太田述正コラム#3287(2009.5.21)
<皆さんとディスカッション(続x493)>
<ΕΑΑΕ>(「たった一人の反乱」より)
太田さん、<コラム#3285でのコラム>ナンバーのご教示ありがとうございます。
「みなさんとディスカッション」で大体ここがカバーされてるので甘えてました。すみません。
まあしかし過去コラム読んでると読者の反対意見のレベルがすごく高くてびっくり。
どのナンバーか明示するほど野暮天じゃないけど、聴衆としては反対意見の方に頷ける一連のシリーズもあったりします。
そういうの読んでると敷居は高いですよ、本家板は。
ナイ氏が人選にもれたことについて色んな評価がされてるけど、太田さんのナイ評価は必読と思ったので。
<太田>
ナイがらみということで、後出の、米次期駐日大使及び駐英大使の人選をめぐる話題もお読み下さい。
<鯨馬>
コラム#3284(2009.5.19)「ポーランド史(その2)」(未公開)において、
≫ポーランド人の連合国の戦争努力に対する巨大な貢献≪
としていくつか列挙がありましたが、あそこにあげられてなかった重要な貢献として「エニグマの解読」があります。
「暗号解読」(サイモン・シン:新潮文庫)によると、最初にドイツの暗号エニグマを解読したのはポーランド(の一天才)でした。ポーランドは、国の存亡がかかっているため必死だったそうです。
開戦後は、大規模・体系的な解読作業のためのリソースが豊富な英国に、あえて引き継がせたとか。
<太田>
第二次世界大戦中のドイツの英コベントリー空襲に関するデマについて、コラム#3089で記したことがありますが、これは、エニグマの解読をめぐる有名なエピソードです。
ご指摘のポーランドが解読にからんでいたとの話もどこかで読んだ記憶がありますが、思い出せません。ご指摘ありがとう。
<白石直代>
<コラム#2838、2040>「ロアルド・ダールの半生」<シリーズを読み>ました。
http://blog.ohtan.net/archives/51356714.html#comments
彼が晩年、子供用にたくさん面白い小説を書いたそうで、我が娘(10歳)はその面白い小説に夢中です。
「チャーリーとチョコレート工場」など、子供にはとても面白いようです。
<ΑΕΕΑ>(「たった一人の反乱」より)
結局、鳩山は何が言いたいの?
「友愛」とか漠然とした事言われても理解出来ないよ。
<太田>
和辻哲郎が言う、人間(じんかん)主義ってことだと理解してやってください・・。
何だそれって?
私の読者がそんなじゃ、どうしょうもないぜ。
<ΑΑΕΕ>(同上)
≫日本が意外に「地方分権」であることを示しているな≪(コラム#3285。太田)
神戸の医師の取材ktkr(1:20~)
http://www.youtube.com/watch?v=iYuTgEyLLJ8
大阪の医師(5:00~)
http://www.youtube.com/watch?v=VvUThAwbhfk
「神戸市…同市によると、生徒を診察した医師は、生徒に海外渡航歴がなかったことから、季節性インフルエンザのソ連型か香港型か-の検査を要請したという。
市は「発熱外来の検査を優先するのでいいか」と医師に確認した上で、検査を後回しにしたとしている。」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009051602000237.html
神戸は優先順位をつけて柔軟に対応した。
一方、ソースは2chだけど東京は頑固w
「18日昼間、東京都のある保健所とのやりとり」
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2009/05/518-6aa5.html
うん、おーたんの「地方分権」説で正解だな。
<こくぴと>
・・・even if this flu turns out to be less frightening than feared, it is only a matter of time before a deadlier one comes along. A drill today will help to spare millions of lives in the future. ・・・
http://www.economist.com/opinion/displayStory.cfm?story_id=13576183
日本は「ドリル」が出来ているように見えませんし、マスコミの報道には大きな違和感感じます。
●JMM 第30回 新型インフルエンザ対策を考える ~検疫よりも国内体制の整備を!
http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/report22_1617.html
致死率70%
http://www.medicalnewstoday.com/articles/5771.php
になるかもしれない、強毒性鳥インフルのパンデミックが発生したら、と思うと心底恐ろしいです。
<太田>
「ドリル」(演習)は、ドジったっていいんであって、「本番」でドジらないためにこそ、「ドリル」をやる、と達観すべきでしょう。
<εεΑΑ>(「たった一人の反乱」より)
鳩山政権下で、おーたんに 客員教授(講師)でも良いからオファーが来ないかな~。
自薦するような人間ぢゃなさそうだし…(だといいけど)
ααηη<(コラム#3283)>推薦しれ。
<ΑΑΕΕ>(同上)
了解。天下り廃止、ただし恩給復活+安全保障にからめて、こういう評論家がいますと紹介してみるか。
ぽっぽにぃさんのメルマガには
「皆様から頂いたご意見ご要望は、鳩山自身が必ず目を通し、政治活動の参考にさせて頂きます。」
って書いてるから、読んでくれるでしょう。
<太田>
2001年に選挙に落選した直後に、民主党に、謝金の額はどうでもいいから、講師をやらせてくれ、ともちかけたら、にべもなく断られたってことがあったのは昔話だとしても、小沢、岡田、前原や浅尾をこれほど遠慮会釈なく批判してきた人物を講師にするほど、(仮に政権政党となったとしても、)民主党の度量が急に大きくはならないでしょう。
さて、本日の記事の紹介です。
「障害者団体が定期刊行物を郵送するときには格安の料金が適用される。団体の活動を支えるためだ。その制度を悪用した事件で、郵便事業会社(JP日本郵便)の支店長ら2人が大阪地検特捜部に逮捕された。・・・
制度の悪用は郵政民営化の前からだった。日本郵便の調査では07年4月から1年7カ月間で、制度を利用した1億8800万通のうち8割が違法なDM広告だった。正規料金との差額はこれだけでも160億円になる計算だ。・・・
年金のずさんな管理や改ざんで、解体に追い込まれた社会保険庁にも比すべきいい加減さだ。・・・」
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
この話だって、そもそも前島密が近代郵便制度を導入したのは、中央政府と地方との通信コスト削減・・つまりは「強兵」・・のためであり、
http://www.chuo-kanko.or.jp/knowledge/person/person_04.html
更に遡れば、世界で最初に英国に近代郵便制度が導入されたのは、「富国」のためであった
http://en.wikipedia.org/wiki/Rowland_Hill_(postal_reformer)
ことに思いを馳せるべきでしょう。
「・・・駐日米大使にジョン・ルース氏の起用が固まったこと<について、>米政府から日本政府への連絡は直前までなく、20日の新聞報道でルース氏の起用を知った政府高官は、「何も聞いていない」と不快感を示した。・・・
一方、オバマ氏は、次期中国大使に、将来の大統領候補とも目されるハンツマン・ユタ州知事を指名した。日本側には今回の日中の米大使人事を比較し「格差があるのではないか。意外な感じ」(外交筋)との受け止めも広がった。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090521-OYT1T00045.htm?from=main6
これを次期駐英大使と比較してみましょう。
・・・Despite promising to end cronyism in Washington, Barack Obama is about to appoint one of his home town friends and financial backers・・・ Louis Susman, a lawyer and financier with little experience of foreign affairs to the plum posting of US ambassador to London.・・・
London has become a retirement posting for many backers of US presidents, offering a comfortable home in one of the best mansions in the city, Winfield House in Regent’s Park.
Recent ambassadors have been political appointees more interested in country walks than Iraq or nuclear non-proliferation. Most of the work is left to the number twos at the embassy, career diplomats.
Susman, 71, a vice-president of Citigroup until he retired in February, has long been a backer of the Democrats, nicknamed the Vacuum Cleaner by the Chicago Tribune for his ability to hoover up campaign funding. ・・・
The appointments will disappoint former US career diplomats who have been pressing Obama to end the practice, especially since he promised to offer more of the top jobs to diplomats. ・・・
Historically, about 25% to 30% of the diplomatic posts have been political appointees. It is too early to say, but Obama’s ratio could yet be lower.
The president’s choice of Susman could be viewed as a snub to the UK.・・・
Obama’s predecessor, George W Bush, sent two of his financier backers to the UK: William Farish, a Texas multimillionaire, and Robert Tuttle, a California car dealer. The lack of an experienced diplomat in London was felt most in the runup to the war in Iraq in 2003, with Farish invisible when a figure was needed to put the US case on camera and in print.
http://www.guardian.co.uk/world/2009/may/20/obama-uk-ambassador-louis-susman
日本も英国並みの扱いを受けるようになったと喜ぶのは早い。
次期駐日大使は54歳、次期駐英大使は71歳ですから、オバマ政権は、駐日大使には仕事をさせる気でいる、ということです。
(第一、駐日大使公邸は、駐英大使公邸ほど豪華なものでもありませんしね。)
引用はしなかったけど、次期駐英大使については、英国政府に前広に通知してあったみたいだしね。
最も重要な同盟国たる英国と最も重要な属国たる日本の扱いの違いは歴然ってところでしょう。
いつもの、日本をダシにした、韓国民向け啓発記事を朝鮮日報が載せました。
「・・・「韓国の歴史学界で、日本へ行って日本史をきちんと学び、韓国で教壇に立っている学者は30人もいないのが現実だ」というのだ。さらに孫教授は「日本史を学んで帰ってきて、大学の教壇に立てなかった学者たちもかなり多い」と付け加えた。「東洋史=中国史」という韓国の歴史学界の伝統的な認識が、日本史の研究を空白領域にしてきたというわけだ。また、公州大のソ・ジョンソク教授は「とりわけ日本の近代史は、韓国が植民地支配の被害を受けてきた歴史と重なるため、これまで十分な研究が行われず、それどころか顔を背けてきた側面も大きい」・・・
日本が開国してからの150年間、東アジアの近現代史の中心は、中国よりも日本だったと考えるのが現実に即している。だが、韓国の中学・高校の世界史の教科書を見ると、日本の近代史は東南アジア諸国と共に、「中国の周辺国の歴史」として記述されているだけだ。韓国は近代以降、日本の文物や技術はもとより、学術用語も受け入れてきたが、日本史に対する世界史、あるいは東洋史的な視点からのアプローチはしてこなかった。その一方で、「中体西用(伝統的な思想や制度を守りつつ、西洋の技術・文明を受け入れる)」と「変法自強(議会政治を基礎とした立憲君主制を樹立する)」の間で揺れ動いた末、半植民地状態に陥った中国の「失敗した近代史」はこれでもかというほど羅列されている。 ・・・
キジはタカの攻撃を避けられなくなったとき、頭を地面に突っ込み、自分が置かれた現実から目を背けて最後を迎えるという。もしかして韓国も、つらい記憶に目を背け、キジのようになろうとしているのではないだろうか。」
http://www.chosunonline.com/news/20090520000063
http://www.chosunonline.com/news/20090520000064
つわりを(妊娠初期に)経験した産婦の方がそうでない産婦より、IQの高い子供を産むことが分かりました。
http://english.chosun.com/site/data/html_dir/2009/05/21/2009052100330.html
イランの核能力は着々と整備されつつあります。
どんなに先延ばしにしても、来年にはイスラエルないし米国によるイラン核施設爆撃が行われることでしょう。
・・・ Iran test fired an upgraded surface-to-surface・・・Sejil-2・・・missile with a range of about 1,200 miles on Wednesday・・・
The launch would appear to represent Iran’s first successful test of a solid-fuel missile, which would be much more mobile and easier to hide than their current generation of liquid-fueled rockets. ・・・
The missile launched Wednesday does not appear to be significantly different from an earlier version of the missile Iran test-launched in November・・・. That missile, the Sejil, also had a range of 1,200 miles ? almost as far as another Iranian missile, the Shahab 3.
But because Wednesday’s launch follows a successful satellite launch in February, in which a 60-pound payload was sent into orbit propelled by a rocket that can fly some 1,550 miles, the launch may indicate that Iranian engineers are resolving persistent logistical problems in the missile program. ・・・
・・・the Sajil-2 differs from the Sajil because it “is equipped with a new navigation system as well as precise and sophisticated sensors・・・
Iran first claimed to test a solid-fuel propelled missile in 2005. ・・・
http://www.nytimes.com/2009/05/21/world/middleeast/21iran.html?ref=world&pagewanted=print
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太田述正コラム#3288(2009.5.21)
<英国議員の金銭不祥事(その2)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x493)
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イスラエルやアメリカによる空爆のリアリティはそんなに高いのでしょうか?
太田さんが紹介したワシントンポストの記事の根拠になっている the EastWest Institute のレポートの中でもchronic technologyと揶揄されているイランのミサイル技術がそれほどの短期間にイスラエルやアメリカの脅威になりえるのか?
また普通に考えると核物質が大気によって隣国へ降り注ぎ、国際社会から孤立するような愚行をアメリカがやるとは思えませんし、ましてイスラエルが空爆しようものならアメリカが首根っこ捕まえるのではないでしょうか?
太田さんが以下のような意見に至った道筋を是非ご教授いただきたいです。
>どんなに先延ばしにしても、来年にはイスラエルないし米国によるイラン核施設爆撃が行われることでしょう。