太田述正コラム#4111(2010.7.5)
<皆さんとディスカッション(続x883)>
<ββΩΩ>(「たった一人の反乱」より)
≫選挙の投票率は、低くなりそうだな。≪(コラム#4109。ΩββΩ)
 <期日前投票率は>むしろ上がってるみたいだよ?
http://sankei.jp.msn.com/region/chubu/shizuoka/100629/szk1006290313004-n1.htm
 他の県でも軒並み投票率は上がってるみたいだし。
 俺も自民にも民主にも入れたくない。
 って事でみんなの党の人気が鰻上りになる!  
 のかと思いきや、俺の住んでる兵庫県のみんなの党の候補者全然人気が無ぇ・・・。
 演説とかやってたけど見事に誰も聞いてなかった。
 サクラくらい仕込めばいいのに。
<takahashi>(同上)
選挙の投票率はワールドカップみたいに意外な結果になるかもな。
 みんなの党はいいか?
 渡辺喜美は<金融危機回避のために>アメちゃんに100兆円やろうとした男だぞ。
http://blogs.yahoo.co.jp/marukomu234/13022563.html
 太田さんのいうアメちゃんに媚を売る’買弁タイプの日本人’のような気がするがな。 しかも消費税アップにも反対だ。
 今時、消費税アップに反対する政治家は信用出来ん。
 せめて、民主党が外国人参政権や日教組の擁護をやめてくれたらいいんだが・・。
 いずれにせよ、自衛隊や防衛予算は常に負け組になるんだろうな。
<βΩΩβ>(同上)
 三橋はマスコミ批判とか良いこと言ってる。
 従来とは違う支持基盤を背景にした議員が誕生するかどうかが非常に興味深い。
 そういう意味では出馬した政党云々より、個人として注目している。
 期日前投票に行ってきたけど俺は与党には入れなかった。
 野党のくせに消費税アップを叫んでる政党はアホだな。
 与党の仕事だぜ。乗っかった管(というか財務省)の勝ちだ。
 ソブリンリスク絡みで世界的な「増税やむなし」の気運に国内世論を誘導しようという財務官僚の意図はミエミエだ。
 こういう大合唱のときは疑うべきだろう。
 この一事をとっても自民党はもう終わってるし、あとは消えるだけだ。
 意外とあっけなかったな。もう少し的確な批判をかまして攻勢に出ると思ったが。
<takahashi>
 確かに三橋のマスコミ批判はいいけどな。
 この男、中韓が嫌いなのは分かるが、日本が衰退しているという現状は認めんとな。
 中韓が台頭しているというべきか・・・。
 世界の現実は サムスン>ソニー、パナソニックだからな。
 「技術力は上」という寝言は無意味さ。
 インチキ経済理論を語って池田信夫にもツッコまれてたな。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/9d12bc548aa904618ab617c0478342db
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/044eb5740c69aa46e6740990db1a00c4
 オイラはこの男の人気が、日本の衰退を証明しているみたいで嫌になる。
 やばくなる時ほど、現実を認めたくないものさ。
>財務官僚の意図はミエミエだ
 オイラはひねくれ者かもしれんが、日本の財政に関しちゃあ、政治家より財務官僚の方がまともじゃないか?
 正直言って、消費税アップだけは与野党が協力してほしいね。
<ωωββ>(同上)
 天下りとかの無駄を省いてから税率上げるってのが筋なんじゃないの?
 穴の開いたバケツに国民の血をそそぐようなもんだと思うけど。
 もっともそんな事を言ってたら永遠に増税なんて出来んわなw
<ωβωβ>(同上)
>って事でみんなの党の人気が鰻上りになる!  のかと思いきや<(ββΩΩ)
 ネット保守層の4割近くは「たちあがれ」に期待しているらしい。
 アンケートとは言え、ビックリした(笑)
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid847.html
 569/(946 + 569)=0.37
 4割の計算。↑
 自民票がたちあがれに流れてるぅ。
<太田>
 まともな世論調査結果をもとに議論しようね。↓
 「・・・民主党は選挙区と比例代表を合わせて菅直人首相が目標ラインとする改選54議席は維持できそうだが、連立与党で過半数の56議席に届くかは微妙。・・・
 公明党は・・・参院第3党の座は揺るがない見通しだが、改選議席の獲得数でみんなの党を下回る可能性もある。みんなの党は・・・10議席台に躍進する勢い。共産党は比例で3議席、社民党は2議席と、ともに改選議席を1議席下回る情勢。たちあがれ日本と新党改革は比例で1議席に届くか微妙だ。・・・」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100705k0000m010066000c.html
<雅>
 こういう人がいたことを知ってほしい。
→杉山龍丸(すぎやま たつまる、1919年(大正8年)5月26日 – 1987年(昭和62年)9月20日)は、日本の陸軍軍人。インドの緑の父(Green Father)と呼ばれる人物である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%89%E5%B1%B1%E9%BE%8D%E4%B8%B8
 戦後の日本がどれ程、こういう人たちに感心が無いか、、、寂しいものですね。
 でも、こういう日本人がいたことを知ってほしい。
 と思って投稿しました。
 ちなみにこの人の爺様はあの杉山茂丸氏
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%89%E5%B1%B1%E8%8C%82%E4%B8%B8
<太田>
 フーム。杉山茂丸の生涯、痛快ですねえ。
 それでは、その他の記事の紹介です。
 ジェファーソンとジンナーの面白い比較です。
 お二人ともお盛んなことで・・。↓
 Thomas Jefferson and Mohammed Ali Jinnah: Dreams from two founding fathers・・・
 The two were born subjects of the British Empire, yet both led successful revolts against the British and made indelible contributions to the identities of their young nations.・・・
 As lawyers first and foremost, Jefferson and Jinnah revered the rule of law and the guarantee of key citizens’ rights・・・
  Both were involved in personal relationships that would later raise eyebrows (Jefferson with his slave mistress, Jinnah with a bride half his age).・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/07/02/AR2010070202442_pf.html
 トルコの自由主義度、まだこんなもんだったのね。↓
 ・・・YouTube is banned, thousands of Web sites are blocked and journalists are jailed for “insulting Turkishness,・・・
 More than 700 cases involving journalists are pending in the courts, according to Sibel Gunes, general secretary of a Turkish journalists association. Roughly 60 journalists are in jail. ・・・
 Turkey, which ranks 122nd of 175 countries in a press-freedom index・・・
 ・・・the most important factor is the polluted relations between the media owners and Ankara that make editorial independence impossible.・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/07/04/AR2010070404004_pf.html
 (プラトンは愛について語り、)アリストテレスは友情について語れり。↓
 ・・・Aristotle thought that there were three types of friendship: those of pleasure, those of usefulness, and true friendship. In friendships of pleasure, “it is not for their character that men love ready-witted people, but because they find them pleasant.” In the latter, “those who love each other for their utility do not love each other for themselves but in virtue of some good which they get from each other.” For him, the first is characteristic of the young, who are focused on momentary enjoyment, while the second is often the province of the old, who need assistance to cope with their frailty. What the rise of recent public rhetoric and practice has accomplished is to cast the first two in economic terms while forgetting about the third.・・・
http://opinionator.blogs.nytimes.com/2010/07/04/friendship-in-an-age-of-economics/?pagemode=print
<Fuku:翻訳>
≫こいつはすごいや。 ただ、記事の全文の翻訳なので形式的には著作権違反になりそうです。≪(コラム#4109。太田)
 そっか。そんなことはまったく考えませんでした・・・・・・目をつぶってくれることを祈ります。
≫私がMSワードにダウンロードした記事は、約110行でしたので、これだけで、更に半年分コラム名誉読者権が授与されます。 おめでとうございます。≪(同上)
 ありがとうございます。今累計で397ポイントだと思います。
コラム#4099より。
 トルコはイスラエルとの関係の冷却化をどんどん進めている。↓
 ・・・トルコはイスラエル駐在大使を呼び戻し、合同軍事演習をいくつか中止した。・・・
 トルコは、フリー・ガザの船団がイスラエル軍に襲撃され、9人のトルコ人パレスチナ支援活動家が犠牲になった先月の事件に対する明らかな報復として、イスラエル軍機のトルコ領空通過を禁止した。
 アンカラの政府当局は今日、イスラエル軍機はケースによってはトルコの領空入りを許される場合もある、と述べた。また、民間機が対象になるということは示唆されなかった。・・・(ガーディアンより)
 私が少し前に述べたように、その背景には、トルコのイスラム系与党政権による上からのトルコのイスラム原理主義化政策があるわけだが、かかる政策が採用されるに至った背景を、例のSpenglerがみごとに解き明かしている。↓
 ・・・第一次世界大戦以前、アナトリアの人口の5分の1は主にアルメニア教会とギリシャ正教のキリスト教徒だった。そのほとんど全員が追放されるか殺された。トルコ人は150万人以上のアルメニア人を殺したが、実際にはこの忌まわしい仕事はほとんどクルド人の民兵を雇ってやらせた(だから現在「トルコのクルド人」と呼ばれている人々は、1916年まで「西アルメニア人」だったのだ)。・・・
 イラクの指導者サダム・フセインは極悪人だったが、トルコ人にとっては役に立つ極悪人だった。1988年、イラク北部のクルド人に対するアンファル作戦は18万人を殺し、1991年の湾岸戦争後のクルド人に対する弾圧では10万人もが犠牲となった。トルコ人は対照的に、1980年代から90年代にかけて2万から4万人のクルド人を殺したと思われる。・・・
 イランはトルコで少数派のアレヴィー派に影響を及ぼしている。アレヴィー派は、いくつかの点でスンニ派よりシーア派に似ているイスラームの異端派である。アレヴィー派の正確な信徒数調査はないが、彼らはトルコの人口の4から5分の1を構成すると考えられる。イランの指導者だった故アヤトラ・ルーホッラー・ホメイニ師は、1970年代にアレヴィー派はシーア派内の一派であると宣言し、彼らは時折スンニ派トルコ人による暴力を被ってきた。
 イラク戦争は、クルド人に対する対ゲリラ活動で数十年間その手を血に汚してきたところの、ケマル主義的な軍の立場を危うくした。エルドアンのイスラム主義政権は世俗的なトルコ人アイデンティティーという弱い接着剤ではもはやトルコを1つにまとめることはできないと主張し、かわりにイスラーム的団結を通してクルド人に勝つことを提案する。クルド人はかなり伝統的なムスリムである。トルコ南東とイラク北部の田舎に住むクルド人は、トルコのスンニ派とは違って、しばしば女子割礼を実行する。
 2003年のイラク侵攻後、ジョージ・W・ブッシュ政権が、<米軍の足を引っ張り、対>イラク<戦争>で彼らの期待を裏切ったトルコの将校たちの後ろ盾となる理由はなくなった。かわりに彼らは、エルドアンが一種の「穏健なイスラーム」を代表しているとして、民主化する見込みのある他のイスラーム政体に模範を示すという理論に基づき、イスラム主義者の後ろ盾となった。エルドアンが2003年の議会選で勝利を得たとき、ブッシュは彼が首相に就任する前にホワイト・ハウスに招待した。それは、2007年に私が書いた通り、大半のトルコ人にアメリカはかつての世俗主義的トルコとの同盟を捨てたと確信させるジェスチャーだった。
 ブッシュ政権下の国務省は、エルドアンが奇っ怪なる超法規的な方法でもって世俗主義権力層を解体したときでさえ、「穏健なイスラム」という物語に固執した。国務省に対して公平を期せば、トルコが、とりわけ穏健な種のイスラムの本拠地であるという考えは、アメリカの外交政策分析家の発明ではなく、イエズス会のイスラーム専門家たちによるものだった。ドイツのイスラム研究者で、教皇ベネディクト16世の助言役であるクリスティアン・トロル神父と、彼の生徒のフェリックス・ケーナー神父がトルコのイスラームは比較的無害な種であるという見解を広めたのだ。 (アジアタイムスより)
<太田>
 後段ですが、
 After the 2003 invasion of Iraq, the George W Bush administration saw no reason to back the Turkish generals who had let them down in Iraq, and instead threw their backing to the Islamists, on the theory that Erdogan represented a sort of “moderate Islam” that would provide an example to other prospective democratic Muslim regimes.
は、
 「2003年のイラク侵攻後、ジョージ・W・ブッシュ政権が、イラクで彼らをがっかりさせたトルコの将校たちを支援する理由はなかった。かわりに彼らは、民主化する見込みのある他のイスラーム政体に模範を示すという、エルドアンが一種の「穏健なイスラーム」として示した理論に基づいたイスラーム主義者を支援した。」
を、
 「2003年のイラク侵攻後、ジョージ・W・ブッシュ政権が、<米軍の足を引っ張り、対>イラク<戦争>で彼らの期待を裏切ったトルコの将校たちの後ろ盾となる理由はなくなった。かわりに彼らは、エルドアンが一種の「穏健なイスラーム」を代表しているとして、民主化する見込みのある他のイスラーム政体に模範を示すという理論に基づき、イスラム主義者の後ろ盾となった。」
と変えました。
 (なお、<>の中で、踏み込んで補ったのは、邦訳だけでそれなりに意味が通じるようにするためです。)
 8+38-10=36で、36ポイントですね。累計433ポイントなので、既に2年分、コラムの名誉有料読者であり続けられますね。
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太田述正コラム#4112(2010.7.5)
<原爆論争(その4)>
→非公開