太田述正コラム#4019(2010.5.20)
<皆さんとディスカッション(続x839)>
<太田>(ツイッターより)
シベリア出兵<(本日公開したコラム#3770)>で日本の足を引っ張った米国がもたらしたものの一つが、韓国の哨戒艦の爆沈だって言ってもいいかも。
問題は、本日の北朝鮮名指しに中共・・その存在自体、失敗に終わったシベリア出兵がもたらしたものだ・・がどう出るかだ。
<Chase>(同上)
今日の発表で、第二次朝鮮戦争の可能性まで視野に入れておくべきだと思います。第七艦隊は西海に展開予定とのこと。太田さんの今後の解説を期待致します。
<太田>
北朝鮮、いよいよ名指しされましたね。↓
「韓国海軍哨戒艦「天安」沈没を調査していた韓国軍・民間合同調査団は・・・「・・・『天安』は北朝鮮製の魚雷による外部水中爆発の結果、沈没したという結論に至った。以上の各証拠を総合すると、この魚雷は北朝鮮の小型潜水艦艇から発射されたという以外、説明のしようがない」と断定した。・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20100520000037
北朝鮮の反応で、調査団派遣の意向ってのが面白いな。↓
「北朝鮮・・・は・・・韓国海軍哨戒艦沈没の調査結果について、「政治、軍事目的の捏造劇だ」と批判。
制裁が行われた場合、「即時に全面戦争を含む各種の強硬措置で応じる」と警告した。また、「物証を提示すべきだ」と主張し、国防委員会の調査団を韓国に派遣する意向を明らかにした。」
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100520-OYT1T00541.htm?from=main3
中共は思案投げ首中。
せいぜい困んな。↓
「4月30日に上海で行われた中韓首脳会談で、韓国の李明博・・・大統領が、韓国海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没問題に関して北朝鮮への制裁措置などへの協調を求めたのに対し、中国の胡錦濤国家主席が約束を拒んで不調に終わっていた・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100520-OYT1T00056.htm?from=main1
「・・・ 韓国政府は19日、調査結果を共有してきた米国を除く、中国、日本、ロシア、英国、フランスなど約30カ国の大使を外交通商部に呼び、事前説明を行う方針だが、中国の張シン森駐韓大使は欠席を伝えてきたという。
中国は、張大使より格下のケイ海明公使が出席すると外交通商部に伝えてきたもようだ。張大使本人の判断ではなく、中国政府の考えを反映しているとみられる。・・・
中国は韓国の玄仁沢統一相が今月4日、公の席で張大使に「中国政府の責任ある役割が重要だ」と語った点を挙げ、「完全な非公開形式でなければ、調査結果を聞くことはできない」との立場に固執しているという。このほか、中国は外交ルートを通じ、「北朝鮮による仕業だという確実な証拠はない」「この事件は基本的に南北関係の問題にすぎない」といった立場を伝えてきたという。・・・
中国の奇妙な動きは、張大使による17日の国会訪問からも感じ取れた。張大使は同日、赴任あいさつのため、民主党指導部には会ったが、ハンナラ党は訪ねなかった。外国大使の就任あいさつは通常、与野党を同時に訪問するか、与党を先に訪ねるのが慣例だ。張大使は民主党を訪れた席上、「『天安』の事件が誰の仕業かについては明らかな証拠がないようだ」とも述べた。・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20100519000026
「・・・張大使は「20日に調査結果を発表するらしいが、それは確かなものだろうか。すでに公開された内容を見ると、まだ検討の余地はあると思う。確かな証拠はなさそうだ」と述べた。・・・
http://www.chosunonline.com/news/20100518000020
その間にも、韓国での反中共感情は高まりつつある。↓
・・・There is a rising tide of irritation in South Korea at China, which waited nearly a month to voice sympathy for those killed in the sinking.
“The level of South Korean anger against China is the highest I have ever seen,” said Brad Glosserman, executive director for the Honolulu-based Pacific Forum of the Center for Strategic and International Studies. ・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/05/19/AR2010051900388_pf.html
米国じゃ、対北朝鮮交渉戦略を続けるべきかどうか、白熱した議論が起きつつある。↓
交渉続けるべき:
・・・Negotiations with North Korea can be frustrating, but dialogue can work. It worked in 1994, when intelligence suggested that an unconstrained North could have bomb-making material for almost 100 nuclear weapons by 2000. The agreement reached months later prevented that. By the time that accord collapsed, in 2002, the North had enough material for only six weapons. Even limited success is better than none at all. ・・・
http://www.nytimes.com/2010/05/19/opinion/19wit.html?ref=opinion&pagewanted=print
交渉止めるべき:
Talking won’t work with North Korea
Vietnam ousted the murderous Khmer Rouge by force; expecting peaceful change in North Korea is folly.・・・
http://www.latimes.com/news/opinion/commentary/la-oe-kirk-cambodia-20100519,0,5640802.story
<υΒυΒ>(「たった一人の反乱」より)
太田は民主支持なんだろ?
でも小沢と鳩山を批判してる。
はっきりいって小沢と鳩山が消えたら民主は党として維持できなくなるけど、その辺わかってるのか?
まあ、こっちとしては面白いからいいんだけど
<太田>
むつかしいこと考えず、オバマ(1961年~)、キャメロン(1966年~)、サルコジ(1955年~)、メドヴェージェフ(1965年~)らと鳩山(1947年~)、小沢(1942年~)の年齢を比べてごらん。
首脳クラスの政治家としては、もうお引き取り願う時期なんだよ。
独裁国家じゃ、胡錦涛(1942年~)とか金正日(1941年~)とか珍しくないけどね。
それでは、そのほかの記事の紹介です。
昨日から始めた「米人種主義的帝国主義と米西戦争」(未公開)シリーズで改めて取り上げた本、また、書評が出てた。↓
http://www.csmonitor.com/Books/Book-Reviews/2010/0519/The-War-Lovers
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太田述正コラム#4020(2010.5.20)
<米人種主義的帝国主義と米西戦争(その2)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x839)
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