太田述正コラム#3452(2009.8.10)
<皆さんとディスカッション(続x563)>
<kt2>
<昨>朝NHKの戦争関係の予告を見ていたら、若者がインタビューに答えてこう言っていた。
–国のために死ねというような国なら、そんな国は滅んだほうがいい
–命をかけて守るほどの国じゃない
まったくその通りだ。若者は現実をよく理解している。
限りなくゼロに近い侵略戦争に対し、防衛、防衛と声高に叫んでいる人たちは、戦争利権に絡んだ人たちだ。
利権を得るか利権を失うかなんて、明日をのみ思い煩う国民には預かり知らぬことだ。
先の戦争を遂行した連中のほとんどが生き残り、敗戦後ものうのうと生き続けた事実を忘れないでおくことが、犬死した膨大な戦争犠牲者への供養というものだ。
≫食べるのにも困ったような一時期もあったけれど、幸い、今年からは、少額ではあるけれど、年金も出る。≪(コラム#3331。太田)
利権を享受している人には理解できまい。
税金からの補填金(=支給年金-本人の掛け金)が人によって何十倍も異なる官僚天国など守る価値なんてまったく無い。
<太田>
・・・自分の書いていることの意味が全く分かってないんじゃないかい?
侵略戦争の脅威は、日米安保のおかげもあって日本にはまずないけど、核(大量破壊兵器)の脅威とテロリスト的脅威はある。
拉致なんてのは、一種のテロリスト的脅威さ。
それから、すぐ近くの北朝鮮でも、何百万人もの人々が栄養失調状況だし、何万人も人々が強制収容所に入ってる。
世界的には、そういう国や地域がいくらでもある。
そういう人々にキミは心を痛めないのか?
何もしないのか?
いや、そういう国や地域からの核やテロリスト的脅威にすら、何もしないのか。
また、どの国に住んでいるかによって、また、能力、幸運等によって、住人の平均収入や個々の収入は違ってくる。
収入が多けりゃ、それが「利権」なのかい?
例えば、以上のような問いに答えてごらん。
<ΑλλΑ> (「たった一人の反乱」より)
おーたんは臼井影郎に似ている
<λλαα>(同上)
やっぱり髪の毛ふさふさにしたらインパクトなくなっちゃうかな。
<太田>
あはは、確かに似てるね。↓
http://wiki.kumetan.net/index.php?%E8%87%BC%E4%BA%95%E5%BD%B1%E9%83%8E
ただし、外見だけだけど。
<λαλα> (同上)
英国人によるバスタードアングロサクソン論的本?
「・・・ちなみに、筆者のコリン・ジョイスはオックスフォード大出身。コリン・ジョイスは、折に触れ、英国人である自分の目から見れば、日本人の文化や振る舞い方のほうが、よほど米国人の文化や振る舞いよりも、自分にとって理解しやすい、といったニュアンスのことを書いている。・・・
それにしても、英国人でかつジャーナリストということは、こんなにも、シニカルであり、かつフェアであろう、とする不思議な文章スタイルを生み出すのか、と感嘆させられる。・・・」
http://blog.livedoor.jp/tabbata/archives/50707805.html
<λααλ>(同上)
なかなかおもしろい。
<太田>
うんだうんだ。
だけど、韜晦を止めたイギリス人エリートが出現したとは、イギリスも変わったもんだね。
<Chase>
一人題名のない音楽会で、ギターが取り上げられている<(コラム#3450、3448)>ことを拝見し、学生自分、(ピアノを購入できる家庭でなかったため?)クラシックギターを学んだ私として、とりあえず一曲推薦申し上げます。
(御趣旨からは逸れますが)ギターのためだけに作られた曲が結構ありますので、その中から、一曲・
・・。
Leyenda
http://www.youtube.com/watch?v=6f0kpU_qRBk&feature=related
これなんかは、ギターならではの曲です。
ギターは、上手下手を含めて演奏者によって曲の表現が全然違うところが面白いところです。
ちなみに、この曲にしろ、「アルハンブラ宮殿の想い出」等、このレベルの曲は、中級の序レベルの曲で、上手に弾くことを別にすれば、2~3年練習すれば弾ける程度のものです。私でも10代のころ、(下手ながら一応)よく弾いたものでした(今は弾けません)。
<太田>
イサーク・アルベニス(Isaac Albeniz)作曲の有名な「アストゥリアス(伝説)(Asturias–Leyenda(=伝説=Legend))」ですね。
↑上のはAngel Romero演奏ですが、例えば、John Williams演奏のもの↓を聴くと、確かにひと味違いますね。
http://www.youtube.com/watch?v=oEfFbuT3I6A&feature=related
この曲は、もともとはピアノ曲ですが、後にフランシスコ・タレガによりギター曲として編曲されたものが親しまれています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%B9%EF%BC%88%E4%BC%9D%E8%AA%AC%EF%BC%89
せっかくですので、本来のピアノ曲をPablo Galdoのピアノ演奏↓でどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=1WWz1Abdwgk
もう一例、それよりも速いJorge Federico Osorioによるピアノ演奏↓です。
http://www.youtube.com/watch?v=3rjuQ6-HfOY&feature=related
このように、ピアノでだって演奏者によって随分違ってきますよ。
ピアノ演奏(Georgi Cherkin)にオケをつけたものもあります↓。
http://www.youtube.com/watch?v=dtJ2VJS-r5E&feature=related
ついでに、Alicia Enstromによるバイオリン演奏です。楽団の伴奏付です。
http://www.youtube.com/watch?v=xx3hJFXWNCg&feature=related
記事の紹介です。
ドイツは、いや少なくともドイツ政府は、戦後の軍事力行使の禁忌を完全に乗り越えたと言ってよいでしょう。↓
・・・after the provocation of 9/11 did Germans overcome their lingering aversion to participating in combat and send troops to an actual war zone outside the European homeland, dispatching special forces to fight alongside US troops in Afghanistan. Seven years later, the 4,300 German forces guarding the north Afghan sector constitute the third-largest foreign contingent in the country, after Britain’s 9,000 and America’s dominant 55,000.
Until now the Tajik northern sector has been far more peaceful than the Pashtun east and south, where US combat forces are concentrated. In their sector, the Germans could afford to focus on training Afghan troops and police on the one hand and building bridges and schools on the other (while taking fewer casualties than their American and British allies).
But lately the Taliban have reinfiltrated the north and threaten to disrupt this month’s election there, too. That’s why 300 German Quick Reaction Force troops recently reinforced the anti-Taliban offensive of 1,000 Afghan soldiers and policemen around Kunduz. ・・・
<This led to> Germany’s recent first use of heavy weapons and tank-like vehicles in a two-week offensive against insurgents・・・
This new Bundeswehr posture is still too timid for Washington’s taste, but too bold for many German parliamentarians and voters. Left Bundestag members and a rising 69 percent of citizens now say they want German soldiers to withdraw from Afghanistan, fast. ・・・
http://www.csmonitor.com/2009/0807/p09s02-coop.html
米国の建国以来の「異常」な国家観が、まともな国民皆医療保険制度の構築、金融危機への取り組み、地球温暖化問題への取り組みを困難にしている、というコラム↓です。
・・・the dispute is between those who regard government as “them” and those who see it as “us.”・・・
All of United States political history can be understood as a perpetual debate between these two competing perspectives, symbolized at the start in the clash between Jefferson and Alexander Hamilton. The Jeffersonian position, with its emphasis on a minimalist government, prevailed throughout the 19th century and imprinted itself on the DNA of American culture as a quasi-sacred political creed.
By the start of the 20th century, as the United States became a more densely populated, ethnically diverse society, with an industrial economy dominated by large corporations, the Jeffersonian perspective grew increasingly anachronistic. It became abundantly clear that government power was necessary to regulate the swoonish swings of the marketplace, provide a safety net for poor and elderly citizens and protect the environment. Thus the Federal Reserve Board, Social Security, Medicare and the Environmental Protection Agency.
But despite these projections of the Hamiltonian ethos, which presumes that there is a collective public interest that only government can serve, the Jeffersonian ethos remains a potent force, and not just in the right wing of the Republican Party. It colors the conversation about all the major domestic problems facing the Obama administration in ways that stigmatize as socialistic what we might ironically describe as the self-evident solutions.・・・
No less an American hero than George Washington put it rather defiantly in 1785: “We are either a united people, or we are not. If the former, let us, in all matters of general concern act as a nation. … If we are not, let us no longer act a farce by pretending it.” And even Jefferson acknowledged that his anti-government vision would become irrelevant once we ceased being an agricultural society and that future generations — meaning us — would at some point need to throw off what he called “the dead hand of the past.” ・・・
http://www.latimes.com/news/opinion/commentary/la-oe-ellis9-2009aug09,0,791331,print.story
最後に、被爆者の声の英訳を掲げた
http://www.inicom.com/hibakusha/index.html
にリンクを貼るだけといった趣の論説↓ですが、そのような論説を、原爆投下日に掲載したロサンゼルスタイムスに敬意を表したいと思います。
http://www.latimes.com/news/opinion/la-oe-bomb9-2009aug09,0,2438800,print.story
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太田述正コラム#3453(2009.8.10)
<アテネ・海軍・民主主義(その3)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x563)
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若者は国のためには死なないと言いながら、サッカーの試合で死ぬほど「日本」を応援したりしている。ネーションという国民感情は、内省的であるよりもむしろ対外的なものである。もし明日から日本という国が消えて米国の1州となると決まったとしたら、日本を守るために立ち上がるだろう。内政が悪いとか批判している国民は結局のところ、家庭で愚痴を言っているサラリーマンと大差ない。