太田述正コラム#4117(2010.7.8)
<皆さんとディスカッション(続x886)>
<takahashi>(「たった一人の反乱」より)
 日韓戦後処理は不十分=「改めて決着必要」-官房長官
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010070700917
 やっぱり、民主党はどうしようもないな。
 調子の良い発言で問題に期待を持たせてしまう。
 過去の条約もなかったことになるのさ。
 相手は論理も事実もいい加減な韓国だぜ、アマちゃんすぎる。
 これを見ろ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E5%B1%B1%E9%87%8C%E6%88%A6%E9%97%98
 日本軍の戦死者数11が1000人以上に膨れ上がっている。
 民主党は左過ぎる。支持出来ん。
 民主党の幹部連中はこんな奴らばかりなんだろうな。
<太田>
 文字通りの保護条約であった日米安保の実質的保護条約への「改善」を実現した岸信介にしてこうだ。
 (最終的には事実上米側に押し切られたものの、)安保条約の適用範囲の(旧日本帝国版図への)拡大に、世論の反応を懼れて反対したんじゃなくて、信念として反対したってんだからな。
 そのココロは、岸は、((沖縄・小笠原を含め)日本への領域的脅威はないが、)朝鮮、台湾への領域的脅威はあるからこそ、朝鮮、台湾の防衛を米国にぶんなげ、日本はそのための米軍基地使用すら拒もうとしたってこと。
 吉田ドクトリン墨守者ここにあり。
 岸にしてそうなのだから、岸の衣鉢を継ぐ自民党「タカ」派のおぞましさの想像がつくというものだ。↓
 
 「外務省が7日、1960年の日米安保条約改定に向けた交渉記録などの外交文書を公開した。当時の岸信介首相・・・は58年10月に外務事務次官から条約案について・・・米側<が>旧安保条約の「極東」から「太平洋地域」への拡大を要求<しているとの>・・・説明を受けた際、「朝鮮、台湾の巻き添えになることは困る」と述べ、適用範囲の拡大に強い警戒心を示した。 ・・・」
http://www.asahi.com/politics/update/0707/TKY201007070497.html 
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010070701001015.html
 ところで、「青山里戦闘」なんて知らなかったな。勉強になった。
 ま、日本の人文社会科学も遅れてるけど、韓国の人文社会科学はそれよりももっと遅れてるってだけのことじゃないかな。
 
 さて、仙谷由人官房長官は、弁護士だから、自分の言っていることが法的に実現不可能・・韓国人の日本に対する個人請求権問題の寝た子を本格的に起こすようなことがあれば、サンフランシスコ平和条約で日本人が放棄させられた朝鮮半島への個人請求権問題まで再浮上してきかねない・・であることは百も承知で、天安撃沈事件で対北朝鮮認識において日米と足並みを揃えつつある韓国に対して意図的に政治的リップサービスを行ったというところだろう。
 あなた同様、愚劣なリップサービスであるとは思うけど、自民党「タカ」派のインチキタカぶりに比べればカワイイもんだよ。
<takahashi>(同上)
≫左」の社会新報と相性がよさそうなのは、私と「左」とは99%まで見解が同じだからなんだけど、やっぱヘンな話ではある。≪(コラム#4109に関する太田ツイッターより)
 ‘政権交代こそが日本独立のメカニズム’っていう太田理論は、頭では理解出来るが、民主党を前にすると、やっぱりダメだ。
 下半身が拒否反応を示してしまう。
 それにしても太田さんはアメリカに厳しいというべきか、愛憎半ばというべきか、複雑だな。
 一般の日本人にはアメリカに厳しい視線はないからな。
 ホント、太田理論って難しいな。
<太田>
>一般の日本人にはアメリカに厳しい視線はないからな
 私のようなデラシネの日本人から見ると、日本を東アジアにおける自由民主主義陣営の旗手の地位から引きずりおろすだけのために、東京大空襲や広島・長崎への原爆投下を平然とやってのけた米国に厳しい視線を向けない戦後日本人は、同じ日本人どころか、同じホモ・サピエンスとは思えないね。
<takahashi>(同上)
 大化の改新の真実。 
 大和朝廷において「大蔵」(国家財政)を担当したのが蘇我氏、その部下で出納係をしていたのが秦漢帰化人の子孫。このグループが天皇家の簒奪を図ったが阻止される。
http://www.kadokawagakugei.com/kokka/003/vol009/index.htm
 このことからわかること
1.天皇家の存続は日本の安全保障の役割を担っていた。
2.易姓革命の思想は野蛮である(中朝版マキャベリズム)。
3.日本と中朝は政治のメカニズムが違う。
 帰化人は日本文化を豊かにしたが、時に牙を向いたことがあったわけだ。
 現代の帰化人=移民の取り扱いは難しいねえ、帰化しない人もいるわけだから。
 安全保障感度0の状態だから移民を増やせば危険。
 移民を増やせば安全保障感度がアップする。
 鶏が先か、卵が先か論争のようなもんかな。
<太田>
 私の認識は、天皇家それ自体が帰化人であるというものだから、あなたのようなこと言われると目が白黒しちゃうんだな。
 この私の認識に近いのが、あるサイトの一連の記事だ。↓
http://blog.trend-review.net/blog/2008/08/000799.html#more
http://blog.trend-review.net/blog/2008/08/000801.html
http://blog.trend-review.net/blog/2008/08/000803.html
 Takahashiさん、太田コラムに関心あるのなら、私の縄文モード・弥生モード論の出発点と言うべき、(広義の)弥生時代(コラム#3989)について、(上出のサイトよりももっと)きちんとした典拠に基づき、裏付け的コラムを書いてもらえると大変ありがたいが・・。
 それでは、その他の記事の紹介です。
 イスラエルは現時点でイラン核施設攻撃をやろうとはしていないとさ。
 こういう話、信じることも信じないこともできないな。↓
  Israel is not at the moment considering a military strike on Iran to try to set back its nuclear program, U.S. Sen. John McCain said here Wednesday. ・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/07/07/AR2010070702936_pf.html
 1990年代末には分かっていた話のようだが、要するに運動すると頭が良くなるってこと。↓
 ・・・human and animal brains produce new brain cells (a process called neurogenesis) and that exercise increases neurogenesis. ・・・
 neurogenesis improves thinking.・・・
http://well.blogs.nytimes.com/2010/07/07/your-brain-on-exercise/?pagemode=print
 カナダ人による、次期元首チャールスへの厳しい批判。↓
 ・・・what Prince Charles does is write unasked-for letters of advice to people in government ? 1,869 of them between 2009 and 2010, according to Catherine Bennett not including the ones produced for him by his correspondence staff. That works out to five a day. This man doesn’t want to be dignified, chaste, wise, taciturn or even obedient to the rules of his democracy.
 He is a danger. He will be a disastrous monarch when the Queen dies・・・
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2010/jul/07/queen-canada-visit-prince-charles
<Fuku:翻訳>
 ほんの少しで申し訳ないですが。
コラム#4113より。
 トルコがかさにかかってイスラエルいじめをしてる。↓
 ・・・トルコは、ガザ地区を支援する「自由の船団」への襲撃事件をめぐって、イスラエルに対する態度を硬化させている。同国は今日、イスラエルが正式に謝罪するか事件に対する国際調査を受け入れなければ、国交を断絶すると警告した。・・・
コラム#4115より。
 よく知られているけど、中共の過小消費、米国の課題消費が分かる。↓
 ・・・中国の個人消費は国内総生産の36%に過ぎない。米国ではその割合は70%以上である。ヨーロッパと日本ではほぼ60%に達する。・・・
<太田>
 4+3=7で、7ポイントですね。
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太田述正コラム#4118(2010.7.8)
<映画評論5:サルバドル/遥かなる日々(その1)>
→非公開