太田述正コラム#3173(2009.3.25)
<皆さんとディスカッション(続x436)>
<おーつか>
 来栖三郎特命全権大使の息子、来栖良大尉は海軍ではなく、技術者出身の陸軍パイロットのようです。
 「不慮の事故による死亡では気の毒だという陸軍側の配慮もあって、千葉県八街市上空での戦闘後にパラシュートで降下、着地したところ、農民からアメリカ軍のパイロットと間違えられ、竹槍で刺殺されたとの説明がなされていた」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%A5%E6%A0%96%E8%89%AF
 「遊就館の説明書きには千葉八街上空で米機と航空戦の後墜落とあった」
http://eiji.txt-nifty.com/diary/2006/08/post_6a2b.html
そうなので、アメリカにも話が捩じれて伝わっている?
<太田>
 読者は「陸軍」とも「海軍」とも言わなかったと思います。私の誤りです。
 なお、読者の説明は、遊就館の説明と平仄が合っていますね。
<新規有料購読申し込み者>
 多様な外国メディアを典拠にして、ここまで素晴らしいコラムを配信している日本語メルマガは二つとないでしょう。
 自民党公明党をぶっつぶすためにも頑張って!
<太田>
 サンキュー。
<γθε>(http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1196337365/l50x
 たかじんの委員会で軍事評論家の小川和久が田母神氏をアホ呼ばわり。
 オータンと一致してる・・
 素人にはかなり人気の田母神氏だが、専門家から見ると出来損ないか。
<θγε>
 その時の放送がUPされてた。
http://takajintv.blog101.fc2.com/blog-entry-86.html
 そう言えば太田ってたかじんのそこまで言って委員会を視聴してるんだろうか。
<εθγ>
 その前回放送での各パネリストの支持政党
自民党支持5人 (金美齢、森本敏、浅川博忠、花田紀凱、高田万由子)
民主党支持1人 (桂ざこば)
ノーコメント2人 (三宅久之、宮崎哲弥)
 太田が一昨年出演したときに、パネリストの中で太田にたいして最も無理解な態度をみせていた桂ざこばが民主党支持。
 しかも政党に期待するマニュフェストとして一人だけ天下り禁止をあげている。
 今のざこばなら太田の言う事も受け入れるかも。
<後からすみません>
 <太田さんが>さかんにしておられる小沢批判ですが、やはり私にはピンときません。役人や経済人と比べて、政治家に対する過度の(金銭面での清廉さの)期待は持っておりませんし、政治家を身近に見たことがないので、与党の重鎮と比べて、小沢氏が特に悪質だという印象もありません。
 情報が出揃うまで、しばらく静観したいと思います。
<太田>
 小沢の秘書の政治資金規正法違反容疑については、裁判で罪が確定するまでは無罪が推定される、ということを言っておられるのか、小沢らの談合罪、斡旋利得収賄罪等の非「形式」犯容疑については、時効が成立している、あるいはそもそも無罪だと思う、もしくは、二階等自民党議員に対する捜査が進展していないのは公平性に欠ける、というのか、あなたの投稿は簡単すぎて、何が言いたいのか分かりませんね。
 本日の日経BPコラム(以下抜粋を掲げる)も読んだ上で、できればもう一度、投稿してみてください。
 「・・・ 1993(平成5)年、自民党最高実力者だった元自民党副総裁、金丸信の逮捕をきっかけに起きたゼネコン汚職事件。
 莫大な予算がつぎ込まれる公共事業を背景にして受注を調整し、業者を指名する“天の声”を発する。見返りは受注額の3%が相場とされた裏献金。“天の声”を発するのは自民党建設族の大物議員や地方の実力首長たち。工事受注の調整役はゼネコンの有力者たちだった。
 こうした構図が戦後日本の保守政治を支え続けてきた。その戦後を象徴する癒着の構図にメスを入れたのがゼネコン汚職であった。
 現役の衆院議員、県知事、政令指定都市の市長、大手ゼネコンの幹部などが逮捕されたこの汚職事件は自民党、中でも権力の中枢を担い続けてきた旧田中派の流れを汲む竹下派(経世会)の内部分裂を決定的なものにし、非自民党政権である細川護熙を首班とした連立政権誕生をもたらした。・・・
 確かに特捜部が狙い定めている節がある国土交通省発注の「胆沢ダム」(岩手県。総事業費およそ2440億円)に代表されるように東北地方は小沢王国である。
 手元に残る資料を見れば大手ゼネコンで作られていた小沢後援会「桐松クラブ」の名簿には「鹿島」盛岡営業所所長を会長として大手ゼネコンの盛岡営業所所長の名前がずらりと並ぶ。また、同じように「鹿島」盛岡営業所所長の名前で選挙の動員を呼びかける通知書などもある。
 先のゼネコン汚職でも小沢王国はびくともしなかった。その中心には常に「鹿島」の影が見え隠れしていた。・・・
 「西松建設」から押収した膨大な資料の中からは同社と二階との親密さを示す資料やメモが多数見つかってもいる。建設業界では、
 「二階は西松(建設)の顧問みたいなもんだ」
 とする声は少なくない。
 経産相の地位にある二階だが、その二階の元を日に何度も国土交通省の幹部が訪ねるほど、国土交通省への二階の影響力は絶大である。・・・
 国土交通省案件のゼネコン工事は相当な裾野を持つ。その分野にも影響力を持つ二階の捜査が事実上ストップしていることは何を物語るのか。・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090318/189324/
 ちょっと解説しますと、小沢や二階らの自民系議員の新政党形成や自民党への復帰(この新政党の自民党との連合、合併を含む)は、それ自体が目的ではなく、自分達が培ったゼネコン汚職的利権構造の脱法的温存を図るのが主目的であったということです。
 また、ゼネコン汚職的利権構造は、私の言うところの、政官業癒着構造の一端です。
 小沢らは、どちらかというと衰退産業たる「業」にしがみつく後ろ向きの政治家であるのに対し、小泉らは、興隆産業たる「業」との新たな癒着構造の形成に目を向ける政治家である、という違いがあるわけです。
 さて、ここからが私の持論なのですが、これら癒着構造の核となっているのが官僚機構、すなわち「官」です。
 官僚は生涯所得最大化が行動原理になっており、そのためには天下りシステムを堅持しなければならない。
 ゼネコン汚職的利権構造の場合、それが機能するためには、ゼネコン・準ゼネコンに天下った官僚OB達が「業」にもたらす工事情報や予定価格情報(予定価格そのものの場合もあるが、要は予定価格積算諸元や計算式)が重要です。
 通常は、天下りの数等、様々なことを考慮して特定のゼネコンの談合調整役が談合を調整するわけですが、防衛施設庁による官製談合のケースのように、「官」が談合調整役を自ら行う場合もあります。
 このような官業癒着構造に、政治家が、
一、個別ゼネコン等からの利得の見返りに天の声を発したり、指名競争入札に指名させたりする形で個別的な関与を行ったり、
二、ゼネコン等から広く浅くみかじめ料をせしめつつ、談合調整の片割れをかつぐ形で積極的に、もしくは癒着構造に目をつぶる形で消極的に全般的な関与を行うことで、
ゼネコン汚職的利権構造における「政」官業癒着構造が維持されてきた、ということです。
 
 さて、本日の小沢秘書逮捕事件がらみの記事のご紹介です。
 「・・・横光克彦衆院議員は24日昼の代議士会で「今回の問題で民主党への信頼や期待が失われつつある。新生民主党で衆院選を戦うことこそが、民主党のためであり、国民のためだ」と述べ、小沢氏に辞任を求めた。小宮山洋子衆院議員は24日夜、「政権交代を実現して日本を良くするため、代表は辞任すべきだ。謝りながら、言い訳しながらの選挙では勝てない。小沢氏が検察と戦うのは自身の問題で、小沢氏の裁判闘争と政権を取るための民主党の戦略は別だ」と痛烈に批判した。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090304-527751/news/20090324-OYT1T01215.htm
 「小沢氏の続投表明に対し、民主党山形県連会長の近藤洋介衆院議員は「小沢代表が今回の起訴を重く受け止め、政治不信を払しょくするため潔い判断を下すと期待していた。それだけに続投の判断は意外だった。政権交代実現のため、今後の判断に期待したい」とのコメントを出した。」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090325k0000m010143000c.html
 明確に声を上げた民主党議員は、わずか3人とはね。
 いずれにせよ、この3人の名前はよく覚えておきましょう。
 その他の記事を一つだけご紹介しておきます。
 よくTVでもとりあげている、WBCの日韓戦に関するロサンゼルスタイムスの記事です。
http://www.latimes.com/sports/la-sp-wbc-championship24-2009mar24,0,303763,print.story
 クリスチャンサイエンスモニターは、電子版の一面に記事を掲げましたよ。
http://features.csmonitor.com/globalnews/2009/03/24/japan-beats-archrival-korea-in-world-baseball-classic-showdown/
————————————————————————-
太田述正コラム#3174(2009.3.25)
<シルヴィア・プラスをめぐって(その1)>
→非公開