太田述正コラム#3791(2010.1.26)
<皆さんとディスカッション(続x725)>
<ΚΚββ>(「たった一人の反乱」より)
 ・・・検察・警察(組織は違うが)に親しい友人がいるのなら、裏金のことを直接聞いてみなよ。
 役得程度にしかおもってないんだぜ。
http://www.rondan.co.jp/html/news/homu/
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a169417.htm
・・・
<ΚββΚ>(同上)
http://www.rondan.co.jp/html/news/homu/
は三井環さんが逮捕される三年も前の則定衛の話で現在の検察に関しては何ら触れられてない。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a169417.htm
は質問だけど、内容については調査費、つまり裏金が八分の一以下に抑えられたことについての問いかけで、つまり裏金が劇的に減ったことを図らずも鈴木宗男自身が証明してしまってる。・・・
<ベジタリアン>
 <本日公開された、コラム#3515(2009.9.10)「縄文時代は男女平等?」を読みました。>
 田嶋陽子さん
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E5%B6%8B%E9%99%BD%E5%AD%90
がこのような歴史を知っていると、男尊女卑粉砕を声高に叫ぶようなことはないと思います。
 現在でさえ私たちのような草食男性が増えていることですし・・・。
<太田>
 話変わりますが、あなたが言及されたコラム、パソコン向けまぐまぐで、全体を1回、半分ずつに分けたものを都合2回、計3回配信してしまいました。
 前にも同じミスを犯したのですが、これは、まぐまぐがパソコン向けと携帯向けの配信システムを統合したところ、システムの出来が悪く、携帯向けをパソコン向けに配信してしまうミスが起こりやすいためです。
 また、携帯向けが、一日5回しか配信できないことにされたことにより、携帯向けの午後のコラム配信では、(配信に字数制限があることから、)コラムの全文を配信することが原則できなくなってしまいました。
 このせいもあると思いますが、携帯向けの配信の講読者が100名を下回りそうになっています。
 よって携帯向け配信を止めるか、まぐまぐ以外の会社のシステムで携帯向けの配信を続けるか、現在思案中です。
 この会社がよい、といったご提案があれば、お聞かせ下さい。
<keiner Dievene>
 様々な理由や根拠を揚げて議論は百出しますが、基本的には、沖縄から出れば一応の問題は解決するはずです。ほかの問題が発生するのは確実ですが。
 ここで移転しなければならないということを基本としますと、日本を含む極東の地図を見ると、戦略的にも、地政学的にも、最適な場所が一か所あります。
 不思議と誰も言及していないのですが、土地も十分確保でき、対外的には中韓朝露にとってはいやな場所、日にとっては、僻地開発その他を考えても一番適切な場所、米にとっても日本海を睨み、外洋にも展開容易な地、、、、それは「対馬」です。
 本土からの距離も丁度よいし、米軍の兵站(長崎佐世保や山口岩国とも丁度よい距離)も難しくはないし、人畜無害の地(?笑)離島振興も含め、対馬山猫その他の動物の保護さえ施せば、非常に適した場所だと思います。
 沖縄と対馬の2基地化でみんな満足。
 対馬市にメールしましたが全く無視されています。ちょっと発言をして旗を揚げれば、今が対馬に世界の目を向けさせる丁度いいチャンス(基地問題はともかくとして)なのに勿体ない!
 皆さんも一度地図を見てほしいなと思っています。誰か発言力のある評論家の方、一発ぶち上げてくれませんかね~!!
<太田>
 一種治外法権を国内で与えることになる米軍基地の新規設置について、軽々に考えすぎておられますね。
 海軍の艦艇以外に日本列島に米軍が平時から前方展開している必要はない、という私のかねてよりの主張を踏まえ、(佐世保を母港とする海兵隊用の米海軍艦艇を除き、)米海兵隊は日本列島から完全撤退させるべきです。
 このことは、日本が集団的自衛権の行使を可能とすべく政府憲法解釈を変更するかどうか、或いは日本が自前で海兵機能を持つかどうか、とは無関係に成り立ちます。
<Chase>(2010.1.24)http://blogari.zaq.ne.jp/fifa/
 太田述正氏のコラムで初めて知ったことの一つにブレアの人間主義?外交がある。
 一般雑誌を読み散らかした私は、右も左もブレアはブッシュのプードルというレッテル張りで一貫していた印象を持っていた。
 よってブレアの深い哲学など思いもよらなかった。
 冷戦後、コソボの人道主義的介入を象徴的例として、新たな戦争観?が出てきたことは知っていたつもりだったが、太田氏の提示についていけてなかった。
 細谷氏のこの本・・・細谷雄一『倫理的な戦争 ――トニー・ブレアの栄光と挫折』・・・は、コソボの件を囲む文脈にあるのだろうか。
 まだ読んでないので、よくわからないが、太田氏のブレア観?と結節点があるかはチェックポイントだ。
(引用始め)
 <冒頭部分省略(太田)>・・・従来の・・・国際政治を、何よりもパワーや国益の観点から論じる・・・一般的な認識から変化が生じ、道徳的な問題や規範的な問題が国際政治を論じる上で中心的な位置を占めるようになったのです。・・・<中略(太田)>・・・1994年のルワンダ大虐殺で80万人が、そして95年のスレブニッツァにおいて20万人が虐殺されたと報じられていますが、これら100万人がわずか1年ほどの短い期間に殺戮されたことに国際社会は無関心でした。・・・<中略(太田)>・・・独裁国家の中で行われる殺戮に対して、それらの諸国が外交交渉を拒んだ場合に、軍事的な手段を用いてでもそれらを食い止める必要があるという新しい規範が、冷戦後の国際社会で巨大な勢力となって浮上してきました。いわば従来の主権不干渉原則を越えて、国際社会の人道的な問題に介入すべきだという潮流です。そのような潮流を敏感に感じ、真剣に受け止める新しい世代の中心人物が、このトニー・ブレアだったのです。・・・・・
http://www.keio-up.co.jp/kup/sp/blair/(引用終わり)
 細谷氏のHPから、もうひとつ関連する主張を記録に引用しておく。
 どんな人か知らないが、ベクトルが合うのなら太田述正氏のアングロサクソン論の戦線に加われたらよいと思うのだが・・・。
(引用始め)
・・・・・英国は現在、米国とは大きく異なる世界秩序構想を有している。敵対勢力を軍事力で圧倒して、自らの望む政権樹立を試みる米国政権内の強硬な「新保守主義者(ネオコン)」に対して、ブレア首相は、「国際共同体」の理念を掲げ、国際政治での「正義の実現」を説いている。これは「ブレア・ドクトリン」と呼ばれている。
 ブレアは一貫して自らの外交理念を、「国際共同体」の結束と平和に置く。極めて国際主義的で、協調的な世界秩序構想である。
 ブレアにとって、ブッシュの米国もアフガニスタンも、イラクも、「国際共同体」の構成員である。
 重要なことは、この「国際共同体」の規範や安全保障を破壊する行為に対して、断固とした措置をとることである。
 不干渉主義的な、理想主義者の平和論とは、この点で異なる。
 従来の、非力な理想主義と粗野な現実主義との硬直的な対立を超えて、外交政策での「第三の道」を模索することが、ブレアの世界秩序構想の新しさである。・・・・・
http://club.pep.ne.jp/~y.hosoya/essay/blair.htm
(引用終わり)・・・
<太田>
 私の次々著の『人間主義論』ないし『アングロサクソン論』に使えそうですね。
 ところで、ブレア、対イラク戦への参戦に関し、現在窮地に立たされています。
 ・・・Before Christmas, he told the BBC that he would have gone to war even if he had known that former Iraqi President Saddam Hussein had no weapons of mass destruction・・・
 Tony Blair・・・had a clear sense of right and wrong based on profound moral convictions.・・・
 In the case of Iraq, he unquestionably thought the world would be a better and a safer place without Saddam Hussein.・・・
http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1955515,00.html
<κβκβ>(「たった一人の反乱」より)
 「イノセンス」も「パトレイバー2」も続編映画じゃん。 <(コラム#3789参照>
 特にイノセンスは前作のゴーストインザシェルを観てないとバトーと少佐の人間関係とか肝心な部分が全然分からんだろ。
<おーつか>
 押井作品についてはうるさいですよ。
 『イノセンス』については、ストーリーについてはあたっています。
 しかしあの映画は映像を楽しむのが第一のものなので「肝心」は言い過ぎです。
 (ですからブルーレイ推奨。ネットの無料動画ではあまり意味がない)。
 前作からみる場合は『攻殻機動隊2.0』をおすすめ。
 『パトレイバー2』は、単体として充分鑑賞に堪え得る作品だと思います。
 ちなみに2/13に小屋にかかります。
http://www.shin-bungeiza.com/allnight.html
<太田>
 映画評の対象として「イノセンス」を選ぶ場合は、前作も併せて鑑ることにしましょう。
 それでは、記事の紹介です。
 『2012』の映画評(コラム#3738~。未公開)でも申し上げたことですが、最近の米国で、(イギリス人にもとから見られる)自然宗教へのシンパシーの盛り上がりが感じられます。
 このことを詳しく報じた記事です。↓
 ・・・?Almost 1 in 4 American adults say they sometimes attend religious services of a faith different from their own.
?Twenty-four percent of the public say they believe in reincarnation, and 23 percent believe in yoga as a spiritual practice.
?Twenty-five percent of the overall public (and 23 percent of Christians) believe in astrology.
?Fifteen percent of the public acknowledges having consulted a psychic or a fortuneteller.・・・
 Pope Benedict XVI, who in 1989, as Joseph Cardinal Ratzinger, warned in a statement that the practice of yoga among Catholics can “degenerate into a cult of the body.” He also warned Catholics not to mistake yoga’s “pleasing sensations” for “spiritual well-being.”・・・
 Eastern religions gained US adherents in the 1960s, when a generation of Christians discovered alternatives to the “highly rational” traditions they were brought up with ? and perceived them as better equipped to address the civil, racial, and sexual upheaval of that time・・・
 “The thing that is forgotten in these discussions is that any single religious tradition is itself already a composite,”・・・
http://www.csmonitor.com/USA/Society/2010/0125/Why-some-Americans-mix-Christianity-Eastern-religions
 あのビル・ゲーツが、グーグル、ひいては米国政府の中共への宣戦布告に水をさしました。
 言っていることは正しいけれど、少なくともマイクロソフトの実質的オーナーである以上、この発言はいただけません。↓
 ・・・Mr. Gates declared himself unimpressed and a bit perplexed by Google’s recent threat to drop its search business in China to protest Chinese censorship of search after attacks apparently intended to spy on Gmail accounts of human-rights activists. “They’ve done nothing and gotten a lot of credit for it,” Mr. Gates said.
 One may or may not agree with the laws in China, he said, but nearly all countries have some controversial laws or policies, including the United States. “What point are they making?” Mr. Gates asked. “Now, if Google ever chooses to pull out of the United States, then I’d give them credit.”・・・
 Google’s share of the American market was 66 percent in December, according to comScore, compared with under 11 percent for Microsoft.・・・
http://bits.blogs.nytimes.com/2010/01/25/microsofts-bill-gates-defends-google-then-pans-it/?pagemode=print
 それはそれとして、サイバー攻撃に係る抑止にせよ、反撃にせよ、容易なことではありません。↓
 ・・・The Pentagon simulation and the nearly simultaneous real-world attacks on Google and more than 30 other companies show that those firewalls are falling fast. But if it is obvious that the government cannot afford to do nothing about such breaches, it is also clear that the old principles of retaliation ? you bomb Los Angeles, we’ll destroy Moscow ? just do not translate. ・・・
 Even Google’s engineers could not track, with absolute certainty, the attackers who appeared to be trying to steal their source code and, perhaps, insert a “Trojan horse” ? a backdoor entryway to attack ? in Google’s search engines. Chinese officials have denied their government was involved, and said nothing about American demands that it investigate.・・・
 In nuclear deterrence, both the Americans and the Soviets knew it was all or nothing: the Cuban missile crisis was resolved out of fear of catastrophic escalation.
 But in cyberattacks, the damage can range from the minor to the catastrophic, from slowing computer searches to bringing down a country’s cellphone networks, neutralizing its spy satellites, or crashing its electrical grid or its air traffic control systems. It is difficult to know if small attacks could escalate into bigger ones.
 So part of the problem is to calibrate a response to the severity of the attack. ・・・
 The new Cyber Command, if approved by Congress, would be run by Lt. Gen. Keith B. Alexander, head of the National Security Agency. Since the agency spies on the computer systems of foreign governments and terrorist groups, General Alexander would, in effect, be in charge of both finding and, if so ordered, neutralizing cyberattacks in the making.・・・
 Google has said it will stop censoring searches conducted by Chinese, even if that means being thrown out of China. The threat alone is an attempt at deterrence: Google’s executives are essentially betting that Beijing will back down, lift censorship of searches and crack down on the torrent of cyberattacks that pour out of China every day. ・・・
 “You could argue that Google came up with a potential deterrent for the Chinese before we did.”
http://www.nytimes.com/2010/01/26/world/26cyber.html?ref=world&pagewanted=print
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太田述正コラム#3792(2010.1.26)
<英産業革命をめぐって>
→非公開