太田述正コラム#3211(2009.4.13)
<皆さんとディスカッション(続x455)>
<太田>
 本日、2時間半にわたって、慶應大卒で創価学会問題についての著作もある、某著述家による、防衛省不祥事に関する取材をうけたのですが、私の方から、取材対象外のことを逆に2点質問しました。
 彼が話してくれたことは以下のとおりです。
 <太田さんがその要約紹介をコラム#195で行った結果、名誉毀損になるとして50万円の損害賠償を支払わされた>『東村山の闇』という本そのものは、名誉毀損訴訟の対象とはなっていない。
 慶應義塾の高校、中学校、小学校は寄付金集めの手段。エスカレーター式に大学に入ってきた学生は、入試を受けて大学に入った学生よりも総じて成績が悪かった。
 どちらも、私が以前からひょっとしてと思っていたことを、第三者の言によってある程度裏付けることができました。
<疑問博士>
 <私は>軍事・外交に関心が高く、ニュースを見るときはそればかりです。
 色んな評論家の討論番組やらコメントを見たり聞いたりしていてチャンネル桜で太田教授を初めて見て、普通の評論家とは違ういいセンスをしていたので、ブログやら出演したTVなどを拝見させてもらい、<先般、投稿するところ>にまでこぎ着けた次第です。
 宜しくお願いします!
<太田>
 ご高齢の方のようですが、こちらこそよろしくお願いします。
<平ちゃん>
≫典拠抜きの議論にはおつきあいしかねます。≪(コラム#3209。太田)
 う~~ん。
 太田先生が、コラム#3138「琉球新報記者による取材」において沖縄は独立を考えるべきであるとの主張をなさっていたので、太田先生が何故沖縄独立の歴史的な妥当性があるとの結論に至ったのかをご説明をお願いしたいと思い、できれば、そのような結論に至った根拠を示した参考資料をお教え貰おうと思ったのが、そもそも、<同>コラム・・・へのコメントの趣旨であったのですが、、、、
 それは、ともかく、私が先に書いたことについては、その当否はともかく、沖縄の話をする上ではよく知られている学説であると思い敢えて典拠はつけませんでしたが、以下、典拠を付けさせて頂きます。
≫沖縄の場合には、日本(大和)側の認識としては、少なくとも形式的には、1400~1500年頃には、当時の室町幕府の幕政下に置かれていたのではないでしょうか?≪(コラム#3209。平ちゃん)
 外山守善『沖縄の歴史と文化』(2001年23版 中公新書799)p240
 1404年 冊封使初めて渡来
→この冊封使とは、明からのものですよね。
http://syuri-sinkoukai.com/syurinorekisi.html
 拠っておられる本の240頁には、何と書いてあるのですか?
 また、仮に当時既に沖縄が日本の属国であったとして、だからどうだと言うのですか?(太田)
≫~1600年のいわゆる薩摩入りもその理由は沖縄が臣下としての義務を果たしていないことが理由だったのではないでしょうか?≪(同上)
 同上 p78
→同様の質問です。78頁には何と書いてあるのですか? だからどうだと言うのですか?(太田)
≫また、日本(大和)と沖縄の歴史的な関係については、沖縄の方言は日本語の祖語と奈良時代から鎌倉時代にかけて独立、方言化したと言語学的には見られているようであり、≪(同上)
 同上 p95
 なお、沖縄の言葉と現代日本語との関係については以下のサイトが参考にできるかと思われます。
琉球語
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%90%89%E7%90%83%E8%AA%9E
→これについてだけ、二重に典拠をお示しになりましたが、これこそ、常識の部類に属す話ではないでしょうか。もっとも、このウィキの記述、大変充実していますね。
 いずれにせよ、言語が近縁であったり、あるいは言語が同一であったりしても、単一国家を形成するかどうかは別問題です。イギリスとアイルランドは、同一言語ですが、アイルランドは英連邦はもちろん、NATOにすら加盟していません。他方、スイスには4つの言語がありますが、単一国家を形成しています。(太田)
≫日本(大和)と沖縄の古代からの関係が指摘されているように思われますが。≪(同上)
 同上 pp20-29
→最初の2つと同じ質問があります。(太田)
≫私は沖縄の人間ではありませんが、沖縄の人たちのひとつの回答としては、1972年の沖縄返還の折に、米国は沖縄に対して独立の選択肢も与えていましたが、そのとき、沖縄のひとたちは本土復帰を選んだとの事実があるのではないでしょうか?≪(同上)
 同上 p90
→同じ質問があります。
 なお、1707年にスコットランドはイギリスとの合邦を選択しましたが、現在、スコットランドでは独立の声が高まっていますよ。(太田)
 、、、、私としては、沖縄の人たちが独立を望むというのであればその方向で話を進めていくべきであるとの考えです。
 しかし、間違った知識、認識に基づいてそのような結論に至るのであれば沖縄の人にとっても日本の人にとっても不幸なことではないかと思い、今回、太田先生がどのような知識、認識に基づいてそのような結論に達したのかをお聞きしようとしたのが、コラム#3138「琉球新報記者による取材」へのコメントの趣旨でした。
 追加です。
≫また、沖縄で大陸的な文化が色濃くなったのは、むしろ、薩摩入り以降との話もあるようですが(薩摩藩が和風を禁止した)、、、ただし、この話は確実なソースで確認していませんので断言はできませんが、、、≪(同上)
 同上 p242
 1617年 日本化を禁ずる令達をだす。
→やはり、同じ質問があります。(太田)
<KT>
≫「・・・浜の真砂は 尽きるとも 世に「心」盗人の種は尽きまじ」(字余り)≪(コラム#3209。太田)
 石川五右衛門
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E5%B7%9D%E4%BA%94%E5%8F%B3%E8%A1%9B%E9%96%80
って、アメリカのジェシー・ジェームズ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%82%BA
と伝説になる様が似てますね。
 典拠付けて書かないと、いかに真実があやふやなのかが身に染みました。
<太田>
 ジェシー・ジェームスは銀行強盗の祖だそうですね。
 記事の紹介です。
 前腕を一定の間隔で軽く叩いてもらうと快感を覚えることが明らかになりました。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/7992299.stm
 スウェーデンで、女性が、自分のストリップを見せる有料サイトで稼ぐのがはやっているところ、税務当局が、こうして得られた女性の所得に対する課税に乗り出しました。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/7993694.stm
 ソマリアの海賊の人質になった米国船の船長(コラム#3205)が、彼と同じ救命ボートに乗っていた海賊3名を射殺した、米海軍特殊部隊SEALによって解放されました。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/04/12/AR2009041200967_pf.html
http://www.guardian.co.uk/science/2009/apr/12/stem-cell-female-infertility-claim
 一番詳しい経緯は、ニューヨークタイムスの記事をお読み下さい。
http://www.nytimes.com/2009/04/13/world/africa/13pirates.html?_r=1&hp=&pagewanted=print
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太田述正コラム#3212(2009.4.13)
<キリスト教・合理論哲学・全体主義(続)(その1)>
→非公開