太田述正コラム#3285(2009.5.20)
<皆さんとディスカッション(続x492)>
<ΕΑΕΑ>(「たった一人の反乱」より)
テレビのコメンテータで出ても、トータルで5分も話せんかもしれん。
5分のために大阪に行くなんてアホらしいが、
≫民主党が政権をとれば官僚の腐敗は無くなるとか中国北朝鮮ロシアの存在を棚に上げ現在の日本に脅威など無いと言った大馬鹿。≪(コラム#3263。太田)
それぞれ、太田総理と桜の影響じゃないかと思ってる。
右に売国奴認定されるなんて、おーたんも有名になったものだと感動したよ、俺は。
テレビは広く薄く、活字媒体は狭く濃くで、どっちでも活躍して欲しい。
ダメもとでも<テレビに>出さないと始まらないしね。
<ΕΑΑΕ>(同上)
売国認定は、情報の受け手の主観の問題なんだが、それにしても太田さんと他の認定者の落差が凄まじい。
売国する人間なら、そもそも防衛省辞めないんじゃないかねえ。
常識的に考えて。と、やらない夫が申しております。
チャンネル桜のフリップつくるつもりで、知識ゼロからでも把握できるようなFAQ整備すべき。
「右」「左」の不毛な決め付けから自由でありたいが、余計な先入観を持たせない姿勢も普及には欠かせないんじゃないかな。
民主党自体の言葉不足のとばっちりを太田さんが被る必要はないと思う。
ここは太田さんの言うバスタードなアングロサクソンたる米国の数少ない美点に習ってもらいたいな。
「みなさんとディスカッション」までやってるんだから、あとは入り口の問題。
米国の方が無知には慣れてる。無知を気にせず、相手に聞いていくことに躊躇がないし、そしてそれに合わせて手段をきっちり用意してくる。
教育レベルの下層が日本よりかなり悲惨なせいかもしれない。
宣伝や広報は理解度が一番下を想定してっていう姿勢は、立派。
まだ日本が及ばないところ。
そういうのは太田さん自身が一番痛感してるはず。
ここは防衛庁OBが手本を見せてみたら?
<ΑΕΑΕ>(同上)
≫首都圏でまだ感染者が発見されていない≪(コラム#3283。太田)
人人感染を発見したくなかったのが本音じゃないかな。
首都圏がパニックになると日本死亡だし。
発生国からの飛行機のみの検疫と、渡航歴がない人の遺伝子検査はしないってのが国の方針だけど、全然駄目だったなあ。厚労省は制度設計が下手だね。
「神戸市などによると、… 同市はまた、同日午前に感染が確認された5歳男児の家族が、4日から8日までグアムに行っていたと発表した。男児は家族が帰国した8日に発症し、…」
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009051800838
「5月19日…現時点ではグアムは感染国には含まれておりません。」
http://www.visitguam.jp/news/2009/0519.html
≫日本が意外に「地方分権」であることを示しているな≪(同上)
なんか、えーーー新型なの!と神戸の医師も驚いたっていうオチのような気がする。
「簡易検査でA型陽性となり、医師がAソ連型かA香港型かを区別するため、
ウイルスの検体を十二日に神戸市環境保健研究所に送った。」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009051602000075.html
<ΕΑΑΕ>(同上)
オバマ米大統領は19日までに、次期駐日大使にカリフォルニア州シリコンバレーの弁護士ジョン・ルース氏(54)を指名することを決めた。
近く正式発表する。ルース氏は昨年の大統領選で、同州でのオバマ氏の資金調達の共同責任者になるなど早くから大統領を支援していた。
これまで候補として名前が挙がったハーバード大ジョセフ・ナイ教授やノーマン・ミネタ元運輸長官と比べ、日本との関係は深くはなく、大使指名は事実上の「論功行賞」といえる。
これまで駐日大使は、モンデール元副大統領、べーカー元上院院内総務らいわゆる「大物」が選ばれるケースが多かった。政界出身ではないルース氏は、前任のシーファー大使と同様、大統領との近さが“売り物”といえる。
駐日大使をめぐっては、ナイ氏やミネタ氏の名前が挙がったが、大統領は自らの選挙戦を支援するなど、「気心が知れている」(米政府関係者)ルース氏を選んだという。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090520/amr0905200859004-n1.htm
ジョセフ・ナイ氏について過去に言及したコラムがあったらどなたかナンバーを教えてください。
<太田>
コラム#429、2872、3076、3125です。
後の方の二つのコラムは、ナイの駐日大使就任を前提にしていたので、足すくわれちゃいましたね。
ΕΑΑΕさん、閑古鳥泣いてる太田述正掲示板の方にも投稿して下さいよ。
本日の記事の紹介です。
まず、森本敏の論説から。
「・・・<小沢前民主党代表は、>「日本もグローバル戦略で米国と役割分担し、在日米軍が果たしてきた役割をさらに担えば、米軍が出動部隊を日本におく必要はない」「第7艦隊がいれば、米国の極東におけるプレゼンスは十分だ」との趣旨の発言をしたこともある。・・・
<この種の>有事駐留論は、在日米軍の抑止力を過小評価しすぎで日米同盟を危機に陥れることになり、中国や北朝鮮が喜ぶだけだ。他方、米軍が撤退し、日本がその代替を果たすには再軍備が必要であり、これはアジア諸国はいうに及ばず、米国が容認しないし、日米同盟は危うくなる。日本人の多くはこのいずれの選択もしないであろう。
安全保障政策はリスクを負えない。日米同盟に大きな亀裂を生むような政策は日本の安全を阻害する。鳩山民主党は政権を担当する際、いかなる外交・安保政策を進めようとするのか、国民に明確な形で示すべきである。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090520/stt0905200319002-n1.htm
この期に及んでこれほどのKYぶりをさらけ出すとは、同じ航空自衛隊出身の田母神に匹敵するほどの世界の笑いものですねえ。
「アジア諸国はいうに及ばず、米国が容認しないし、日米同盟は危うくなる」のまともな典拠を、それぞれ一つずつでいいから、示してもらおうじゃないか。
「安全保障政策はリスクを負えない」って要するに米国の属国であり続ける以外に日本には選択肢はないって言ってるわけだけど、いいかげん自民党/外務省の狗であり続ける自分をちょっとは恥じたらどうなんだい。
シンデレラに代表される欧州のおとぎ話(fairy tale)は、民衆の間で自然につくられ、口伝で流布したものが後に書き留められたと考えられてきたところ、そうではなく、16世紀半ば以降の創作物であるとの有力説が出ました。
柳田国男の民俗学における前提だって、この際、疑っていいのかもしれませんね。
・・・”The elements that make up the fairy tale genre were all in place before the 1550s: the hallmarks of fairy tales ? magic objects and sudden acquisitions of wealth ? were not new in themselves. What was different was that rise fairy tales built in the kinds of generalised hopes for an improvement in their lives specific to the burgeoning populations of upward striving young men and women in early modern cities.”・・・
・・・the “rise” genre was invented by Straparola, author of the circa 1550 collection Le piacevoli notti (Pleasant Nights), which contains the earliest known version of Costantino Fortunato (Puss in Boots). ・・・
“rise” tales could have passed from Straparola–whose collection sold well in Italy ? to France, to Germany and eventually to the Brothers Grimm, <with> the central role of print in the journey. ・・・
http://www.guardian.co.uk/books/2009/may/19/oral-roots-fairy-tales
弱冠27歳の米国の超売れっ子作曲家ニコ・ムーリー(Nico Muhly)についての記事が出ていました。
http://www.newsweek.com/id/197806
彼自身がピアノ演奏する、本人自身作曲の映画’The Reader’のテーマ音楽をどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=Rdc2BYdVhTg
次の論説は、かなり深ーいので、関心あるむきは、ぜひ原文にあたっていただきたいが、よい経営者と、よい文学者/学者/ジャーナリスト/政治家とは相容れないものがあるっていうのです。
もちろん、ここでいう学者/ジャーナリスト/政治家は、グローバルスタンダードに合致しない(劣っている)日本のじゃなくて、米国のですが・・。
・・・The C.E.O.’s that are most likely to succeed are humble, diffident, relentless and a bit unidimensional. They are often not the most exciting people to be around.
For this reason, people in the literary, academic and media worlds rarely understand business. It is nearly impossible to think of a novel that accurately portrays business success. That’s because the virtues that writers tend to admire–those involving self-expression and self-exploration–are not the ones that lead to corporate excellence.
For the same reason, business and politics do not blend well. Business leaders tend to perform poorly in Washington, while political leaders possess precisely those talents–charisma, charm, personal skills–that are of such limited value when it comes to corporate execution.・・・
http://www.nytimes.com/2009/05/19/opinion/19brooks.html?pagewanted=print
源氏物語の六条御息所の話
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E9%9C%8A
を思い起こさせるブログが掲げられていました。
・・・ People who feel they have been wronged by someone and are so bitter they can barely function other than to ruminate about their circumstances.
This behavior is so common — and so deeply destructive — that some psychiatrists are urging it be identified as a mental illness under the name post-traumatic embitterment disorder. ・・・
One estimate is that 1% to 2% of the population are embittered・・・.
”These people usually don’t come to treatment because ‘the world has to change, not me,’ ・・・They are almost treatment resistant…. Revenge is not a treatment.”
Nevertheless,・・・people once known as loving, normal individuals who suddenly snap and kill their family and themselves may have post-traumatic embitterment syndrome.・・・
http://latimesblogs.latimes.com/booster_shots/2009/05/the-destructive-emotion-du-jour-bitterness.html
カチンの森の虐殺(Katyn massacre。1940年)
http://en.wikipedia.org/wiki/Katyn_massacre
をロシアはどうしても認めようとはしないようです。
・・・Polish prisoners systematically massacred by Stalin’s executioners in the operation now short-handed as the Katyn massacre. (Katyn forest contains another Polish mass grave.) As many as 22,000 Poles were killed.
Today, lawyers, Polish families and human rights organizations are calling on the Russian government to establish the victims’ innocence by “rehabilitating” the Polish prisoners. They are also pushing for the declassification of documents and recent decisions about the probe into the massacre.
The requests are meeting stiff resistance from Moscow. Appeals to the courts have failed and investigations have halted. The government has progressively curtailed access to intelligence archives, where historians believe more evidence may lie. ・・・
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-russia-stalin20-2009may20,0,6637703,print.story
イランの脅威はそれほどのものではない、という趣旨の報告書が二つ出ました。
・・・A report by a group of Russian and American scientists and engineers at the EastWest Institute concludes that although Iran could build a nuclear device within one to three years of deciding to do so, it would not be able to deliver a long-range weapon for many more years. The scientists also say that a U.S. missile defense system being considered for Central Europe would be useless against an Iranian nuclear weapon.
A separate 230-page report by the Rand Corp., the result of political and military research for the U.S. Air Force begun in 2007, found Iran a less formidable adversary than some believe. The report notes “significant barriers and buffers” to Iran’s ambitions because of the reality of regional ethnic and religious politics and “its limited conventional military capacity, diplomatic isolation and past strategic missteps.”・・・
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-iran-threat20-2009may20,0,7498859,print.story
ここで取り上げられた二つの報告書中の前者について、ワシントンポストもとりあげています。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/05/18/AR2009051803055_pf.html
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6月6日太田述正オフ会の申込はこちら↓
http://www.ohtan.net/meeting/
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太田述正コラム#3286(2009.5.20)
<英国議員の金銭不祥事(その1)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x492)
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