太田述正コラム#4281(2010.9.28)
<皆さんとディスカッション(続x967)>
<qq>(「たった一人の反乱」より)
【中国人船長釈放】「尖閣周辺で日米共同軍事演習を」 民主党の長島前防衛政務官ら43人が「建白書」
「・・・過度な中国依存を避けると同時に対中牽制の意味(現代の「遠交近攻」策)から、ロシアとは、早期に平和条約を締結し、シベリア・サハリン(樺太)開発や対中央アジアへの共同支援などを通じ戦略的提携を急ぐべき。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100927/stt1009272233006-n4.htm
「ロシアとは早期に平和条約を締結し」って。北方領土を放棄するのかい?
平和条約締結時にしか領土は返って来ないのに。
サ条約直後に、日本は「放棄」に4島は含まれないって主張しているんだぜ。
ヨーロッパ議会は2005年7月7日に日本の立場を支持してるよーん。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%96%B9%E9%A0%98%E5%9C%9F%E5%95%8F%E9%A1%8C
それに、2006年~2007年にあれだけ樺太でのガス開発(サハリン2)で煮え湯を飲まされたのに、ロシアと組めるのかい?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%83%B32
<ζΔΔζ>(同上)
・・・細部を突く事より。有意義な部分を支持すべき。
おれは政府が中国政府に対して「侵略は断じて許さない。軍事的に解決する選択肢もある」と重ねて、中国側に言い渡すべきだと思う。
日本人は忍耐力がありすぎて、不必要な妥協をしすぎる傾向がある。
この辺で軍事オプションに言及して、日本当局の明確なスタンスを伝えるべきだ。・・・
<太田>
「ロシアと組める」とは思えないけど、中露の離間を図る算段はすべきだろう。
既に時機を逸した感があるが、2島返還・・私の持論・・で手を打ってロシアとの距離を縮めることは、常に考えてていいと思うよ。
<ΔζΔζ>(同上)
<長島前防衛政務官らの建白書↓、>法理論的に危ういなあ
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100927/stt1009272241007-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100927/stt1009272233006-n1.htm
<太田>
「尖閣諸島への灯台設置や警備強化、周辺海域での日米共同軍事演習の早期実施」や「尖閣諸島への自衛隊常駐」に特段「法理論的に危うい」ところはないさ。
ただ、依然として、集団的自衛権行使の禁止の解除による日本の「独立」=日米関係の同盟化、の示唆すらなされていないのはこの建白書の玉に瑕だけどね。
<クッシー>
中共への対抗手段になり得るでしょうか?↓
日本の持つ電子プリント基盤特許の輸出を止めると、ターゲットにされた全ての国の大部分の兵器が使用不可能になる。
戦闘機も、ミサイルも、戦艦も、戦車も動かなくなる。
当然、日本は中国軍等の、日本への敵対国の軍隊の動きを麻痺・崩壊させる目的で、この「カード」を使うことができる。・・・
http://j.mp/9fs8bN
<太田>
こっちの方が、ことごとくWTO協定違反であり、「法理論的に危うい」と思うよ。
<ΔΔζζ>(同上)
≫仙石官房長官が内閣を代表して検察に内々指示(事実上指揮権を発動)した、なんてことは考えにくいですね・・・。宗主国米国の意向、及び中共に係る諸事情(いずれも外務省が下掲の中程に出てくる外務省課長等から検察に伝達したと考えられる)も踏まえつつ、最高検限りの判断で船長の不起訴処分(釈放)を決定したと見ています≪(コラム#4275。太田)
ん?外務省が政府の命令ではなく、宗主国米国の意向(命令)に粛々と従い、船長の不起訴処分・釈放を決定<(検察に要請(太田))>した・・と言ってるのか。
仙石や前原はじめ政府が、この重大な日中の外交紛争問題をだ、検察が外交問題も含め独自の判断を下したって証言しているw。情けないが…。
これは日本の属国の証である、外交・防衛は宗主国にまる投げしているってことを公に認める、日本政府による“日本属国証言”ではないか~!!
云~、米国の手先機関のひとつが検察庁なのが、計らずも今回の尖閣の紛争で露見したという衝撃の瞬間!ヲヨヨ~
でも…余りにも幼稚というか、馬鹿阿呆というかぁ、こんなのが日本の姿なのか…と、脱力感。
で、こんな宦官みたいな奴等に、権力と地位を高給・高待遇をもって政治ごっこされているとおもうと腹が立たないほうがおかしいぞ。
<太田>
ボク、防衛庁(防衛省)でウン10年もそんな思いをさせられてきたんだぜ。
想像できる?
そんじゃ、ここで、尖閣諸島問題関連のその他の新聞記事をここで紹介しとこう。
ボクの「期待」どおり、中共が新たないやがらせ手段を講じてきてくれてるな。↓
「中国の税関当局が、レアアース(希土類)の対日輸出だけでなく、一般の貨物の輸出入の通関検査を厳しくしている。書類検査でなく抜き取って梱包を開ける検査の比率を大幅に引き上げたことで、通関手続きが手間取り、貨物の輸出入に遅れが出てきた。・・・」
http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C93819691E0E5E2E2E48DE0E5E2EBE0E2E3E29C9CEAE2E2E2;bm=96958A9C93819499E0EAE2E2E48DE0EAE2EBE0E2E3E2E2E2E2E2E2E2
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704082104575517023022462384.html?mod=WSJASIA_hpp_MIDDLESecondNews
「中国政府は・・・尖閣海域で漁業監視船による巡視活動を常態化することを明らかにした。・・・」
http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C9381959FE0E5E2E0878DE0E5E2EBE0E2E3E29F9FEAE2E2E2;bm=96958A9C93819499E0EAE2E2E48DE0EAE2EBE0E2E3E2E2E2E2E2E2E2
だけど、中共内でも、ちゃんと見てる奴は見てんだな。
キミはエライぞ。↓
「・・・中国国内在住の中国人ブロガー・・・<が>ブログ「張小潔の幸福生活」で・・・「同文章が削除も覚悟の上」として、今回の衝突事件を「日本が完勝した5つのポイント、中国が完敗した4つのポイント」などと分析。・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/5034299/
我々としては、勝者の余裕をもって(それが無理なら、せめてもったフリをして)事態の進展を見守ろうじゃないか。↓
「・・・中国の外交関係者は27日、中国側の関係改善のシグナルとして、中国政府が日本に求める謝罪と賠償についての表現に変化が出ていると指摘した。中国外務省は中国人船長の釈放を受けた声明で「日本側は謝罪と賠償をすべきだ」と求めたが、日本政府の拒否を受けた再反論では「謝罪と賠償を求める権利がある」(姜瑜副報道局長)と表現を変えている。
この関係者は「変化がなぜ分からないのか。日本がいきなり問題の原因を取り除き、すぐに『笑顔になれ』と言われても無理だ。時間が必要だ」と述べ、権利を主張しつつ、中国側は関係修復を模索し始めていると訴えた。」
http://www.asahi.com/politics/update/0927/TKY201009270388.html
ちなみに、ガーディアンは、私のこのような見解とほぼ同じ見解をDr Shogo Suzuki, an expert on Sino-Japanese relations at the University of Manchesterに語らせ、これがガーディアン自身の見解であることを示唆している。↓
http://www.guardian.co.uk/world/2010/sep/27/japan-china-fishing-boat-row
実際、中共情宣当局の、このいじましいまでの対日媚態を見てごらん。↓
http://j.peopledaily.com.cn/94473/7152773.html
あの船長も、これからはおとなしくさせられるみたいだぜ。↓
・・・While Mr. Zhan, the captain, received a public welcome upon his return to his home province of Fujian, Chinese authorities appeared to otherwise keep him largely out of the limelight.・・・
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704082104575517023022462384.html?mod=WSJASIA_hpp_MIDDLESecondNews
ところで、若干時間がかかったけど、私がコラム#4271で予想したとおり、希土類問題で米国が怒り出したね。↓
「米国務省のキャンベル次官補は27日、国連総会が開かれているニューヨークで記者会見し、中国漁船衝突事件の発生後、中国から日本へのレアアース(希土類)の輸出手続きが停滞していることについて「(日中間の)緊張を高めるだろう」と述べ、強い懸念を示した。・・・
米政府は、事件後、一貫して「2国間の問題」として立場を明確にしてこなかったが、中国をけん制する方向で一歩踏み込んだ。
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819499E0EAE2E2E48DE0EAE2EBE0E2E3E2E2E2E2E2E2E2
なお、中共、この件でも矛を収めつつあるようだ。↓
「大畠章宏経済産業相は・・・、中国によるレアアース(希土類)の事実上の対日輸出停止に関連し、マレーシアの日本企業で輸出停止が解かれたことを確認したことを明らかにした。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100928/fnc1009281251010-n1.htm
追い詰められてるからだろうが、東アジアで、非自由民主主義国側の「同盟」・・私に言わせれば弱者「同盟」・・・の方が先にできたみたいね。↓
「中国の胡錦濤国家主席とロシアのメドベージェフ大統領は27日、北京で首脳会談を行い、「第2次大戦終結65周年に関する共同声明」に署名した。
露大統領府によると、声明は、中露が「大戦の歴史を捏造(ねつぞう)し、ナチス・ドイツやその同盟者を英雄視する試みを非難する」内容になっている。尖閣諸島を巡る日中対立が深まる中、領土を巡る対日摩擦を抱える中露が日本への圧力をかけた形だ。
声明はまた、中露両国が「大戦の結果と教訓について、非常に近い立場である」ことを明示した。大戦を終結に導いた両国の貢献を評価し、同時に、中露の歴史認識の「正しさ」を主張する狙いがある。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100927-OYT1T01102.htm
朝鮮日報よ、じれったいねえ。
地域共同体なんてさしあたりどうでもいいから、東アジア・太平洋地区の自由民主主義諸国を束ねた安全保障機構の樹立に向けて論陣を張ってくれ!↓
「・・・北東アジアの安全保障の構図全体も不安定な状態へと流されていく可能性がある。北東アジアで「ヨーロッパの家」のような地域共同体を構想するのが難しい最大の理由は、力のある国家が力のない国家に手痛い傷を負わせた過去の記憶があるせいだ。中国は、100年前は被害者だった自分たちが、今では自国の利益を前にして、法よりもまず力を持ち出す国へと変容し始めたのではないかと自問してみるべきだ。」
http://www.chosunonline.com/news/20100928000034
中共、言うのは勝手だが、このリクツ↓だと、黒竜江以北の地域も外蒙古も、いや少なくとも外蒙古は「中国固有の領土」ってことになるんじゃないかい?
もちろん、中共がそんなことちょっとでも仄めかしたら、モンゴルはもちろん、ロシアだって怒り出すぜ。
「釣魚諸島は中国固有の領土である。早くは1561年、明朝の中国古代地図に釣魚島が中国福建省の海上防衛区域として記載されている。さらに清朝・康煕皇帝の冊封使として琉球王国を訪れた徐葆光の琉球録『中山伝言録』にも釣魚諸島に関する確かな記載があり、琉球王国の権威的な学者の見解として「琉球の姑米山(沖縄の久米島)は琉球王国の西南端にある主山、つまり国境線上にある主島」と説明されている。・・・
『日本外交文書』第18巻の記載によると、明治政府は1879年に琉球国を編入した後、釣魚島に領有権を示す標識(国標)を立てるため、1885年から3回にわたって秘密裏に調査を行った。そこから得られた結論は「『中山伝言録』に記載されている釣魚台(台湾・香港での呼称)、黄尾島、赤尾島などと同一の諸島に属する」ため、「清国との領有権交渉にかかわる」が、「現在の情勢とは合致しないように思われる」というものだった。ここから、釣魚島は占有された土地であると当時の日本政府がすでに認識していたことがうかがえる。ところが1894年7月に日清戦争を起こした日本は、下関条約の締結を間近に控えた1895年1月、勝利を確信すると、釣魚島に国標をひそかに設置した。・・・」
http://j.peopledaily.com.cn/94474/7152534.html
岡田民主党幹事長の発言、横文字にするとカッコイイねえ。↓
”Everybody knows that China is not a democratic country, but the latest demand will make that explicit” in remarks made to reporters in Nara.
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704654004575517153344634146.html?mod=WSJASIA_hpp_MIDDLESecondNews
最後に、周知の事実だけど、記録のために、ニューヨークタイムスの記事を借りて、菅首相と仙石官房長官の発言を掲げておくよ。↓
・・・On Sunday, Japan’s prime minister, Naoto Kan, called China’s latest demands “unthinkable,” a sign of his sensitivity to criticism that Japan had shown timidity to Chinese bullying.
“Naturally, we will be asking for the boats to be returned to their original condition,” the chief cabinet secretary, Yoshito Sengoku, told a news conference here on Monday. ・・・
http://www.nytimes.com/2010/09/27/world/asia/27japan.html?ref=world&src=me&pagewanted=print
————————————————————–
太田述正コラム#4282(2010.9.28)
<映画評論13:エリザベス/エリザベス ゴールデン・エイジ(その3)>
→非公開
<××××>
サー・ヒュー・コータッツィ&ゴードン・ダニエルズ編『英国と日本架橋の人びと』思文閣出版 1998年 からカーメン・ブラッカーの「サー・フランシス・テイラー・ピゴット F・S・G・ピゴット陸軍少将」、デニス・スミスの「サー・チャールズ・エリオット」の論考、イアン・ニッシュ編『英国と日本 日英交流人物列伝』博文館新社 2002年 からイアン・ニッシュの「サー・クロード・マクドナルドとエセル・マクドナルド夫人」、アントニー・ベストの「駐日大使[一九三七~一九四一]を勤めたサー・ロバート・クレイギー」の論考と、それにプラスして、重光葵の『外交意見書』から色々コピーして送ってみようかと思っているのですが・・・・・・いります?
<太田>
毎度サンキュー。いりまーす。
<××××>
なかなか面白いですよ、特にカーメン・ブラッカーのピゴット評は“ある意味”で秀逸ですし。
『・・・<ピゴット少将は>日本の一般および軍部の動向を観察する貴重な機会を誰よりも多く与えられた。
それにもかかわらず、彼の目には、迫り来る嵐の前兆は見えなかったようである。・・・
・・・“日本に超国家主義、全体主義的な軍部による支配、常軌を逸した神道の天皇崇拝等が台頭してくる不吉な前兆に全く気付いた様子は全くない”。
その事を物語るように、彼の<著書(断たれたきずな)>は、南京虐殺、ファシスト思想に支配された軍部、日本民族優位の神話の浸透、<etc…>・・・などという一連の題材には一切ふれていない。
・・・ピゴット将軍という人はとどまるところを知らぬ楽天家だった』(上記 p213)
ロンドン大学政治経済学院国際史学部のアントニー・ベストのクレイギー論考の結論は、基本的に太田史観を裏付けていると思います。
『クレイギーについて議論を呼ぶのは、クレイギーが駐日大使の任務を総括した最終報告書の中で、英国政府がワシントン会談(日米交渉)の決裂に影響を及ぼそうとしたのは失態であり、太平洋戦争は不可避ではなかった、と書いた点である。・・・
・・・<しかし、>米国が英国と一緒になって戦ってくれる事は、チャーチルと彼の顧問団にとっては、重要不可欠なことであったので、起こる可能性のある日本参戦のもたらすいかなるリスクをも凌駕するものであったと考えられていた。・・・
<「英国は米国の本国連合戦線への支援だけでは勝利を収め得ず、政策の優先順位を米国を直接参戦に誘導することに変更したが、クレイギーはこれを把握し得なかった」>
・・・<また、>クレイギーの報告書に対し<チャーチルは以下ようにコメントしている>
「・・・日本が米国を攻撃し、その結果米国が参戦したのは天の恩寵であった。英帝国にとってこれ以上の幸運は滅多にない。
日本の対米攻撃は誰が我々の味方であり、誰が敵であるかを明確に露呈した・・・」
どういう政策が英国の包括的利益のために役立つかということについて、<クレイギーの判断能力が失われていたと結論づけなければならない。>』(上記 p345、358)
重光葵の外交意見書は日本の国是と言うものが率直に語られています。太田史観を裏付け支援する史料であると思いますよ。
『・・・重光は、一体どのような対外戦略を構想したのだろうか。・・・それは「赤露包囲政策」というべき戦略である。
重光は「日本の現在必要な事は東亜の安定を確保すること」であり、「其目的の為に満州国を建設」したが「其満州国は赤露に依つて包囲されて」おり、「赤露は外蒙古を占領し、内蒙古を越えて支那の攪乱に努力して居る」と言う。
「一体東亜の安定を害するものは今日何処であるかと云ふと、赤露の軍備であり政策であり思想」であって、「この危険を如何にして除くかと云ふことが外交上の大問題」だと重光は言う。・・・日本の国益である「東亜の安定」に対する最大の脅威は、ソ連共産主義と考えられている。』
(武田知己 監修・解説 重光葵記念館 編『重光葵 外交意見書』現代史料出版 第一巻 2010年 解説から)
『重光が考える本来のイギリス外交なるものは、第一にソ連に対する強い警戒心を背景に持つことを特徴とする。・・・
・・・チェンバレン・ハリファックスの外交は、イギリス帝国の結合を堅持し、軍備を整え、フランスと結んでドイツ西進の際の本国及び植民地の防衛を図るが、東欧からは手を引いて、中欧方面ではドイツの進出に対し、勢力均衡を意識した仲裁的態度を維持しようとするとされる。
言い換えれば、たとえ、独ソ戦争が勃発するとしてもそれはかえって英国の利益であるから放任し、西方への戦乱の波及を考慮してフランスと共に防衛をあつくし、また、独伊には妥協を持ちかけて勢力均衡を保ちつつ、必要な場合は仲裁者として彼らの優位に立つ・・・』(同上)
『・・・「日本の差当りの任務は東亜安定の為に我東亜大陸に於ける地位を確固不動のものとするにある。換言すれば日本は赤露の危険に直面して居るのである、
日本は英国との間に東亜、南洋に於ては妥協点を発見し、其関係の融和を計ることが差し当たり不可能ではあるまい。」』(上記 p14)
<太田>
あなた、日本史の教師か教授でらっしゃいます?
あなたの名前で、私のコラムも使って「次著」書いて欲しいくらいですね。
それにしても、イギリス人とおぼしきブラッカーにせよベストにせよ、負け惜しみがひどいねえ。
また、重光は、ミズリー号上で日本の降伏文書に調印したわけだけど、さぞかし、そこに居並ぶマッカーサー達に軽蔑しきった思いを抱きつつ調印したんだろうな。
<太田>(ツイッターより)
–米国について–
・とにかく、英米と一括りにしないことだ。文明論的にも、そして歴史を振り返る時にも。そうすれば、米国を宗主国としている危うさに気が付くはずだ。
・アルフレッド・マハンなんてのは汚い帝国主義者の典型、ウッドロー・ウィルソンなんてのは唾棄すべき偽善者の典型だぜ。日米間の歴史認識にこそ、日中、日韓の間よりもはるかに大きいギャップがあることに、日本人、早く気が付かなくっちゃ。
・自分が偽善者であることに気付いていない偽善者ほど始末におえないものはない。そんな偽善者が好戦的であったら?・・。こんな偽善者達の巣窟が米国なのだ。宗主国サマ万歳!
・もちろん男はみんな戦争が大好きだ。だけど、戦争が大好きだなどと公言するような奴<(セオドア・ローズベルト)>は人間の屑だ。そんな人間の屑を要職(海軍次官)に就け、最要職(大統領)に選出する国。米国は狂っていた・・いや狂ってる。
–インドについて–
・にわかにインドづいちゃったね。実は、今書いてる映画評論シリーズの対象2本(英国映画)の監督もインド人だ。インド人個人には傑出した人が少なくないし、インドの民間企業にもすごいのが何社もあるけど、インドの政府は自由民主主義国中最悪に近い。
<秋の空>
「映画評論13:エリザベス/エリザベス ゴールデン・エイジ」<シリーズ>は公開が楽しみです。
<インド人監督>Shekhar Kapurのこの映画、扱ってる時代と事件が英国史・英国情報史の面白いところなんで太田さんの英国論・情報インテリジェンス論としても読めるのかな?・・・とか期待してしまいますね。
もっとも史実との乖離というのが気になるところが多々ありますけど(特にElizabeth: The Golden Ageの方)。
テキサス野郎を父親にもつ
http://www.facebook.com/pages/Cate-Blanchett/112206368791840?v=wiki
Cate Blanchett、演技しながら鼻をむずむすさせるのが気になるのですが・・・。
この映画、太田さんに紹介された方に感謝です。
Helen Mirren の Elizabeth I と対比してくださったらもっと良かったですね。
<太田>
この2本の映画とHelen Mirren の Elizabeth Iを、もよりのツタヤの店頭で以前目にしたけど、全部貸し出されてたところ、その後、mixiの太田コミュに書いた以下のような経過を辿って現在に至っています。
09月24日 エリザベス1世の映画を3本借りてきました。比較してみよってわけです。・ ・・
・・・いずれ、ご報告をするつもりでいます。
09月26日 エリザベスシリーズ2本を一昨夜、昨夜と2晩続けて鑑賞した。
太田アングロサクソン論用副読本的映画に指定しようかしら。
09月27日 『エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~<(Elizabeth I)>』を鑑賞したけど
、TVシリーズだとは気付かなかったな。しかも、その後編だった。
前編は、彼女の治世中の、上記映画シリーズ2本のカバーしている治世と重な
っているけど、やっぱ、借りてきて見なくっちゃな。
この前編・後編、エミー賞、ゴールデ・グローブ賞とってんだね。
なお、シリーズ1回目のコラム#4278(未公開)で、
「今回は、タイトルこそ映画評論ですが、評論とは言えないかもしれません。英国映画である、『エリザベス(Elizabeth)』(1998年)とその続きである『エリザベス ゴールデン・エージ(Elizabeth:_The_Golden_Age)』(2007年)を、私のアングロサクソン文明・欧州文明対峙論のイメージをつかみたい方に好適であることから、鑑賞することを勧める論、といったところです。」
と記したところです。
<24mizushima>(ツイッターより)
今太田先生が、菅総理に招かれて、軍事関係のアドバイスをしていらっしゃる<ってことありませんか?>
<太田>
ありませんし、ありえましぇーん。
<globalyst:翻訳>
コラム#4273より
チート違うんだよね。
「中共当局がおかしい」ことの背景が何であるかが、ワシントンポストの記事で詳細に説明されているので、紹介しとこう。↓
太平洋上の小さな群島を巡り激しさを増す日中間の紛争から、世界の各国政府では、誰が中共の外交政策をコントロールしているのかについて、懸念が高まっている。
軍部、主要省庁、国有企業の新世代当局者が、中共の外交をどのようにすべきかを決定し始めている。拡大する中共経済によって勢いづくこれら<軍部、主要省庁、国有企業の新世代>当局者達は、共産党首脳のリーダシップが低下していることに乗じて、10年前ですら不可能だったやりかたで彼らの利益を主張している。
以前、中共当局者は、米国における理解しがたい政策決定プロセスに文句を言っていた。今日では、米国政府から日本政府まで、中共の世界観を形成する急増中の特殊利益団体に対処することが如何に難しいかが話題となっている。・・・
<→軍部、主要官庁、国有企業がてんでんばらばらに勝手な言動を対外的に行うようになってるってわけ。>
日本では尖閣諸島、支那では魚釣諸島として知られる紛争中の諸島に関する今回の衝突は、人民解放軍に原因があると、日本の当局者らは言っている。
<→尖閣問題じゃ、軍部がしゃしゃり出てきただと。>
年初来、支那の輸出業者の代表である商務省からの当局者は、中国人民銀行および中共財務部からの反対の声にもかかわらず、中共通貨である人民元切り上げに反対して声高にロビー活動をしている。
<→元の切り上げ問題じゃ、商務省が抵抗してるとよ。>
イランの核兵器プログラム疑惑に対するイラン政府への国連制裁を中共政府が支持したにもかかわらず、中共の国営石油会社はイランで一層の事業展開をしている。
<→国有石油企業群が中共当局のイランに対する国際協調的制裁方針に反してイランからの石油輸入を増やそうとしてるとさ。>
核不拡散条約に調印していない国または原子炉への国際的セーフガードを備えていない国への核輸出を禁止する国際的ガイドラインに違反するように見えるにもかかわらず、支那の主要原子力会社はパキスタンへの100万kW原子力発電プラントの建設を望んでいる。パキスタンは核不拡散条約に調印していない。
<→原子炉関係企業が中共当局の方針の国際条約遵守方針に反してパキスタンに原子炉を輸出しようとしてるって。>
(続く)
<太田>
大変結構です。27ポイントですね。
それでは、その他の記事の紹介です。
その恐るべき安全保障音痴ぶりに私がしょっちゅう嗤っちまう、大前研一御大の言説だが、今回のはちょいとまともっぽいね。↓
「・・・国債の裏付けになっているのは国有財産と将来の税収(国民の負担)の二つである。小沢氏の国有財産証券化のアイデアは、この構造を破綻させるものだ。なぜなら、それは国有財産のうち価値のあるもの、金目のものを抜き出して、それを証券化しようというアイデアなのだから。・・・
・・・今回の代表選は、民主党およびそのアドバイザーたちの無理解ぶりを改めて浮き彫りにしたものだったと言えよう。・・・」
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100921/245943/
醜悪な田舎芝居、いい加減にして欲しいよね。↓
「北朝鮮の金正日総書記が後継者と目される三男の金ジョンウン氏に「大将」という軍称号を与えた。実妹の金敬姫・軽工業相にも同じ措置をとったという。軍経験のまったくない28歳の息子や妹に「大将」とは異例中の異例だ。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/100928/kor1009281110004-n1.htm
ワシントンポストは、米中貿易戦争勃発は避けられない、ってコラムを掲載した。↓
・・・the prospect of a trade war with China ・・・seems to be where we’re headed and probably should be where we are headed. ・・・
The collision is between two concepts of the world order. As the old order’s main architect and guardian, the United States faces a dreadful choice: resist Chinese ambitions and risk a trade war in which everyone loses; or do nothing and let China remake the trading system. The first would be dangerous; the second, potentially disastrous.
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/09/26/AR2010092603332_pf.html
しかし、ニューヨークタイムスは、そんな米国内の空気に水を差すコラムを掲載した。↓
・・・Japan was faced with a stark choice: back United States criticisms that China is artificially keeping down the value of its currency, the renminbi, or emulate China’s approach. It is a sign of the times that Japan chose to follow China at the cost of irritating America.
Japan’s action suggests that, in the aftermath of the recent financial crisis, the dominance of free-market thinking in international economic management is over. ・・・
In this climate, the market fundamentalism now represented by the Tea Party, based on instinctive aversion to government and a faith that “the market is always right,” is a global laughingstock. Yet more moderate figures from both parties largely hold the same view: a measure to punish China over its currency passed the House Ways and Means committee on Friday with bipartisan support. ・・・
The new model of capitalism evolving in Asia and parts of Europe generally requires government to be smaller, but more effective. ・・・
http://www.nytimes.com/2010/09/27/opinion/27kaletsky.html?ref=opinion&pagewanted=print
コラム#4263の繰り返しになるが、こんなに完璧な東独人たるメルケルが、東独の西独への併合の後、10数年で全ドイツの最高指導者になったところに、東独の、世界で唯一「成功」した、民主主義独裁下の社会主義体制の「偉大さ」がある。↓
「・・・”This penchant for stockpiling lies somewhere deeply inside me, because living amid the shortages (in the GDR) you just took whatever you could get.”
She added that her culinary preferences were also firmly rooted in the past. Her evening meal often consists of a bowl of Russian Solyanka soup or Hungarian Lecso stew, dishes typically served up in East Germany.
Her loyalty to GDR brands also remains intact: Until this day she uses a washing up liquid made by an eastern firm.・・・」
http://www.spiegel.de/international/germany/0,1518,719754,00.html
日本もアフガニスタンも(米軍が駐留してる)米国の属国だが、アフガニスタン国内で米国家安全保障庁が、アフガニスタンの一般市民の不祥事を暴くため、盗聴をしてるってこれだけオープンに書かれちゃうとはね。
米国、もちろん、日本でも同じことしてるんよ。
私が、日本のスネに傷ある主要政治家すべては、米国に首根っこを押さえられてるって言ってきた所以が分かるだろ。↓
「・・・The National Security Agency has been conducting electronic surveillance of a brother of the Afghan president, Hamid Karzai, as part of a corruption investigation into his business dealings in Afghanistan, according to United States officials. ・・・」
http://www.nytimes.com/2010/09/28/world/asia/28inquire.html?ref=world&pagewanted=print
ちなみに、カルザイ大統領のこの兄弟、かねてより不祥事の噂のある兄弟とは別人らしい。
同大統領、不肖の兄弟がたくさんいるようだね。
やっぱ、本人自体だって怪しそー。
フェラチオとインフレの語源は同じだったのね。納得。
久しぶりにダティ元仏法相が、その美しいお顔とともに記事にご登場されておるよ。↓
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-11419212