太田述正コラム#3811(2010.2.5)
<皆さんとディスカッション(続x735)>
<ΒΒμμ>(「たった一人の反乱」より)
 「・・・今回のオザワ対検察の幕引劇と暴力横綱引退報道+トヨタ欠陥報道で目立たないが、まるで取引するかのように流れた「ゆうちょ銀行の180兆円の資金運用を米国債でする」という亀井静香金融・郵政改革相の発言。
http://www.tomabechi.jp/archives/50985467.html
 「ゆうちょ銀の資金が米国債で運営されるということは、郵便貯金することが、米国政府に税金を払っていると同等なことである・・・。」
 今回の幕引劇の“直前”に、小沢とルース駐日大使・キャンベル国務次官補との会談(密談)があった。
 検察は梯子を外されたんだな。 
 まさに涙目検察で、赤レンガの粛清がいよいよ始まりそうで、弱り目に祟り目というか・・・。
 破綻寸前の宗主国米国に、これまた破綻寸前の属国日本が、これでお引取りを・・・と貢ぐって図式で、ホント情けないったらありゃしない・・・。
↑独立せんと日本は崩壊するど・・。
<太田>
 キミが引用したサイトの
「田中角栄時代から米国中枢部に目をつけられていた小沢幹事長の不起訴が、検察があれだけ動きながらも唐突に確定したことと、同時に郵貯資金の米国行きが決まったことは、関係ないと思えと言われても難しい。というより、元々どう考えても立件不能な案件で小沢幹事長と民主党を大メディアを総動員して追い詰めてきたこと自体が、これを狙っていたとしか私には見えない」
のくだりの後半はいかがなもんだろね。
 米国が小沢つぶしを狙って、諜報情報をマスコミや検察に流した可能性はあるけど、検察は、犯罪事実の嫌疑があったから捜査し、起訴して勝訴に持ち込む100%の自信がなかったから不起訴処分にした、というだけだろう。
 不起訴処分がどうしても腑に落ちないって?
 だって起訴すりゃ、小沢は失脚し、日本の政治に大激震が走る。
 勝訴できる100%の自信がなきゃ検察だってビビるはずだ。
 ただし、検察審査会が二度議決をして、弁護士を検察官に仕立てて起訴、となる可能性は相当高い。
http://www.asahi.com/national/update/0204/TKY201002040495.html
 そのことだって、検察は考慮に入れて、いわばゲタを世論と裁判所に委ねたんだよ。
 それはそれとして、日本の「独立」は焦眉の急だ。
 頑張ろうじゃないか。
 また、この際、小泉首相(当時)による、5年前の郵政解散について私が論じた過去コラム(コラム#827、829、834、842、843、844、849、852、854、857、860、862、878)を読み返してみるのもいいかもしれないよ。
<AT>
≫それにしても、何でこんなに府民の支持率高いんかね。誰か説明してくれない?≪(コラム。太田)
 若い、顔が売れている、発言がメディア受けするなど、ありがちな理由で、半分は説明が可能だと思います。
 財政再建などの実績もありますが、ただしこれを加えても、説明としては不十分でしょう。
 残りの半分の説明は、「行列のできる法律相談所」や「たかじんのそこまで言って委員会」などのテレビ番組で固定された「良い」イメージが変わらないせいでしょう。
 立ち居振る舞いも基本的にその当時のままですし、常に新しい改革案を次々に提示し、かつそれについて十分な情報発信を行っているため、個別論に関する賛否はともかく、行動・動機に「納得」ができるからなのでしょう。
 橋下知事に下心を一切感じない点、「大阪を良くしたい」という動機そのものへの疑念を持たれるような行動が一切ない点、これらを合わせるに、支持する以外の選択はないでしょう。
 橋下知事が変わるか、何か失政をやらかさない限り、このままの支持率が続くでしょう。(以上に関する典拠なし)
 <財政再建に関する典拠>
 就任直後「財政非常事態宣言」を発した橋下知事は、この2年間で財政改革に多大なエネルギーを注いだ。10年度までの3年間で2454億円の歳出削減(一般財源ベース)を図り、歳入増も加えて収支改善を目指す「財政再建プログラム試案」を策定。08年度は目標の1100億円をほぼ達成し、その後も順調に進んでいる。
http://mainichi.jp/kansai/hashimoto/archive/news/2010/01/20100124ddn010010035000c.html
橋下・大阪府知事:毎日新聞世論調査の質問と回答
◆過去2年の取り組みで最も評価するのは。
・大阪府の財政再建 45%
・地方分権     12%
・府庁舎の移転構想  6%
・関空の活性化    7%
・子育て支援     9%
・学力向上策    12%
・都市景観づくり   4%
http://mainichi.jp/kansai/hashimoto/archive/news/2010/01/20100119ddn003010020000c.html
<太田>
 どうもありがとうございました。
 「劇場型だけで経営できぬ」という、橋下知事に直言する高村薫コラムが産経関西電子版に載ってましたね。
http://www.sankei-kansai.com/2010/02/05/20100205-020160.php
<匿名希望>
 –内から火をつけるなら…–
 内外から日本の独立を試みるのであれば、とある大学付属の海外高校などはどうでしょう。
 以下、伝聞内容と聞き流してください。
 ○○○○大学ニューヨーク学院について、設立時は3年制、のちアメリカの高校に準じて4年制の高校となる。
 教員は日吉や志木など大学付属の日本の高校の教員、および現地の教員で構成される。
 日本の高校卒業資格と同時に米国高校卒業資格を取得可能。
 そのため授業は日本語による日本の高校科目と英語による米国の高校科目で構成される。
 英語・日本語それぞれのレベルに合わせてEnglish・国語のレベル分けがされている。
 反面、日本・米国の高校科目は言語レベルに合わせたレベル分けはされていない。
 生徒の大部分は日本企業の駐在員の子女であるため、総じて米国滞在期間が短い生徒が大半。
 一学年140人程度の内、米国の高校レベルと同等の英語クラスに所属した生徒は30人程度、3年生時にAPEnglishに所属した生徒は20人程度。
 進学も大半は日本の大学に内部進学、少数だが米国の大学に進学する者もいる。
 日本の大学への内部進学の場合は9月入学が現在では一般的。
 過去においては4月入学のみの学部もあったため、高校卒業後半年間、大学で補講を受ける。
 その他:
 通学生のほかは、寮に住む生徒が大半。
 大学は、本件学院の設立にあたって、三田にある土地を売却。
 設立後10年経たないうちに買い戻せた。
 学内環境は基本的に英語では会話しない、そのため元々英語ができる人以外はあまり上達しない。
 逆に日本語ができない人は向上する。
 特に寮に住む場合は上下関係のある隔離された村社会。
 米国の中学校で、スポーツ時は真水が一番よい、(塩分を含む)スポーツドリンクはよくないと教師が発言し、生徒にかみつかれていた。
 反面この高校では、ラグビー部では真水の補給をさせないバカが上級生にいた。
 大学の体育会では、オーストラリアからコーチを招待したので午前中は軽い練習をし午後は試合形式で効率的に指導を受けようと部員会議で決めたのに、その会議に出席していないOBが勝手に練習を指導。
 キャプテンが止めにはいるものの、結局OBがやりたい練習がひと段落したのち予定した練習に戻った。上記バカな上級生いわく、昔はもっと厳しかったそうである。
 現地の教員が担当するAmerican Historyの授業で原爆に関する記述を読んだときクラスから「え~」という声が上がった。その現地教員はその記述についてディスカッションすらしようとしなかった。
 少なくとも卒業生の内、一人か二人くらいは太田氏の主張に共感する人がいると思う。
<太田>
 もうちょっと何がおっしゃりたいのか、書き込んでいただけませんか。
 ここ↓は、特に、ワケが分かりません。
>米国の中学校で、スポーツ時は真水が一番よい、(塩分を含む)スポーツドリンクはよくないと教師が発言し、生徒にかみつかれていた。≪中略(太田)≫ キャプテンが止めにはいるものの、結局OBがやりたい練習がひと段落したのち予定した練習に戻った。上記バカな上級生いわく、昔はもっと厳しかったそうである。
<匿名希望>
 本題に関して:
 太田氏が描く将来あるべき日本に納得しやすいのではないか、ということです。
 伝聞なので、印象程度のことしか述べられませんがアメリカナイズされた人とそうでない人との間に相当軋轢があったようです。
 現状の日本に不満を持っている点で、太田氏の主張が起爆剤になり得るのではないかと考えた次第です。
 伝聞の経緯は、身内の進学路の選択に関連して、大学の友人に話を聞いたものです。
 指摘の個所については、グチとして聞いて印象に残っていたので付け加えた蛇足です
指摘の個所:
 ここは伝聞と自分の経験を混ぜてしまってました。
 ミドルスクールに関する所は私の経験したことです。
 水分補給を禁止する行為はアメリカでも例外的にやる。
 一時的通過儀礼として、また部員の振り落としのため特にアメフトでやっていたよう記憶してます。
 もっとも米国で最近その通過儀礼が生徒の死亡につながったのではないかと大きな問題になりました。
 A former Kentucky high school football coach was acquitted Thursday in the death of a player who collapsed during practice in August of 2008.
 Stinson’s trial is believed to be the first in which a coach has faced criminal charges for working his players too hard, and other coaches say it could have a chilling effect on their profession.
http://abcnews.go.com/GMA/MensHealth/football-coach-jason-stinsonons-trial-players-heat-death/story?id=8605588
 For generations, the rite of twice-daily summer football practice endured. In August, players would report as early as 7 a.m., work hard for a few hours, eat to get ready for more football, and then drill again in the afternoon.
 Some coaches say two-a-days are time-honored and necessary to prepare for the season.
 When Willie Tillman played on Purdue University’s football team, he had three-a-days. During his high school and college years, water deprivation was common practice. Yet, Tillman never had a heat-related injury as a player.
http://www.cnn.com/2009/HEALTH/08/21/heat.football.practice/index.html
 大学の友人の話を聞いて「異常だ」と印象を受けたことだけしか記憶にないので、詳細の説明はできません。
<太田>
 どうもありがとうございました。
 でも、今一つよく飲み込めません。
 この高校が日本を象徴しているとお考えになっているようですが、この高校の現状に不満を持っているのは、「アメリカナイズされた人(卒業生)」なのか「そうでない人」なのか、それともその双方なのか、それともこの現状を見ている第三者たる関係者なのでしょうか?
 そして「起爆剤になりうる」のは、米国との合邦か米国からの「独立」かを日本人が決意する起爆剤になりうる、ということなのでしょうか?
 また、あなたには、この高校そのもののあり方の批判、という気持ちもおあるのでしょうか?
 後は、念のための確認です。
 また、「反面この高校では、ラグビー部では真水の補給をさせないバカが上級生にいた。」は、「反面この高校では、ラグビー部では水分の補給さえさせないバカが上級生にいた。」というご趣旨だったのではありませんか。
「現地の教員が担当するAmerican Historyの授業で原爆に関する記述を読んだときクラスから「え~」という声が上がった。」について、この「え~」は、その記述が原爆投下を正当化するものであったからなんでしょうね。
 さて、その他の記事の紹介です。
 
 下掲の朝鮮日報(英語版)の2本の記事を私の言葉に翻案することこうなります。
 「在韓米軍は、家族帯同にするけど、朝鮮半島以外で何かあったら、そちらに出動させる。そのためにも、在韓米軍司令官の韓国軍に対する朝鮮有事指揮権を放棄し、在韓米軍の朝鮮半島専念状態を解消する。
 しかし、これは米国による韓国防衛意思の放棄を意味しない。
 在韓米軍の家族は、このことを裏付けるためのいわば人質として差し出してやる。
 ただし、いずれにせよ、韓国防衛の優先順位は米国にとって極めて低い。
 米韓共同作戦計画は画に描いた餅だと思ってくれ。
 韓国防衛のために米地上部隊(海兵隊を含む)が米本国を含む他地域から派遣される可能性は少ない。
 海空軍の派遣はありうる。
 つまりは、在沖海兵隊が朝鮮半島有事に使用される可能性は極めて少ない。
 このことは、在沖海兵隊の司令部機能がグアムに移転した時点では、一層そうなることを意味する。」
 
 ・・・At present, the U.S. government is in the process of changing the tour of duty for the 28,500 USFK troops from one year to three accompanied by family and says an entirely new method of deployment will be implemented over the next three to four years. The report says the USFK can then be re-deployed to other conflict areas in the world at any time. ・・・
 ・・・it intends to hand over wartime operational control of South Korean troops to Seoul in 2012 and free American troops on the peninsula to serve in other areas one or two years later. ・・・
http://english.chosun.com/site/data/html_dir/2010/02/03/2010020300970.html
 ・・・Gates told・・・the House Armed Services Committee・・・that under present circumstances, U.S. ground troops would not be able to arrive in South Korea on the timeline required by the Korea-U.S. contingency plan. “It’s just that they wouldn’t get there as quickly because of the commitments that we have in Iraq and Afghanistan,” Gates said. “That’s not to say they wouldn’t get there.” He added that the U.S. would instead be dependent on the Navy and Air Force before ground troops arrive. ・・・
http://english.chosun.com/site/data/html_dir/2010/02/05/2010020500518.html
 中共のグーグルへの攻撃が取りざたされている折から、グーグルの狙いは分からないわけではないけれど、外国のインターネットへの攻撃(平時におけるものと有事におけるもの)と外国からの米国のインターネットへの攻撃に対する守りを担当する米国家安全保障庁とグーグルが提携したってんだから、いやーな感じだよね。↓
 ・・・Google has turned to the National Security Agency for technical assistance to learn more about the computer network attackers who breached the company’s cybersecurity defenses last year,・・・
 “Google and N.S.A. are entering into a secret agreement that could impact the privacy of millions of users of Google’s products and services around the world,”・・・
http://www.nytimes.com/2010/02/05/science/05google.html?ref=world&pagewanted=print
 ルーマニアにも米国のミサイル防衛システムが設置されるようですが、これは在欧米軍を守るためのものでしょう。
 ポーランドでの話と違って、この話にロシアがさして目くじらを立てていないところを見ると、ロシアはホンキでまだ、米ソ対峙時代の白昼夢的追憶の中に生きているってことなんでしょうね。哀れと言うべきか。↓
 ・・・Romania’s top defense body approved an American proposal to base missile interceptors there, the country’s president said Thursday・・・
 While the participation of Poland and the Czech Republic in the missile shield had been well known, the possibility that Romania would join them was not.・・・
 ・・・the Romanian site was farther from the Russian border, and ? unlike the proposed Polish site ? would not allow the interceptor missiles to stop a Russian missile headed to the United States over the Arctic Ocean, a possibility that had aroused anxiety in Moscow.・・・
http://www.nytimes.com/2010/02/05/world/europe/05romania.html?ref=world&pagewanted=print
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太田述正コラム#3812(2010.2.5)
<テンプル騎士団(その1)>
→非公開