太田述正コラム#4243(2010.9.9)
<皆さんとディスカッション(続x949)>
<太田>(ツイッターより)
鈴木も小沢も地元じゃ今でも人気あるけど、片方は検察・裁判所批判、もう一方は検察評価で検察審査会批判、と見苦しい限りだ。
いやもっと見苦しいのは、刑事被告人が議員に復帰し委員長まで務め、あるいは犯罪容疑者が総理になろうとしてること。
<riikos>(同上)
その通り!
<lhasa0619>(同上)
宗男にしろ、小沢にしろ、冤罪だの国策逮捕だのと騒ぎ立てる連中も多いようですが、太田さんはどう思われますか?
<太田>
具体的な報道をもとにお答えしましょう。
こいつはひどい。
権力の一端を担ってる宗男チャンがよう言うよ。↓
「・・・<鈴木宗男は、>「私の立場でつぐないながらも、声なき声や権力に打ちのめされた人たちのために頑張っていきたい」と述べた。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010090902000035.html
佐藤優の方は、「親分」の鈴木ほどはひどくないが、裁判官と検察官を同一視しているのはおかしいぞね。
鈴木宗男の属する立法府ないし行政府と司法府との権力闘争ってのは理論上ありうるけど、立法府(直接的には行政府)と、その下働きに過ぎない検察との権力闘争なんてのはありえないからだ。↓
「・・・「誰が日本国家を支配するか」を巡って、資格試験に合格したエリート官僚と国民によって選ばれた国会議員の間で展開されている熾烈な権力闘争・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/4996747/
この二人に共通しているのは、目的を達成するためには法律違反をやらかしてもかまわない、と思い込んでいることだ。
しかし、それが許されるのは国家の存続に関わるような場合だけだ。
この二人の場合、愚にも付かない目的や、エゴ目的だったんだから、それぞれ、もうちょっと恥じ入って欲しいねえ。
<少数株主>
小生は、工学部卒であり、ケインズ経済学も、マルクス経済学も、まったく勉強していない。
今まで必要性にせまられったことも無い。
経済学が理屈通りに行けば苦労しない。
だからこそ第三の道の必要性に迫られていると思う。
理系では、乗数<(コラム#4241)>といっても、状況によりいろんな場所に使われる。
応用物理の人が、何を指すか疑問に思っても不思議でない。・・・
<Fat Tail>
≫Fat Tailさん、このドイツのケースもソブリン債のデフォルトということになってるんだろうか?↓≪(コラム#4241。太田)
しっかりカウントされています。しかし、ご紹介いただいたケースについて、Webでさらりと見た限りでは、デフォルトは1933年*と記載されていますが、コラム#4237で紹介したRogoffの共同論文のP.27には、ドイツは1932年と1939年に二回デフォルトしたことになっています。
この1932年と1933年という1年のずれと、1939年のデフォルトの背景について、該当する説明サイトを未だ見つけていません。
継続調査したいところですが、1930年代以降の日本(戦前の満州を含む)における「経済統制」や「産業政策」は、お世辞にも上手くいったとは言えずむしろ失敗だった、という説に目下当っているところ(「消化」出来たら還元予定)で、このドイツの件はマロンさんや他の読者の皆様からのインプットを期待。
* “American bankers, lending people’s money to Germany was very profitable ”
http://www.thecanadiancharger.com/page.php?id=5&a=549
より、以下抜粋。
”In June 1933, German discontinued payments to a sinking fund used to amortize the bonds and in 1934, it ceased making interest payments on both the Young and Dawes Bonds. Although Germany was in default of its debt obligations, the outbreak of WWII made it impossible for bondholders to pursue any remedies. ”
こちらでも1933年とされている。
”Battle Of The Bonds: German gold-backed bonds”
http://www.canadianbusiness.com/markets/bonds/article.jsp?content=20060109_144841_3096
<太田>
>・・・1930年代以降の日本(戦前の満州を含む)における「経済統制」や「産業政策」は、お世辞にも上手くいったとは言えずむしろ失敗だった、という説に目下当っているところ(「消化」出来たら還元予定)
楽しみですねえ。
それはさておき、財政支出増の効果について、(米国の第二次世界大戦の時の話にちょっと出てきてましたが、)懐疑的な学者諸氏、心理的効果を無視し過ぎてやしませんか?
財政支出を増やした結果、例えば、失業率が低下すれば、就業できた人だけじゃなく、社会全体に明るく楽観的な気運が醸成されて、それが経済にも良い影響を及ぼすってことあるはずですよね。
<通りすがりのメルマガ会員>
–普天間秘録–
守屋元次官の著書読んだんですが、普天間問題で太田さんの言ってた事がやっと理解できました。
太田さんもNLP問題では大変な思いをされてたんでしょうねえ。
<太田>
いや、私なんぞ、守屋の足下にも及びませんぞ。
ちゅうのも、守屋は「問題」に「取り組んだ」かもしれないけど、彼自身が普天間に限らず、種々の防衛省がらみの「問題」の一部であり、「問題」を深刻化した責任者の一人だったんだから。
土台、そんだけでも「問題」が解決するワケがないやね。
いずれにせよ、前にも言ったけど、彼の書いてること、(国会で不確かな記憶で証言して偽証罪に問われ、有罪判決を受けたことからして、)信用しない方がよろしいよ。
それでは、その他の記事の紹介です。
何てことを。
予算の面でも人事の面でも法制の面でも内閣としての一体性確保は必要。
政治家が官僚を使えばいいだけのこと。↓
「・・・内閣法制局に対しては「憲法の番人のようになってすべての法律をオーソライズ(認可)する場所だと議論されているのは理解できない。内閣に法制局は必要ない」と廃止を明言した。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010090801001230.html
ま、せいぜい頑張ってくれたまえ。↓
「・・・全体としては菅氏を小沢氏が猛追する展開となっている・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100908-OYT1T01282.htm
男のダンスのどこが女性を惹き付けるのか、またそれはどうしてかが説明されている。↓
・・・Scientists say they’ve carried out the first rigorous analysis of dance moves that make men attractive to women. ・・・
”We thought that people’s arms and legs would be really important. The kind of expressive gestures the hands [make], for example. But in fact this was not the case,” he said.
”We found that (women paid more attention to) the core body region: the torso, the neck, the head. It was not just the speed of the movements, it was also the variability of the movement. So someone who is twisting, bending, moving, nodding.”・・・
・・・the men who were better dancers were also more healthy.
http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-11223473
天才は努力の結晶っちゅう前にも紹介した話が、また出てるな。↓
・・・in almost every arena in which tasks are complex, top performers excel not because of innate ability but because of dedicated practice.・・・
・・・chunking・・・
・・・it is not just effort, but purposeful effort that is key・・・
http://opinionator.blogs.nytimes.com/2010/09/08/sweating-your-way-to-success/?pagemode=print
アフガンで解放された常岡さんが、どうしてツイッターで発信ができたかが説明されている。
(彼、2000年にイスラム教徒になってんだね。)↓
http://thelede.blogs.nytimes.com/2010/09/08/how-a-captive-reporter-used-twitter/?pagemode=print
初めて、各国慈善指数が発表されたとさ。↓
1 オーストラリア、2 ニュージーランド、3 アイルランド/カナダ、5 スイス/米国
広義のアングロサクソンの絶対的優位の世界だね。
昨日紹介した、世界の大学ランキングと重なるねえ。
つまり、「慈善的≒知的」ってこと。
・・・A poll of 153 countries ranked global philanthropy in three categories: individual donations, volunteer time, and the number of people willing to help a stranger. <And> Gallup’s 2010 World Giving Index Report was released・・・
http://www.csmonitor.com/Business/2010/0908/Six-most-generous-nations-US-ties-for-fifth/United-States
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太田述正コラム#4244(2010.9.9)
<幸福論(その1)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x949)
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