太田述正コラム#3476(2009.8.22)
<皆さんとディスカッション(続x575)>
<Chase>(2009.8.11)(http://blogari.zaq.ne.jp/fifa/
 –太田テーゼの一刻も早い普及を–
 太田テーゼ(英語的にはthesisの複数形でtheses)が国民に布告され続けている。しかし政権交代が叫ばれる現況下においても、与野党の騒論と太田テーゼの距離は幾千里あることか。いや絶望するわけにはいかない。草莽の志士はいるはずなので、あきらめずに前に進むしかない(なんて志士気どり)。
 (安全保障の基本的思考を提示する)太田テーゼの根幹であるが、驚嘆すべきは同テーゼのキーワードのあまりものシンプルさだ。いうまでもなく「独立」である。集団的自衛権の保有はその系だ。核武装論も同様である。ところが、「独立」の思考を忌避して、瑣末な集団的自衛権の論議を行うものだから、何が何だかよく分からなくなり、森本敏氏などの根元がよく分からないご宣託を拝聴?してしまう羽目になる。例えば今回の「安全保障と防衛力に関する懇談会」の報告書である。これではまさに国民は五里霧中だ。
(転載はじめ)
 ・・・政府の「安全保障と防衛力に関する懇談会」が報告書をまとめ、麻生太郎首相に提出した。・・・報告書は、北朝鮮が米国に向けて発射したミサイル迎撃と、共同行動時の自衛隊による米艦船防護を可能とするための憲法解釈見直しを主張した。・・・
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090805k0000m070132000c.html
(転載おわり)
 座標軸のゼロを常に日本に置き、加えて米国の最低限の目線にしがみつく有様だからこんな範囲(frame of reference)の思考になるのだろう。翻って、安全保障に関する太田テーゼの基本思考は極めて分かりやすい。例えば次の太田氏の読者への返答から明快に読み取れる。
(転載はじめ)
 ・・・・すぐ近くの北朝鮮でも、何百万人もの人々が栄養失調状況だし、何万人も人々が強制収容所に入ってる。世界的には、そういう国や地域がいくらでもある。そういう人々にキミは心を痛めないのか?何もしないのか? いや、そういう国や地域からの核やテロリスト的脅威にすら、何もしないのか。・・・・
(太田述正コラム#3452・・・)
(転載おわり)
 まさにこの感覚であろう。賢明な日本人なら、本当は誰でも理解できるはずだ。集団的自衛権などと難しい用語を使うまでもない。
 あの小国ニュージーランドでさえ(超失礼!)、冷戦後に安全保障の軸をさっさと切り替えた。「独立」、「集団的自衛権」の基本的思考があれば、必然的に導かれる戦略だ。
(転載はじめ)
 ニュージーランド軍として陸海空三軍を有する。直接的な脅威を受ける国家がないために冷戦終結後は、陸軍を主体とした3軍を再編し、本土防衛のほか、国際連合の平和維持活動 (PKO)を重点活動とした。ニュージーランドはオーストラリア、アメリカなどと共に、ANZUS条約に入っている。”ANZUS” の “A” はオーストラリア、”NZ” はニュージーランド、”US” はアメリカを表している。この条約は軍事条約であり、太平洋の安全保障が目的である。また、反核政策を堅持。イラク戦争には反対、派兵しなかったが、対テロ戦争の一環でアフガニスタンやインド洋に兵力を派遣している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89
(転載おわり)
 これなんぞまさに太田テーゼを読んでいるかのようだ。アングロサクソンの常識、それこそが太田テーゼの正体だ。もし日本人がニュージーランドの地政学的位置に居たとすると、冷戦後はこれ幸いとばかりに百年の惰眠を貪ることになっただろう。「独立」の気概さえあれば、ニュージランドの選択は至極当然のことである。
 宗主国から放逐される日が迫っている。太田テーゼの速やかな普及こそ急務だ。
<太田>
 サンキュー。
 なお、私は、当時の米英両政府の説明を踏まえて、対イラク戦争には賛成した、という点ではオバマやニュージーランド政府とは立場を異にしてますからね。
<Chase>(2009.8.15)(同上)
 ・・・太田テーゼを噛みしめるまでもなく、冷戦後の極東においては、北朝鮮問題はあるものの戦争勃発の危機レベルは高くない。
 つまり、戦争をせざるをえない状況にも追い込まれていない。
 では、「戦争は絶対にしてはいけない」という・・・この国にお<ける>・・・テーゼをあるべきものに止揚するには、どう考えるべきか。
 太田テーゼに依れば、自由と民主主義を守り、テロの脅威に対峙するために、日本が主体的にどう考えるかが目下の課題(issue)である。
 この視点に立てば、少なくとも共同で軍事作戦を行使する契機は確実に想定しなければならない。
 つまり、「戦争は絶対にしてはいけない」いう言い方から、「世界の平和を維持するためには、軍事作戦を敢行することもあり得る」と言い直さないといけない。・・・
<太田>
 そのとおり。
<Chase>(2009.8.18)(同上)
 藤原肇氏の近著「さらば暴政」を読んだ・・・。・・・
 日本の社会構造の特異さは、本記事ではテーマとしないが、欧米社会を経験した人からすれば自然と見えてくるものなのだろう。
 いうまでもなく太田述正氏もその類に属する。太田氏は、(日本の言論区分からして氏の考え方が)プロセスは左、結論は右などど表現して、日本の言論を縦横に見切って軽やかに、かつ舌鋒鋭い言辞を発出し続けている。
(転載はじめ)
 ・・・私は「左」の人々とはおおむね意見を同じくし、結論だけが正反対になるのに対し、本日のように「右」の人々とは結論だけが一致する・・・。
(太田述正コラム#2422・・・より)
(転載おわり)
 これらの人たちの観察眼は、いわゆる鳥瞰目「bird’s eye」なのであろう。・・・
 とまれ日本を変えようという思想は、現実には多くの国民に理解されないと、政権交替しても早晩瓦解しかねない。
 しかし、私を含め、一般ピープルが太田氏、藤原氏並に海外経験を積むなどできっこない。
 でなければ彼らの著作でも読んで、疑似体験、擬似思考?を限りなく重ねていくより他はない。・・・
 我々一般ピープルが目覚めるには、前衛的な?上述の彼らの著作から学ぶしか道はない。
 イエスキリストは、「私以外に道はない」と諭したが、それと同じことだろう(なんだか情けない結論になり申し訳ありません)。
<太田>
 藤原肇という人がどうお考えかは知りませんが、少なくとも私、イエスのように、磔で死にたくはないなあ。
<Chase>(2009.8.16)(同上)
 太田ブログ(太田述正コラム#3464・・・)で、太田氏がスタンフォード大でMBAを取得したことに関して、2チャンネラーから、「文系の人たちが仮説に過ぎない理論を妄信してしまう危険性を有している」との批判に、MBAが実質理系であると憤慨されていた。本件に関し太田氏の過去ログ(以下)でも、言及がなされている。
<太田>
 その2チャンネラー氏、私が、米国のMBA(や政治学MA)であることより、日本の法学部卒であることに着目して、私が文系だと言っているんじゃないですかね。
<Chase>(同上)
(転載はじめ)
 その後留学してみて、経営学も、必修科目たる会計学、経済学、統計学、意志決定理論、コンピューター・プログラミング、マーケティング、組織論のうち、最後の二つを除いてすべてが理系・・ただしマーケティングも方法論の部分は理系・・であることを発見し、スタンフォードビジネススクールで大苦戦することになります。
(太田述正コラム#2501(2008.4.22)http://blog.ohtan.net/archives/51188315.html)より
(転載おわり)
 太田氏のように、理系的?学問に翻弄されたMBA履修経験者からすれば、MBAを単純に文系の範疇で認知されることは憤懣やる方ないだろう。・・・
<太田>
 私が日本の(学部レベルの)経済学はもとより法律学も理系である、と指摘していることもお忘れなく。
 いずれにせよ、あなた、そうおっしゃるけど、そんな「憤懣」など私は抱いてませんし、件の2チャンネラー氏だって狐につままれたような思いでは? 
<αμμα>(「たった一人の反乱」より)
≫なんだ、民主党の党旗の話じゃなかったんですか。 昨日は、出かける直前で時間がなかったために、典拠にあたらなかったからこういう間違い(コラム#3470)が起きます。
鳩山の芸術的センス云々の記述(同上)は撤回します。≪(コラム#3472。太田)
 おーたん・・・せっかく典拠出してるんだから、ちゃんと読み込もうよ・・・。
 また出かける直前でざっと記事を斜め読みしたのかな?
 確かに国旗の問題でもあるけど、民主党の党旗の問題でもあるでしょ。
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090820/elc0908200316003-n1.htm
 引用先の冒頭に、民主党が鹿児島県霧島市で開いた集会で”2枚の国旗を切り張りして作った「民主党の旗」を掲げた問題”ってちゃんと書いてあるじゃん・・・。
<ΝΝΑΑ>(同上)
 「言いたいことがうまく伝わってなくて隔靴掻痒ですなあ」でまたごまかすだけさw
<ΝΑΝΑ>(同上)
 まさかのスルーw
<ΝΑΑΝ>(同上)
 そもそも何が話題になっているか分かってないかもな。リンク先に写真載っていないし。
 まあ、産経記者に筆力がない、とういうことしましょうや。ぷぷぷ。
<ΑΝΑΝ>(同上)
 昔、民主党から出馬した際のしがらみが今でもあるんだよ。きっと。
<太田>
 ケッケッケッ。
 そんなもんあったら、今頃民主党の議員センセやってるだろうし、当然コラムだって書いてないわさ。
<αμαμ>(同上)
 「スルーライフですね。太田先生」(by可符香)
http://www.youtube.com/watch?v=nYPTo_ZoccU&feature=related
 それはともかく、俺自身はこの民主党の旗問題を鳩山党首が*「あれは公式に説明してきたように上が日の出下が水面に映る日、朝日を象徴したものです。国旗を切り刻んだなど言いがかりです。」と反論すべきだと思ったから、<コラム#3470で>問題にしたんだよ。
 別に鳩山党首が詳しく知らなかった(それも党首としてどうかと思うが)のであれば、他日、正式に民主党の公式HPなんかできちんと反論すべきだろう。
 ところが、そういう反論が無いんだな。(自分が気づいてないだけかもしれないので、そういう反論が公式にあれば教えてください。)
 更に太田氏までもが実質、スルーでしょ?
 これじゃ麻生首相を差別主義者と判断した論理を当てはめたら民主党の党旗は麻生首相が述べたようにホントウは”日本の国旗、日の丸の旗を切り刻んで上下につなぎ合わせたもの”であることになっちゃう。
 事が深刻なのは実際、そうであるならば民主党は大切な党旗のことでさえ一般の国民や一般の党員には*のようなウソの説明をしてきたということになるのであり、そのように党員と国民を”騙してきた”とんでもない党ってことになっちゃうよ。
 個人的にはそんなことないだろと思ってただけに反応の異常さにショックなんだが・・・。
<太田>
 おののがた、何をそんなにエキサイトしてんの?
 この記事↓に、問題になった「党旗」の写真が出てるけど、
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090821/elc0908211931006-n1.htm
 要するに、鹿児島4区の民主党新人候補陣営が「党旗」を掲げる際に、日章旗2枚を重ね合わせて代用したってことでしょ。
 それに対し、鳩山が「そんなことを・・・けしからんことをやった人間がいるとすれば、そのことに対してたいへん申し訳ないという思いをお伝え申し上げておきたいと思います。」(コラム#3470)と遺憾の意を表しているというのだから、それで終わり、じゃないの。
 麻生が、「またもこの問題に触れ、「われわれが守るべきは郷土であり、日本であり、日の丸だ。それを破って自分の党の党旗を作るというふざけたことを絶対にする気はない」と言っているらしい(上掲記事)けど、日本を米国の属国に貶め続ける戦略を墨守してきた政党の党首が、そんな聞いたような口をたたくとは、厚顔無恥としか言いようがないな。
 ついでに言うと、しつこくこの話をフォローしている産経新聞も相当おかしいんじゃないか。
 同紙は、
 「・・・日教組から選挙支援を受ける民主党はマニフェストに「教員免許制度の抜本的見直し」を掲げた。・・・一方、自民党のマニフェストは対照的に「教員免許更新制の着実な実施」を強調した。さらに「教員の政治的中立を徹底」とうたい、「教育の政治的中立などありえない」(輿石氏)と言ってはばからない民主党と日教組を牽制・・・した。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090822/elc0908220001000-n1.htm
といった記事を掲げる一方で、
 「・・・民主党は・・・政権を獲得した場合、国家公務員の再就職あっせんを一元的に行っている「官民人材交流センター」を、再就職等監視委員会とともに廃止する方針を固めた。・・・民主党の天下り対策は(1)省庁による再就職あっせんの全面禁止(2)「肩たたき」と呼ばれる早期退職勧奨の慣行廃止(3)公務員の定年を段階的に65歳まで延長―が3本柱。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009082101000841.html
といった記事は掲載しない、という首尾一貫ぶりだもんね。
 産経は、けなげにも自民党との心中を決意している、としか思えないねえ。
 なお、断っておくけど、私は、日教組大嫌いだし、早期退職勧奨慣行の廃止には賛成でも、早期任意退職制度の創設が必要で、かつ恩給制度の復活も不可欠って立場だからね。
<Chase>(2009.8.16)(http://blogari.zaq.ne.jp/fifa/
 <文系・理系の区分の由来については、>副島隆彦氏の以下の説明<が参考になる。>・・・
(転載はじめ)
 ・・・世界普遍的価値に基づけば、14世紀にヨーロッパで成立した大学は、神学、法学、医学、哲学の4つの学部からできており、哲学それ自身は、もともとは神学の下女あるいははした女としての位置付けであったが、哲学を基に、日本語でいう科学は発展したのであって、その内容は「物理的な自然、自然法則、人間社会についての諸事実を観察と検証によって人間が獲得する体系化した知識のこと」で、科学と学問とは同義であり、したがって、自然科学と社会科学の区別は存在せず、また、文学は厳密には学問ではなく、学問を始める前の準備として初等ないし下級学問(リベラル・アーツ)の意味しか有しないことを指摘し、理系と文系を分け、文学部哲学科、人文科学部なる意味不明なものを擁する日本の大学制度を批判している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%AF%E5%B3%B6%E9%9A%86%E5%BD%A6#cite_note-5より
(転載おわり)
・・・
<ΝΑΑΝ>(同上)
 ・・・
 「歴史的には神学、法学、医学の「上級三学部」と、その予備的位置からしだいに昇格した哲学部が老舗・・・であって、西欧の大陸部ではこの伝統がいまも色濃く残っているが、
 19世紀以後は、哲学部から理学部、法学部から経済学部、医学部から薬学部が分かれるというように、分化現象が著しく、いまでは相当に変貌・・・している。」
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E5%A4%A7%E5%AD%A6%EF%BC%88%E6%95%99%E8%82%B2%E6%A9%9F%E9%96%A2%EF%BC%89/%E5%86%85%E9%83%A8%E7%B5%84%E7%B9%94/
 「自然科学・・・もともと生産活動や技術を源泉として人間の自然認識は生まれたが、19世紀以降、生産技術とより密接にかかわることによって自然科学が自立し、重要な社会的制度として成長してきた。
 すなわち19世紀に、力学や天文学以外の物理学、化学、生物学、地学といった分野が、記述や分類を主目的とした博物学(自然誌)や、自然についての哲学的認識体系を求める自然哲学から独立し、自然科学natural science(英語)、Naturwissenschaft(ドイツ語)としてのまとまりを認められるようになった。」
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E8%87%AA%E7%84%B6%E7%A7%91%E5%AD%A6/
 「ヨーロッパでは、近代的な意味での学問体系が整備される一般的動向の一環として、19世紀後半のドイツにおいて音楽学が独立した学問として初めて認識された。」
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E5%AD%A6/
 「1877年には自然科学部門の充実が図られた。」(オックスフォード)
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%82%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%89%E5%A4%A7%E5%AD%A6/
 「制度改革は19世紀なかば以降着々と進み、非国教徒への開放、自然科学部門の拡充、講座増設、施設の拡張・整備などが行われた。」(ケンブリッジ)
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%82%B1%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B8%E5%A4%A7%E5%AD%A6/
 ところで、オックスフォード・ケンブリッジ大学群で、日本で言うところの理学部を卒業したときの学士号は、B.Sc.ではなくB.A.で、B.A.を取ると、勉強せんでも数年後M.A.ももらえちゃうのは、知らなかった。
 「There is a choice of two courses in Physics: a three-year BA Honours and a four-year MPhys, as well as a four-year joint course in Physics and Philosophy. 」
http://www.physics.ox.ac.uk/admissions/undergraduate/index.htm
 「The degree of Bachelor of Science (B.Sc.) has never been awarded as an undergraduate degree at Oxford;
it used to be awarded as a graduate qualification, however.…Bachelor of Science (B.Sc.) (no longer awarded)」
http://en.wikipedia.org/wiki/Degrees_of_the_University_of_Oxford
 「In common with all degrees in Cambridge you will graduate with a BA as the University does not award any BSc degrees.」
http://www.cam.ac.uk/admissions/undergraduate/courses/geography/index.html
http://en.wikipedia.org/wiki/Master_of_Arts_(Oxbridge_and_Dublin)
 ちなみに、イギリスで初めてB.Sc.の学士号を出したのはロンドン大学群で、いまでも、B.Sc.を出してる。
「The first university to admit a student to the degree of Bachelor of Science was the University of London in 1860.
Prior to this science subjects were included in the B.A. bracket, notably in the cases of mathematics, physics, physiology and botany.」
http://en.wikipedia.org/wiki/Bachelor_of_Science
http://www.kcl.ac.uk/ugp10/progbyschool/9
<太田>
 せっかくそこまで調べてくれたのなら、すぐ上の英語ウィキを、こんな風↓に
 ・・・Commonly in the Commonwealth and Ireland graduands are admitted to the degree of Bachelor of Science after having completed a programme in one or more of the sciences. These programmes may take different lengths of time to complete.・・・
 ・・・a subject is considered a science or an art can vary between universities. For example, an economics degree may be given as a B.A. by one university but as a B.Sc by another. ・・・
 The London School of Economics offers B.Sc. degrees in practically all subject areas, even those normally associated with arts degrees, while the Oxbridge universities award arts qualifications almost exclusively. ・・・
 The first university to admit a student to the degree of Bachelor of Science was the University of London in 1860. Prior to this science subjects were included in the B.A. bracket, notably in the cases of mathematics, physics, physiology and botany.[1] Formerly at the University of Oxford, the degree of B.Sc. was a postgraduate degree; this former degree, still actively granted, has since been renamed M.Sc.・・・
 In the United States, a Bachelor of Science degree may be a more specialized version of B.A., with more focus on the subject and less on a broad liberal arts background; for example, a B.S. in economics may require several more advanced economics courses than a B.A. in economics and possibly more support courses (such as statistics), while requiring fewer lower-level liberal arts classes that do not directly relate the major in question. The B.S. is also frequently used for professional areas of study such as engineering, journalism, accounting, and advertising. At least five American schools (Caltech, Babson, Georgia Tech, MIT, and HMC) and five service academies (United States Military Academy, United States Naval Academy, United States Air Force Academy, United States Merchant Marine Academy and United States Coast Guard Academy) award the BS for all subjects. On the other hand, many schools (especially Liberal Arts colleges) do not offer a BS at all.・・・
包括的に引用しなくっちゃ。
 要するに、英連邦、就中イギリスでは、(ということは、恐らくは世界史的には、ということだろうけど、)最初は文系(arts(humanities))の学位だけだったところ、19世紀後半から理系(science)の学位も授与されるようになったけど、両学位の仕切りは、大学によって違うし、同じ大学の学部と大学院によっても違う場合があるってことのようですね。
 (私は、米国と日本の文系・理系の仕分け方が同じと申し上げたが、たまたまスタンフォード大のそれが同じだった、ということだったらしいね。)
 そうだとすると、英米では、大学入学資格試験等で文系と理系とで試験内容が違ったりなんてこと、あるはずがないな。
 やっぱ、日本のように、両系を峻別してるのっての異常だって結論になりそうです。
<コマ>
 –民主党支持者も求めるものは同じ–
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090820/elc0908200005000-n1.htm
 ソースが産経で狭い範囲のことであり申し訳ないのですが、この記事を読んでさもありなんと感じました。
 民主支持者もごく一部を除いては、おこぼれや分け前が欲しいのであり、政権交代が日本にとっていいことかどうかではないと。
 しかし、メトロノームのように針が振れることにより、一方に触れた時に起きた汚職や癒着がなくなり、ゆるやかな汚職や癒着が繰り返されることは現状に比べればはるかにましでしょう。
 自分もその様な未来へのおこぼれに期待して民主を支持します。
<太田>
 「民主党支持者も求めるものは同じ」ということを、私も以前コラムで述べたことがあると思います。
 経済至上戦略である吉田ドクトリンの下で、半世紀以上にわたって生息してきた日本の選挙民が経済至上主義に陥るのは、ある意味当然でしょうね。
 グローバルスタンダードでは、政治、とりわけ中央レベルでの政治においては、安全保障が最大のテーマであり、それは別の言い方をすれば、自国民や他国民一人一人の命に優先順位をつける、という厳しい営みなんですがね。
 では、記事の紹介です。
 ここまで来たら、一挙に民主党単独政権を樹立しよう!↓
 「衆院選:民主320議席超す勢い <毎日新聞社>社世論調査・・・
 民主党は衆院選後、社民、国民新両党と連立政権を組む方針を示しているが、衆院の3分の2(320議席)以上を占める大勝となれば、提出法案が参院で否決されても単独で再議決が可能となる。・・・」
http://mainichi.jp/select/today/news/20090822k0000m010148000c.html
 上掲記事によれば、公明党も相当目減りしそうで、ご同慶の至り。
 また、みんなの党も現勢の4人が1人減る可能性があるみたいね。
 それが浅尾慶一郎であって欲しいと切に思うな。
 大好きな額賀サン、お名残惜しいです。
 それにしても、何でよりにもよって加藤紘一を当選させるんだい、山形県の有権者の皆さん?↓
 「・・・自民党が先行しているのは、加藤紘一元幹事長の山形3区・・・
 逆に、・・・額賀福志郎元財務相の茨城2区、・・・二階俊博経済産業相の和歌山3区など、閣僚経験者の多くが民主党候補を相手に苦戦を強いられている。・・・」
http://mainichi.jp/select/today/news/20090822k0000m010150000c.html
 一番最後の部分を除き、賛成。↓
 「国連の女性差別撤廃委員会は・・・、日本における女性差別是正に向けた「最終意見」を公表し、女子の婚姻可能年齢を現行の16歳から男子と同じ18歳とすることや、女性が離婚後6か月経ないと再婚できないと規定した民法733条を改正することを勧告した。・・・
 最終意見では、レイプや性的暴力を含むゲームやマンガの禁止も要求した。」
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090821-OYT1T00862.htm
 カワイソーな米国人。↓
 ・・・in the United States,・・・
  Between 1985 and 2004, the number of people who said there was no one with whom they discussed important matters tripled, to 25 percent・・・
http://www.newsweek.com/id/213088
 潘基文国連事務総長が悪評さくさくです。↓
 受験秀才の腐官僚だったということか。
 ・・・In her damning memo, Deputy U.N. Ambassador Mona Juul called Ban(潘基文) — the South Korean foreign minister elected secretary-general in 2007 — “spineless,” “charmless,” and, most importantly, “incapable” of setting an agenda. ・・・
 Ban hasn’t been a bad secretary-general. He has been a horrendous one, as feckless as he is inept. At a moment when global change is more imperative than ever, Ban has been AWOL<(=absent without leave=無断欠勤)>. ・・・
  The problem with Ban isn’t simply that he should be denied a second term, but that he should never have been appointed in the first place. Perhaps the forthright Juul can even launch a movement to accomplish the unprecedented and remove this unnatural catastrophe from office immediately before he can do any further damage.・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2009/08/21/still_going_nowhere_man
 青森県の恐山のイタコが絶滅寸前なんだと。↓
http://www.nytimes.com/2009/08/21/world/asia/21japan.html?ref=world&pagewanted=print
 
 週末恒例の一人題名のない音楽会です。
 テレサテンのカバー曲を、そのオリジナル歌手等の歌唱と比べてお聴きください。
 彼女の技量がいかにすごいかお分かりになると思います。
 一番良い例ではないのですが、抱擁の日本語版のテレサのブレスにも注目。ブレスの時にも妙なる声を奏でることができるのは彼女くらいでは?
愛のくらし (コラム#3350を再掲)
http://www.youtube.com/watch?v=n0ozvF0lzwU&feature=related
(加藤登紀子)
http://www.youtube.com/watch?v=KEHuVpQjX-k&feature=related
心_凍_ら_せ_て
http://jp.youtube.com/watch?v=CTfIaXHo50s&NR=1
(高_山_厳 )
http://www.youtube.com/watch?v=wHanVLIOItQ&feature=related
雨の慕情
http://www.youtube.com/watch?v=8AkkO2Tf2Ps&fmt=18
(八代亜紀)
http://www.youtube.com/watch?v=P0I3moSIU4M&feature=related
待ちわびて
http://www.youtube.com/watch?v=O1ehTaplAOg&fmt=35
(日野美歌)
http://www.youtube.com/watch?v=HRSIgw8DlyQ&feature=related
恋唄綴り (堀内孝雄を併せて収録)
http://www.youtube.com/watch?v=n4TohFLR-HE&fmt=35
想いで迷子(神野美伽を併せて収録)
http://www.youtube.com/watch?v=Q6WylMMqHsE&feature=PlayList&p=0BA2920408BE2431&playnext=1&playnext_from=PL&index=23
(チョー・ヨンピル)
http://www.youtube.com/watch?v=keIfpZLkju4&feature=related
抱擁(日本語、漢語)
http://www.youtube.com/watch?v=TVb7VKKP08Q&feature=PlayList&p=0BA2920408BE2431&index=30&playnext=8&playnext_from=PL
(箱崎晋一郎)
http://www.youtube.com/watch?v=nGuXGrr3vMs&feature=related
ふたたびの 
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=tSwlHPULCVY&fmt=18
(小林幸子)
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=DceiUbi9Q7A&fmt=18
長良川艶歌
http://www.youtube.com/watch?v=cJwulj7x_NE&feature=PlayList&p=0BA2920408BE2431&index=28&playnext=6&playnext_from=PL
(五木ひろし)
http://www.youtube.com/watch?v=Wjeg6w3B4U8&feature=related
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太田述正コラム#3477(2009.8.22)
<イギリス反逆史(外伝)(その1)>
→非公開