太田述正コラム#3538(2009.9.22)
<皆さんとディスカッション(続x605)>
<ΡΡΑΑ>(「たった一人の反乱」より)
 「鳩山由紀夫首相が22日にニューヨークの国連気候変動サミットで行う演説の内容が固まった。2020年までに温室効果ガスを1990年比で25%削減する日本の中期目標を設定すると表明。発展途上国に日本の省エネ技術や資金を積極的に提供し、地球温暖化対策を支援する「鳩山イニシアチブ」(仮称)を提唱する。
http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009091901000520.html
 もちろんこの場合、鳩山首相に所縁の深い某タイヤメーカーは積極的に自社の省燃費製品☆コピアの特殊ポリマー技術を率先してインドや中国、韓国に無償で提供していただけるものだと理解してよろしいのでしょうね?
http://www.bridgestone.co.jp/tire/ecopia_ep100/index.html
 あと、当然ながら民主党と強い繋がりを持つ某セラミックメーカーの多結晶Si型太陽電池モジュール技術についても同様、ということで。
http://www.kyocera.co.jp/prdct/solar/spirit/about_solar/cell.html
 というわけで、この二社の株式持っていたら、今が売り抜けるラストチャンスですよ? つーことは横浜ゴムと東洋ゴム、それに昭和シェルとホンダの株式がこのあと買い時ってことか。
<太田>
 劇画的未来短編小説としては面白い!
<KT>
 日本での劇場公開に際しては、溥儀が「南京虐殺」の映像を見せられるシーンを、配給元がベルトルッチ監督に無断でカットした。そのためベルトルッチ監督から抗議され、後にそのシーンを復活させた。ただ、このフィルムは実は国民党軍による中国共産党軍捕虜の銃殺記録映像で、撮影は1927年。(つまり日中戦争や満州事変より前の映像) これが後に米国で制作された戦時プロパガンダ映画『ザ・バトル・オブ・チャイナ』に転用され、それをさらにベルトルッチが流用。映画劇中でも描かれるように、中国でも長く虐殺記録として上映されていた)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%A9%E3%83%BC
 「The Last Emperor」は見たことないのですが、映画の「「史実」や「史観」などに対し<ても>、一顧だに与えてはならないのです。」ね。
 物事の「真実」を知るのは簡単ではないし、表現には表現者たちの思惑もあるのだと思ってます<が・・>。・・・
<太田>
 コラム#3528での、私の「当時の支那においては、捕虜一つとっても、捕虜を生かしておかなければならない、という発想はなかったのではないでしょうか。・・・このあたりの事実について、典拠をご存じの方がおられたら、ご教示願えないでしょうか。」という問いかけへのお答えと受け止めます。
 ただし、上出の共産党軍捕虜の銃殺が当時の国際法や中華民国の法令違反の処刑であったのかどうかは検証する必要があるでしょうがね。
<ΡΑΡΑ>(「たった一人の反乱」より)
≫証拠が示すところによれば、<自由民主主義国においては、>国家の無能さと勇気ある内部告発者達とがあいまって本当の陰謀は大方暴露されてしまうからだ。≪(コラム#3252
 なるほど~。そういうわけでネオコンの陰謀もイギリスのBBCによって暴露されつつあるようです。
“テロとの戦い”の真相
http://video.google.co.jp/videoplay?docid=6470165559273013939&hl=ja#
http://video.google.co.jp/videoplay?docid=5253661198901640874&hl=ja#
<太田>
 全部見たけど疲れたねー。
 それにしても、「2004年にイギリスで作られて大きな反響を巻き起こし、2005年にNHKのBS1で放映されたドキュメンタリー。この番組で「オサマ・ビンラディン率いる国際テロ組織アル・カイダ」や「世界に張り巡らされた国際テロ・ネットワーク」なるものが、実はネオコンが作り出したデマでしかないことが明らかにされています。」という解説文を書いた人間・・この番組をアップロードした人間・・こそ、ひどいデマを書いてくれたもんだ。
 ちゃんと番組見てないんじゃないの。
 ΡΑΡΑクンもだぜ。
<ΡΑΑΡ>(同上)
 イギリス、イタリア、オーストラリア、韓国の出演者は、自国が日本同様にアメリカの飼い犬だと感じているようで、中国、インド、カナダ、イランはアメリカの言いなりにはならないらしい。
http://www.youtube.com/watch?v=pDqqR0vWUMU
3:55くらいから
 テレビ番組なので仕込みかもしれないが。
<太田>
 米国の同盟国のうち、カナダの出演者だけは米国の飼い犬だと思っていないってのが面白いと言えば面白いね。
 ほぼ正論を吐いているのは、後の方で発言した(吉田ドクトリンを述べた)インド人と(事実上島さんの発言を批判した)ロシア人だな。
 それにしても、島さん、ひどいもんだねえ。
 全然分かってないな。
<べじたん>
 –世論調査と憲法–
≫このことは現在日本における軍事に対する無関心ないしは強い忌避感情と、その必然的結果としての外界への無関心、そして、それと表裏一体の内向きな思考・行動様式をあらわしている(#????)。≪(コラム#3494。MS)
 外交安保の優先順位が低いのは確か↓なのですが、
 『日本経済新聞社の世論調査で、衆院選の投票の際に重視する政策を聞いたところ、最も多かったのは「年金など社会保障」で36%だった。「景気や雇用」が27%、「少子化や子育て」が10%、「消費税など税制改革」が7%で続いた。・・・「外交や安全保障」は自民支持層の6%が重視するとしたが、民主支持層では1%にとどまった。全体では3%だった。』
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090823AT3S2100Z21082009.html
 外交安保のみに関する世論調査↓を見る限り、無関心・強い忌避感情とまでは言えそうにないので、このへんをキチンと書かないとまずそうです。
http://www8.cao.go.jp/survey/h20/h20-bouei/images/z01.gif
http://www8.cao.go.jp/survey/h20/h20-bouei/images/z02.gif
http://www8.cao.go.jp/survey/h20/h20-bouei/images/z03.gif
http://www8.cao.go.jp/survey/h20/h20-bouei/images/z04.gif
(以上、http://www8.cao.go.jp/survey/h20/h20-bouei/2-1.html 平成21年1月内閣府世論調査)
<太田>
 せっかくながら、全部読んでる時間ありませんでした。
 MSさん、ご意見は?
<べじたん>
 自衛隊が「国を守る」or「国民の生命と財産を守る」かは、太田コラムでは頻出ネタですね。
 中学校の公民で、
 『自衛隊は,「わが国の平和と独立を守り,国の安全を保つ」(自衛隊法)目的でつくられ,今日にいたっています』
http://www.nichibun-g.co.jp/download/c-shakai/h18/honbun/h18koumin/km2_1_3.html
と習うわけですが、自衛隊は国民の生命と財産を守る組織と思っている人がいるのは何故か、腑に落ちなかったので、ググってて見つけた伊藤真弁護士のコラム
http://www.magazine9.jp/juku/index.html
をざっと読んだところ、「自衛隊法で自衛隊の目的を定義するのではなく、憲法で自衛隊の目的を解釈しなければならない。自衛隊は軍隊ではないので、国を守る組織ではない。憲法13条より、自衛隊は国民の生命と財産を守る組織なのだ」というロジックのようです。
1.伊藤真弁護士だって、軍事の世界常識(軍隊の定義)は知っている。
 「軍隊は私たちの生命、財産を守る組織ではありません。このことは軍事の常識であり、外国から攻められたときに私たちの命や財産を守ってもらうことを期待して軍隊を持とうというのは、まったくの筋違いである」
http://www.magazine9.jp/juku/008/index.html
  例:「沖縄戦では、住民が足手まといや、食糧不足の要因にもなるということで、日本軍によって大量に殺害されました。野戦病院にも民間人は入れてもらえませんでした」http://www.magazine9.jp/juku/006/index.html
2.国を守るという軍隊の定義は憲法13条に反する。
 「政治家は国家の安全保障を議論しますが、ここでは憲法の観点から、一人一人の個人を守るためにはどうするべきかを問題にしていきます。国家よりも個人が大切だという「個人の尊重」(憲法13条)という憲法の基本的価値観に適合するように考えるべき」
 http://www.magazine9.jp/juku/056/056.php
 「個人を超えた価値を守るために軍隊があるという考えがあることは認めますが、憲法の個人の尊重(13条)という基本原理に反します」
 「一人一人が幸せになることが大切だという個人の尊重を前提に考えるとすると、軍隊の目的もあくまでも国民を守るものになります。天皇や国家ではなく、国民を守るものだという目的を改憲派の中で合意できるものなのでしょうか」
 http://www.magazine9.jp/juku/057/057.php
3.ちなみに、自衛隊を自衛軍にしようとする改憲派に対して。
 「制度や仕組みはとても大切です。ですが、それらはすべて、一人ひとりの国民、住民、人間を守り、幸せにするためのものでなければなりません。憲法は個人の尊重、個人の尊厳を最大の価値としています。一人ひとりが幸せになることが社会の発展につながり、国の反映にもつながると考えています。具体的な一人ひとりの人間を犠牲にして国が強くなってもなんの意味もありません」
http://www.magazine9.jp/juku/005/index.html
 「自衛軍という軍隊が、国家という組織ではなく、国民の生命と財産を守るものとして機能するためには、まず、軍隊の目的を軍事の常識とは異なるものとして規定しなければなりません」
 「はっきりといざというときには国民を犠牲にしてまでも国家を守るための組織だと明確に国民に説明するべきです。その上で国民の賛成を得て、改憲するのが筋でしょう」
http://www.magazine9.jp/juku/057/057.php
<太田>
 噴飯ものの憲法論をご紹介いただき、楽しい一時を過ごせました。
 伊藤弁護士は、他者の集合体たる世界や国、或いは直截的に他者のために、自らの生命と財産を場合によっては危険に晒すことを厭わないところの人間主義がお気に召さないようですが、「人権派」とおぼしき弁護士としていかがなものかと思いますねえ。
<べじたん>
 最後に、「自衛隊の目的」に関する内閣府世論調査をまとめてみました。
 注意点としてですが、
・回答の選択肢数が、5個(S40/11)、6個(S44/09~H03/02)、7個(H06/01~H12/01)、9個(H15/01~H21/01)と変わった。
・S40/11調査~H06/01調査では、1つだけ選択して回答可。
・H07/07調査(M.T.=186.4)、H09/02調査(M.T.=186.2)、H12/01調査(M.T.=185.4)では、2つまで回答可。(平均1人あたり1.8~1.9個回答したようです)
・H15/01調査(M.T.=281.0)、H18/02調査(M.T.=292.8)、H21/01調査(M.T.=305.4)ではいくつでも回答可。(平均1人あたり2.8~3.1個回答したようです)
 # M.T.=総回答数÷回答者数×100
http://wiki.livedoor.jp/veg_tan/d/%bc%ab%b1%d2%c2%e2%a4%cb%b4%d8%a4%b9%a4%eb%c0%a4%cf%c0%c4%b4%ba%ba
<図1.年度別世論調査>
http://image02.wiki.livedoor.jp/v/n/veg_tan/6661e2cf1b5856d0.gif
・「国の安全の確保」は、H03/02から減り始め、H06/01では48.9%に落ち込む。ただし、H06/01では「国際貢献(5.7%)」の選択肢が加えられ、「災害派遣(23.8%)」が伸びたため、48.9%に激減したようだ。
・H06/01「災害派遣(23.8%)」の伸びは雲仙岳噴火災害派遣(平成3年6月3日)の影響か。
 http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/5761/unnkatu.html
・H07/07「災害派遣(66.0%)」の伸びは阪神淡路大震災でしょうね。
 #1択式の世論調査を続けると「国の安全の確保」がさらに減ってしまいそうだったので、H07/07~H12/01では「2つまで回答可」のアンケートに変更したのだろうか?と邪推。
 #2択式に変えても「国の安全の確保」が今一なので、H15/01~H21/01では「いくつでも回答可」のアンケートに変更したのだろうか?と邪推。
<図2.男女別世論調査>
http://image02.wiki.livedoor.jp/v/n/veg_tan/2a4ded45428e5093.gif
・男性は「国の安全の確保」と「災害派遣」がほぼ同じ
・女性は「国の安全の確保」よりも「災害派遣」
・「国際貢献」の男女差はH18/02とH21/01でほぼ無くなった
<図3.世代別世論調査>
http://image01.wiki.livedoor.jp/v/n/veg_tan/e70039604abd027d.gif
・20~40代ほど「国の安全の確保」よりも「災害派遣」
・20代の「災害派遣」の伸びは顕著
・「国際貢献」に関しては、40代50代はH15/01でグッと伸びた。H21/01では20~50代はほぼ同じ。60代70代は低め。
<図4.男女・世代別世論調査>
http://image02.wiki.livedoor.jp/v/n/veg_tan/d0fd6bd1d8e33615.gif
・30代40代の女性は「国の安全の確保」よりも「災害派遣」が顕著
<図5.ここ10年間での変化>
http://image01.wiki.livedoor.jp/v/n/veg_tan/8fb1c749ff3e302d.gif
 個人的に、10年ごとのデータを整理することで、20代→30代→40代・・・で自衛隊の定義/認識の変化を知りたかったのですが、S40/11調査~H09/02調査では世代別データを公表しておらず、また、H12/01調査とH21/01調査のアンケート方式を比べると、
 ・選択肢が7個→9個に増加し、
 ・2つまで回答可(平均1.85個回答/人)→いくつでも回答可(平均3.05個回答/人)に変更されたので、比較の意味は無いけど作ってみました。
<太田>
 これもとてもじゃないけど読めなかったけど、ご紹介いただき、まことにご苦労様です。
 kt2さんは、この種世論調査にはどう答えるんでしょうね。


<べじたん>
≫なまじ憲法改正が現実化して、おかしな制限付きの自衛権が条文に明記されるようなことがあれば、それこそ、後世に禍根を残すと思わないかい。≪(コラム#3500。太田)
 小林節氏(#2156)の改正案で、「おかしな制限付きの自衛権」があれば、教えてください。
 「小林先生が9条の改正私案を提案されていますが、この考え方は、今も同じでしょうか?引用しておきますと、
第1項
侵略戦争を放棄する。ただし、自衛戦争は放棄しない。つまり、自衛権の保持を宣明する。加えて、国際責任から逃げないことも明記する。つまり、国連からの正式な要請があった場合には、国際社会の治安維持のための国際警察活動に参加する用意があることも宣明する。
第2項
前項の目的を達するために、自衛軍を保持することを宣明する。
第3項
国民の中には、宗教的信条等により戦争(軍事活動)に参加することを忌避する者もいるので、国民の人権の一種として、良心的兵役拒否権を明文で保障する。 」
http://www.magazine9.jp/taidan/003/index02.php
 小林教授は、法的教養の無いバカが憲法をいじるな、ってスタンスのようです。
http://www.magazine9.jp/taidan/003/index.php
<太田>
 こういう改正案なら問題はありません。
 前にも書いたことがあると思いますが、私は、憲法第9条第2項を削除するだけでもかまわない、という意見です。
<べじたん>
 –自民党総裁選–
 「自民党総裁選に立候補している河野太郎衆院議員は19日の日本記者クラブ主催の討論会で「自民党が再生できなければ、健全な二大政党の一つに自民党がならないので、その時、何らかのことを考えることはあり得る」と述べ、自民党再生が不可能と判断した場合、離党も視野に対応することを示唆した。」
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009091900270
 マイナーなニュースで今一盛り上がりに欠ける総裁選ですが、河野氏の離党のニュアンスは本気ではなく、ブラフでしょうかね。
 でも、自民党が内部分裂・・若手中堅が離党して、老人会化したら、面白そうです。
 なければ作ろうかと思った民主と自民の衆院議員年齢分布比較↓
http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-607.html
<太田>
 必ずしもブラフじゃないでしょう。
 いずれにせよ、自民党が壊滅に向かっている、という私の考えを現時点では改める必要はなさそうです。
 それでは記事の紹介です。
 安全保障に係る、読ませる記事が何本もありました。
 米空軍の最新動向が簡潔かつ的確に紹介されています。↓
 ・・・From 1947 to 1982, all 10 generals who served as Air Force chief of staff were bomber pilots. From 1982 until last year, all nine generals who occupied that position were fighter pilots. In 2008, a new era in warfare was beginning, and Secretary Gates asked President Bush to appoint a different kind of chief of staff: Gen. Norton Schwartz. He came up through the ranks flying neither bombers nor fighters but C-130s, the bulky cargo planes that haul troops, weapons, and supplies from bases and supply depots to the battlefront. “Airlift,” as this duty is called, is a vital mission; the Army, Marines, and Special Forces couldn’t mobilize swiftly without it. But it’s unglamorous. The Air Force brass had never valued it as highly as missions that involve fast combat planes or bombing targets deep behind enemy lines–until now.
 Just as the Vietnam War paved the way for the rise of the fighter pilot–before then, much higher status was given to pilots of nuclear bombers–the Iraq and Afghanistan wars are demanding a new Air Force culture. ・・・
 Iraq and Afghanistan are very different wars from the war the F-22 Raptor was designed to fight. ・・・
 ・・・two things <found to be critical>: first, airlifting supplies (General Schwartz’s specialty); second, helping the troops find and kill bad guys.
 For this second mission, the Air Force has been relying more and more on unmanned aerial vehicles (UAVs) with names like Predator, Reaper, Global Hawk, and Warrior Alpha. Joystick pilots located halfway around the world operate these ghost planes.・・・
 But senior Air Force officers, including the chief of staff at the time, Gen. T. Michael Moseley, didn’t seem motivated to put the UAVs into action over Iraq.・・・
 There was a big resistance to unmanned systems within the Air Force because they’re not very sexy. The attitude was ‘Airplanes without pilots in them? That’s not what we’re about!’ ” (A half century ago, Gen. Curtis LeMay, the first head of the Strategic Air Command, opposed development of the intercontinental ballistic missile, which he feared would supplant the long-range bomber. He didn’t want the Air Force to become, he said, “the silent silo-sitters of the ’60s.”)・・・
 This year, the Air Force will train more joystick pilots than new fighter and bomber pilots.・・・
 ・・・a lot of the generals in the coming decades may be UAV joystick pilots. ・・・
 The F-35–a smaller, cheaper plane, which Gates wants to buy in large quantity–is not quite as good as the F-22 in shooting down planes but much better at destroying surface-to-air missile batteries.・・・
http://www.newsweek.com/id/215825
 要するに、わが航空自衛隊においても、次期戦闘機はF35でよろしいし、輸送機部隊が重要であって、今後はドローンの整備を重視せよ、ということです。
 対ヒズボラ戦でも対ハマス戦でもイスラエルは戦争目的を達成した、ということが明確に書かれています。↓
 ・・・ Israel’s invasion of the Gaza Strip・・・ Operation Cast Lead, as the three-week operation is known in Israel, is generally regarded by the country’s military and political elite as a success.・・・
 Israel’s satisfaction starts with a simple set of facts. Between April 2001 and the end of 2008, 4,246 rockets and 4,180 mortar shells were fired into Israel from Gaza, killing 14 Israelis, wounding more than 400 and making life in southern Israel intolerable. During what was supposed to be a cease-fire during the last half of 2008, 362 rockets and shells landed. Meanwhile, between late 2000 and the end of 2008, Israeli forces killed some 3,000 Gazans.
 Since April there have been just over two dozen rocket and mortar strikes — or less than on many single days before the war. No one has been seriously injured, and life in the Israeli town of Sderot and the area around it has returned almost to normal. Israeli attacks in Gaza have almost ceased, too: Since the end of the mini-war, 29 Palestinians, two of whom were civilians, have been killed by Israeli action. ・・・
 The point, however, is that Israel has bought itself a stretch of relative peace with Hamas, just as its costly 2006 invasion of Lebanon has produced three years of quiet on that front. From the Israeli perspective, a respite from conflict is the most that can be expected from either group — or from their mutual sponsor, Iran. ・・・
 Perhaps most significant, Hamas’s rival for Palestinian leadership, the West Bank-based Palestinian Authority, is considerably stronger than it was before the war.・・・
 The Gaza invasion was the second military operation Israel embarked on in less than 18 months despite disapproval from Washington. The other was its bombing of a nuclear reactor under construction in Syria in September 2007. ・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/09/20/AR2009092001295_pf.html 
 ヒズボラ、シリアの核施設、そしてハマスに対して敢行したように、そう遠くない将来、イランの核施設に向けて、イスラエルは武力攻撃を敢行することでしょう。
 「地元」のイスラエルと米国との間に地域的脅威の認識について温度差があるところ、ことごとく、米国の意向に真っ向から反してね・・。 
 同じように、北朝鮮の「脅威」に対して、「地元」の日本と宗主国米国との認識に温度差があるのは当たり前です。
 しかし、日本の属国たるゆえんは、イスラエルと違って、武力行使に関して、日本は米国よりもはるかに「慎重」だという点にあります。
 オバマ政権の欧州でのミサイル防衛システムの見直しは、限られた資源の中で、前方展開している米軍の安全を、米本土の一般住民の安全よりも優先したからだ、という記事が出ました。↓
 ・・・Last week, after a lengthy internal Pentagon review and against the backdrop of new limits on overall military spending, the generals again threw their weight behind a relative contraction of the effort to defend against long-range missile attacks. They cited needed budgetary savings and more immediate threats in demanding faster work to protect overseas forces and bases against shorter-range attack.
The latest shift shelved a plan to deploy in Europe an advanced radar and interceptors of long-range missiles by 2017. And it adds impetus to the Pentagon’s request earlier this year for a cut of about 15 percent in overall missile defense spending, a scaling back of the deployment of long-range missile interceptors in Alaska and California, and the cancellation of three costly Reagan-era missile defense programs that officials say had threatened to balloon out of budgetary control. ・・・
 ・・・last week’s announcement is clearly another step in a steady evolution of the $125 billion program’s central focus from President Ronald Reagan’s grand vision of a national shield, popularly known as Star Wars, to a more limited defense of U.S. assets in foreign theaters. ・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/09/20/AR2009092002532_pf.html
 私の、「テポドン狂騒曲」シリーズでの指摘・・前回の北朝鮮のテポドン試射時の自衛隊PAC3の展開配備は米軍部隊/施設防御のため・・の正しさが、ここでも裏付けられたのではないでしょうか。
 それは同時に、PAC3の整備は、在日米軍基地防御以上まで手を広げるべきものではないことも意味します。
 ミサイル防衛システムの最初の発想・・レーガンのスターウォーズ計画・・に対し、ゴルバチョフがどう対応したか・・より正確には対応しなかったか・・についての興味深い記事↓も出てました。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/09/20/AR2009092002189_pf.html
 先の大戦中から直後にかけて大流行した英国の歌手ヴェラ・リン(Vera Lynn)のリバイバルが英国のヒットチャートのトップテン入りをして話題になっています。
 記事↓中に出てくる歌のユーチューブURLを挿入したので、関心ある方はお聴きください。
 ・・・the ascent this week to the top of the British music charts of a collection of songs by Vera Lynn, at 92 the oldest person to attain that artistic peak ? songs that first became popular in World War II, known probably as much to American service personnel based in Britain at that time as to the British themselves.・・・
 Best-known among Vera Lynn’s songs were “We’ll Meet Again”
http://www.youtube.com/watch?v=cHcunREYzNY (太田)
and “The White Cliffs of Dover,”
http://www.youtube.com/watch?v=UdGX_FcvVoE&feature=related (太田)
offering a reminder that, in war, it is not only the troops in battle ・・・
 In “The White Cliffs of Dover,” Vera Lynn assured the nation that: “There’ll be love and laughter/And peace ever after/Tomorrow/When the world is free.”
 And in “We’ll Meet Again,” she conjured the end of those long absences when a simple telegram could bear tidings of the ultimate loss: “We’ll meet again/Don’t know where/Don’t know when/But I know we’ll meet again/Some sunny day.” ・・・
 There are faint similarities. Britain, like America and other allies, is again at war. Counting from the beginnings in 2001 of the current conflict in Afghanistan and the invasion of Iraq in 2003, troops have been deployed in battle for longer — though with far few casualties — than in all the years of World War II, from Germany’s invasion of Poland in 1939 (also recalled this month on its 70th anniversary) to the defeat of Germany and Japan in 1945.
 In excruciatingly relative terms, Britain also faces the same hardship as others in a world struggling to shrug off recession. ・・・
 Vera Lynn last topped the charts in 1952 in the aftermath of those same austere days. ・・・
 “Lovely tunes have been out of favor for some time,” the columnist Michele Hanson wrote in The Guardian. “It’s been all screeching, thumping, rapping, crashing rage and multi-decibels, but not much melody and modulation(抑揚), so perhaps we need a bit of a change.”
http://www.nytimes.com/2009/09/19/world/europe/19iht-letter.html?_r=1&pagewanted=print
 英国にとっては、現在は、先の大戦中から戦後直後にかけての時代と似通ってるんですね。
 似通っていないと思い込んでる、ノーテンキな日本人の諸君、せめてポップスで melody and modulation、社会で a bit of a change くらいは追求してくれよな。
 日本の医療行政、保健行政は及第点では、と(コラム#3536で)書いたばかりですが、米国人の平均寿命の短さは、国民皆保険を達成していない医療行政のせいではないとする記事が出てました。↓
 超カンタンに言えば、米国人の平均寿命の短さは、比較的最近まで米国人の喫煙率が先進国中最も高かったためだというのです。
 もっとも、米国の保健行政には、少なくとも遜色がありそうですが・・。
http://www.nytimes.com/2009/09/22/science/22tier.html?hpw=&pagewanted=print
 一見荒唐無稽に見えても、こういう思考実験を行うことは重要です。↓
 Goldman Sachs projected that given North Korea’s potential, a unified Korea will in 30-40 years be on a par with or overtake G7 countries except the U.S. in dollar GDP.・・・
 A combination of South Korea’s technology and funds and North Korea’s resources and workforce would be a powerful force, the report said.
 It speculates that the reunification of the two Koreas will proceed in three stages: transition (2012-2027), integration (2028-2037) and maturity (2038-2050).
  A unified Korea will follow the China/Hong Kong reunification model, which allows two political and economic systems to co-exist, rather than the German model, which envisages one side giving aid to the other, the bank speculates.
http://english.chosun.com/site/data/html_dir/2009/09/22/2009092200297.html
 エート、日本は車は左で歩行者は右だったっけ?↓
 Lee Young-soo sees a social revolution happening before his eyes: South Korea’s fundamental shift to the right, a move that has many here fretting about a looming collision.
 It’s not politics they’re talking about, but walking in public.・・・
 In 1921, during the Japanese occupation, South Korea required both pedestrians and cars to stay left — following the custom that still exists throughout Japan. Then, in 1946, under the U.S. military administration after World War II, South Korea moved vehicles to the right but left pedestrians where they were.・・・
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-korea-walkers21-2009sep21,0,6468681,print.story
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太田述正コラム#3539(2009.9.22)
<よみがえるケインズ(その3)>
→非公開