太田述正コラム#14757(2025.2.11)
<皆さんとディスカッション(続x6164)/映画評論245:武則天(その10)>
<太田>
安倍問題/防衛費増。↓
<「憲法9条政府解釈/米属国」信者しかいない日本に分極化の兆候なんぞ皆無だよ。↓>
「「分極化が深刻化しているアメリカでは改善の兆しは見えず手遅れ感があるが、日本はまだ間に合う感じがしています」・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/8aafb476943f61e155fc9ed5702b4832360b077a
<軍隊が存在しない日本で「文民統制」を論じること自体がナンセンスだよ。↓>
「「自衛官の国会答弁問題」で安住淳氏が見落としていること…日本人の「文民統制観」が時代遅れである「本質的な理由」・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/e06ddfbb9498a753c4770aab07282fa098cf5dac
https://gendai.media/articles/-/146655?utm_source=yahoonews&utm_medium=related&utm_campaign=link&utm_content=related
ウクライナ問題/ガザ戦争。↓
<そりゃ、パレスティナ側がアホでアカンタレだからよ。↓>
Paul Adams: Why the Gaza ceasefire is under growing strain・・・
https://www.bbc.com/news/articles/cd649p8yq16o
<トランプ、いいこともする。↓>
Trump says he could withhold aid to Jordan, Egypt if they don’t take in Palestinians・・・
https://www.washingtonpost.com/world/2025/02/10/israel-war-gaza-ceasefire-hostages-news-hamas/
妄想瘋癲老人米国。↓
<日本が、米国の属国のままでできることなどないよ。↓>
「米国はもはや「恐喝集団」?このままでは米国は友達を失う 日本がやるべき3つのこと・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/7fb9b20e6e0bd45e9b2c78f16a532f01ac59ea22
それでは、その他の国内記事の紹介です。↓
おおむね、納得。↓
「・・・父系制が日本の家族の伝統のように誤解している人が少なくないが、「中国化」だったことは覚えておいてほしい。・・・
自然に親族関係をたどれば、母方と父方の両方に伸びてゆくので、人類社会の原型に近いのはこのタイプの社会であろうと、エマニュエル・トッドも述べている(トッド『家族システムの起源』)。
しかし大陸の中央部に父系的親族集団を発達させた大文明(=中国・インド・西アジア文明)が出現して勢力を拡大するに従って、双系的社会は周辺部に残るのみとなり、しかも父系的変容を被っていった。中国文明は東アジア、インド文明は東南アジアに広がり、西アジアの文明はヨーロッパに入った。奈良時代から平安時代にかけての日本社会の変容は、こうした大きな世界史的な流れの中にある。・・・
しかし、日本社会の変化は「父系化」と言うにはあまりにゆるくて、せいぜい「疑似父系化」とでも言っておいたほうがよさそうだ。藤原道長が妻の源倫子が親から相続した邸宅に住んだように、女性の相続権が強く、婚姻形態も婿取り婚だった。天皇の母方の祖父やオジが権力を握る摂関政治のように、外戚が実権をもつ政治が繰り返され、武家政権の鎌倉時代になっても源頼朝の妻の北条政子の一族が執権政治を続けた。日本社会の基底にある双系的な親族構造が、「父系化」の波に抗し続けたと言えるだろう。日本のゆるさは、同じ「広義の東南アジア」に属していた朝鮮などと比べても際立っている(小浜・落合編『東アジアは儒教社会か?』)。
この時代の夫婦の姓はと言えば、源倫子、北条政子(北条一族の本姓は平とされる)という名前を出したように、「氏」が結婚により変わることはなかった。つまり夫婦別姓だった。・・・
平安時代後期から中世にかけて、「氏」とはまったく異なるタイプの「名字」や「苗字」が成立してくる。これらは領地の地名や職名などからつけられたもので、そうした家産や家業を継承する集団として形成された「家」の名としての「家名」と言ってよい。
注意しておきたいのは、「家」は「氏」のように血縁でつながった出自集団というわけではなく、あくまで家産等を中心に成立した集団であり、結束を強めるために同名字をなのるなど(奥富『名字の歴史学』)、血縁関係に無い他人を含めるのも珍しくなかったということだ。融通無碍な養子慣行も発達した。
日本の「家」は父系出自集団を背景にもつ中国の「家(jia)」とは全く異なり、むしろヨーロッパの一部に存在する「直系家族」に近い。人類学者のレヴィ=ストロースはこれを「メゾン(家!)」と呼ぶ。「メゾン」も(物理的な建物である)家や土地の継承を軸とするタイプの家族である。つまり「家」や「メゾン」は双系的親族構造と親和性の高い社会組織なのである。
日本の双系的な伝統は、中国のような厳密な父系出自集団の成立を阻み、双系制になじみやすい「家」という家族制度を生み出した。・・・
<以下は、初耳の箇所も少なくない。↓>
江戸時代の後期になって娘の相続権が縮小していったことが、「半檀家」を減らし、妻の家帰属認識にも影響を与えたようだ。夫婦同苗字はともかく、夫婦同家帰属という意識はその時期に強まったと思われる。・・・
1876年、地方からの問合せに答えて、妻は「所生の氏」を称すべしとする太政官指令が出された。夫婦別氏制である。明治維新で勢力を盛り返した公家や新政府の官僚になった武士たちにとっての正統な慣習、つまり「氏」の夫婦別姓原則が反映されたものだった。 しかしこれに対して地方官庁から、妻は夫の氏を称するのが民間の慣例だが、との伺いが相次いだ。家名としての「苗字」しか理解できない庶民とのずれが表面化した。日本の姓の二つの伝統がぶつかった。そもそもこの指令に「但、夫の家を相続したる上は、夫家の氏を称すべき事」という、「家」原則に妥協した但し書がつけられていたように、政府の方針も引き裂かれていた。 すったもんだの末、1896年に制定された明治民法では、一転して夫婦同氏制が採用された。決め手となったのは「西洋化」だったことを特筆しておきたい。・・・
https://gendai.media/articles/-/146597?utm_source=yahoonews&utm_medium=related&utm_campaign=link&utm_content=related
https://news.yahoo.co.jp/articles/a8c9e3006cc47d2951cff653066d7ba57574c31d
日・文カルト問題。↓
<当たり前のことだと本文じゃ言ってるんだから見出しはオカシイだろうが。↓>
「おべっかの技術【萬物相】 石破・トランプ初会談・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/02/11/2025021180012.html
<情報が瞬時に国境を超える時代なんだねえ。↓>
「日本を旅行していたところ、山の中で遭難した10代が<在韓の>韓国警察官の素早い対応で無事救助された。・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/329730
<日韓交流人士モノ。↓>
「釜山市長と和歌山県知事が会談 ワーケーション活性化策を協議・・・」
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20250211000800882?section=japan-relationship/index
中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
<邦語媒体より。
近々、この本を取り上げた(有料)コラム・シリーズを始めるのでそちらに譲り、紹介だけしておく。↓>
「【橋爪大三郎氏×峯村健司氏】中国共産党にとって「不都合な真実」を理解しなければ外交もビジネスも成り立たない 国を挙げて研究すべき課題に・・・」
https://www.moneypost.jp/1219915?utm_source=news.yahoo.co.jp&utm_medium=referral&utm_campaign=related_link
「【橋爪大三郎×峯村健司】格差拡大、汚職の蔓延、環境汚染… 改革開放路線で急速に近代化を遂げた中国で“経済発展の矛盾”が放置され続けた理由・・・」
https://www.moneypost.jp/1233975
「【現代中国最大のタブー】中国史上初めて「軍が学生や市民に銃口を向けた」天安門事件の真実 鄧小平は「CIAの陰謀」だと信じていた・・・」
https://www.moneypost.jp/1233976?utm_source=news.yahoo.co.jp&utm_medium=referral&utm_campaign=related_link
「【橋爪大三郎×峯村健司】天安門事件の経済制裁解除に日本がいち早く動いた裏事情 苦境の中国に利用された「天皇訪中」の真相・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/2a486709b9ad38487d74bdbda3fa0111440661dc
<次に人民網より。
ハイハイ。↓>
「外交部、米日共同声明に「強い不満と断固たる反対」表明・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2025/0210/c94474-20274983.html
<ここからは、レコードチャイナより。
御意。↓>
「・・・環球時報は、「日米の新たな黄金時代実現の勝算はどれほどか」と題した中国国際問題研究院の項昊宇氏による評論記事を掲載した。・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b948336-s25-c10-d0193.html
<お見事!↓>
「「日本の小学校は中国より100年後れてる」、その真意は?=中国ネット「これ好き」「一体どちらを…」・・・中国のSNS・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b948339-s25-c30-d0052.html
<太田>
一 MSIパソコン
昨日、折り返しの電話がないのにしびれを切らせて18:00の少し前にMSIのサポートに電話をかけたら、午前と同じ係員が出て、依然要領を得なかったこともあり、折り返し電話する筈だったのだから、長電話でこちらが料金を負担させられるというのはいかがなものか、そちらからかけ直してくれと言って電話を切ったが、全然かかってこないので、またもやBicカメラのサポートに電話をかけたら、これまた午前と同じ女性が出て、改めてMSIに注意喚起してもらうことにしたところ、少し経ってから、MSIのサポートの同じ係員から、ビックカメラから注意喚起を受けたと断った上で、修理する、と、言い出した。
但し、送り賃だけは私負担とのこと。
で、言われた通り、ネットで修理依頼を行っておいたところ、本日昼前、返事が来た。
元払いではなく着払いとされていたのは「朗報」だったが、「修理に伴うデータ消去同意について:(同意)」が条件になっていた。やれやれ。
二 ドコモ
スカパーでは、確かTV3台まで無償とのことだったので、この際、小型TVでも買おうかと少しネットにあたってみたが、結局、現在のTVを買い替えた時に、まだ生きているようであれば、それをパソコン部屋に移してスカパーのお世話になればいいや、と、いう暫定的結論に。
それまでは、Android用のDiximPlayを買って、タブレットでもってしのごう、と。
祝日の一人題名のない音楽会です。
シティ・ポップ小特集をお送りします。
シティ・ポップは、日本の流行歌で、私の琴線に触れる部分があるものの最後だと言っていいでしょう。
その後の日本の流行歌は、私にとっては、ほぼ無縁の存在になってしまいました。
松原みき(注a) Stay With Me HD 5.43分
https://www.youtube.com/watch?v=QNYT9wVwQ8A
(注a)1959~2004年。「元女性歌手、元作詞家、元作曲家。・・・母親がクレージーキャッツと共演したジャズ歌手であることから、3歳からピアノを習いジャズに親しんだ。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E5%8E%9F%E3%81%BF%E3%81%8D
杏里(注b) I Can’t Stop The Loneliness 4.48分
https://www.youtube.com/watch?v=zDNV8zRgrik
杏里 オリビアを聴きながら 5.28分
https://www.youtube.com/watch?v=bAcMeF3lhv0
杏里 悲しみがとまらない 4.24分
https://www.youtube.com/watch?v=Io57r9R0HcE
(注b)1961年~。「歌手、シンガーソングライター、作曲家、作詞家。・・・幼少時からピアノを習<う。>」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8F%E9%87%8C
今井美樹(注c) PRIDE 7.05分
https://www.youtube.com/watch?v=YdnrmS1h14A
(注c)1963年~。「歌手、女優<で、>・・・夫は・・・ギタリストの布袋寅泰。・・・ジャズ好きの父親の影響を受ける。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%8A%E4%BA%95%E7%BE%8E%E6%A8%B9
中山美穂(注d) 世界中の誰よりきっと 4.07分
https://www.youtube.com/watch?v=Y-D7VtFMGMo
(注e)1970~2024年。「女優、歌手。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%B1%B1%E7%BE%8E%E7%A9%82
オマケ:上白石萌音(注f)の歌唱小特集
(注f)1998年~。明大卒。「本名同じ。・・・女優、歌手<、>・・・社会貢献活動<家。>・・・父親は社会科の教師で、母親は元音楽教師で現ピアノ指導者。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E7%99%BD%E7%9F%B3%E8%90%8C%E9%9F%B3
妹の上白石萌歌(2000年~)もなかなかのもの。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E7%99%BD%E7%9F%B3%E8%90%8C%E6%AD%8C
異邦人 4.20分
https://www.youtube.com/watch?v=VNiIGAN26v4
まちぶせ 3.04分
https://www.youtube.com/watch?v=LiN2boBdRAY
–映画評論245:武則天(その10)–
第16~17話では、「太宗李世民の五男<で、>斉王に立てられたが、乱を起こして自殺させられ<る>」ことになる斉王李祐(?~643年)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E7%A5%90
の話が出てきたが、その実母については、史実とは異なり、(その実母ではなかったところの、)「 隋の煬帝の皇女<で>三男:呉王 李恪(鬱林王)、六男:蜀王 李愔の母」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E5%AE%97_(%E5%94%90) 前掲
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%A8%E5%A6%83_(%E5%94%90%E5%A4%AA%E5%AE%97) ←簡体字のウィキペディア
だったことにしている。
そうすることによって、この乱を、滅亡させられた隋の残存勢力の唐への復讐未遂劇として描き、ドラマとしての迫力を増すことに成功している。
いずれにせよ、この、失敗に終わった斉王の乱もまた、李世民の息子達の出来の悪さ、と、李世民の息子達教育の失敗、を物語っている。
もとより、この失敗で、李世民だけを責めることはできないのであって、隋や唐の支配者達・・鮮卑勢力・・が既に概ね漢人化してしまっていて、その漢人が、既に、私の言うところの阿Q化してしまっていたことによる部分も大きい、と、私は見ている。
そもそも、(ドラマの中であるとはいえ、)これまでのところ、李世民の、宮中外のみならず、宮中内も、阿Q的人物ばかりであって、妃達以下、ことごとくがエゴ丸出しの悪人揃いであることが、その「証拠」だ。
肝心の李世民自身が、玄武門の変(前出)という脛に傷ある人物だし、武則天だって、大悪人であることが、これから明らかになっていく筈だから、要は、このドラマ、全話を通じて、(非阿Qという程度の意味ながら、)善人、など一人も登場しない予感がする。
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太田述正コラム#14758(2025.2.11)
<池上裕子『織豊政権と江戸幕府』を読む(その29)>
→非公開