太田述正コラム#3179(2009.3.28)
<皆さんとディスカッション(続x439)>
<びり江>
≫どうして他の太田がらみの投稿の場に比べて「太田述正掲示板」への投稿が少ないのか≪
 だから最初に誰かが指摘していたようにツリー型はみにくいからですよ。
 私にしても一昔も二昔も前の形式というイメージです。
 今時いくらネットサーフしていてもとんとお目にかかったことがありませんもの。
<αΑα>(「たった一人の反乱」より)
 個人的な見解ですが、<やはり>ツリー形式に慣れていないからじゃないでしょうか?
 この辺は人によって理由がマチマチだとは思うんですが、僕個人はあのツリー形式は非常に読み辛いです。
 昔の形式の方が2chやその他の掲示板、ブログ等への書き込みに慣れた自分にとっては非常に取っ付き易かった。
 太田さんに言わせるとスレッド表示が出来る上に投稿順表示も出来て優れモノと思われるのでしょうが
 スレッド表示にしろ投稿順表示にしろ題名のみの表示で内容を一覧出来るわけでは無いので、結局一つ一つ内容確認をしなければならず、どんどん鬱陶しくなって「太田述正掲示板」の書き込みはおろか閲覧すらしなくなってしまいました。
 それと、ここ2chの「【たった一人の反乱】太田述正」スレと違って「太田述正掲示板」への書き込みの場合、「最低でも過去ログ全てに目を通してからにしないと失礼だよなぁ」とか、「典拠付けて書き込み内容を入念にチェックしてそれから書き込まないと怒られそうだなぁ」とかぐだぐだ考えて敷居がどんどん高くなってるんですよ。
 そういう意味では<K1>さんが言ってるように、「制服を脱いで甚平スタイルで行きましょう。」くらい気楽に書き込めると良いんですけどね。
<太田>
 IT支援グループのUeyamaさん、何とかできないでしょうかね。
<遠江人>
 –掲示板とmichisuzuさんのことについて–
 掲示板とmichisuzuさんのことについて、私と太田さんでは以下の3つの違いがあったように思います。
1、michiszuさんの投稿は、私にとっては単にできの悪い投稿でしかなかったところ、太田さんにとってはそうではなかった。
2、私はmichiszuさんを性差の別なく見ていた(ある意味、「男」として見ていた)ところ、太田さんは女性として見ていた。
3、女性差別が酷い日本の社会では、女性はその「犠牲者」であり、男性は加害者であり受益者であるという側面があるのは自明の理であるところ、男性はそのような事実から逃げているから、男性と「平等」に女性を切捨ててしまう。男性から見て男女の別なく平等に評価することは一見よいことですが、それは日本では、悪平等だったり男性への免罪符になってしまう可能性がある。太田さんはそこらへんのことをごく普通に分かっていた。
 私は、3をまるでわかっていなかったので、1と2のような考えに陥ってしまっていて、そもそもmichiszuさんを男扱いして見下していたのかもしれません。真に酷いのは私のほうだったようです。
 この戦後(戦前から?)日本において、男性は、有形無形の女性差別の結果による、もしくは、それらを遠因とする「歪み」を目にしたのなら、その歪みを取り除くことに、できる範囲で協力すべきなのは、むしろ当然なのかもしれません。
 ちなみにmichisuzuさんの相手をする太田さんの動機付けについては、助平根性とかではなく、michisuzuさんをモルモットのように実験の対象にしているのではないか、と思っていました。
 それと、仮にmichisuzuさんの「女性」としての負の面が完全に取り除かれたとしても、そもそも「人」として問題があるから駄目ではないかと勝手に決め付けてしまっていたため、私は思考停止及び自分への免罪符にしていたという側面があったように思います。
 また別の側面として、去年は、個人としてまたは太田さんの代わりとして「会話のできない」人達の相手をしたことがあった(それはそれで面白かったり投稿のし甲斐もあるのですが)ので、正直、またか…という、うんざりした思いがあったのは事実です。
 もうひとつ、なぜblogとmixiの投稿はあっても掲示板への投稿は無いのかについてですが、blogは短文の投稿で比較的気軽にできるし、mixiはタイミング的に別の話題で盛り上がっていた(初めて見る名前の方も多かった)というだけで、私を含めた常連のみなさんが「長文」を投稿する掲示板の投稿が無いということは、「長文」を投稿できない根本的な問題があるのではないかと考えました。
 その原因として、私を含めた常連のみなさんの心情として、michisuzuさんを野放しにする管理人の元では、まともな評価や判断をしてもらえるのか、という気持ちがあったのではないかと推測していました。
 (これは私の以前までの考えで、上記のこともあり今は違う考えです。)
<太田>
≫michisuzuイライザちゃん、せっかく投稿頑張ってるんだから、少しずつでいいから成長しようね。≪(コラム#3127。太田)
と私、わざわざ言ってますよ。
 イライザは、マイフェアレディの主人公である
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%87%E3%82%A3
ところ、読みようによっては、ヒギンズ教授たる私が自らスケベ心を自白した、とも受けとれるんじゃないですか。
 ここのくだりの私の遊び心に、遠江人さんが気付いていなかったとすれば、心配しちゃうなあ。
 遠江人さんの人間洞察力にはかねてから敬服していますが、女性がからんでくると、途端に切れ味が鈍るらしいってのは面白いというか可愛いというか。
 失礼。
 いずれにせよ、上記ご投稿を見ると、最終的には遠江人さんご自身も、michisuzuちゃんを通じて色んなことを学んだって言えそうですね。
 だから、michisuzuちゃんの当コラムへの貢献は多大なものがあった、と私は何度も申し上げているのですよ。
<唯我独尊>
 琉球新報における「識者や政府関係者」とのインタビュー記事では、(太田さんが)最後を飾ったとのこと<(コラム#3177)>ですが、本件を身近に感じることができない私たちにとって、その内容を理解することは非常に難しいと思いました。
 しかし外務省のプレリリース「在日米軍駐留経費負担特別協定の署名について」の内容にはあらためて愕然とします。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/h20/1/1177325_900.html
 さらに在日米軍の駐留に関連する経費が想像できないほど巨額だったことに、ただただ驚くばかりです。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-9173-storytopic-3.html
(少し古いかもしれませんが参考としての典拠です)
 関係ないことで申し訳ありませんが先日、沖縄本島をじっくり回ってきました。そこで見たものは大規模な米軍関連施設でした。沖縄本島は米軍の超巨大な母艦のようです。
 日本の本土で生活している人々に、このような事実がどの程度知られているのでしょうか。
 これは健全な脳に寄生している脳腫瘍のようで、脳腫瘍を取り除くと健全な脳まで損壊するので仕方なく両者に栄養を送り続けているように見えるのです。栄養を送り続ける体力があれば現状を維持できるのでしょう。希望ある未来のために手術による治療を望んでも、その脳腫瘍の存在価値を主張する為政者が多数を占める限り、このまま放置されそうです。
 太田さんのコラムによって、初めてこのような日本の姿を知る機会を得ることができるようになりました。東国原知事の「どげんかせんと・・・」という言葉が頭をよぎります。
<後からすみません>
 (防衛、安全保障の御知見には敬意をもっていますが、もともと、国内政局についてご議論する気はあまりありません・・・)
 やはり、しばらく事実の推移(本格的な世論調査結果や、汚職の証拠の有無など)を見たいと思います。(実質的な)選択肢が少なく、しかも不良品が多く含まれている場合、あわてて目先の不良品だけをのけるというのは、賢い行動ではないような気がしますので。
 全体を見て、じっくり判断したいと思います。
 あと蛇足ですが、私の地元でも自民党代議士周辺の悪い噂は聞いたことがあります。不確かな情報やほのめかしで小沢氏を攻撃しても、他の与党政治家との比較で、彼がどのくらい悪質(ないし悪質でない)かの判断には、あまり役立たないと思います。
<太田>
 私の裏芸は官庁不祥事・・要するに政官業癒着構造・・問題であり、表芸は国際問題であることはご承知なのではありませんか。
 これは別段、裏芸はヘタで表芸は上手だということではなく、両者は表裏一体をなしています。
 よりピンポイントで申し上げれば、私は、安全保障を表芸にしているからこそ、国内政治について的確な判断が下せる、と自負しています。
 ですから、私の裏芸を評価しない方が私の表芸だけは評価する、なんて言われるとアリエネーと言いたくなりますね。
 私が小沢を全く評価せず、強い疑いの目を持って見守り続けているのは、彼の安全保障政策が吉田ドクトリン・マーク2だからです。
 彼の国連中心主義的安全保障政策が国の政策になったら、引き続き自衛隊は無用の長物のまま推移することになり、防衛省/自衛隊の構造的無能・腐敗は論理必然的に続くことになります。
 そして、吉田ドクトリンの墨守を唱える政治家自身も腐敗している、というのが私の、防衛省勤務を通じて得た理論的・経験的結論です。
 しかも、小沢の場合、息子の一人が幹部海上自衛官ですよ。もう辞めたらしいけど。
 息子を永久に煉獄にとじこめよう(=税金泥棒の立場に置き続こう)とした父親など、誰が信用できますか。
<深雪@邦人返せ北朝鮮#>
≫私が、秘書逮捕以来、小沢を厳しく指弾してきたのは、繰り返すようですが、彼が自民党系の腐敗政治家達の中で最も汚い政治家の一人であることを、かねてから彼の選挙のやり方についての報道、小沢の側近と称された一連の政治家(その中には私が熟知している政治家も含まれている)の汚さ、及び仙台防衛施設局長をやっていた時の噂から確信していたからです。 私自身が、たった一人で、2006年と2007年に額賀らの、犯罪にもならないゴミみたいな、しかもいずれにせよ時効にかかっていた腐敗を追及した時の世論の過激なまでの反応を経験しているからです。 特定の政治家がらみの腐敗のおこぼれにたまたま預かっていなかった日本人は、大部分がその政治家の腐敗の話に容赦はしないってことです。 私たった一人であそこまでできるのなら、捜査権を持つ検察が組織をあげて特定の政治家の腐敗を追及したら、どんな政治家だって世論の袋だたきになってひとたまりもない、ということなんですよ。≪(コラム#3177。太田)
 昨日配信の↑この二つの部分、実にスカッとしましたね。
 その通りですよ。自民・民主ひっくるめて、現在現役の政治家の中で最もダーティーな利権屋である小沢さんを、内部から知る人ならではの告発です。
 日本に健全な二大政党が出現する事を私も強く願いますが、小沢さんが生き残っている民主党など何の魅力もないどころか、利権構造のメンバーがシフトチェンジするだけだという事を、それがたとえ直観によるものにせよ理解している人が、≪「・・・共同通信社の緊急世論調査によれば、「代表を辞めるべきだ」との回答が66.6%≫66.6%もいることは、日本再生への明るい希望以外の何物でもありません。
<いっそのこと>
≫いっそのこと政治献金を全面的に禁止したらどうだろうかと思うんだけどどうでしょう?≪(コラム#3157。さるべーじ)
 企業献金を禁止するのは当然でしょう。
 企業が献金を出すのは、その企業が儲けを増やすためでしょう。
 儲けた中から、更に献金する。税金の無駄遣いではないのでしょうか。
 献金は選挙権を持っている個人のみにしてもらいたいですね。
 企業はあの手この手を使って政治家に献金しようとします。
 たとえば西松建設は社員に政治献金させ、個人献金に見せかけ、あとでボーナスで補てんする。パーティー券を個人に買わせたように偽装をする。こうした偽装企業献金を厳しく取り締まることが大切ですね。
 大切なことは金を集める能力を高めること。支持者一人一人から献金をもらう。
 そのためには党員を増やし、献金収集能力を高める。宣伝物を買ってもらうインターネットHPで宣伝する。などの努力をする。
 そういう努力をしないで、税金を貰おうなんて甘い考えでは政党は維持できないよ。
 医療・介護、年金、教育、悪くなる一方の時に、自分たちの努力は脇に置いて政治家はのうのうと税金を使っている。
 これでは政治家は信用されません。
<深雪@邦人返せ北朝鮮#>
>企業献金を禁止するのは当然でしょう。 企業が献金を出すのは、その企業が儲けを増やすためでしょう。
 私も、国民主権の憲法下では本来そうあるべきだと思いますから、大賛成です。
 国家の主体は自分たちにある。この意識が日本人に浸透すれば、アメリカ並みの政治に対する民意の高まりを期待できる。
 しかし官僚主導の現状の政治形態で、私達が本来政治の主体であるというこの国民主権の当り前の概念がどれだけ実感されているのか、はなはだ疑問ではあります。この辺の意識が、個人献金率と密接にリンクしていると思います。
>企業が儲けた中から、更に献金する。税金の無駄遣いではないのでしょうか。 献金は選挙権を持っている個人のみにしてもらいたいですね。
 税金の無駄どころか、税金の横領に等しい行為が横行していますよね。
 談合によって業者に非常に都合が好い価格で公共工事が落札され、その余剰が、予定落札価格を談合組織にリークした面々にキックバックされる。この政官業の癒着は、ダニのような寄生ぶりです。吸血されている私達は、それに気が付いていながら痛みを感じないとしたら、それは鈍感以外の何物でもない。
>大切なことは金を集める能力を高めること。支持者一人一人から献金をもらう。 そのためには党員を増やし、献金収集能力を高める。宣伝物を買ってもらうインターネットHPで宣伝する。などの努力をする。
 これも全く賛成です。個人献金だけで政治資金を募っている政治家は数少ないですが存在しますね。ちなみに、
▼江田けんじさんは、
http://www.eda-k.net/donation/index.html
一口千円からというように、比較的どの政治家も個人献金の敷居は低く設定されているようです。一口千円なら、個人的に応援しやすい。
 この個人献金だけという政治資金調達法は理想的ですが、個人が政治に積極的に参加する意識の希薄な日本の現実を考えたとき、公明党と共産党の集金力は想像に難くないですが、習慣として定着するまでの間は、他の政党に属する政治家や無所属議員にはかなり辛いものがありそうですね。
 贔屓の政治家には積極的に一口程度なら献金をしたいと思わせる広報がまず個人献金普及の第一歩でしょうか。
 政治家も、千円のありがたさを感じる感受性をせめて持っていただきたい。一円差の買い物にも気を配る庶民の生活感情を想像してほしいところです。
追記:
 現行の政治資金規正法が「ザル法」と言われるの根拠や、個人献金の抜け道に関する基礎知識は以下のURLに。
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20090320ddm003010164000c.html
<太田>
 大変結構でございました。ごちそうさま。
 さて、小沢秘書逮捕事件がらみの記事です。
 「・・・小沢氏が「総選挙で勝つことを基準に行動する」と述べたことで「続投はあくまで当面」と受け止め、進退の判断を小沢氏自身に委ねた形だ。・・・
 ただ議員たちは世論の厳しさも感じており、ある若手は「地元の支持者にどう説明したらいいか」と頭を抱える。二階俊博経済産業相側への違法献金事件の展開で「二階氏が辞任すれば再び進退が問われる」(中堅)との懸念も聞かれ、進退論再燃の可能性もある。
 「政権交代のために新しい体制を作ってほしいという方が圧倒的。国民の声を聞いて自らご判断いただきたい」。小宮山洋子「次の内閣」文部科学担当は27日、国会内で衆院議員が参加する代議士会で発言し、小沢氏に早期辞任を求めた。小沢氏が「政権交代で国民主導の政治を実現する。私の政治人生の集大成だ」と熱弁を振るった直後だった。続いて山形県連会長として「続投の判断は意外」とコメントしていた近藤洋介衆院議員が「代表の説明に納得しない国民が8割いる」と指摘。巨額の献金をもらい続けた理由や献金の使い道をただした。・・・
 24日の常任幹事会で続投に異論を唱えた前原誠司副代表、注文を付けた岡田克也副代表は、代議士会では執行部席に座り、発言しなかった。「説明責任を果たしていない」と小沢氏を批判していた枝野幸男元政調会長は欠席した。・・・
 渡部恒三最高顧問は27日、民放の報道番組の収録で、小沢氏の続投を「当面だ」と強調。「千葉県知事選の応援に行ったら『辞めさせたらいけない』という人も『辞めさせろ』という人もいた。小沢さんも苦しんでいると思う」と語り、小沢氏の進退は世論次第との立場を強くにじませた。
http://mainichi.jp/select/today/news/20090328k0000m010156000c.html
 その他の記事です。
 財政出動による景気刺激策は全く効果なし、って米国の経済学者が言ってます。
 (ニューディールの公共投資も第二次世界大戦の軍需も乗数効果は1以下だった等々。)
http://reason.com/news/show/131968.html
 オバマ政権も麻生政権も無駄な努力してるってことになりますが、ホントにそうなのかなあ。
 長期にわたって独房に入れられた人間は、気が触れかねないってことのようですね。
http://www.newyorker.com/reporting/2009/03/30/090330fa_fact_gawande?currentPage=all
 テポドン(の残骸)を打ち落とすって騒いでる話の記事も載せたかったけれど、今夜配信の非公開コラム「テポドン狂騒曲」に譲ります。
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太田述正コラム#3180(2009.3.28)
<テポドン狂騒曲(その1)>
→非公開