太田述正コラム#14877(2025.4.12)
<皆さんとディスカッション(続x6224)/映画評論305:ZOO>

<太田>

 安倍問題/防衛費増。↓

 なし。

ウクライナ問題/ガザ戦争。↓

 なし。

 妄想瘋癲老人米国。↓

 <トッドのご託宣、総合的にはBマイナス答案か。
 ここは〇。↓>
 「・・・プーチンを始めロシアのエリートの言動は、真っ当な現実認識と彼らなりの長期的ヴィジョンにもとづいているので予測可能です。
 <ここはX。↓>
 それに対して欧州のエリート、とくに最も好戦的なスターマー英首相とマクロン仏大統領の言動は予測不可能です。自国の大統領と長年敬意を抱いてきた英国の首相にこんな言葉を用いるのは悲しいことですが、バカの言動は予測できないのです。歴史の素養も、経済の知識も、的確な現状分析も持ち合わせておらず、明らかにロシアのエリートより知的に劣っている。私は日本に対して「予測不可能な米国には気をつけた方がいい」と常々繰り返してきましたが、今日、それ以上に「欧州に気をつけた方がいい」と申し上げたい。ウクライナ支援の継続を訴える欧州の好戦的態度に追従してはいけません。支援することで、戦争が不必要に長引き、結局、ウクライナをさらに破壊することにしかならないからです。
 トランプとその側近たちは、欧州のエリートよりも、「現実」の認識においては知的に一歩進んでいます。
 <ここはかろうじて〇。↓>
 「保護主義で自国の製造業を守るべきだ」「移民の流入はコントロールすべきだ」「人間には二つの性しかない」「人々にはポピュリスト政党に投票する権利もある」ということ自体は、常識にもとづく理性的な判断です。
 しかしその主張の裏には、米欧のエリートに対する憎悪といった強烈なルサンチマンが渦巻いている。ヴァンス副大統領の自伝『ヒルビリー・エレジー――アメリカの繁栄から取り残された白人たち』からは、「民衆への愛情」よりも「エリートへの憎悪」が上回るようなネガティブなパッションを感じます。助成金削減による大学への締め付けや教育省・USAIDの解体といった政策は、そうした憎悪を象徴している。保護主義も、他国と協調して賢明に実施しなければ、成果は得られません。保護主義的措置から利益を得る勤勉で優秀なエンジニアや労働者が不在のなかで、被害者意識で関税報復合戦を行なえば、インフレが起こり、生活水準の低下を招くだけです。他国からの輸入品に頼ってきた米国経済こそ行き詰まる。 「脱ドル化」を推進するBRICSを脅迫したトランプは、「基軸通貨ドル」の存在こそが米国の国内産業の復活を妨げていることを理解していません。ある国の天然資源の豊かさは経済の他の分野の発展を妨げる力にもなることを「オランダ病」と言いますが、米国はいわば「スーパーオランダ病」に苦しんでいる。ここでの「天然資源」はドルです。だからこそ米国では、高学歴者ほど、産業やモノづくりの就職につながる科学やエンジニアの分野ではなく、ドルという富の源泉に近づくために、金融や法律の分野に進んでいます。
 トランプ政権は、「現実」は認識できていても、ネガティブな感情に囚われるあまり、「政策の立案と実行」の次元で誤っているのです。トランプ、ヴァンス、マスクが進める“ルサンチマンの政治”は、米国の内部崩壊をさらに加速させるだけでしょう。
 <ここは再びX。(日本はまず米国、次いで中共の属国となるプランを戦後一貫して実践してきて、脳死しちまった今や変更不可能。)↓>
 「西洋の敗北」「西洋(米欧)の分裂」を受けて日本はどうすればよいのか。日本がかなり困難な状況にあることは間違いありません。米国が当てにならないなかで、中国と対峙しなければならないからです。  現状で私がお勧めしたいのは、欧州と米国のヒステリーに極力関わらず何もせずに静観すること、しかし密かに核武装を進めることです。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/d428902fc77d3a527fb9eb1ed45fffc5acebd44d
 <当然。↓>
 「NY外為市場=ドル全面安、貿易戦争巡る懸念で 安全資産としての信頼揺らぐ・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/042de4ae7581598404ace7739fe4be814abbab7f

 それでは、その他の国内記事の紹介です。↓

 大騒ぎなので久ーしぶりに覗いてみた。↓

 「名人戦第1局、藤井聡太名人の神技に対するプロ棋士達の反応集!一流棋士が脱帽した奇跡の詰み・・・」
https://www.youtube.com/watch?v=Wc4t-VOsgng

 ま、ダイジョーブでしょ。↓

 Japan’s carmakers reckon with tariffs that may cost $25 billion a year–The anxiety is palpable in Toyota City, the “Detroit of Japan,” as it braces for the impact of the Trump administration’s 25 percent tariff on foreign-made cars.・・・
https://www.washingtonpost.com/world/2025/04/11/japan-auto-tariffs-trump-toyota-honda/

 本来の仕事などなくなっている日本の外交官ができるのはこれくらいだが、やらないよりはマシ。↓

 Feeling’s mutual: Japan ambassador’s love of UK makes him social media star–Pint at the pub, vinegar on fish and chips, and Welsh national anthem are all part of a day’s diplomacy for Hiroshi Suzuki・・・
https://www.theguardian.com/world/2025/apr/11/hiroshi-suzuki-japanese-ambassador-love-uk-social-media-star

 日・文カルト問題。↓

 なし。

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <英語媒体より。
 ヨユーの習ちゃん。↓>
 ・・・Before the tariff war kicked in, China did have a massive volume of sales to the US but, to put it into context, this only amounted to 2% of its GDP.・・・
https://www.bbc.com/news/articles/cjew7y4j724o
 <ここからは、レコードチャイナより。
 アハハ。↓>
 「・・・大阪・関西万博の子ども用トイレが「中国式」と表現されたことに、中国のネットユーザーが<怒りの>反応を示している。・・・中国のSNS・微博(ウェイボー)・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b951488-s25-c30-d0052.html
 <・・・。↓>
 「中国のSNS・小紅書(RED)にこのほど、日本の新幹線に乗ったところものすごい揺れだったとの投稿があり、反響が寄せられている。・・・」

https://www.recordchina.co.jp/b951479-s25-c30-d0052.html

 一人題名のない音楽会です。
 今度は、ショパンのピアノ協奏曲のピアノソロ演奏です。

Chopin-Kawakami(注) Concerto No.1 Op.11 I.Allegro maestoso 14.45、8.55、7.57分
https://www.youtube.com/watch?v=Wzwe6CrU8cU
https://www.youtube.com/watch?v=DeaeR6VQa4o
https://www.youtube.com/watch?v=CTldtzQofT0

(注)川上愛。阪大修士(人間科学)、藝大博士(美術)、早大?(上掲)

            –映画評論305:ZOO–

 今回の、『ZOO』(A Zed & Two Noughts)は、『英国式庭園殺人事件』(The Draughtsman’s Contract)(コラム#14863)と同工異曲の、その3年後の1985年のピーター・グリーナウェイ監督・脚本作品、だが、今回は、庭園と建物ならぬ、動物の死骸の腐敗が映像の対象なので、評価は同じく高いというのだが、私は全く買わない。
https://en.wikipedia.org/wiki/A_Zed_%26_Two_Noughts 

———————————————-

太田述正コラム#14878(2025.4.12)
<檀上寛『陸海の工作–明朝の興亡』を読む(その15)>

→非公開