことは、中国にとって痛手となりそうだ。・・・」
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250204-OYT1T50019/
「米国際開発局、本部を閉鎖 職員締め出し・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%96%8B%E7%99%BA%E5%B1%80-%E6%9C%AC%E9%83%A8%E3%82%92%E9%96%89%E9%8E%96-%E8%81%B7%E5%93%A1%E7%B7%A0%E3%82%81%E5%87%BA%E3%81%97/ar-AA1ylzTg?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=69a95839b3ba4d9e924925357997fe30&ei=70
「・・・対外援助の担当庁「閉鎖する」 国務省吸収か・・・」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN03CSZ0T00C25A2000000/
それでは、その他の国内記事の紹介です。↓
野蛮人の巣窟、欧州。↓
「反捕鯨活動家、ワトソン容疑者 名誉市民に パリ「連帯の意思表示」・・・」
https://www.sankei.com/article/20250204-IST7LZTRXJMT3NZZFZ5H5BAYO4/
日・文カルト問題。↓
<文カルト瓦解の兆候?↓>
「共に民主・李在明代表「日本の防衛力強化は韓国にとって脅威にはならない」 180度転換した発言が話題に・・・
李在明代表は「一時は日本を『韓国を侵略して甚だしい人権侵害を行い、これに対してまともに謝罪もしない非常におかしな人間たちが住む国』と考えていた。しかし弁護士時代に日本を訪問した時、日本人の勤勉性や誠実さ、丁重さに衝撃を受けた。両国関係は政治的に歪曲(わいきょく)されたと考えるようになった」と説明した。李在明代表は昨年12月に国会で水嶋光一駐韓日本大使と面会した時も「個人的には日本に対する愛情は非常に深い」「韓米日協力と韓日協力は大韓民国にとって重大な課題」と発言した。・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/02/04/2025020480047.html
<これもや。↓>
「「シャネルより日本旅行」韓国の若者のブランド品離れが進行・・・「シャネルより日本旅行」韓国の若者のブランド品離れが進行=韓国ネット「賢明」「有益なことをして」・・・韓国ネット「賢明」「有益なことをして」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b948038-s39-c30-d0191.html
<その通り。↓>
「・・・韓国・京郷新聞・・・記事は「1人当たりGDPは国民の生活水準を示す指標とされているが、実際の国民の所得は見えてこない」と指摘している。GDPには家計だけでなく企業、政府が稼いだ額も合算し反映されるためで、韓国のように輸出依存度の高い国では、個人の所得と1人当たりGDPがかけ離れることがあると説明している。韓国貿易協会の23年の輸出に関する報告書によると、韓国のGDPに対する輸出額の比率は35.7%に達する。
実際の国民所得に関しては、雇用労働部の資料によると、昨年11月の労働者1人当たりの名目賃金は月380万ウォン(約40万円)で、前年より2.3%増加している。常用労働者1人当たりの賃金は月402万7000ウォン、臨時雇用・日雇い労働者の賃金は月180万7000ウォンだった。国税庁の資料によると、23年の年末調整申告者2085万人の平均賃金は年4332万ウォンで、同年の1人当たりGDP(3万5570ドル、約5187万ウォン)を下回っている。
・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b948056-s39-c30-d0195.html
あっらー。↓
「男女の平均身長・体重差、過去100年間でさらに拡大していた・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/02/01/2025020180006.html
マルクス主義史観的やねえ。↓
「・・・大航海時代に真っ先に乗り出したのは、ポルトガルとスペインです。両国ともイベリア半島というヨーロッパの西端に位置し、また長年にわたりレコンキスタ(半島再征服運動)という異教徒との戦い(=十字軍の一環)を続けていました。立地の問題でヨーロッパにおける領土の拡大の余地はなく、また国家統合のためにも外的な要因に訴える必要から、文字通り大海原へ漕ぎ出すのです。さて、外洋に乗り出そうというポルトガルとスペインですが、終着点、すなわちゴールがあります。それが、モルッカ諸島です・・・。東南アジア、現在のインドネシア東部のマルク州および北マルク州にあたるこの島々は、古くから香辛料の一大産地として知られました。なかでもナツメグやクローブ(丁子)は、当時ここでしか入手できませんでした。このためモルッカ諸島はヨーロッパからは「香料諸島」とも呼ばれ、ここを目的地に航海が始まるのです。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/a783ff63df6076d1304fdc0ad4d89baa9904d583
中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
<まあ、概ねよろしいとしよう。↓>
「50万のフォロワーを持つブロガーは・・・中国のSNS・微博(ウェイボー)<で>・・・、「日本は比較的旅行する価値のある国だ。反日的な友人が何人もいるが、日本旅行に行って帰ってくるとみんな見方が変わる」とし、「今の日本は科学技術だけでなく文明レベル(マナーやモラル)も世界トップクラスだ」と称賛した。
・・・ネットユーザーからは「(日本の)科学技術がトップなわけないだろう」「不正技術のことか?ホントウニスミマセン」「小さな礼儀はあるが大義のない国。短期旅行に適しているだけで、行けば行くほど魅力がないことに気付く」「私は反日ではないが日本に行って見方が変わったよ。大したことはなく、『日吹(日本を称賛する人々)』が言うほど良くないということが分かった」「日本がリードしているのはアダルト産業だけ」といった批判的な声や、「文明は素晴らしいが科学技術は疑問が残る」「文明レベルは本当に高いでも科学技術は大したことないだろう」と一部否定的な声が寄せられた。
一方、肯定的な意見では「文明レベルは(日本に)かなり離されている」「私の周りにもそういう人がいる。(日本から帰ってきて)色々な感慨があったようだ」「出張で日本に行ったけど、道はきれいで秩序があり、人は親切で礼儀正しく、仕事熱心だった。効率はちょっと悪かったけどね」「日本の良さは生活の細かな部分に体現されている。日本では面倒な人間関係にそれほど悩まずに済むし、誰かに何かを頼んだり、張り合ったりする必要もない。私が金持ちかどうか、誰も気にしていない。高望みしなければ仕事が見つからないこともない。本当に『普通の人』が暮らすのに適している」などが寄せられている。」
https://www.recordchina.co.jp/b948028-s25-c30-d0052.html
<メッ。↓>
「台湾メディアの三立新聞網は1日、日本でタクシーに乗車した中国人男性が運転手に対し中国語が分からないのをいいことに中国語で暴言を吐き続け、その様子を一緒にいる女性が笑いながら撮影する動画が日本のX(旧ツイッター)などで物議を醸したことを取り上げた。・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b948010-s25-c30-d0192.html
<大げさな。↓>
「・・・在日中国人女性の動画が、中国のSNSで反響を呼んでいる。
動画で女性は「最近は本当に日本に来ないくていいなら来ない方がいい。日本のインフルエンザは本当に深刻すぎる」と語り、「思わぬことに私も感染した。今年は日本では過去10年で一番インフルがひどい年で、警報レベルになっている」とした。・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b948040-s25-c30-d0052.html
<いずれにせよ、引き続き総体継受を!↓>
「中国の著名なサッカー評論家の董路(ドン・ルー)氏が、「中国が日本から学べない理由」について語った。・・・
「最も基本的な問題だ。サッカーとは何か。中国サッカーはどれほど後れているのか。複雑なシステムの設計の問題、事実に基づいて真実を求め自ら発展していくという問題、社会の多元的総合的な作用の問題。現在ある基礎の上でどのようにして真実を求めていくか。そしてどのようにイノベーションを起こし、分野を超えて、総合的な力を高められるか、どうやって自分たちの基準となるシステムを確立していくかという問題だ」・・・中国のSNS・微博(ウェイボー)・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b947962-s25-c50-d0052.html
<その通り。↓>
「華字メディアの日本華僑報網・・・記事は・・・「中国のBYDの台頭、日本のホンダと日産の経営統合の話し合い、業界をリードするトヨタの存在、これらの背後には世界自動車業界の変革と将来の発展のすう勢が反映されている。EVブームはすでに世界を席巻し、自動車メーカー各社へ製品の性能と品質に対する関心を促すだけでなく、環境保護や持続可能性にまで関心を広げるよう要求している。これはある意味、自動車メーカーが技術研究と開発、製造、販売などの各段階での変革と刷新を求められているということだ。・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b947983-s25-c20-d0197.html
<太田>
一 新トイレ
<ジュプロ>
・・・この度はご不安をお掛け致しまして誠に申し訳ございません。
また、太田様よりメーカーへお問い合わせいただきありがとうございます。
当店では商品選定はお客様にて行っていただいておりますので、商品の性能等につきましては、当店からのご案内は行っておりません。
しかしながら、この度太田様よりいただきましたご意見につきましては、社内へ共有し、改善に全力で取り組んでまいります。
この度は、貴重なご意見をいただきまして誠にありがとうございました。
その他ご不明点等ございましたら、いつでもお問い合わせくださいませ。
何卒よろしくお願い申し上げます。
<太田>
分かっておられると思いますが、今回は、御社の方から、「商品」を一種類だけ「指定」されてきたところ、その際、同じ型式でもこれは一番ベーシックな製品であって、より多機能の製品もあります、的なご案内くらいはあってしかるべきだったと思う、という趣旨です。
念のため。
<ジュプロ>
・・・当店より設置可能な商品をご提案したにもかかわらず、あくまでもベーシックな商品であるという事が、ご案内がいたしかねておりご迷惑をおかけいたしまして、誠に申し訳ございませんでした。
当初のお問い合わせいただいた内容と併せて、社内へ報告させていただきます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
二 確定申告
みずほ銀行とPayPalで出入金明細見るだけのことが恐ろしく面倒になっていることを発見。
PayPalは何とかなったが、みずほ銀行は見ることができるようになるまで2~3週間かかることから、ATMで通帳記入する必要があり、おかげで、土地台帳閲覧かたがた、区役所へ出かける理由が増えた。
–映画評論245:武則天(その8)–
第12~13話の中心は大朝会であり、「大朝会で最も重要な儀式である<朝貢諸国との>馬球の試合の<唐側の>隊長を決めるため、皇子たちによる剣の腕比べ」が描かれる。
https://www.bs11.jp/drama/busokuten/ 前掲
馬球とはポロ(polo)のことであり、「紀元前6世紀のペルシャ(現在のイラン)を起源とし、騎馬隊の軍事訓練としてインド、<支那>、日本へ伝播した。特に<支那>では唐の時代以降、皇室で楽しまれ<た>」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AD
ところ、このことは、まさに、唐が騎馬遊牧民由来の王朝であったことを象徴している。
また、この大朝会には、唐側から朝貢国とみなされていた日本・・東瀛[古代<支那>において、仙人の住むという東方の三神山(蓬萊・方丈)の一つを意味し、転じて日本を指す雅称。現在でも漢民族は日本のことを東瀛とも言う]
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E7%80%9B
と表現・・も参加しているように描かれているが、舒明天皇
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%92%E6%98%8E%E5%A4%A9%E7%9A%87
が使節を派遣したことになっていることから、これは、第一回遣唐使を念頭に置いているものと思われる。
ちなみに、第一回遣唐使は、630年(舒明2年)から632年(舒明4年)にかけてのものであり、大使は犬上御田鍬、副使は薬師恵日で、その経緯は、「犬上御田鍬は614年に遣隋使として渡航経験がある<が、>朝鮮半島経由の北路を通ったとされ<、>一行は631年に皇帝太宗と謁見した<ところ、>『旧唐書』に拠れば太宗はその道中の遠いことに同情し、以降の毎年の入貢を止めさせ<、>帰国の際、唐の送使高表仁が同行来日し、僧旻・勝鳥養・霊雲らも同行帰国し<ていて、>新羅の送使も帰国に同行しているため、朝鮮半島経由コースであったと推測され<、>8月に対馬に帰着。高表仁らは10月4日に難波津に着き、翌年1月26日に帰国した<が、>高表仁は滞在中に格式などと推定される揉め事により、親書を読まずに帰国し、帰国後に咎められてい<て、>『日本書紀』でも唐使を難波の館に迎えて神酒を賜った後、入京の記事がなくいきなり帰国の記事があり、トラブルの存在が窺われる」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%A3%E5%94%90%E4%BD%BF
ところだ。
面白いのは、話の中では、この遣唐使が次の一手問題の棋譜を携えた日本人の囲碁の棋士を伴っており、囲碁だけでなく、馬球や琵琶演奏を含むあらゆる試合で唐は朝貢諸国に勝利することで、唐の威勢を見せつけなければならないことになっていて、囲碁では、あえて、女性である、当時婕妤の徐慧(前出)に次の一手を当てさせ、かつ彼女に対戦させてこの日本人棋士を破らせよう企んだことだ。
(続く)
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太田述正コラム#14744(2025.2.4)
<池上裕子『織豊政権と江戸幕府』を読む(その22)>
→非公開