太田述正コラム#3825(2010.2.12)
<皆さんとディスカッション(続x742)>
<文十郎>
≫・・・映画・・・『ウォッチメン』・・・をご覧になった方、<私の評論、>いかがで<したで>しょうか。≪(コラム#3824(未公開)。太田)
 私が劇場で観て、素朴に感じたのは、ベトナム戦争にアメリカが勝ったのに世相があんなに暗くなるの? という事でした。
 べトナムで勝てなかった事が70年代以降の段々と自信をなくしていくアメリカの大きな原因だと思っていたからです。
 また、映画のラストは原作のラストとは若干異なっているそうです。
 (私は原作を読んでいないので、宇多丸さんや町山さんのPodcastを聞いた話です。)
 町山智広さんは、映画のラストの方が原作よりもいい、と仰っていました。
 お話としては、日本製のスーパーヒーロー(ウルトラマンや仮面ライダー)とは異なりスーパーヒーローと言えども同じ人間として扱うところにキリスト教の背景を感じて面白かったです。
 ゴジラでも日本オリジナルは天変地異のように人の力では何ともならないものと描かれているのに対し、アメリカで作られたゴジラは大きな爬虫類でしたし。
<太田>
 ベトナム戦争云々のご指摘については、「スーパーヒーローたる主人公達の力で実際の歴史と異なってしまったところの歴史が、どのようなものとして描かれていようと、そんなものをいちいちあげつらっても仕方がないでしょう。」(コラム#3824)と申し上げたことに尽きています。
 さて、
>映画のラストは原作のラストとは若干異なっている
のだとすると、「原作のストーリーと映画のストーリーが一致して<いることから、>・・・この映画の評論を行うということは、とりもなおさず、原作のコミックの評論を行うことを意味します。」(同上)と私が書いた部分は訂正を要するのかもしれませんね。
 ま、どれくらい原作とラストが異なっているかにもよりますが・・。
 ところで、最後の二つの段落でおっしゃっていることは、私が指摘した、
「米国のコミックはもともと善玉と悪玉がはっきりし過ぎているという欠点を持っており、それが、そうではない日本のマンガやアニメ・・だからこそ、大人にも楽しめるものになっている・・の影響を受けて良い方向に変わってきた、というだけのこと」(同上)
とは逆のご指摘ですね。
 このあたり、他の読者の皆さんのご意見もぜひお聞きしたいところです。
<BERNIE>
 リクエスト映画評論、次回評論作品募集のお知らせです。
 本日で、映画評論コラム第一弾の一般配信が全て終了し、昨日から、 第二弾(『ウォッチメン』『許されざる者』『機動警察パトレイバー 2 the Movie』)の評論コラムが、順次配信中(非公開)です。
 次回評論作品も、引き続き募集中です。
↓こちらのフォームからご応募下さい。
http://www.smaster.jp/Sheet.aspx?SheetID=24405
 次回は、太田さんに直接作品を選んで頂く予定です。
 皆様、一押しの作品を是非ご投稿下さい。
<ΒΝΒΝ>(「たった一人の反乱」より)
 トヨタ社長招聘
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/
 アメリカ下院のアイサ監督・政府改革委員会筆頭理事はトヨタの豊田章男社長を22日からの週に招聘すると発表すると共に24日の公聴会に証人としてし出席させるようにダウンズ委員長に求めていることが明らかになっています。
 今は招聘となっていますがこれをトヨタがわが拒否すれば証人喚問となりますのでトヨタ問題は政治的な動きと賠償問題に事態は移行していきます。
 トヨタは社長喚問だけは避けたかったようですが事態はトヨタの期待とは反対に動いています。
 また議会で偽証すれば最悪の場合社長が逮捕される事もありトヨタは重大な事態に直面します。
 日本では広告宣伝費をばらまかれているマスコミも大臣がトヨタ出身である民主党も、トヨタに対しては優しい対応をしていますがアメリカは生易しい対応はしてくれません。 徹底的な追及を受ける事になります。
 トヨタはこの事態を乗り切れるでしょうか?
 トヨタ問題を好意的に書いている、米英マスコミ(その他)は、当然ながらトヨタのお得意な対マスコミ工作が行き届いているとみるべきかと。
 おれのところにもよこせ~と、まだ貰っていないマスコミが騒いでいる。
  ↑
 「経済界」という、ある意味有名な雑誌があってだな、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%8C%E6%B8%88%E7%95%8C_(%E5%87%BA%E7%89%88%E7%A4%BE)
・・これ、高杉良の「濁流」・・
http://www.amazon.co.jp/%E6%BF%81%E6%B5%81%E3%80%88%E4%B8%8A%E3%80%89%E2%80%95%E7%B5%84%E7%B9%94%E6%82%AA%E3%81%AB%E6%8A%97%E3%81%97%E3%81%9F%E7%94%B7%E3%81%9F%E3%81%A1-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E9%AB%98%E6%9D%89-%E8%89%AF/dp/4062631660
まことに香ばしい限りだが、マスコミのその性格上、どこも似たり寄ったりの部分がある。
 先日、新聞の一面にこの経済界の広告が出ていて、その健在ぶりに今更ながら驚いた・・・。
 まず、この雑誌で持ち上げられた企業は、殆ど広告宣伝費をここに費やしている。
広告効果の費用対効果なんざ関係ないのだろうが、大不況下でも経済界が生き残れるには理由があるんだな。
 逆に云えば、この雑誌で取り上げられた企業や経営者他の連中は、おしなべて“怪しい”とおもってほぼ間違いがない。
<太田>
 この4人の州知事も、このニュースを載っけた朝日も、みーんなみーんなカネで買われてるって言いたいわけね。フンフン。↓
 「トヨタ自動車の大規模リコール(回収・無償修理)をめぐって、同社の工場があるケンタッキー、インディアナ、ミシシッピ、アラバマの4州の知事が連名で10日、米議会に書簡を送り、トヨタに対する批判は「不公平だ」として公平な議論を求めた。・・・」
http://www.asahi.com/business/update/0212/TKY201002110384.html
 トヨタが米国での訴訟攻勢にあってるってさ。
 とりわけ、史上最高のクライスアクション攻勢だと。↓
 ・・・The Japanese automaker faces dozens of lawsuits over injuries and deaths attributed to safety problems, with many more suits expected. ・・・
 On top of that, there are at least 30 lawsuits seeking class-action status to recover damages for the reduced value of the cars and the lost use of vehicles during repairs.
 ”This has the potential to be the biggest product liability case in the automotive industry,” ・・・
http://www.latimes.com/business/la-fi-toyota-liability12-2010feb12,0,5793803,full.story
<ΒΝΒΝ>(同上)
 あ ら ら・・・
 ロッキード事件「中曽根氏がもみ消し要請」 米に公文書 ・・・不沈空母発言・・懐かしいネ。
http://www.asahi.com/politics/update/0211/TKY201002110364.html
 ・・・
<太田>
 
 属国日本と日本の「タカ」派の正体見たり、ロッキード。↑
 「ロッキード事件の発覚直後の1976年2月、中曽根康弘・自民党幹事長(当時)から米政府に「この問題をもみ消すことを希望する」との要請があったと報告する公文書が米国で見つかった。裏金を受け取った政府高官の名が表に出ると「自民党が選挙で完敗し、日米安全保障の枠組みが壊される恐れがある」という理由。・・・」
<ΒΒΝΝ>(同上)
 こんなやつも太田さん的には、アングロサクソンにコンプを抱いたヨーロッパ人の発想でNGでしょうか?
http://www.slideshare.net/kensuzuki/divicracy-dividual-democracy-2685650#
<太田>
 ちょっと見ただけじゃよく分からんが、一種の直接民主主義を提唱してるわけだろ?
 そんなの、アングロサクソンとか欧州とか言うまでもなく、ダメに決まってるら。
 それでは、その他の記事の紹介です。
 社民党も「現実的」になったもんだ。↓
 「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先を巡り、17日に開かれる政府・与党の沖縄基地問題検討委員会で社民、国民新両党が米領グアムと米自治領北マリアナ連邦テニアンへの移設案を提示する見通しとなった。・・・」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100212k0000m010083000c.html
 米国の不倫状況が一挙に分かる記事です。↓
 ・・・Patriarchal societies built rules about women’s sexual practices because they wanted to ensure bloodlines and property rights, she says. Until the modern era, the Bible notwithstanding, there was little attention paid to male adultery.・・・
 Americans’ expectations of their spouses has grown as other social networks ? with friends, extended families, neighborhood groups ? have broken down.・・・
 In 2006, 80.6 percent of Americans said that infidelity is always wrong ? up from 73.4 percent in 1991. (Another 14.6 percent in 2006 said that infidelity is “almost always wrong.”) ・・・
 ・・・many studies put lifetime infidelity rates around 30 percent for men, slightly lower for women. (There are various estimates, however, that range from 3 percent to 80 percent.) ・・・
 ・・・in 2006, about 20 percent of men and 15 percent of women under 35 said they had been unfaithful ? up from 15 percent and 12 percent who said so in 1991.・・・
 Only 50 or 60 percent of Americans say that adultery would be an automatic deal breaker for their marriage, says Pepper Schwartz, a sociology professor at the University of Washington who has written many books on sex, love, and relationships; a decade ago that number was closer to 90 percent.
 In short, there is a substantial difference between what we say we should do and what we do.・・・
 Despite all their exposure to and snickering about infidelity, Americans are becoming increasingly conservative about marital transgressions. ・・・
http://www.csmonitor.com/layout/set/print/content/view/print/279440
 中共、早くも米国に振り上げた拳を下ろし始めてます。↓
 ・・・China sent contradictory signals on Thursday about its policies toward the United States two weeks after the Obama administration enraged the Chinese by approving the sale of $6.4 billion worth of arms to Taiwan.・・・
 ・・・on Thursday, China signaled some willingness to cooperate militarily, with an American official’s saying that China would allow an American aircraft carrier to visit Hong Kong soon. But at the same time, Air China, the country’s flagship airline, said it would buy 20 jets from the European consortium Airbus, rather than from Boeing, one of the manufacturers of arms for Taiwan.
 China has a history of blocking port calls by American naval vessels when it is unhappy with Washington. Beijing officials even blocked two American minesweepers from seeking shelter in Hong Kong’s harbor during a storm in November 2007. American naval officers were upset at the time, calling it a violation of an international naval tradition of offering safe havens during harsh weather.・・・
http://www.nytimes.com/2010/02/12/world/asia/12taiwan.html?ref=world&pagewanted=print
 中共で、親御さんを安心させるためのレンタル恋人が大流行だとか。↓
 ・・・In recent years, thousands of “rental lover” ads have popped up on Web sites as young people turn to the Internet in the hopes of hiring a counterfeit boyfriend or girlfriend to fool their families during the high-anxiety visit home. Even more numerous are ads by people offering themselves up as the rented co-conspirator.・・・
http://www.nytimes.com/2010/02/12/world/asia/12iht-rent.html?ref=world&pagewanted=print
————————————————————-
太田述正コラム#3826(2010.2.12)
<映画評論2:許されざる者>
→非公開