太田述正コラム#3749(2010.1.5)
<皆さんとディスカッション(続x704)>
<KT>
≫私は、日本にやってきた社会人類学者たるイギリス人であり、日本人を解明するためのフィールドワークに、ウン十年にわたって従事しているわけだな。 その社会人類学者が、見るに見かねて、(本来社会人類学者がやっちゃいけないんだけど、)フィールドワークの対象たる日本人達に時々ちょっかいを出している、と思ってくれたまえ。≪(コラム#3747。太田)
では、太田さんは、米国の黄色人種差別意識から起こった日米開戦については、「日本人としての感情」は沸いてこなかったのでしょうか?
意地の悪い質問をしてすみません。
<太田>
まともなイギリス人だったら、米国人の有色人種差別意識に嫌悪感を抱くはずですよ。
別段、「日本人としての感情」を持ち出すまでもありません。
<ΒθθΒ>(同上)
永田町の不動産王・小沢氏、ピンチ?
「小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」が2004年に取得した土地をめぐる問題で、当時の陸山会の事務担当者で元秘書の石川知裕衆院議員(36)=同党、北海道11区=が東京地検特捜部の任意の事情聴取に対し、土地取引は小沢氏の指示で始まり、購入原資の約4億円が小沢氏の資金だったと認めていたことが、関係者の話でわかった。
約4億円は、長年の政治活動で得た資金の可能性があるという。
石川氏は関係者に対し、取引を進める中で「小沢氏と直接、電話やメモでやりとりすることもあった」と証言しているという。特捜部も、石川氏の再聴取などで、小沢氏が不明朗な資金操作についてどこまで認識していたかを調べる見通しだ。
また、購入資金などで小沢氏しか分からない事情があるため、小沢氏を任意で聴取する必要があるか、慎重に検討するとみられる。 」
http://www.asahi.com/national/update/0101/TKY200912310225.html
とは言え、国会が開いちゃうとなかなか難しいだろうな。
<太田>
特捜部ガンバレ!↓
「小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」による、東京都世田谷区の土地購入問題に絡み、東京地検特捜部は、大手ゼネコン鹿島(東京都港区)の東北支店元幹部らゼネコン数社の関係者について5日から、一斉聴取を始める方針を固めたもよう・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010010590091540.html
<やいち>
皆さんとディスカッションで<核心>さんと<michisuzu>さんが結局、居なくなってしまったのですが、なぜいなくならなきゃならないのかということにいまだに、変にこだわっているのです。
太田氏とのやりとりで、氏の意がわからなかったか、意に添えなかったということだとは思うのですが。
レベルという単語がよく出てくるので、レベルが違ったということもあると思います。 私にしても太田氏の意が汲み取れるレベルかと考えると×がつきます。
防衛省の組織を、文官と武官を別にするべきとしたところ「氏・育ちの同じ人々だけで各幕や内局がそれぞれ構成されていると、防衛省全体が澱んでくるものなのです。」と言っていただいたのですが、私としては、田母神閣下レベルと太田氏レベルが一緒に仕事しても意味が無いと感じ、別々のほうがいいと思ったのです。
すべては相対的ですから、すべては程度問題で、レベルの問題だと思うので、氏・育ちのレベルが問題だと思います。
防衛省とかその組織について何も知らないですから、何でそんなことが、言えるのかと考えると不思議ですけど。
感覚的には、田母神閣下は、自衛官の最高位ですから、マスコミでの発言から他の自衛官は押して知るべしとなります。
<太田>
田母神さんが空幕長になったこと自体がありうべき事件だと考えるべきでしょう。
航空自衛官の中にも立派な人はいくらでもいますよ。
<ΘΘββ>(「たった一人の反乱」より)
・・・<太田は、>このスレからも都合の悪い意見はブログに殆ど取り上げない・・・
<太田>
典拠に基づく投稿は大部分取り上げてるよ。
後、質問・・実質的に質問であるものを含む・・もそうだ。
<ΘβΘβ>(同上)
・・・<太田には>誰も文句言えない・・・というより、言ったら排除するのは今までの例で沢山ある・・・
<太田>
批判はしても排除したことなんて一度もないぜ。
違うと言うのなら、例を一つでもいいからあげてみ。
それでは、その他の記事の紹介です。
これすごそうな話だけど、何でこんなに報道が遅れたの?
また、英米の主要メディアが完黙なのはどうして?↓
「ノーベル賞を受賞した南部陽一郎博士の理論からその存在が予測されたヒッグス粒子が、宇宙を満たす謎の暗黒物質(ダークマター)と同じものであるという新理論を、大阪大の細谷裕教授がまとめた。・・・
細谷教授は昨年8月に欧州の物理学誌に新理論を発表。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/space/news/20100104-OYT1T01341.htm?from=main7
東部アフガニスタンでの対CIA自爆テロの詳細が明らかになってきました。
下手人が、「パシュトン人の二重スパイ」(コラム#3741)ならぬ、「ヨルダン人の三重スパイ」だったとは驚きです。↓
The suicide bomber who killed eight people at a US base in eastern Afghanistan last week was a triple agent brought to the outpost after offering information to catch a leading al-Qaida aide.
The attack at Forward Operating Base Chapman in Khost province killed seven CIA employees and a Jordanian intelligence officer said to have brought the bomber, a Jordanian doctor, to the spy agency outpost.
US news agencies, citing intelligence sources, identified the attacker as Humam Khalil Abu Mulal al-Balawi, a 36-year-old doctor from the town of Zarqa, Jordan.
Balawi was arrested by Jordanian intelligence more than a year ago on suspicion of extremist sympathies, then apparently agreed to support the US in its fight against al-Qaida.・・・
The CIA has vowed to avenge the attack, which killed four CIA officers, including the base’s female chief, and three contract security guards.・・・
The attack was the biggest loss of life for the CIA since the 1983 bombing of the agency’s Beirut station, which killed 17 officers.
Zarqa, a bleak industrial town north-east of the Jordanian capital Amman, has spawned other killers. In 2006, a man from the town killed a British tourist and wounded five others when he opened fire on a tour group in Amman. Zarqa was also the hometown of Abu Musab al-Zarqawi, the self-styled leader of al-Qaida in Iraq who was killed by a US air strike in 2006.・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2010/jan/04/afghanistan-cia-bomber-triple-agent
・・・<CIA> officers had traveled from Kabul, Afghanistan, to Khost for a meeting with the informant, a sign that the C.I.A. had come to trust the informant and that it was eager to learn what he might have gleaned from operations in the field,・・・
The United States, and the C.I.A. in particular, are deeply unpopular in Jordan, where at least half the population is of Palestinian origin and where Washington’s support for Israel is roundly condemned.・・・
In the past, Jordanian officials have privately criticized American intelligence services, saying they relied too heavily on technology and not enough on agents capable of infiltrating operations. In 2006, the Jordanians were credited with helping to locate and kill Abu Musab al-Zarqawi, leader of Al Qaeda in Mesopotamia. ・・・
http://www.nytimes.com/2010/01/05/world/asia/05cia.html?hp=&pagewanted=print
ノースウェスト機自爆テロ未遂事件等のからみでイエーメンが注目されていますが、この国のグジャグジャ度、アフガニスタンやパキスタンの比じゃなさそうだね。↓
The United States is quickly ramping up its aid to Yemen, which Washington sees as a revived new front against Al Qaeda. But one of the most delicate tasks will be managing the relationship with the president of Yemen, Ali Abdullah Saleh, who has filled his government with numerous members of his family and who wants to ensure that his son Ahmed succeeds him・・・
http://www.nytimes.com/2010/01/05/world/middleeast/05saleh.html?hp=&pagewanted=print
英仏以外の欧州諸国が使うことができる米国の戦術核の現状についての詳細な記事が出てました。↓
・・・It is Europe’s dirty secret that the list of nuclear-capable countries extends beyond those that have built their own weapons ? Britain, France and Russia. The truth is that Belgium, Germany, Italy and the Netherlands store nuclear bombs on their air-force bases and have planes capable of delivering them. There are an estimated 200 B-61 thermonuclear-gravity bombs scattered across these four countries. Under a NATO agreement struck during the Cold War, the bombs, which are owned by the U.S., can be transferred to the control of a host nation’s air force in time of conflict. Twenty years after the fall of the Berlin Wall, Dutch, Belgian, Italian and German pilots remain ready to engage in nuclear war.・・・
Because “nuclear burden-sharing,” as the dispersion of B-61s in Europe is called, was set up before the NPT came into force, it is technically legal. But as signatories to the NPT, the four European countries and the U.S. have pledged “not to receive the transfer … of nuclear weapons or control over such weapons directly, or indirectly.” That, of course, is precisely what the long-standing NATO arrangement entails. ・・・
・・・it <is also> an example of the U.S.’s failure to take serious steps toward nuclear disarmament ? part of its obligation under the treaty. ・・・
Belgium’s Parliament had already unanimously requested that NATO withdraw the weapons, while a 2006 poll found that almost 70% of people in the four countries want the U.S. nukes withdrawn. ・・・
“The nuclear umbrella can be continued by long-range forces just like it was in the Pacific after [nuclear] weapons were withdrawn from South Korea in 1991,” says Hans Kristensen of the Federation of American Scientists. ・・・
In 2001, when the Greek air force ordered a new fighter jet, it chose a model that could not carry the B-61, forcing the U.S. to withdraw its weapons there. The U.S. still keeps weapons in Turkey, but some experts say the Turkish air force is no longer involved. Germany may soon retire its Tornado fighter jet, opting instead for the Eurofighter, which can’t carry B-61s. ・・・
http://www.time.com/time/world/article/0,8599,1943799,00.html
フランスで(事実婚を含む)夫婦間の言葉によるハラスメントを罰する法律が成立しました。↓
・・・If you insult your wife or husband repeatedly, you could soon find yourself in court if you live in France.
The charge? Psychological violence.
That’s what the new offence will be called if a bill backed by the government is passed by parliament. ・・・
・・・recordings of phone calls could be used as evidence – along with medical and psychiatric assessments. ・・・
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/8440199.stm
Gスポットなどというものは想像上の産物であって実在しない、という衝撃的な実験結果が出ました。↓
The elusive erogenous zone said to exist in some women may be a myth, say researchers who have hunted for it. ・・・
The Gr���fenberg Spot, or G-Spot, was named in honour of the German gynaecologist Ernst Gr���fenberg who described it over 50 years ago and is said to sit in the front wall of the vagina some 2-5cm up. ・・・
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8439000.stm
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<globalyst:翻訳>
コラム#3747より
一匹狼的アルカーイダ系テロリストが暗躍するようになったという指摘がなされています。↓
<アルカイーダの脅威には>・・・9月11日のテロ攻撃を実行したウサーマ・ビン・ラーディンやアイマン・アル・ザワーヒリーの中核組織、カイーダコネクションの名声を欲するが高度な能力を持たないイラク、北アフリカ、イエメンその他の国の支部、および、アルカイーダのイデオロギーに触発されてはいるが訓練ネットワークや支援ネットワークへの接近手段を十分に持たない「地元」のテロリスト<の3つのカテゴリーがある>。米国は、これまで第1のグループを壊滅することについては大きな進展を果たしてきた。米国高官は、プレデターによるアフガン-パキスタン国境沿いの攻撃によって、過去2年間で、カイーダの20人の指導者のうち約12人を殺害したと断言している。しかし、 それによって、他の2つのグループの小規模の攻撃を推進する傾向の強い悪漢どもや、より高い注目を得たいと考える悪漢どもを駆り立ててはいないだろうか?
カイーダの支部は、もっぱら地元の問題に集中してきた。しかし、ソマリアやイエメンで彼等が、米国の現地同盟者による攻撃対象や、時には米国の武器および軍によって直接的な攻撃対象となることが増加するにつれ、彼等は攻撃を開始し、また、米国それ自体からのジハード戦士志願者を育て始めている。
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太田述正コラム#3750(2010.1.5)
<左脳・右脳・人間主義(その1)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x704)
- 公開日:
★サッチャー氏 表と裏?
一九七九年に女性として初めて英首相になったサッチャー氏が、ベトナム難民の
受け入れに抵抗し、アジア系より白人系難民を優先的に受け入れようとする
人種差別的な姿勢を示していたことが、三十日に英公文書館が公開した機密文書で
明らかになった。英紙ガーディアンが報じた。
当時は南ベトナム政府崩壊に伴い、難民がボートピープルとしてあふれ出し、
英植民地だった香港のキャンプには約六万人を収容。さらに急増していたことから、
国連は英国に一万人規模の受け入れを要請していた。
サッチャー氏は英ソ首脳会談では「ベトナム難民は麻薬中毒者か犯罪者だ」とする
コスイギン首相に対し「難民は共産主義の独裁から逃れた」「英商船が救助した難民
たちは勤勉な人たちで、子どもも多い」と“鉄の女”らしく毅然(きぜん)と反論した。
だが、閣僚との協議の場では「白人も入居できてないのに、彼ら(ベトナム難民)に
公営住宅が与えられるのは、間違っている」とまで発言。「ポーランド人やハンガリー人
難民のように英社会になじみやすい人の方が(私の)抵抗は少ない」とも述べていたという。
ただ、英政府は難民受け入れ問題を協議する国際会議の提唱国でもあったため、
英語ができる人を優先に三年間で一万人の受け入れを決めた。
2009年12月31日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009123102000061.html
英国民が選挙で選んだ首相って
まともなイギリス人じゃないんですかね。
三十年程度で意識はそんなに変わるでしょうか?