太田述正コラム#14825(2025.3.17)
<皆さんとディスカッション(続x6198)/映画評論289:キングス・オブ・ブレイブ>

<太田>

 安倍問題/防衛費増。↓

 <日本には再軍備を掲げる政党も有力政治家もないんだから、ほぼ、どーでもいいハナシ。↓>
 「石破内閣の支持率、発足以降最低31%・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/068b279c6c0593d29273c06580dd86fe71c63981
 「40歳代の自民支持、初の1割切り・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/8a13d7d01a04afcd73bc0ca5ba1c202016ce1ea8
 <そもそも、まだ、全体としちゃ、自民党支持は圧倒的。↓>
 「政党支持率 自民26% 国民民主12%で2位・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/cd5ae7a073f68b86134a222cdb800faaa2a87f52

ウクライナ問題/ガザ戦争。↓

 <ウ軍、よく頑張りました。↓>
 「ロシア軍、クルスク州で最後のウクライナ軍兵士ら排除へ戦闘・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/db2bfb5e24dfed2e0541cec98dcb737f08809c70

 妄想瘋癲老人米国。↓

 <てやんでえ。↓>
 「アメリカのトランプ政権はかつて日系アメリカ人の強制収容にも使われた敵性外国人法を適用し、ベネズエラの犯罪組織メンバーを国外に強制送還しました。・・・
 裁判所は15日に暫定的な差し止めを命じましたが、政権側は応じなかった形です。」
https://news.yahoo.co.jp/articles/8e8d675fd6f25242b88562a5168f8cd416aeedf9
 <いやはや。↓>
 「・・・• 米トランプ政権は南アフリカに対して、外交措置としては国交断絶に次いで重い、大使の国外退去を決定した。
 そのきっかけは南ア大使がトランプ大統領を「白人至上主義に突き動かされている」と発言したことだった。
 ただし、トランプ政権が南アフリカにことさら当たりが強いのは人種問題、ガザ侵攻、他の新興国に対する見せしめといったより深刻な理由がある。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/91c81c354b40b4ee8937decd158966819edb7eb4
 <どっちも、個人主義を前提としているところの、人間主義に反する謬見。↓>
 「・・・リベラリズムの考えでは、個々人が追求するものが「善」であるのに対して、「正義」はむしろ人々の間の公平性と考えられるのです。
 こうしたリベラルの「正義」に対して、国家からの介入をいっさい取り払って、より個人重視の、自由な選択を行なおうというのがリバタリアン(libertarian)です。・・・
 ロールズが『正義論』を出版してすぐに、その反論を展開したロバート・ノージック(1938〜2002)の議論を見ておきましょう。1974年に刊行した『アナーキー・国家・ユートピア』のなかで、ノージックは個々人の「別個性」と「自己所有」という考えに基づいて、「自由」の考えをリベラル以上に強調しています。・・・
 ノージックは「正義の権原(entitlement、エンタイトルメント)理論」を導くのです。「エンタイトルメント」というのは、「資格」とか「権利」とも訳すことができる言葉です。これをノージックは、所有の正当性を示すために使っています。・・・
 これは実際のアメリカ政治では、共和党の経済的な政策(小さな政府)のバックボーンとなっています。・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%82%92%E8%B2%AB%E3%81%8F-%E9%A9%9A%E3%81%8F%E3%81%BB%E3%81%A9%E7%9C%9F%E9%80%86-%E3%81%AA2%E3%81%A4%E3%81%AE%E6%AD%A3%E7%BE%A9/ar-AA1B0FeK?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=2799c860f6704ca689c7cb092ea62ec8&ei=48

 それでは、その他の国内記事の紹介です。↓

 NYタイムス様による日本人たる未開人シリーズが続く。↓

 At 95, He’s the World’s Oldest Speedskater. He’s Gunning for 100.–Iichi Marumo started competing in his late 80s, after a life spent farming, publishing poetry and volunteering to fly in a kamikaze mission during World War II.–Iichi Marumo competing in a 500-meter speedskating race in Yamagata City, Japan, in January 2024.Credit…By Japan Association For Winter Masters Sports・・・
https://www.nytimes.com/2025/03/16/world/asia/japan-speedskater-age-record.html

 「村や家に関係する・・・実質的な権利観念」は「個人の権利観念」じゃねーだろ、バカ。↓

 「・・・近世までの日本には権利という普遍的な概念はなく、特に個人の権利はかえりみられにくかったが、「村や家に関係する限り、実質的な権利観念は強固にあった」というほうが正しいと思われる。そして、明治維新以降敗戦までの時期には、こうした江戸時代固有の権利観念が衰えてゆく(あるいは、国家政策の下に再編成されてゆく)一方、欧米的な意味での個人としての権利意識は、為政者たちの望むものではなかったためにあまり発展しなかった・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/7610cd5370b6a2cb8b4cd7f68cb14cf428273a36

 ウーム。↓

 「・・・富本節とは、三味線の伴奏による語り物(筋のある物語を節をつけて語る芸能)音楽の一種である「浄瑠璃」の流派の一つである。・・・
 文化・文政期(1804~1829)に入ると、富本午之助が活躍した天明・寛政期(1781~1800)とは江戸の人々の好みが、濃艶から清楚へ、幽婉から洒脱へと一変した・・・が、時代の変化にあった優れた新作を、生み出すことができなかった・・・、富本節から分かれた清元節の台頭などが、その理由に挙げられている。」
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/87201?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link

 日蓮主義ってこういうことよ。↓

 「・・・イワレヒコ<(神武天皇)>は東征を終え、橿原に都をつくることを決意した。『日本書紀』では、天皇に即位するまえにつぎのように述べたとされる。 上は乾霊(あまつかみ)の国を授けたまひし徳(みうつくしび)に答へ、下は皇孫(すめみま)の正(ただしきみち)を養ひたまひし心を弘めむ。然して後に、六合(くにのうち)を兼ねて都を開き、八紘(あめのした)を掩ひて宇(いえ)にせむこと(引用者註、漢文では掩八紘而為宇)、亦可からずや。観れば、夫かの畝傍山の東南の橿原の地は、蓋し国の墺区(もなかのくしら)か。治(みやこつく)るべし。 現代語訳を引けば、「上は天神の国をお授け下さった御徳に答え、下は皇孫の正義を育てられた心を弘めよう。その後国中を一つにして都を開き、天の下を掩いて一つの家とすることは、また良いことではないか。見ればかの畝傍山の東南の橿原の地は、思うに国の真中である。ここに都を造るべきである」(宇治谷孟訳)となる。 わかりやすい現代語訳があるのに、あえて原文の書き下しを引いたのはなぜか。それは、八紘一宇という四字熟語がそのまま出ているわけではないということを知ってもらうためだ。 よく知られるように、八紘一宇ということばは、日蓮主義者の田中智学(たなかちがく)によって1913(大正2)年3月に造語された。 ・・・より先行する使用例が<あ>るのだが、後世に影響があったのは田中によるものである。・・・
 田中がなにを言わんとしていたかはなんとなくわかるだろう。 神武天皇が道義にもとづいて打ち立てた日本は、道義的世界統一を行う使命がある──<だ>。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/66da3ebc28457c1e5d88dd62129ff7bef7d91b8a

 日・文カルト問題。↓

 なし。

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <メッ。↓>
 「中国メディアの紅星新聞によると、「日本で作られた純正品」として中国でネット通販されている歯磨き剤が「かぎりなく怪しい」商品であると分かった。偽商品の取り締まり関係者によると、輸入品と偽って商品を販売する手口は「ずっとあった。ありふれている」と説明したという。・・・」

https://www.recordchina.co.jp/b950146-s25-c30-d0198.html

            --映画評論289:キングス・オブ・ブレイブ--

 今回の、『キングス・オブ・ブレイブ』(Robert the Bruce)は、2019年の英映画
https://ameblo.jp/asukagirara/entry-12812829218.html
https://en.wikipedia.org/wiki/Robert_the_Bruce_(film) ←詳細な筋
だが、1995年の米映画『『ブレイブハート』(Braveheart)が、アイルランド系の両親の下に生まれた米国人俳優のメル・ギブソン
https://en.wikipedia.org/wiki/Mel_Gibson
主演の有名な映画で、イギリスに対するスコットランド人の反乱を率いイギリスによって刑死させられるウィリアム・ウォレス(William Wallace。1270?~1305年)の生涯を描いたものである
https://en.wikipedia.org/wiki/William_Wallace
のに対し、こちらは、スコットランド人俳優のアンガス・マクファーデン(Angus Macfadyen。1963年~)・・『ブレイブハート』でも同役を演じた・・
https://en.wikipedia.org/wiki/Angus_Macfadyen
主演・・脚本陣2人中の1人でもある・・でスコットランド王位継承権を持つロバート・ザ・ブルース(Robert the Bruce。1274~1329年)
https://en.wikipedia.org/wiki/Robert_the_Bruce
の雌伏期を描いたものだ。
 史実に一応即してはいるらしいが、彼が兵力においてはるかに上回るイギリス軍に対して大勝利を上げ、スコットランドのイギリスからの独立を決定的なものとしたところの、1314年のバノックバーンの戦い、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%8E%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84
が取り上げられていないのは残念であり、余り面白くはなかった。

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太田述正コラム#14826(2025.3.17)
<遠藤誉『毛沢東–日本軍と共謀した男』を読む(その14)>

→非公開