太田述正コラム#14771(2025.2.18)
<皆さんとディスカッション(続x6171)/映画評論245:武則天(その12)>
<太田>
安倍問題/防衛費増。↓
なし。
ウクライナ問題/ガザ戦争。↓
<そんなん、プーチンが飲むワケないわ。↓>
「・・・プーチンは最近、ウクライナが「永世中立国」となる場合に限り、ロシアは1991年の国境に基づくウクライナの領土保全を受け入れると述べた。ウクライナが中立を宣言すれば、ロシアはこれまでに占領したウクライナの領土をすべて返還する、ということだ。 それでも尚、プーチンがウクライナの領土を1ミリでも支配し続けるか、ウクライナの主権が及ぶ領土を奪還しようとすれば、西側の防衛保証が発動する。このような交換条件なら交渉の枠組みとなりうる。 ロシアがウクライナの領土を侵害しない限り、ウクライナはNATOに加盟せず中立国であり続けるという条件が、新しい合意の礎になるだろう。ロシアが侵略的な行動をとった場合、ウクライナは自動的に米軍の保護を受けられることとする。それには、アメリカを含むすべての当事者国の間に、ロシアが再び攻撃してきたら、アメリカが率いる多国籍軍が直接介入するという明確な合意が必要だ。ロシアの侵略を阻止するには つまり、ウクライナは正式なNATO加盟国にならないまま、集団防衛を規定するNATO条約第5条よりもさらに強力な安全保障を受けることになる。これで、ウクライナの安全保障ニーズとロシアのNATO非拡大要求を両立できる。ロシアが攻撃しない限り、ウクライナは中立を保つ。現代で最も厄介な地政学的問題のひとつであるこの紛争を解決すれば、トランプはノーベル平和賞を受賞する可能性さえある。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/6c0d2bb809f78efa9de420bb9c6f5bb28ffb3863
妄想瘋癲老人米国。↓
<妄想瘋癲老人を嘲笑しても詮無いことだよ。↓>
「国際開発庁(USAID)解体がアメリカを弱体化させる理由、世界が貧しくなり、中国の影響力拡大という最悪のストーリー・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/a0eecdb4a90a14991c9212b0945de1d41199eafc
<本来、英国も狭義の欧州も、この両者のキメラである米国と、それぞれ、価値観の共通部分と非共通部分があるってだけのこと。↓>
「「米国に別れを告げるときだ」 欧州と米国に「共通の価値観」はもはやない?・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/28bb17da07e868b0304c7a34d4be623b753126f0
https://courrier.jp/cj/392089/?utm_source=yahoonews&utm_medium=related&utm_campaign=392089&utm_content=politics
それでは、その他の国内記事の紹介です。↓
トロイ相手ねー。↓
「オンラインゲームの消費税、無申告の海外法人に「電光石火」で18億円追徴課税…東京国税局・・・」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250217-OYT1T50142/
確かに・・。↓
「・・・室町時代って、アメリカっぽい社会ととらえてもいいような気もしますよ。金がすべての、弱肉強食の社会という意味で。 【呉座】たしかに、それが室町時代の特徴です。 ■同調圧力に屈していない、自由な時代 【垣根】しかし、結果として見れば、国家のレベルでいうと、人も物も活き活きと動いている。社会全体から無意識の圧のようなものが希薄だったからでもあるでしょう。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/c422d34a28594738015fc2f138b380f827e4b55f
「・・・水戸学に代表される、足利尊氏を「逆賊」とする評価には、歴史的な裏づけがまったくない。尊氏は「逆賊」などと呼ばれかねない失敬がないように、むしろ配慮し続けた人物だった。
また、弟の直義との名高い兄弟げんか、すなわち観応の擾乱(かんおうのじょうらん)についても、配慮ができる人物だからこそ弟に大きな権限を持たせ、激しいけんかになったといえる。・・・」
https://president.jp/articles/-/91001?cx_referrertype=yahoo&yhref=20250215-00091856-president-soci
「・・・ノーマークである義視のところに山名たちが一斉にくっついた。まったく想定外の事態となったわけだ。つまり、伊勢貞親や細川勝元は、義政の意図をある程度理解していた。だからこそ側近ともいえるわけだが、それ以外の大名たちは、義視についていけば時代が変わるだろうと考えた。この力に圧されて貞親が失脚してしまい、義政と勝元との連携までもが狂った。義視はもとより富子も山名に加担する誤算となり、舞台上の立位置を失った勝元は大逆転のために打って出なければならなくなった。こういう流れで考えたほうがよいと思う。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/9021971472362524d5935d300e395683668370ed
日・文カルト問題。↓
<韓国で民主主義が機能し始めたというだけのこと。↓>
「政治学者の木村幹・神戸大大学院教授(比較政治学)・・・は尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が国政運営に行き詰まって戒厳令を出した背景に、保守系と進歩系の「両極化」があると指摘。大統領と議会の任期がそれぞれ5年と4年で異なり選挙のタイミングがずれることから、大統領の所属政党と国会の多数政党が異なる「分割政府」になりやすい制度的欠陥があると強調したうえで、「1987年の民主化直後は(意見の相違があっても)圧倒的なボスが話し合ってどうするか決めたが、それがなくなった」と述べた。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/14110d30932fd64baa359d6a5c94d4fbf33c953a
<ったく。↓>
「韓国女性家族部の申英淑長官代行「どうか安らかに」・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/02/17/2025021780020.html
「韓国国会議長 慰安婦被害者・吉元玉さんを哀悼・・・」
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20250217004200882?section=society-culture/index
<タイヘンねー。↓>
「・・・2022年時点で韓国における大企業の平均年俸は8万7130ドル(約1327万円)で、これは日本の5万6987ドル(約867万円)の1.5倍、欧州連合の8万536ドル(約1226万円)の1.1倍に達していた。国民所得に対する大企業の賃金水準も韓国では1人当たりGDP(国内総生産)の157%で、日本(121%)やEU(135%)よりもはるかに高かった。それだけ人件費負担が大きく、これが企業の競争力を低下させているのだ。
韓国では大企業の労働生産性が高いから賃金も高いわけではない。勤続年数により賃金が自動的に上がる年功型賃金体系に加え、強い労働組合による過激な賃金闘争の結果、生産性を上回る賃金引き上げが毎年続いてきたからだ。ここ20年間でEUにおける大企業の賃金上昇率は85%にとどまり、日本は逆に6.8%のマイナスを記録したが、韓国は158%も上昇した。その結果、韓国では大企業の初任給が5万7568ドル(約876万円)となり、日本の3万6366ドル(約553万円)の1.6倍にまで達している。
大企業の過度な賃金引き上げの影響で大企業と中小企業の賃金格差は急速に開いている。2002年時点では中小企業の平均賃金は大企業の70%ほどだったが、22年には58%にまでその割合が下がった。このように賃金の二極化が進んだ結果、中小企業は深刻な人手不足に苦しみ、若者は中小企業で働くことを避けながら就職が厳しいなどと訴える二重の問題が続いている。・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/02/17/2025021780024.html
<・・・。↓>
「日本、昨年10-12月期に高成長・円高…韓国経済に青信号か・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/329991
<日韓交流人士モノ。↓>
「「日本でも愛された」殉国80周忌を迎えた尹東柱、日本の母校・・・同志社大・・・で名誉博士に・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/329976
その全ての根底にあるのは、ゲルマン人の弥生性さ。↓
「・・・大航海時代(大交易時代)の幕開けにより、スペインやポルトガルが海外植民地をいち早く拡げました。この時の植民地は香辛料の産地や銀の産出地といった、「商品の生産地」としての性質が重視されます。しかし、重商主義時代に重視されるのは「市場」、すなわち自国の商品・製品を売りさばく場が必要とされます。よって、重商主義が興隆する17世紀より、植民地の性質は「商品の生産地から市場へ」と変化するのです。というわけで、今回の正解は「海外市場(植民地)」です。なかでもイギリスとフランスは、17世紀より海外市場をめぐって激しく争いました。イギリスとフランスの両国は、北アメリカとインドにそれぞれ拠点を設置して進出しており、双方の市場独占をめぐる対立が深刻になったのです。この両国の植民地抗争は、ヨーロッパでの大戦争とも連動しており、イギリスとフランスは百年戦争を戦います。「百年戦争」といえば、中世に英仏両国が争ったものが有名ですが(1337〜1453)、今回はそれに続く二度目の戦争ということで、「第2次英仏百年戦争」とも呼ばれます。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/656529eecb897b9174998e46ffee788e047a9e6f
中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
<人民網より。
喜んでるくせに。↓>
「外交部「日本は台湾問題で言動を慎むべき」・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2025/0217/c94474-20277763.html
<ここからは、レコードチャイナより。
よくお分かりで。米はもはや単なる野菜扱いでいいさ。↓>
「・・・フォロワー200万人を有するアカウント「前HR本人」は「日本と韓国は農協による業界の独占が国民の利益を損なっている典型的な例だ。食料の国家安全保障を名目に掲げ、輸入を制限しているが、まるで現代の合法的な裏組織のようだ。その結果、韓国と日本の1人当たりのタンパク質や果物・野菜の1日あたりの摂取量は、中国人よりも少ない」などと主張している。
中国のネットユーザーは「どうりでたくさんの人が上海にコメを買いに行くわけだ」「日本の農作物は高すぎるし、品質だって言われているほどいいわけじゃない」「日本の国産米は一貫して高級農産物として市場に出ており、もともと価格が高い。市場にはさまざまな輸入米があり、非常に安価で手に入る」「日本に行ってコメを売りたい」「普段はあまりコメの値段を気にしないのだが、調べてみたら中国のコメは5キロで20元(約1000円)だった。そう考えると日本のコメはとても高いね」といった感想を残している。
一方で「日本のコメは質がとてもいいので、あと10倍値上がりしても合理的」という意見もあった。」
https://www.recordchina.co.jp/b948669-s25-c30-d0193.html
<人間主義やぞ。↓>
「中国のSNS・小紅書(RED)に・・・、「大阪の地下鉄で優しい人に出会った」との投稿があり、反響を呼んだ。・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b948695-s25-c30-d0052.html
<それはそれ。↓>
「・・・文部科学省は、人工知能(AI)など先端分野での人材を確保するため、東京大学などでの共同研究を目的にインドの大学院生約270人の渡航費や生活費など最大300万円を支援する。理工系に強いインドから人材を受け入れ、日本の研究力や産業競争力の向上につなげるのが狙いだ。
中国のSNS・微博(ウェイボー)で・・・「なぜ自国の学生を支援しない?」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b948679-s25-c30-d0192.html
<侵略じゃないのは、習ちゃんらはよっくご存じだよ。↓>
「・・・香港メディア・香港01は、フランス人が第2次世界大戦中の日本の中国侵略に関する写真を中国に寄贈しようとしていることを報じた。・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b948670-s25-c30-d0193.html
<太田>
一 ドコモショップ
昨日、表記がらみのプロバイダーから書類の入った手紙が届き、その中に、初期契約解除を希望する<場合はその>旨の書面を当社にお送りいただく<必要があり、>・・・効力は書面を発したときに生じます」という一文があったので、不安になり、確認のために電話をかけたのだが、オペレーターに繋がるまでに色々AIに対して答えなければならないこともあり、15分を要した。
結論的には、何もしなくてよい、とのこと。
いずれにせよ、書面を送る場合の宛先が宮崎県宮崎市だったのに目を剥いた。
NTTドコモ、何してんのってこと。
二 タブレット
iOSより、現状で、アンドロイドには優れた点があるのね。↓
「電卓アプリを作るのはなぜ難しいのか、Androidの「電卓」に施された工夫とは?・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/techandscience/%E9%9B%BB%E5%8D%93%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%92%E4%BD%9C%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E9%9B%A3%E3%81%97%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%8B-android%E3%81%AE-%E9%9B%BB%E5%8D%93-%E3%81%AB%E6%96%BD%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E5%B7%A5%E5%A4%AB%E3%81%A8%E3%81%AF/ar-AA1zcCVo?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=d2efd02ecd0747459cb0bb18c382f850&ei=38
–映画評論245:武則天(その12)–
20~21話では、侯君集が高昌国を撃つべく、侯君集を派遣軍の司令官に任命する場面が出て来るが、その前後の事情は次の通りだ。↓
「高昌(こうしょう、・・・Gāochāng・・・)は、<支那>の南北朝時代から唐代にかけて現在の新疆ウイグル自治区トルファン市に存在したオアシス都市国家。・・・
貞観4年(630年)冬、・・・高昌<の>・・・麴文泰が唐に入朝すると、太宗は宇文氏に国姓の李姓を賜い、常楽公主に封じた。この年、唐が東突厥を倒して東方の伊吾(ハミ)一帯を取ると、その進出を恐れた麴文泰は西突厥とむすび、イルテベルの称号を得て、妹を西突厥の統葉護可汗(トン・ヤブグ・カガン、在位:618年? – 628年)の子に嫁がせるなどの対抗策をとった。
時に西域諸国の来朝貢者はすべて高昌を経由して唐に赴いていたが、後に麴文泰によって唐への道を封鎖されてしまい、唐への朝貢ができなくなった。伊吾は先に西突厥に臣従していたが、ここに至って唐に内属したため、麴文泰は西突厥の葉護(ヤブグ:官名)と連結し、伊吾を攻撃しようとした。そこで太宗はその大臣で冠軍の阿史那矩を召して入朝させ、議事させようとした。麴文泰は阿史那矩を遣わさず、その長史の麴雍を遣わして謝罪に行かせた。
麴文泰は西突厥の乙毗設と焉耆の3城を撃破し、その男女を捕虜にして去った。焉耆王は上表してこれを唐に訴えたため、太宗は虞部郎中の李道裕を遣わしてその状を往問した。
貞観13年(639年)、薛延陀可汗の夷男が高昌討伐を願い出たため、太宗はこれを許可した。一方で太宗は麴文泰に最後の呼びだしをかけたが、麴文泰は病と称して呼び出しに応じなかった。そこで太宗は吏部尚書の侯君集を交河道大総管とし、左屯衛大将軍の薛万均及び突厥と契苾の衆を率いさせ、歩騎数万衆で高昌討伐を行った。
貞観14年(640年)、麴文泰は唐の大軍が迫ってくるのを聞くと発病して死んだ。そのため、子の麴智盛が高昌王に即位したが、既に侯君集の兵が柳谷にまで迫り、田地城が陥落したため、麴智盛は侯君集に書を送って「罪があるのは父であり、私ではない」と弁明した。しかし、侯君集は聞き入れず、首都である交河城に迫り、衝車や抛車といった攻城兵器を使って攻城を始めた。投石によって城内は大いに混乱したため、麴智盛は遂に城を出て降伏した。これによって高昌国の3州・5県・22城は唐の勢力下に入った。そこで太宗はこの地を西昌州とし、まもなく西州に改め、安西都護府を置いて、タリム盆地の支配を開始した。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E6%98%8C
この安西都護府の設置は、前漢時代の西域都護の設置
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%9F%9F%E9%83%BD%E8%AD%B7
以来の「快挙」だが、漢人、しかも、長江文化の流れを汲む政権、による後者の設置・・東トルキスタンの領有・・の背景についての追求は今後の課題にしたい。
さて、この侯君集には、太宗の皇太子の李承乾の息がかかっているセッティングになっていたが、これは、「貞観17年(643年)、皇太子李承乾は廃位をおそれ、君集は・・・協力して兵変を計画した。しかし2月に発覚して逮捕された。太宗は君集の功績を思って一命を許したかったが、群臣が法によって君集の罪を許すべきでないと次々に奏上したため、太宗はやむなく処刑を決断し、4月に執行された。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BE%AF%E5%90%9B%E9%9B%86
という、その後の史実に基づくものだろう。
なお、侯君集は、「唐の<支那>統一に貢献してきた功臣24名を指す<ところの、>・・・凌煙閣二十四功臣<、の一人>」だ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%87%8C%E7%85%99%E9%96%A3%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%9B%9B%E5%8A%9F%E8%87%A3
「侯姓の人物は漢代にすでに見られ、『元和姓纂』には晋の晋侯緡(武公に滅ぼされた)の子孫と記すが、いっぽう『魏書』官氏志には鮮卑の胡古口引氏(『広韻』には「古口引氏」に作る)が侯氏に改めたと記すなど、その起源は多様であったようである。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BE%AF_(%E5%A7%93)
ところ、侯君集の「侯」は、元「胡古口引」だった、でほぼ決まりではなかろうか。
(続く)
太田述正コラム#14772(2025.2.18)
<橋爪大三郎・峯村健司『あぶない中国共産党』を読む(その6)>
→非公開