太田述正コラム#14801（2025.3.5）
＜皆さんとディスカッション（続ｘ6186）/映画評論245：武則天（その17）＞

＜太田＞

　安倍問題/防衛費増。↓

　なし。

ウクライナ問題/ガザ戦争。↓

　＜この構図をもたらしたのは杉山構想なのさ。↓＞
「・・・ソ連の軍事的脅威に怯える西欧が、ソ連の強大な軍事力に対抗するためにアメリカの力を借りるという構図こそ、半世紀近く続いた「冷戦」構造の本質だったのである。・・・
　＜ダメ・ヤメ外交屋がゴタクを並べてるが、ユーゴスラビア解体は完了し、現在は平和が基本的に確保されているのに対し、ウクライナ「解体」に関しては、それが確保される見通しが立ってないから停戦ができないんだよ。↓＞
　国家主権は神聖不可侵とされているが、同時に人道や自衛権、自決権といった相反する価値がある・・・。
　ロシアの論理構成はこうだ。ロシアは軍事侵攻の直前にドンバス地域のドネツクとルガンスクの独立を承認し、「国家間」の相互援助条約を締結した。これを踏まえて、集団的自衛権を行使し援助義務を果たすため、ウクライナで軍事作戦を展開したとする。 　また、ドンバスなど４地域の併合については、住民投票の結果であり、住民の自決権の発露であるとしている。地域が所属する国家から独立する例は、これまでにも確かにある。代表的なものが、コソボのセルビアからの独立である。
　ちなみに、コソボ関連では「人道」を理由にNATOも軍事介入したほか、コソボの独立を支持している。まさにドンバス紛争とパラレルな関係にあるわけだ。なお、ロシアはコソボの独立に反対している。・・・
　侵攻前にミンスク合意が履行されていれば、ドンバス地域はウクライナの中の自治州でとどまっただろう。2022年の侵攻直後の停戦合意が実現されていれば、ザポロジエとヘルソンの２州はウクライナにとどまったはずだ。そして今、あまりに多くの犠牲が払われたため、双方ともに引くことができなくなってしまった。・・・
　＜属国の酋長に宗主国サマにたてつく言論の自由などないってだけよ。↓＞
　　石破茂首相は、今回の会談について「アメリカの側にもウクライナ側にも立たない」と述べた。アメリカの変化を機敏に感じていることがうかがえる対応だ。」
https://news.yahoo.co.jp/articles/10bf2bca06f14caaa17a443962e174e9d9913f4b
　＜フィンランドからの正論を聞きな。↓＞
　・・・“One of our foremost diplomats and later president, [Juho Kusti] Paasikivi, was on several occasions on the other side of the table from Stalin and Molotov when our existence as an independent country was on the line in the 1930s and 1940s.
　“He summed it up well: ‘The constant policy of the Russians is to get what they can with as little as possible and then come back asking for more … they never sacrifice their immediate interests for future objectives … they are immune to any ethical, human or abstract legal factors.’
　“This is the Finnish experience. The Ukrainians know from their own experience that Russia has broken every single commitment they have ever made on Ukraine’s sovereignty. No agreement with Moscow can stand without the will and the means to enforce it.”・・・
https://www.theguardian.com/world/2025/mar/04/europe-is-running-out-of-hope-trump-is-still-open-to-persuasion-over-ukraine
　＜いずれにせよ、ウクライナ、何とかなりそう。↓＞
　・・・Ukraine’s military capability will inevitably be dented by Trump’s decision to withdraw aid, but it still has the means to defend itself, with continuing European support. The result though is that the country is likely to suffer more casualties at a faster rate.
https://www.theguardian.com/world/2025/mar/04/ukraine-has-firepower-to-fight-on-without-us-support-for-now
　＜欧州も目ざめつつあると信じたい。↓＞
　EU chief unveils €800bn plan to ‘rearm’ Europe–‘We are ready to step up’ says Ursula von der Leyen after US suspends military aid to Ukraine・・・
https://www.theguardian.com/world/2025/mar/04/eu-plan-to-bolster-europes-defences-could-raise-800bn-for-ukraine

　妄想瘋癲老人米国。↓

　＜そんな論理を徹底すりゃ、米国から各州は独立すべきだし、究極的には無政府主義になっちまうぜ。↓＞
　「・・・異端、破天荒と見えるトランプの行動の根っこに「主権主義者（sovereigntists）」の考え方があると指摘する内容である。ここで主権主義とは、国家主権が国際的な枠組み、超国家的枠組みによって制約されることに反対する考え方のことである。 　米国の各政権を「国際的な統治の仕組みを米国の力を投射するツールと見る者と、米国の自律性を損なうものだと捉える者との間の争い」という観点から見ると、トランプ政権が「国際的な統治の仕組みを米国の自律性を損なうものだと捉える者」による政権であることは間違いない。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/a61c48b70c38eff6e6c05fb32b2aabda3d03232d
　＜その調子でやれやれー。↓＞
　「・・・カナダのトルドー首相は４日、記者会見し「米国が貿易戦争を開始した」と批判し、報復関税の発動を発表した。・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%80%E9%A6%96%E7%9B%B8-%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E3%81%8C%E8%B2%BF%E6%98%93%E6%88%A6%E4%BA%89-%E3%83%A1%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%82%B3%E3%82%82%E9%96%A2%E7%A8%8E%E6%8E%AA%E7%BD%AE%E3%82%92%E6%89%B9%E5%88%A4/ar-AA1AfLWA?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=d6d8c8e53b984a43ab911d9bb6142496&ei=12
　＜トランプの終わりの始まりか？ 負けるなトランプ！↓＞
　「・・・WSJの社説は金融関係者の間で広く読まれている。保守的な論調で知られるが、最近はトランプ氏の関税政策について「史上最も愚か」などと強く非難する社説を相次いで公表。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/9d95108f0059f702dac576f8a5b179f91462bf6d

　それでは、その他の国内記事の紹介です。↓

　なし。

　日・文カルト問題。↓

　なし。

　中共官民の日本礼賛（日本文明総体継受）記事群だ。↓

　＜人民網より。
　日中交流人士モノ。↓＞
　「久保輝幸・横浜商科大准教授「中国本草学という至宝をより多くの人に知ってもらいたい」・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2025/0304/c206603-20284008.html
　＜ここからは、レコードチャイナより。
　片面的日中交流人士モノ？↓＞
　＜サッカー＞15歳！FC東京の北原槙がJ1最年少出場記録更新・・・中国スポーツメディアの虎撲や直播●＜（口偏に巴）＞・・・中国ネット「家で宿題する年齢」

https://www.recordchina.co.jp/b949417-s25-c50-d0192.html

＜太田＞

　–Firefox–

　とにかく、アップデートはしておいた。↓

　「垂直タブ、AI統合の新しいサイドバーを搭載した「Firefox 136」が正式リリース／Linux向けARM64版も追加。セキュリティ関連の修正は15件・・・」

https://www.msn.com/ja-jp/news/techandscience/%E5%9E%82%E7%9B%B4%E3%82%BF%E3%83%96-ai%E7%B5%B1%E5%90%88%E3%81%AE%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%92%E6%90%AD%E8%BC%89%E3%81%97%E3%81%9F-firefox-136-%E3%81%8C%E6%AD%A3%E5%BC%8F%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9-linux%E5%90%91%E3%81%91arm64%E7%89%88%E3%82%82%E8%BF%BD%E5%8A%A0-%E3%82%BB%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E9%96%A2%E9%80%A3%E3%81%AE%E4%BF%AE%E6%AD%A3%E3%81%AF15%E4%BB%B6/ar-AA1AfE5a?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=7cf99823c60b488084faa06eecf1aed5&ei=60

　　　　　　　　　　　–映画評論245：武則天（その17）–

　28～29話で初出の言葉に監国「 ( 国政を監督する意 ) 皇太子が、天子の留守時などに、天子の代わりに政治をとること。また、天子の代行をする機関」
https://kotobank.jp/word/%E7%9B%A3%E5%9B%BD-469792
があるが、今回こそ出て来なかったものの、今まで散々出てきた言葉である大理寺については、「漢代の廷尉を起源と＜し、＞北斉のときに置かれ、刑罰・司法を管掌した」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E7%90%86%E5%AF%BA
機関であるところ、「牢獄を管理するのも大理寺で＜あるところ、＞・・・古代の漢字の意味では「寺」は「廷」とほぼ同じ意味で・・・「廷」とは人のいる場所・建物のこと＜で、＞寺は皇帝に仕え「法」に従って仕事をする人達がいる場所」
https://korea.sseikatsu.net/dairizi/
というわけなのだが、一体どうして、仏教の施設に、この「寺」という言葉が使われるようになったかについては面白いが省略する。上掲参照のこと。

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太田述正コラム#14802（2025.3.5）
＜遠藤誉『毛沢東–日本軍と共謀した男』を読む（その３）＞

→非公開