太田述正コラム#3195(2009.4.5)
<皆さんとディスカッション(続x447)>
<YK>
 昨日、たまたま見つけたものです。 先生に読んでいただきたく紹介します。
 三井 環さん(元大阪高検検事)のブログ
http://www012.upp.so-net.ne.jp/uragane/
「企業献金にまみれた自民党議員たち」
4/3(金)(きっこの日記)
http://www3.diary.ne.jp/user/338790/
<太田>
 三井さんのは遠慮させてもらいますが、後者の一部に関わる詳細な記事が朝日電子版に載っていましたね。
http://www.asahi.com/politics/update/0404/TKY200904040198.html
<YK>
 高野 孟の(ニュース スパイラル)
 「こんなところで辞任してはダメですよ、小沢さん」
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2009/03/post_244.html
<太田>
 「後からすみません」さん、あなたこそ、こういう典拠を引用しなきゃ。
 だけど、高野は、「・・・小沢の24日の記者会見では、自身の政治資金の収支の実態について国民の多くが納得するような説明責任を果たしたとは言えないので、まずそれをきちんと果たした上で、民主党が企業・団体献金の禁止について要綱をまとめて総選挙に挑めば、そのこと自体が選挙の大きな争点の1つとなり、政権交代の意義が一段と鮮やかになるのではないか。」なんていってるものの、高野自身、小沢が「説明責任」など果たせるはずがないこと知っているはずなのにね。
<tatezima>
 太田ブログで投稿できないようにしちゃうのなら、この方式ですね
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-9c09.html
◎このエントリにコメント→★
http://www2.atchs.jp/test/read.cgi/takekumamemo/174/39-1000
◎掲示板トップへ→★
http://www2.atchs.jp/takekumamemo/
太田述正掲示板では、記事ごとにスレ建てていますがツリー式でこれをやっても書き込まないでしょう
 そもそも自分でスレたてるのがきつい⇒常連ばかりになる
 やっぱり2chスレッドの方が書きやすいかな 過去投稿も一気読みできるし まとめやすいし・・。
<太田>
 要するにどうすりゃいいんですか。
<タテジマ>
「Tue Mar 31, 2009 5:21pm EDT THE HAGUE (Reuters) – North Korea’s preparations to launch a missile are another example of its provocative behavior and Japan would have every right to defend itself, U.S. Secretary of State Hillary Clinton said on Tuesday.・・・
・・・この発言は文面通りにみたら、ヒラリーは「日本には国土を守る権利がある」と言った、という意味になります。 ところが当然のように「権利」には「義務」が発生しますから、これは裏を返せば「日本は自分たちで守んなさいよ、アメリカは助けないわよ」ということになります。 けっこう重大な発言だと思うんですが。」
北のミサイルには手出ししないアメリカ:その2
http://geopoli.exblog.jp/10646522/
 [参考]
地政学を英国で学ぶ
http://geopoli.exblog.jp/
北のミサイルには手出ししないアメリカ
http://geopoli.exblog.jp/10645013/
<太田>
 このmasa_the_man って何者なんですか、救いがたいほどの妄論ばかり吐いてますねえ。
<タテジマ>
 タックス・ヘイブン<(コラム#3192、3194)>とは
秘密の国 オフショア市場
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/s/%A5%BF%A5%C3%A5%AF%A5%B9
より。
 多国籍企業アルカイダ (ikedanobuo) 2008-03-03 12:32:25
 「・・・本書には、他にもおもしろい指摘がいろいろありますが、その一つはアルカイダが地下経済の「多国籍企業」だということです。その中核は、ビンラディンが出資したシャマール・イスラム銀行です。 もちろんイスラム銀行の資金すべてがアングラ・マネーだとはいえないが、彼らが今やケイマンの最大のライバルの一つです。ブッシュ政権の「対テロ作戦」は、皮肉なことに、こういう地下金融をますます繁盛させる結果になったのです。・・・」
<太田>
 池田信夫のブログのこの回は、一応紹介に値しますね。サンキュー。
 うっかりミスを犯していたので訂正させていただきます。
 米軍のXバンドレーダー(コラム#3185)が配備されているのは青森県三沢市の航空自衛隊三沢基地の分屯基地であるつがる市の空自車力分屯基地であり、
http://www.asahi.com/politics/update/0404/TKY200904040065.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8A%E5%8A%9B%E5%88%86%E5%B1%AF%E5%9F%BA%E5%9C%B0
米軍三沢基地ではありませんでした。
 このことから、私の論理に従えば、今回PAC3を秋田県と岩手県に持って行ったのは、それぞれ、Xバンドレーダーと米軍三沢基地を守るためのPAC3の配備の予行演習であった、ということになります。これで秋田県に持って行ったことの説明が、むしろつき易くなりました。
 テポドン2関連の記事の紹介です。
1 発射
 「・・・北朝鮮は5日午前11時半ごろ、日本海側の咸鏡北道舞水端里の発射施設から長距離弾道ミサイルとみられる飛翔体を1発、発射した。政府によると、飛翔体は東北地方上空を通過し、1段目は秋田の西約280キロの日本海に、2段目は太平洋上に落下したと推定される。自衛隊は弾道ミサイル防衛(MD)による迎撃措置を取らなかった。
 日本領域内への落下物は確認されておらず、航空機や船舶を含め被害も出ていないもようだ。・・・(共同)」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009040590113643.html
2 4日の誤報
 「・・・ 防衛省によると、千葉県旭市にある航空自衛隊の高性能大型レーダー(通称・ガメラレーダー)が4日、日本海で「何らかの航跡」を探知。この連絡を受けた空自の航空総隊司令部(東京都府中市)の担当官が、早期警戒衛星も発射を探知したと勘違いし、これが首相官邸に伝わったという。
 官邸は午後零時十六分、緊急情報ネットワークシステム(Em-Net)を通じ、地方自治体や報道機関に「北朝鮮から発射されたもよう」と伝えたが、5分後の同21分撤回した。
 この誤発表に先立つ午前10時48分ごろ、陸上幕僚監部指揮所が、「PAC3」が配置された秋田県に派遣されている陸自連絡官に、弾道ミサイル発射情報を伝達。これが県を通じて市町村や住民に伝わり、直後に撤回する騒ぎになった。コンピューターの不具合で、事前に用意していた発射情報が誤配信されたという。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009040502000091.html
 「・・・ 誤情報の直接の原因は防衛省の大型レーダーがキャッチした何らかの航跡情報に、空自の担当官が、ありもしない「SEW入感(米軍の早期警戒衛星による熱探知)」という情報をつけ加えたことだ。
 だが、この誤情報が防衛省の中央指揮所へと伝わる過程で、真偽は一切確認されなかった。通常、米軍の早期警戒情報が出れば、空自航空総隊で警報が鳴る。その警報がないのに「SEW入感」の言葉が飛び交う事態に、誰も異常を感じず、「発射」宣言を出した。
 防衛省幹部は「『SEW入感』と言ったのは担当官の勘違いが原因」とし、「『SEW入感』を『発射』と言い換えたのは不適切だ」とも。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009040502000054.html
 「・・・本来、北朝鮮のミサイル発射の第一報は、高度約3万6000キロ・メートルで監視する米軍の早期警戒衛星(DSP衛星)が、ミサイルを発射した時に発せられる熱(赤外線)を探知し、その情報が在日米軍司令部(東京)を経由して防衛省中央指揮所に伝えられる。
 このほか今回は、米軍の弾道ミサイル観測機RC135Sコブラボールが、発射基地のある北朝鮮北東部の舞水端里(ムスダンリ)周辺を監視飛行し、日本海には日米のイージス艦が展開し、その上空では、航空自衛隊の空中警戒管制機(AWACS)が目を光らせていた。
 重層的な探知態勢の中で、なぜ警戒レーダーの情報が独り歩きしたのか。
 発端となったレーダーはその形状から、通称「ガメラレーダー」と呼ばれる。2006年7月、北朝鮮が7発の弾道ミサイルを日本海に連射した際にも情報収集の役割を担った。
 しかし、設置場所の千葉県旭市から朝鮮半島方向にレーダーを向けた場合、途中に日本アルプスなどがあり、斜め上方に向けてセットしなければならない。06年の時は仰角を4~6度に設定したが、ミサイルの弾道が高度100キロ程度と低く、航跡をとらえることはできなかった。
 防衛省は今回、北朝鮮の発射基地まで障害物のない秋田・男鹿半島など全国4か所の空自のレーダーで発射や航跡情報を収集し、舞水端里に照準を合わせられないガメラレーダーは、主に発射後の航跡の追尾を担うことになっていた。・・・
  防衛省幹部は「日本海や朝鮮半島周辺では、日米の防衛体制やミサイル発射台の状況を撮影する民間の商業衛星や、周辺国の軍事偵察衛星が頻繁に周回している」と話す。今回の「何らかの航跡」について、「人工衛星の軌道とミサイルの軌道を見誤った可能性が高い」と打ち明ける。
 今回の誤発表には、二つの決定的なミスがある。
 その一つは「何らかの航跡を探知」という情報が、自衛隊の複数の部署を介するうちに、伝言ゲームのような形で間違って伝わってしまった点だ。とりわけガメラレーダーの情報を、ミサイル防衛(MD)システムを指揮する航空総隊司令部(東京・府中)の担当者が、「SEW(satellite early warning)入感」という米軍の早期警戒衛星からの発射情報と思い込んでしまったのは、致命的でもある。
 さらに二つ目のミスは、「航跡探知」という情報に加え、「SEW入感」という情報が航空総隊から伝えられた同省中央指揮所で、実際に早期警戒衛星が発射を探知したかどうかを確認しなかったことだ。
 米国が早期警戒衛星でミサイルの発射を探知し、日本側に情報を提供すると、警報音が鳴り響くシステムだが、当時、警報音は鳴らず、しかも日米で共有する情報関係のパソコンなら、衛星の情報は簡単に確認できるという。だが、中央指揮所の担当者は、気にとめることなく官邸につながっているマイクに、ミサイルの発射を意味する「発射」と告げてしまった。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090404-OYT1T01152.htm
 「・・・中央指揮所にはSEWの端末がある。この段階なら誤報であることはすぐ確認できる。ところが、指揮所では確認を怠ったばかりか、これを「発射」とアナウンス。たとえSEWが入っても、発射と断定するには確認が必要だ。その上、アナウンスしたのは判断の権限のないはずの防衛省運用企画局の職員だった。
 中央指揮所が首相官邸と直結していたことも裏目に出た。その時、首相官邸の危機管理センターでは、防衛省の連絡官が指揮所の音声をモニターしていた。指揮所内のアナウンスを聞いた連絡官は、センター内に「発射」と伝達。官邸から発射情報が全国に流れることとなった。
 この間、わずか1分間。直後にレーダーの航跡は消滅し、SEWも入っていないことが分かった。零時19分に日本海のイージス艦から「探知情報なし」が入ると、誤報は確定的に。同二十分、電話で中央指揮所に確認した連絡官は官邸に「誤探知」を報告した。
 誤報の背景には危機管理能力をアピールしたい首相官邸が情報を早く出せと防衛省をせっついたことがある。
 今回の対応で、政府は5-10分で発射情報を発表すると約束。防衛省はSEWに誤報が多いことを知りながらも、速報態勢をとらざるを得なかった。中央指揮所と官邸を直結したのもそのためだ。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009040590070847.html
→オペレーション(運用)に内局の人間を噛ませてはいけない、いや、それ以前に不必要な情報結節を設けてはならない、その結節が判断能力のない結節であればなおさらだ、という当たり前すぎる教訓が再び得られたということですな。(太田)
3 4日に発射されなかった理由
 「・・・北朝鮮が「人工衛星」を搭載していると主張するミサイルについて、4日午前、いったんは「まもなく発射する」と発表しながら、国際機関に通報した予告期間の初日の打ち上げを見送った・・・」
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090405AT1C0400804042009.html
 「・・・風が強いと、発射時にロケットがポールなど付近の構造物にぶつかる危険性がある。
 雨は、ロケットの速度が増した際、機体に損傷を与える可能性があり、雷は電子部品に悪影響を与える。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904050100002-n1.htm
「・・・北朝鮮の長距離弾道ミサイルは液体燃料が主に使用されるが、固体燃料に比べ爆発力に劣り、離陸速度が遅い。このため、発射時に秒速15メートル以上の風が吹けば、ミサイルが発射台に接触する懸念があることなどから原則、発射は見送られる。ところが・・・、<天候は晴れであった上、>予報より強かったとしながらも、現場は風速8~12メートル<に過ぎなか>った・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090404/plc0904042214037-n1.htm
4 その他
 「・・・弾道ミサイル破壊措置命令を受けてBMD司令官に任命された空自の永田久雄・航空総隊司令官は、・・・ まず海上のSM3を発射して、高度200~300キロの大気圏外での迎撃を狙う。もし撃ち漏らした場合には、首都圏や秋田、岩手両県に配備されたPAC3が、地上から十数キロの高さで撃ち落とすことを想定してい<た>。」
http://www.asahi.com/politics/update/0404/TKY200904040065.html
前掲
 「・・・北朝鮮は、2006年にテポドン2号の発射に失敗している。このときは、液体燃料が腐食を誘発するため、注入後速やかに発射しなければならないにもかかわらず、注入から発射まで2週間以上経過。(1)腐食で脆弱になったミサイル外板にエンジン燃焼の圧力で大きな傷ができた(2)軽量化を優先する余り強度が担保できなかった(3)噴出口の腐食-などが原因だった、ともいわれる。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090404/plc0904042214037-n1.htm
上掲
 その他の記事です。
 まず、昨日の「特集」の続きです。
 「その1:罪深き者よ、汝の名は女なり!」中の「1 セックス」について、女性は昔からソフトポルノが大好きだったって話が出ていました。
 These days, pornographers, pundits and scientists are forever pondering what women want, but in 1913, at least, it was pretty clear: They wanted “The Inside of the White Slave Traffic,” a film depicting the sexual coercion of innocents into a life of brothels, and they weren’t going to let a team of New York’s finest get in their way. When the deputy police commissioner of New York brought six officers to the Park Theater to seize the film, the 500 or so women waiting to see the 9:30 screening nearly broke into a riot, waving their green tickets and making a mad dash for the door. The scene attracted several thousand protesters who joined the cause in sympathy, a crowd that dispersed only when the police brought in reinforcements. ・・・
http://www.nytimes.com/2009/04/05/books/review/Dominus-t.html?_r=1&hpw=&pagewanted=print
 「その2:不況の米国ではやるもの」についてですが、「不況→自宅でできるタダのレクリエーションで我慢する、しかし子供はつくれない→XXX」の果ては、やはり若干のカネをかけざるを得なかったってことのようです。
 米国で恋愛小説がバカ売れだってんですから面白いですね。
 ・・・the most intriguing entry was the third item on U.S. News’ list: bodice-ripper novels. Harlequin, still the biggest name in serial romances, saw a $3-million gain, year to year, in North American sales in the fourth quarter of 2008 (by contrast, book sales in the general marketplace are down slightly). ・・・
 Oh, and No. 4 on U.S. News & World Report’s recession winners list? Condoms. Maybe Harlequin should ease up on those unexpected-pregnancy fantasies.
http://www.latimes.com/news/opinion/commentary/la-oe-daum4-2009apr04,0,1938767,print.column
 「高齢の男性がつくる子供の平均的IQは、その男性が高齢であればあるほど、・・・低くなる」と以前(コラム#3143で)申し上げましたが、閉経期以前であれば女性には子作り適齢期はないけれど、男性に関しては、子作り適齢期があることが、ますます明らかになってきています。
 ・・・the chance of a couple’s conceiving begins to fall when the man is older than 35 and falls sharply if he is older than 40. ・・・ the risk of schizophrenia begins to rise for those whose fathers were over 30 when their babies were born. ・・・the risk of bipolar disorder in children begins to increase when fathers are older than 29 and is highest if they are older than 55. ・・・babies born to men over the age of 40 have significantly greater risk of autism than do those born to men under 30. (The age of the mother・・・showed little or no correlation.)・・・」
http://www.nytimes.com/2009/04/05/magazine/05wwln-lede-t.html?ref=magazine&pagewanted=print
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太田述正コラム#3196(2009.4.5)
<世界不況四方山話(その1)>
→非公開