太田述正コラム#3975(2010.4.28)
<皆さんとディスカッション(続x817)>
<けいc。>
≫在沖米海兵隊は、海兵隊そのものの存在意義が薄れたのと、支那に近すぎるのと、日本や朝鮮半島や支那がらみの紛争シナリオではその出番がほとんどないため・・・≪(コラム#3973。太田)
北朝鮮の独裁政権の予想外の崩壊に際しての、核物質、大量破壊兵器の確保、除去の任務はまだありませんか?
これを韓国軍や米軍の空軍力、即応展開できる米軍の少数特殊部隊で対処可能との見解なのでしょうか?
対人民解放軍に対する紛争シナリオで海兵隊に出番がない、というかアメリカが介入することはないという点では同意です。
<太田>
そのほか、在韓米陸軍もいますが、そういう任務は、もっぱら、米特殊戦部隊(United States special operations forces)
http://en.wikipedia.org/wiki/United_States_special_operations_forces
の仕事でしょうね。
「少数」なんてもんじゃないですよ。
だって58,000人もいるんだから。
http://en.wikipedia.org/wiki/United_States_Special_Operations_Command
<τββτ>(「たった一人の反乱」より)
相も変わらず太田述正的には、鳩山はかなり重症の馬鹿でなければ納得しないんだなw。
誰かさんと違って独りで吠えているんではなく、相当数の取り巻きが首相ともなれば(でなくとも)いるだろーが。
「おとぎバナシ」なんだってよ。ありゃりゃだね。
普天間~沖縄基地問題をまとめてくれたみたいだけど、いまさら目新しいものがあるわけではないし、今回の騒動のおかげで→にわか普天間問題評論家が引きも切らなくなったのは、米軍基地問題のキモ部を国民が知る上でわかり易く、とてもよい機会で、事業仕分けだけでなく税金にたかる構図が どんどん公開されるのは善いことだ。・・・
<太田>
正常だろうが、重症の馬鹿だろうが精神障害持ちだろうが、キミに言われるまでもなく、鳩山首相のおかげでおっしゃるような「善いこと」が、少なくとも普天間問題がらみで起こってることについちゃ、かねてから、ボク、高ーく評価してきてるぜ。
小さなナショナリスト・クンよ、いずれにせよ、国際的には鳩山首相、もう完璧に終わってんだなあ。↓
「 鳩山由紀夫首相を核安全保障サミットの「最大の敗者」と皮肉った米紙ワシントン・ポストは、同記事で首相を表現した「ルーピー(loopy)」は「愚か」や「変わり者」でなく「現実から変に遊離した人」が真意だとするコラムを・・・電子版に載せた。・・・
カメン氏は「ルーピー」について「組織の意思決定について十分な情報を得ている、つまり『輪の中に入っている』状態とは正反対の意味」とも強調した。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100428/amr1004281336010-n1.htm
・・・<an> example would be South Carolina Gov. Mark Sanford (R)<(コラム#3707)>, who went on television after his torrid love affair with an Argentine woman was discovered and said that, while he had done something wrong, he would not resign.
That was more or less okay. But then, according to his soon-to-be-ex-wife’s memoirs, he called his estranged wife and asked about his news-conference performance, “How did I do?”
Now, that was loopy. Hope this helps.
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/04/27/AR2010042704746_pf.html
<βτβτ>(同上)
・・・<太田サンが>小沢や鳩山を糾弾するのは別にかまわないが、個人的感情が入ってのバイアスがかかった発言としか感じられない。
例えば鳩山が本物の馬鹿だったとしても、神輿として活用すればよいだけだろ 民主は。
まぁ、権力やカネに執着するタイプにはみえないし、それが並みの政治家と違うような…この手合いは、ケチョンケチョンに貶されたらさっさと総理の地位も簡単にほおり出しそうなタイプにおもうが、それでも一国の首相だぜ…。
<太田>
小さなナショナリスト、ここにもいたなあ。
要するに、小沢幹事長は、自分の政治生命を維持するという私欲のため、辞職せずに参院選で民主党を惨敗させるという道を選択したわけだけど、鳩山首相(党代表)はそれを追認した、ということだ。
キミは、これでもまだ、ご立派な首相だと思うのかい?↓
「・・・東京第五検察審査会は二十七日、政治資金規正法違反(虚偽記入)容疑で告発され不起訴処分となった小沢氏について、「関与を否定した供述は不自然で、元秘書との共犯の成立が強く推認される」として、審査員十一人全員一致で「起訴相当」と議決した。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010042802000061.html
「・・・議決が出た27日、小沢氏は午後4時に予定されていた会合を欠席し、同5時からの大阪府の橋下徹知事との面会も急きょキャンセル。同7時過ぎには党本部で報道陣の質問に答えた・・・小沢氏は開口一番「意外な結果で驚いている」・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100427-OYT1T01255.htm
「・・・小沢氏は昨年は政治とカネの問題の発覚を受け、いったん代表を辞任した。しかし、今回は「辞めるつもりなど毛頭ない」(党関係者)という。党内では「前回は衆院選で勝てばすぐに復権できる見通しがあったが、今回は辞めれば政治力を失うことになる。小沢氏はそれを恐れている」(幹部)という見方が出ている。
小沢氏が師と仰いだ自民党の金丸信・元副総裁は1992年8月、東京佐川急便関係者からの資金提供が明るみに出て、副総裁を辞任した。その後、野党の批判を受け、10月には議員辞職に追い込まれ、さらに翌93年に巨額脱税事件で東京地検に逮捕、起訴された。党関係者には「小沢氏には金丸氏の逮捕がトラウマになっているようだ。『ポストを離れたら、自分も金丸氏のように摘発される可能性がある』と思っている」と解説する向きもある。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100427-OYT1T01156.htm
「・・・自民党も相次ぐ離党・新党騒動に揺れる。民主党が体制を一新すれば「谷垣降ろし」に火がつきかねず、党三役の一人は「小沢氏は辞めないでほしい」と本音も漏らした。・・・」
http://mainichi.jp/select/today/news/20100428k0000m010080000c.html
「・・・小沢氏は27日に「与えられた職務を淡々と全力でこなしていく」と幹事長続投を表明している。<28日、>首相は小沢氏の意向を追認することで、鳩山―小沢体制で参院選に臨む意向を示した・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100428-OYT1T00488.htm
<友人TK>
いまの仕分けで「なぜ独法が必要か」をうまく説明できないTOPが多いようですね。
のらりくらりの返事を繰り返していると全部あやしいということになりかねないと思いますが。・・・
<太田>
私は、事業仕分けには全く関心がありません。
コラム#3689で、予算査定プロセスを公開しちゃダメだと私は主張してます。
与党のための恩賞的査定が行われて当然だ、民主主義ってのはそういうもんだ、と思ってるからね。
(それだけじゃなく、要するに予算案を決めるにあたっては、外交的配慮等々、公言をはばかる様々なファクターを考慮しなきゃならない。
例えば、英国じゃ、各省の概算要求は公表しないはずだ。
その代わり、政府提出の予算案を国会で野党がぶったたくことになる。
その場合は、政府側はどんな公言をはばかる話が隠れていても、素知らぬ顔でもっともらしい答弁をしなきゃならない。)
これだけじゃ身も蓋もないのでちょっとだけ今回の仕分けについて言えば、公法人を締め上げたって君が関心のある天下り問題の解決にはならないからね。
公法人は、(所管官庁に戻すこと
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20100426/223248/
を含め、)若干は整理縮小されるかもしれないが、天下りに関しては、公法人への天下りが減った分、民間企業への天下りが増えるだけだからだ。
私は、民主党には、民間企業への天下りをなくす意思はないとみているんだな。
その根拠は以下のとおりだ。
まず、下掲の毎日社説を読んで欲しい。
「国家公務員の人件費抑制を検討していた鳩山由紀夫首相は来年度の新規採用人数を09年度比で半減するよう、原口一博総務相らに指示した。
公務員人事をめぐっては鳩山内閣が天下りあっせんの禁止を打ち出した<。>≪・・<これ>は、早期勧奨退職(肩たたき)の対象だった中高年層の官僚が各省庁に残ることにつながる。・・・定年を65歳まで延長し、退職勧奨や採用抑制を見送った場合、61歳以降は昇給しなくても、25年度の総人件費は今より約4000億円増える・・≫・・・<他方、>民主党はさきの衆院選の政権公約(マニフェスト)で、・・・「国家公務員の総人件費2割削減」とも記していた・・・」
<そこで、>新規採用のカットで帳尻を合わせたというのが実態だろう。・・・」
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20100428k0000m070115000c.html
(≪≫内は、http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100428ddm008010048000c.html
による。)
しかし、各省庁は、既に新規採用数の削減にあらゆる方法で抵抗している(上掲毎日記事)だけでなく、勧奨退職だって続けてゆこうとすることだろう。
その場合、自己都合退職扱いになるので割り増し退職金は支払われないわけだが、各省庁は、その分を補填できるような形で、天下り先の民間企業に給与等を出させるように仕組む、と私はふんでるんだ。
天下りのあっせんを禁止したところで、違反行為に厳罰を科すわけじゃなし、公然とあっせんをやらない巧妙な形での民間企業への天下りは続くってことだ。
公法人とは違って、民間企業への天下りの際には公募制度なんてありえないしね。
<友人TK>
太田君の論調ですと、政権交代してもなにも変わらなかった ということになりますが、国民としたらどうしたらいいですかね?
みんなの党でも応援するしかないのでしょうか?
それぞれの党に得意な分野だけやってもらえればいいのですが、そういうわけにもいかず なさけなく思うこの頃です。
<太田>
政権交代の意義はどれほど強調してもし過ぎることはないよ。
普天間問題に関しては上の方で触れたけど、とにもかくにも、自民党恒久政権の下での政官業の三位一体的癒着構造が粉砕されつつあるってのは大きいさ。
もとより、政権交代であらゆることが一挙に改善されるわけじゃないが、そんなのは当たり前だと思わなくっちゃ。
ただ、今度の参院選でどう投票すべきかは悩ましいね。
もし、小沢が辞めないようなら、民主党には一切投票しないってことにせざるをえないだろね。
<雲豊>
井上ひさし<(コラム#3971)>さんと蜷川幸雄さんの「ムサシ」ロンドン、ニューヨーク公演
http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=141
・・・
この舞台、(初演は)もう何度も放送されてるのでネタバレします。
巌流島の決闘で命を取り留めた佐々木小次郎(小栗旬)が、宮本武蔵(藤原竜也)の前に再び姿を現し、決闘のやり直しを申し入れるのですが、その場にいた周りの人々はなぜか執拗に決闘を止めようとします。
実はこの人々は幽霊で、彼らに「争いで命を落とすのはつまらないからやめろ」と諭され2人は戦いから身を引くという結末を迎えます。
生で見た方は手の込んだ舞台装置に感動するらしく、舞台で見れば違う感じ方もあるかも知れませんが、やっぱり結末が釈然としません。
再演は一部キャストが替わっています。
私は「天保十二年のシェイクスピア」など70年代の戯曲(の再演)の方が面白いと思いました。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5269892?lo=1
・・・
「表裏源内蛙合戦」も再upした(VHS3倍の映像で画質は悪い)のですが、もし気の向いた方がいましたら、ご試聴下さい。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8870118
・・・
<太田>
大江健三郎らとともに日本の平和憲法を守る「九条の会」のメンバーである
http://j.peopledaily.com.cn/94473/6958047.html
ことを含め、井上ひさしの政治的スタンス・・人民網が大追悼文を掲げるわけです・・は私は全く買ってませんがね。
<太田>(ツイッターより)
歴史って・・事実ってと言い換えてもイイ・・ホントに面白いですね。天国の淀川長治さん、聞いてる? 皆さんも、オモロイ史実ご存じなら教えてね。(コラム#3704「米仏「同盟」(その1)」参照)
<ハコダテメリー>(同上)
いわゆる「史実」とは違うかもしれませんが面白い映画を見つけたので紹介させていただきます
「ヨコハマメリー」
戦後の横浜、伊勢佐木町で、アメリカ人将校を相手に高級娼婦をしていた女性がいた。
月日は流れ、年老いた彼女は顔を白く塗り、すっかり都会になった横浜の人々に好奇の目で見られていた。
いったい、彼女はどんな人生をおくってきたのか。
彼女を知る人の証言を元に、”横浜のメリーさん”の人物像を浮かび上がらせてゆく
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10227174
評論の対象にもなりませんし、コラムの趣旨とも違いますがいい映画ですので暇なときにでもどうぞご鑑賞ください
<太田>
演劇、映画の話題が続いたので、今度はTVの話題。
米国のTVドラマで英国の俳優が大活躍をしている。
その理由を詳細に分析している記事。↓
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/magazine/8643941.stm
最後に音楽の話題です、
マイミクの大井浩明さん(コラム#3821)のご尊顔を本日早朝のNHK-Hの音楽番組で拝しました。
昔の小ちゃなピアノ(ピアノフォルテ等)を弾く大柄の大井さんの姿は、ほほえましかったですねえ。
<太田>(ツイッターより)
日本人はもっと積極的に世界に発信していく義務と責任があります。
人種主義とアングロサクソン文明至上主義とは似て非なるものです。そのアングロサクソン文明をより普遍化し、よりアップグレードされたグローバルスタンダードを追求するのが日本の世界史的役割です。 (コラム#3710「政治的宗教について(その6) 」参照)
<km_jetta>(同上)
具体的に何を、何の情報を発信すべきとお考えでしょうか?
<太田>
一言で言えば、人間(じんかん)主義と自然との共生です。
それでは、その他の記事の紹介です。
コラム#3953と3955で登場した、あのゴールドマンのTourreクン、米上院での公聴会で証言したんだねえ。↓
http://www.guardian.co.uk/business/2010/apr/27/goldman-sachs-fabrice-tourre
オバマ=ライト師=反ユダヤ、だとイスラエル人は思ってるっての知らなかったな。↓
・・・It is commonplace in Israel these days, even among educated and worldly people, to hear Obama and his aides labeled as anti-Semites. These Israelis cite Obama’s association with the Rev. Jeremiah Wright and what they consider to be his tough approach to Israel. Netanyahu’s own brother-in-law recently called Obama an anti-Semite.・・・
http://www.time.com/time/nation/article/0,8599,1984994,00.html
米海軍、エコ志向になってるようだね。↓
If you think of a puny, 3,000-lb. Toyota Prius when someone says “hybrid,” watch out for the U.S. Navy’s version: a 40,000-ton behemoth carrying attack planes, helicopters, missiles and more than 1,000 Marines. Much like the Prius, the new 844-ft. U.S.S. Makin Island is powered by thirsty gas-turbine engines for top speeds but uses electrical motors for slower travel.・・・
The Navy wants to deploy a “Great Green Fleet” by 2016, with all the task force’s ships and aircraft powered by nuclear, electric or biofuel. Last week, a Navy F-18 ? dubbed the Green Hornet ? flew for the first time on a 50-50 mixture of standard jet fuel (about $3 a gallon) and camelina oil ($65 a gallon)・・・
http://www.time.com/time/world/article/0,8599,1984626,00.html
ミャンマーはどこまでも堕ちていく。↓
The prime minister, General Thein Sein, and 22 other cabinet ministers were reported to have given up their uniforms on Monday. ・・・
No date has been given for the vote, which will be the country’s first in two decades, but it is generally expected to take place in October or November. The elections will bring into force a new constitution in which a new national legislature will be made up of 330 elected civilians and 110 military representatives. The junta members who have resigned would be counted as civilians.
”They will be wearing suits rather than uniforms, but it’s just the first stage in the transition from a military dictatorship to a civilian dictatorship,”・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2010/apr/27/burma-election-junta-civilians
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太田述正コラム#3976(2010.4.28)
<米国の世紀末前後(続々)(その3)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x817)
- 公開日:
いつも興味深く読ませていただいております。まだそれほど、年を食っているわけでもないのに、最近、めっきり目が弱ってきてパソコンの文字を読むのが辛いです。おかしなもので新聞や本の文字はどんなに小さくても平気なんですよね。どうか太田コラム、何冊かに分けて書籍として出版していただけませんかね。でもいまこの不況で手を挙げる出版社もないのかな(笑)。