太田述正コラム#3540(2009.9.23)
<皆さんとディスカッション(続x606)>
<globalyst>
 –欧州でのミサイル防衛システムの見直–
≫前方展開している米軍の安全を、米本土の一般住民の安全よりも優先したからだ、という記事が出ました。≪(太田。コラム#3538)
 欧州でのミサイル防衛システムの見直しについて、2009年9月17付けDoDのNews『European Missile Plan Offers Better Defense, Gates Says』
http://www.defenselink.mil/news/newsarticle.aspx?id=55889
の中で、ゲーツ長官は
 ”Now, … the country is moving faster to develop its shorter-range missiles.(イランが、より短距離のミサイル開発を急いでいる)”
という理由を明らかにしています。そして、
 ”This <地上配備したレーダによって支援したイージス艦の展開> … is enough initially to protect U.S. troops and allies against Iran’s shorter range missiles.”
とも言っていますので、確かに在欧米軍の安全が急がれる優先課題なのでしょう。
更に、
 ”As the SM-3 is improved, defense officials will look for positions in Europe to put them on the ground.”
と言っていますので、イージス艦+レーダーの配備後に、SM-3を地上配備する計画であることが分かります。
また、
 ”…the Japanese already have promised $1 billion toward the development of the improved SM-3, officials said.”
と、欧州でのミサイル防衛システムの見直しに、なぜか日本が登場しています。これは、鳩山首相へ向けての「途中で共同開発を降りるなよ」というメッセージなのでしょうか。
 日米共同開発のSM-3はblock 2
http://www.globalsecurity.org/space/systems/sm3-upgrades.htm
である点、と、上述したイージス艦の配備後にSM-3を地上配備する計画である点とを勘案すると、地上配備されるSM-3はblock IIであることが示唆されていると思われます。
 そして、共同開発に合意したのは、日本側にSM-3block 2を導入する意図があってのことでしょうから、日本にも地上配備型のSM-3block 2が導入される(在日米軍のために押し付けられる)かもしれません。
 今のPAC3やイージス艦によるミサイル防衛よりは、現実的に機能する(勿論、ミサイルの配置や数にもよるでしょうが)かもしれないけど、そうなると中曽根元首相の「不沈空母」よろしく「浮沈イージス艦」ですね。
 鳩山首相はどうするのかな?
<MS>
 べじたん 様、オフ会小冊子序文の第一段落に関してご指摘ありがとうございます。
1. 論点を明確にするために、下記の調査が、「日本人が軍事に対して、関心を持っているし、かつ、忌避感情もない」ことを示していることを、もう少し具体的にご説明願えないでしょうか?
> http://www8.cao.go.jp/survey/h20/h20-bouei/images/z01.gif
> http://www8.cao.go.jp/survey/h20/h20-bouei/images/z02.gif
> http://www8.cao.go.jp/survey/h20/h20-bouei/images/z03.gif
> http://www8.cao.go.jp/survey/h20/h20-bouei/images/z04.gif
> (以上、http://www8.cao.go.jp/survey/h20/h20-bouei/2-1.html 平成21年1月内閣府世論調査)
2. 下記に第一段落をロジックを補足しながら説明いたしましたので、問題点がありましたら、具体的にご指摘いただけるとありがたいです。
少々堅苦しいコメントになって申し訳ありません。。。

イ. 「総選挙における民主党の大勝により、ついにこの癒着体制が音をたてて崩れ始めたかのように見える。」
説明:
 「…に見える」というのは私の主観ですが、OKとさせてください。
ロ. 「この選挙においても、最大の原因である軍事の放擲に関しては、ついぞ主たる論点になることはなかった。」
説明:
 「最大の原因である」という部分は太田コラムを典拠にしています。(適したコラム番号を調べる必要があります。)
 「軍事の放擲に関しては…主たる論点になることはなかった」は、べじたんさんにお示しいただいた日本経済新聞社の調査(http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090823AT3S2100Z21082009.html)が典拠になりますね。
 正確には、調査でえられた外交や安全保障を重視する人の割合は、「日本が軍事を放擲」している問題を重要視する人の割合より多いはずですね。太田ブログ(http://blog.ohtan.net/)トップのアンケート「あなたは日本が米国の属国だと思いますか?」によると半分程度の回答者は日本が属国ではないと思っているようですから、当然のことながら「日本が軍事を放擲」していることなど認識もしていないはずです。
 したがって、日本が軍事を放擲していることを認識し、かつ、その問題を重要視している人は、自民党支持者で6%の50%で3%、同様に民主党支持者で0.5%、全体で1.5%程度だと推測できます。
 したがって、「日本が軍事を放擲」している問題を「主たる論点」にしていないのは間違いないでしょう。下記ハにつなげることを思うともう少し強い表現、たとえば、「全く争点になっていない」などの方がよいですね。
ハ.「このことは現在日本における軍事に対する無関心ないしは強い忌避感情と、その必然的結果としての外界への無関心、そして、それと表裏一体の内向きな思考・行動様式をあらわしている(#????)。」
(注:「このことは」というのは、上記ロを指しています。)
説明: 
 前段の「このことは現在日本における軍事に対する無関心ないしは強い忌避感情と、…あらわしている」に関して。
 上記ロの説明によると、日本人の大部分(98.5%程度)は以下のいずれかのグループに当てはまります。
1. 日本が軍事を放擲していることを認識していない人
2. 日本が軍事を放擲していることを認識しているのに、その問題を重要視しない人
ここで(これが問題点かも知れませんが)、以下の2点を仮定しています。
1 の人は、軍事に対して無関心な人である。
2 の人は、軍事(にからむ問題)に強い忌避感情がある。
私はこの二つの仮定は自明のことだと思っているのですが、問題ないでしょうか?(何を持って「強い忌避感情」を呼ぶかにもよりますが。。。)
 後段の「その必然的結果としての外界への無関心、そして、それと表裏一体の内向きな思考・行動様式をあらわしている」に関しては、太田コラムを典拠にしています。(コラム番号探す必要はあり。)
 以上のように、最後のロの部分に仮定を含んでいるものの、その説明を加えれば、序文第一段落のロジック自体は間違えていないと思っています。
<Chase>(2009.9.19/20)http://blogari.zaq.ne.jp/fifa/
 –太田述正氏の思想#1(アングロサクソンこそ資本主義の元祖)–
 太田述正氏の言論は膨大で、その中核部分についても覆いきれるものではないが、私の劣性CPUで及ばないながらも、少しずつ氏の言論のエッセンスだけでもとりまとめる作業を勝手連的に行っていきたい。
 先日の太田述正氏のオフ会(090912)で、太田氏よりアングロサクソンの起源の話があった。メモの断片から、雑駁に少し思い起こすと、以下のようになる。
(引用はじめ)
 ブリテン島に住んでいたバスク人が、後に来たケルト人の文化、その後に来たゲルマン人の文化をカメレオン的に継受(←難しい言葉!)してアングロサクソン文明(人)が生まれた。従って–アングロサクソンは、人種的呼称ではなく概念的(conceptual)な呼び方である。なお、英語はそのゲルマン人が使っていたベルガエ語が起源である。ゲルマン人の自然宗教的・個人主義的文明をアングロサクソン文明は継受しており、ローマ文明(カトリシズム)を継受した欧州文明とは決然と区別される。
(引用おわり)・・・[文責chase]
という超簡単メモにしかならないが、太田氏の過去のコラムで概ね言及がなされている(これらを読みこなすだけでも大変!)
太田述正コラム#0074(2002.11.11)<アングロサクソンと北欧神話(アングロサクソン論3)>
http://blog.ohtan.net/archives/50955759.html
太田述正コラム#0379(2004.6.13)<移民礼賛:英国篇(その1)>
http://blog.ohtan.net/archives/50955454.html
太田述正コラム#1687(2007.3.10)<アングロサクソンの起源>
http://blog.ohtan.net/archives/50954197.html
 このアングロサクソンの起源の話から、数々の有名な?太田テーゼのベースとなる基本概念の数々・・・”世界の対立の起源は、アングロサクソン文明vs.欧州文明”、”資本主義の起源はアングロサクソン文明、アングロサクソン文明はカメレオン的性質、自然宗教的感覚から、日本文明と親和性がある”、”アングロサクソンの亜流アメリカ”等々の諸説への展開がなされた。
 私は、脇道の論点として、資本主義の起源の定説?であるウェーバーのカルヴァン主義が、アングロサクソン論にどう包摂されるか否か、もしくは無関係か問うたが、以下のようなお答だった。
(引用はじめ)
 ウェーバーはアングロサクソンへのコンプレックスから、イギリスだけでなくドイツでも資本主義があったことをいいたいがために無理やり?カルヴァン主義を持ち出した。アングロサクソンは最初から個人主義的であり、またマルクスの資本主義の定義・・・生産手段の所有云々こそ彼らのway of lifeであり、彼らの社会は端から資本主義社会(コラム#88、519)そのものである。
(引用おわり)・・・[文責chase]
 これについても、以下の過去コラムでも言及がなされている。
太田述正コラム#0081(2002.12.3)<反産業主義(アングロサクソン論4)>
http://blog.ohtan.net/archives/50955752.html
太田述正コラム#1030(2006.1.4) <ヴェーバーと私>
http://blog.ohtan.net/archives/50954803.html
 なお、ゾンバルトの珍説?についての反駁も過去コラムでなされている(典拠省略)
 太田氏の次回の?著書において、本件の後半部分は、”ヴェーバーもゾンバルトも間違い”の項で概括されることだろう(メモ)
 アングロサクソンの起源、およびアングロサクソン社会が資本主義の元祖?という説は、日本の一般向けの論壇では全く人口に膾炙していない。このポイントは太田述正氏の言論の独壇場になることを期待したい。
 –太田述正氏の思想#2(属国状態と官僚の合法的腐敗は表裏一体)–
 太田述正氏のオフ会(090912)のメモを続ける。
 太田氏のご専門は国際問題・安全保障であるが、一方で政官癒着による腐敗・弛緩した政治家、役人の生態を抉り出している。
 いわゆる太田氏の表芸、裏芸といわれるカテゴリーであるが、同氏から日本における両問題は表裏一体であることの説明があった。
 ご発言をよく聞き取れていなかったので、独断でまとめると、”買弁政治家・官僚の跋扈、政官癒着による政治家・官僚の腐敗、これらは国家の安全保障を米国に放擲し、そのことによりひたすら経済的繁栄を求め、専ら自己保身に勤しむ政治家・官僚が叢生したことによる事象である。公式的に云えば、戦後政治家・官僚が吉田ドクトリンを奉じ、米国の属国に甘んじたことの帰結である。買弁政治家・官僚の腐敗を追及することで吉田ドクトリンの欺瞞性を炙り出すことができると。”
 本件については、太田氏の最中心課題ともいえるものであり、コラムでも繰り返し言及がなされている。とりあえず、二つのコラムのURLを記す。
太田述正コラム#2964(2008.12.10)<皆さんとディスカッション(続x331)>
http://blog.ohtan.net/archives/51304579.html
太田述正コラム#2213(2007.12.3)<J-Wave用Q&A>
http://blog.ohtan.net/archives/51114410.html
 コラム#2213での言及は特に際立っているので再記する。
(引用はじめ)
 日本は米国の属国であり、外交・安全保障の基本を米国にぶんなげているので、本来の仕事をやらせてもらえない外務・防衛両省から退廃・腐敗が始まり、深刻化し、それが全省庁に波及している状況だということです。
 社会保険庁のことを思い出してください。国会議員も(地方議員と異なるところの)本来の仕事に携われないので退廃・腐敗しがちです。国家の存立や大勢の人間の生死に関わる仕事に携わっていれば、人間自ずから粛然とするものなのですがね・・。
 その退廃・腐敗の程度は、1955年以降、基本的に常に政権の座にあった自民党の国会議員が最も深刻です。そもそも権力は退廃・腐敗するものですが、恒久的権力であれば、絶対的に退廃・腐敗するのは当たり前です。このように官僚や政治家が退廃・腐敗しているので、政府に関わりの深い業界・業者も退廃・腐敗するに至っています。そして、この政・官・業が三位一体的癒着構造の下にあるのです。主要マスコミも記者クラブ制度等により、この癒着構造の一端を担っています。
 癒着構造における最大の問題は、官の業への天下りです。自分の能力・知識・経験だけで再就職できる官僚なんて100人に1人いるかどうかです。残りの人は実質的な仕事をせずに膨大なヤミ年金をもらっています。その原資は、官庁が、購入する財・サービスの価格を水増ししたり、規制を手加減したりして捻出されています。そして、この天下りシステムのいわばみかじめ料を政治資金等の形で政治家がせしめている。これが日本が抱える最大の問題です。
(引用おわり)http://blog.ohtan.net/archives/51114410.htmlより
 ここで、誰もが?予想する反論、”政治家や官僚の堕落、腐敗の原因はそれだけではないのではないか”については、以下の反駁がなされている。
(引用はじめ)
 社会政策(社会保障政策+労働政策)を帝政ドイツのビスマルクや、戦前の日本の内務省が推進したのは、路頭に迷う国民が多数出てくれば、治安が乱れたり、そこに過激なイデオロギーや外国勢力が浸透して、帝政ドイツや日本の安全が損なわれかねない、と考えられたからです。このことは、現在のドイツや日本においても基本的には変わりありません。
 このような意味において、私は、年金政策を含め、社会政策は本来安全保障政策の一環であると申し上げたのです。つまり、「政治が矮小化し、安全保障担当部局が退廃、堕落すれば、その弊害はやがて全行政官庁や地方自治体に及び」社会政策担当官庁も退廃、堕落するだけではなく、社会政策担当官庁は、広義の安全保障政策担当官庁でもあるので、外務省や防衛省にほとんど遅れることなく、内発的に退廃、堕落しても決して不思議ではない、ということです。
太田述正コラム#2680(2008.7.21)<皆さんとディスカッション(続x199)>
http://blog.ohtan.net/archives/51237631.htmlより
(引用おわり)
 もうひとつ、韓国は日本より腐敗しているのでは?とまず思いつく質問にも、以下のコラムで軽やかに答えられている。(引用省略)
太田述正コラム#2614(2008.6.17)<皆さんとディスカッション(続x167)>
http://blog.ohtan.net/archives/51220380.html
 ここでのキーワードは、「生活互助会」、「合法的腐敗」であろう。有り体に言えば?、システムに組み込まれた腐敗、はやり言葉でいえば構造的腐敗看取すべきシステムであろう。
(本日のまとめ)
“日本は米国の属国であり、外交・安全保障の基本を米国にぶんなげているので、本来の仕事をやらせてもらえない外務・防衛両省から退廃・腐敗が始まり、深刻化し、それが全省庁に波及している。この退廃・腐敗が他国と違うのは、日本のそれは、「天下りシステム」を中核とした合法的腐敗(「生活互助会」)にある。”
 この説は、日本の一般向けの論壇では全く人口に膾炙していない。このポイントは太田述正氏の言論の独壇場である。
 本件は、”属国状態と官僚の合法的腐敗は表裏一体”の項で概括される。(メモ)
<太田>
 ご苦労様です。
 太田の次の本はどんな本にしたいかについて、あなたの案は、MSさんの案ともべじたんさんの案とも違いますね。
 また、この前のオフ会の時に実施したHさんとの対話は本にすることを念頭に置いたものではありませんが、Hさんの関心事項もまた他の皆さんの関心事項とは違いますよね。
 私が書き綴ってきたコラムのどこに注目したいかが、人によって様々であるというのは面白いですねえ。
 以下、蛇足です。
 「アングロサクソンの起源、およびアングロサクソン社会が資本主義の元祖?という説は、日本の一般向けの論壇では全く人口に膾炙していない」かもしれませんが、どちらも私のオリジナルではありません。
 私のオリジナルは、アングロサクソン文明・欧州文明せめぎ合い論にあります。
 「退廃・腐敗が他国と違うのは、日本のそれは、「天下りシステム」を中核とした合法的腐敗(「生活互助会」)にある<という>説は、日本の一般向けの論壇では全く人口に膾炙していない」についても、この点は私のオリジナルでは必ずしもないのであって、日本の現在の退廃・腐敗の吉田ドクトリン起源説こそ私のオリジナルでしょうね。
<Chase>(2009.9.21)http://blogari.zaq.ne.jp/fifa/
 太田述正氏の言説をより多くの日本人に伝えていくためには、氏の思想のエッセンスを図解化していく必要がある。
 今後、図解のドラフトを逐次UPしていきたい。
 とりあえず、前回のポイントである「属国状態と官僚の合法的腐敗は表裏一体」を試しにUPしてみる。
→図は、http://blogari.zaq.ne.jp/fifa/ 参照。(太田)
<太田>
 図示するというのはいいアイディアですね。
 MSさん、USさん、私のためにパワーポイント資料を作成されてきたノウハウを生かして、今後、この図を含め、Chaseさんにご助言をいただければ幸いです。


 それでは、記事の紹介です。
 「・・・潘<国連>事務総長は、日本が示した25%削減の目標を「めざましい飛躍」と表現した上で、「日本政府の野心的な目標は、(気候変動対策に消極的な)途上国の動向にも影響を与えるだろう」と最大限の賛辞を贈った。・・・
 日本の演説をめぐっては、・・・フランスのサルコジ大統領が「力強い制約を行った新たな日本の指導者に敬意を表したい」と述べたほか、・・・ゴア元米副大統領も「極めて強い印象を受けた」と述べるなど、高い評価が相次いだ。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090923/erp0909231006002-n1.htm
なんて日本の主要紙の記事↑を読んだり、日本のTVのニュースを見た人、英米の主要メディアじゃ鳩山演説なんて鼻も引っかけられてないからご注意。
 潘国連事務総長が鳩山演説をいくら褒めようと、潘自身、絶不人気にあえいでおり(コラム#3476、3498)、
http://www.newsweek.com/id/215963
誰も彼のいうことなど真剣に耳を傾けないってことくらいは、太田コラムの読者ならお分かりでしょ。
 注目されてるのは、地球温暖化ガス排出で世界一二位を争い、合わせて世界の40%を占めるところの、米国と中共のオバマ大統領と胡錦涛主席の演説・・どちらの演説もお経だけで数値目標なし・・だけだからね。
 目を皿にして探し回って、ようやくこれくらいの記事↓を発見。
 鳩山首相の演説は、モルディブの大統領の演説並の扱い、要するに珍獣扱いのベタ記事よ。
 ま、米国の属国日本の首相の言うことなんてそれくらいの重みしかないんよ。分かった?
 ・・・A few leaders did make significant commitments.
 Prime Minister Yukio Hatoyama of Japan, who took office last week, said that his country would seek to cut greenhouse gas levels 25 percent, to 1990 levels, by 2020, and that Japan would provide significant financial and technical aid for green development.
 Mohamed Nasheed, the president of Maldives, an Indian Ocean island state threatened with extinction if global warming causes seas to rise, said developing states should commit to mandatory limits. He said his country would commit to being carbon neutral by 2020. ・・・
http://www.nytimes.com/2009/09/23/science/earth/23climate.html?ref=world&pagewanted=print
 その地球温暖化防止だけど、この10年間、周期的要因等で地球温暖化が足踏み状態であること↓、
http://www.nytimes.com/2009/09/23/science/earth/23cool.html?hpw=&pagewanted=print
そして、昨年からの世界不況でここ2年ほどは地球温暖化ガス排出量が世界的に減ること↓
http://www.nytimes.com/2009/09/22/science/earth/22emissions.html?ref=world&pagewanted=print
から、世界の世論を温暖化防止に向けて糾合するのが困難な状態のようだね。
 岡田君、そして鳩山さん、米国になり代わっての英国の忠告↓を多としたまえ。
 英米は、中身はどうであれ、自衛隊による、対テロ戦争への貢献、ひいては自由民主主義圏防衛への貢献、を求めてるんだからね。
 「・・・ミリバンド英外相は22日、ニューヨークの国連本部で岡田克也外相と会談し、自衛隊によるインド洋での給油活動について「非常に重要であり、継続をお願いしたい」と求めた。・・・」
http://www.asahi.com/politics/update/0923/TKY200909230004.html
 「・・・インド洋での海上自衛隊の給油活動中止についてクリントン氏は会談冒頭で、記者団に「日米関係は非常に幅広く深いもので、一つの問題で定義づけられるようなものではない」と述べ、事実上容認する姿勢を示した。・・・
 給油の代替案となるアフガニスタン支援について外相は「日本としても自らの問題として民生分野で積極的な役割を果たしたい」と表明。クリントン氏は「日本の(アフガンでの)警察支援は高く評価している」と歓迎し<た。>・・・」
http://mainichi.jp/select/today/news/20090923k0000m010052000c.html
 おお、鳩山さん、こんな本↓も書いてたのね。
 「・・・鳩山氏は05年に「新憲法試案」(PHP研究所)を出版した。著書では「現在の日本は形の上では独立こそ全うしているものの、心は真の独立を得ているのか。外交は米国に依存し、内政は官僚に依存している」と憲法改正が必要な理由を訴えている。・・・
 ・「自衛隊は世界の誰が見ても軍隊。日米安保とか核の傘にいることを平和の条件と日本人は思い過ぎている。(憲法改正は)やらざるを得ない」=99年9月、代表選前のインタビューで・・・
 「(米軍の)常時駐留なき安全保障を打ち立てる時に、専守防衛、有事法制を整備し自国を自国で守る手立てが必要だ」=96年10月、外国特派員の記者会見で・・・」
http://mainichi.jp/select/seiji/graph/hatoyamasinsyusyo/
 途中までは言うことなしだが、最後のくだり↑はひどいピンボケだね。
 全く日本に米軍の作戦部隊がいない状況にはしちゃうと日米安保の信頼性は大きく低下しちゃうし、専守防衛なんて軍事的にはナンセンスだし、また、日本への領域的脅威は極めて小さいので有事法制の整備の優先度は低いんだよ。
 
 そりゃ今よりはPKOは増やすべきだが、PKOで稼ぐ発展途上国の邪魔になるほどしゃしゃり出てはいけない。
 というか、途上国には荷が重い、PKO中の(アフガニスタンのISAF等の)PKFへの参加こそ、中長期的に日本が目指すべきことだ。
 いずれにせよ、時期を見て、日本が集団的自衛権を行使できるようにすることがすべての大前提だ。↓
 「・・・鳩山首相は・・・「平和維持活動における日本の人的貢献は十分でない。今まで以上に努力しなければならない」と述べ、国連平和維持活動(PKO)への取り組みを強化する考えを示した。・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/4359942/
 民主党政権は、アフガニスタン戦略に係るオバマのハムレット的悩み↓を自分のものとして、少しでもそのオバマを助けるにはどうしたらよいかを真剣に考えることだ。
 ・・・Senior military officials emphasized Monday that McChrystal’s conclusion that the U.S. effort in Afghanistan “will likely result in failure” without an urgent infusion of troops has been endorsed by the uniformed leadership. That includes Joint Chiefs of Staff Chairman Mike Mullen and Gen. David H. Petraeus, the head of U.S. Central Command and architect of the troop “surge” strategy widely seen as helping U.S. forces turn the corner in Iraq.
 But before any decision is made, some of President Obama’s civilian advisers have proposed looking at other, less costly options to address his primary goal of preventing al-Qaeda from reestablishing itself in Afghanistan. Those options include a redirection of U.S. efforts — away from protecting the Afghan population and building the Afghan state and toward persuading the Taliban to stop fighting — as well as an escalation of targeted attacks against al-Qaeda itself in Pakistan and elsewhere.
 Obama’s public remarks on Afghanistan indicate that he has begun to rethink the counterinsurgency strategy he set in motion six months ago, even as his generals have embraced it. The equation on the ground has changed markedly since his March announcement, with attacks by Taliban fighters showing greater sophistication, U.S. casualties rising, and the chances increasing that Afghanistan will be left with an illegitimate government after widespread fraud in recent presidential elections. ・・・
 ・・・some civilian officials <argue,>・・・If Obama’s core objective is to prevent al-Qaeda from returning to Afghanistan,・・・it may not depend on defeating the Taliban. An equally viable policy・・・could include stepped-up, targeted attacks on al-Qaeda’s sanctuaries in Pakistan and convincing amenable Taliban fighters that it is in their best interests to keep al-Qaeda out of Afghanistan.
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/09/21/AR2009092103774_pf.html
 パキスタンもイランもとんでもない国である↓、という認識に立って民主党政権はその対パキスタン、イラン「政策」を進めて欲しい。
 The U.S. military commander in Afghanistan says he has evidence that factions of Pakistani and Iranian spy services are supporting insurgent groups that carry out attacks on coalition troops.・・・
 McChrystal went on to single out Pakistan’s Inter-Services Intelligence agency as well as the Quds Force of the Iranian Revolutionary Guard as contributing to the external forces working to undermine U.S. interests and destabilize the government in Kabul.・・・
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-afghan-spies22-2009sep22,0,3201068,print.story
 大韓航空機撃墜事件なんてのは、このようなソ連上層部の病的メンタリティーから起こったんだな。↓
 ・・・“The Dead Hand,” ・・・a Soviet doomsday machine first conceived under Brezhnev. Because the Soviets feared “decapitation” — the killing of its leaders in one fast, huge American nuclear strike –they developed an automatic retaliatory system to launch their missiles even if their command structure no longer existed. Thus the fate of the planet would rest on the shoulders of a few low-ranking officers sweating in a concrete bunker. Those officers were the twitching fingers of a dead hand. ・・・
http://www.nytimes.com/2009/09/23/books/23garner.html?hpw=&pagewanted=print
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太田述正コラム#3541(2009.9.23)
<よみがえるケインズ(その4)>
→非公開