太田述正コラム#4475(2011.1.3)
<皆さんとディスカッション(続x1064)>
<ΔρρΔ>(「たった一人の反乱」より)
「異常」<(コラム#4473)>には二つの意味があるだろうけど、はて今回はどっちだろう。
役所は突飛な思想や先鋭的な考え方がまったく無い、平坦な世界の典型というだけの話じゃろう。
だから、突飛な考えをもつ人が多くて困惑する、ぐらいの意味だと思ったが・・・・・・。
何にしても釣られすぎだなw。
<ΡΡδδ>(同上)
基本的には自分とその賛同者と自分が賛同する人間以外は異常者なのであろう。
世界の99%以上は異常者。
<ΡδΡδ>(同上)
≫なお、「役人は定年後」云々って話は、久保卓也さんじゃなくて、池田久克さんが語っていたことだ。どこで書いたんだっけ? ≪(コラム#4473。太田)
おっつぅ。池田さんだったか。
太田さんが官僚時代に敬愛した人が3名ほどいたはずだけど、久保さんしか思い出せなかったね。
コラム#3174参照。
http://blog.ohtan.net/archives/51365385.html
<ΡδδΡ>(同上)
太田って都条例<(子どもの露骨な性行為が描かれた漫画などの販売・レンタルを規制する東京都青少年健全育成条例の改正)>はどう思ってんの?
<ΔρρΔ>(同上)
ブログにある「SEX」のカテゴリーの記事を見れば、だいたいの見解がわかるよ。
特に「ポルノと強姦」ていう記事が参考になる。
http://blog.ohtan.net/archives/50954186.html
http://blog.ohtan.net/archives/50954183.html
<δΡδΡ>(同上)
読んだ。
さすがは太田さん、素晴らしい分析。
ただ、それとはまったく別次元の話だけど、子供を性の対象とする写真誌・雑誌・漫画等に対しては規制が必要だとは思う。
子供に際どい水着着せて卑猥なポーズ取らせたり、また子供相手に目茶苦茶やってる漫画なんてのはさすがに批判されても仕方ない。
漫画を狙い撃ちしたとしか思えない今回の都条例はまったくの論外だけどね。
<δδΡΡ>(同上)
<ΡδδΡクン、>戦後、米国が地方に押し付けた首長制(大統領制)ではなく、戦前のような議院内閣制であったならば、その都条例は可決されたんだろうか?、とスンゴイ疑問。
米国的民主主義の首長制(大統領制)は、マジ勘弁だなあ、と。
<δΡΡδ>(同上)
以前、太田も中央が議員内閣制なのに地方が知事制なのは変だと言っていたが、その時は意味がよくわからなかった。
今回、石原都知事のイニシアチブの下に・・・自ずと日本全国に影響を与えるような法案が・・・東京で可決されたのをみて、太田が言わんとしていた事の意味がわかった気がするよ。
今回、可決された法案が少なからず日本国民のコンセンサスが反映されたモノであったならば、納得がいくのだけれども、実際は石原のイニシアチブで事を進められたんだから、たまったもんじゃない。
都民じゃないから、選挙の時に降ろす事もできやしないしな。
※(石原のイニシアチブで事が進められたという典拠)
http://www.47news.jp/CN/201006/CN2010060101000653.html
<AH>
≫米国人が、白人であれ非白人であれ、伝統社会を捨て去った(捨てさせられた)デラシネであるがゆえに、伝統を背負って生きているところの、米国以外の大部分の国や地域の人々のことが理解できない≪(コラム#4433。太田)
デラシネという言葉・・・は重く響きます。
<太田>
それでは、記事の紹介です。
内村のメインの主張は全くの誤り。
サブの主張である「キリスト教≒武士道」は、新渡戸稲造にもつながる、壮大なる善意の誤解。
福沢と柳田は矛盾なんかしてない。
日本の明治維新以来の歩みは、日本文明(柳田)がアングロサクソン文明(福沢)を継受したものだからだ。↓
「私・・・山折哲雄・・・はかねて「維新」の段階では、国の進路を定める三つの選択肢があったはずだと思ってきた。福沢諭吉と内村鑑三と柳田国男の思想を軸にする三つの進路である。国の将来を占う三つの可能性、といってもいい。
結果は周知の通り、福沢諭吉に発する富国強兵、殖産興業の路線で勝負がついた。・・・
当時、内村鑑三は、富国強兵と殖産興業にもとづく文明開化路線をまっこうから批判する論陣をはっていた。西欧文明の受容を説くのは結構だが、その土台をなすキリスト教を無視するならば、そんなものは要らない。精神原理を欠く軽薄な文明摂取につき進むだけで、本物の独立自尊を築きあげることなどできるものか、といったのである。
もう一つ、付け加えておきたいことがある。かれは、日本のキリスト教は武士道の理想を実現するものでなければならないといっている。キリスト教は「聖化された武士道」である、とまでいっているのである。・・・
柳田国男の場合は・・・民間伝承の探索にすすみ、日本民俗学の新分野を開拓した。伝統社会が蓄積した民衆の知恵に学ばずして、いったい何の社会改造ぞ、という意気込みだったと思う。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/110103/plc1101030309001-n1.htm
陸軍だけじゃなく、内閣でも、ほぼ同じ時期に内閣総力戦研究所(コラム#4193)でほぼ同じ結論を出していた。
問題は、陸軍や内閣でどうしてもっと早い時点でこの種研究をしていなかったかだ。
もっとも、考えて見りゃ、一番問題だったのは海軍じゃないか。
海軍は、日露戦争以降、一貫して米海軍を仮想敵としてきたのに、まともな日米戦に係る総合研究をしてこなかった上、1941年時点でのこの2つの研究の一致した見解・・2年は戦える・・に反して、開戦後半年経たない時点・・ミッドウェー海戦・・1942年6月初・・で早くも敗北を決定的にしてしまったんだからね。↓
「70年前の日米開戦前夜。正確に日本の国力を予測しながら、葬り去られた幻の報告書がある。
報告書を作成した「戦争経済研究班」を取り仕切ったのは、陸軍中佐の秋丸次朗。1939年9月、関東軍参謀部で満州国の建設主任から急きょ帰国した。同班は「秋丸機関」の通称で知られるようになる。
英米との戦争に耐えられるかどうか、分析を命じられた秋丸。東大教授の有沢広巳、後の一橋大学長になる中山伊知郎ら著名学者を集め、徹底的に調べることにした。・・・
調査開始から1年半を経た41年半ば。12月8日の日米開戦まであと数カ月の時期に、陸軍首脳らに対する報告会が催された。意を決するように、秋丸が言った。
「日本の経済力を1とすると英米は合わせて20。日本は2年間は蓄えを取り崩して戦えるが、それ以降は経済力は下降線をたどり、英米は上昇し始める。彼らとの戦力格差は大きく、持久戦には耐えがたい」。秋丸機関が出した結論だった。
列席したのは杉山元参謀総長ら陸軍の首脳約30人。じっと耳を傾けていた杉山がようやく口を開いた。「報告書はほぼ完璧で、非難すべき点はない」と分析に敬意を表しながらも、こう続けた。「その結論は国策に反する。報告書の謄写本はすべて燃やせ」・・・」
http://www.nikkei.com/news/topic/article/g=96958A9C93819FE0E0E5E2E29B8DE0E5E3E0E0E2E3E2819A93E2E2E2;q=9694E1E2E3E0E0E2E3E2EBE6EBEA;p=9694E1E2E3E0E0E2E3E2EBE6EBE0;n=9694E0EAE3E0E0E2E3E2EBE1E1E7;o=9694E0EAE3E0E0E2E3E2EBE1E1E4
順序が違うだろ。
まず、集団的自衛権を行使できるようにしてからモノを言え!↓
「前原外相・・・はこの中で、「北朝鮮の武力挑発は朝鮮半島はもちろん、東アジアの安定と平和を脅かす行為」と指摘し、「韓国と安全保障分野でも同盟関係を結ぶことを希望する」と述べた。
外相は「新年の日本外交の最大の懸案の一つは、隣国と堅固な安保体制を構築すること」と強調し、今年初めに訪韓して、金星煥(キムソンファン)外交通商相と日韓の安保協力を協議する考えを示した。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110103-OYT1T00026.htm
在留外国人の数もまた減り始めてるんだね。
おお、日本在住者は、日本人も外国人も急速に消滅へと向かっている!↓
・・・In 2009, the number of registered foreigners here fell for the first time since the government started to track annual records almost a half-century ago, shrinking 1.4 percent from a year earlier to 2.19 million people — or just 1.71 percent of Japan’s overall population of 127.5 million. ・・・
Foreigners who submitted new applications for residential status — an important indicator of highly skilled labor because the status requires a specialized profession — slumped 49 percent in 2009 from a year earlier to just 8,905 people. ・・・
A survey of roughly 2,400 voters earlier this year by the daily Asahi Shimbun showed that 65 percent of respondents opposed a more open immigration policy. ・・・
http://www.nytimes.com/2011/01/03/world/asia/03japan.html?_r=1&hp=&pagewanted=print
宗主国米国における上下への階層分化は、アングロサクソンと欧州のキメラたる米国の中南米化、ひいては欧州化を意味する。
属国日本は移民受け入れの点では米国を見倣い、他方、米国は均質社会の点では日本を見倣わにゃいかんバイ。↓
・・・Opportunity in America isn’t what it used to be either. Among children born into low-income households, more than two-thirds grow up to earn a below-average income, and only 6% make it all the way up the ladder into the affluent top one-fifth of income earners・・・
Children born into poverty in Canada, Britain, Germany or France have a statistically better chance of reaching the top than poor kids do in the United States.
What’s gone wrong? Thanks to globalization, the economy is producing high-income jobs for the educated and low-income jobs for the uneducated — but few middle-income jobs for workers with high school diplomas. Thanks to the decline of public schools, it’s harder for poor kids to get a good education. And・・・thanks partly to the rise of two-income households, intermarriage between rich and poor has declined, choking off another historical upward path for the underprivileged.・・・
http://www.latimes.com/news/opinion/commentary/la-oe-mcmanus-twous-20110102,0,1072882,print.column
中共の一人っ子政策の起源を解き明かそうとした試みは買うが、イマイチ説得力に欠けるね。
日本の学者、チャレンジを!↓
・・・When Deng Xiaoping took charge of population control in the early 1980s, he was inspired not by Maoist ideology but rather by social Darwinist ideas advanced by some of China’s leading scientists. Their theories framed China’s large and growing population in Malthusian terms as a crisis of modernization: too many people of too backward a type.・・・
・・・this theory rested on the outmoded science of eugenics・・・
In the quest for “superior” children and mothers, Ms. Greenhalgh explains, Beijing put aside social, cultural and political factors, and discriminated against whole classes of low-quality people: “rural residents, rural migrants to the cities, women, minorities, and those with substandard bodies” as well as “deviants” such as homosexuals and unmarried couples. She writes, “Some ‘low-quality’ citizens (such as women) have been targeted for energetic, state-sponsored improvement campaigns, while others (rural people for example) have been essentially abandoned as useless to the modernization effort.”・・・
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704735304576057300258180310.html
中共のミサイルの「脅威」(コラム#4473)はともかくとして、その海軍戦略にこそ「脅威」を感じるべきだとするコラムが出てた。
無人艦載機(海軍)と長距離爆撃機(空軍)を整備しろってさ。↓
・・・what should rightly concern American military planners is not so much the missile but the new Chinese naval strategy behind it.
China seems increasingly intent on challenging United States naval supremacy in the Western Pacific. At the same time it is aggressively pressing its claims to disputed offshore islands in the East and South China Seas. Washington must respond, carefully but firmly.
The Pentagon must accelerate efforts to make American naval forces in Asia less vulnerable to Chinese missile threats by giving them the means to project their deterrent power from further offshore.
Cutting back purchases of the Navy’s DDG-1000 destroyer (with its deficient missile defense system) was a first step. A bigger one would be to reduce the Navy’s reliance on short-range manned strike aircraft like the F-18 and the F-35, in favor of the carrier-launched N-UCAS, a longer-range unmanned strike aircraft. The Air Force should also drop its plans to buy 2,000 short-range strike planes but no long-range bombers. ・・・
http://www.nytimes.com/2011/01/02/opinion/02sun2.html?ref=opinion&pagewanted=print
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太田述正コラム#4476(2011.1.3)
<映画評論19:ロビン・フッド(その5)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x1064)
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