太田述正コラム#4577(2011.2.23)
<皆さんとディスカッション(続x1115)>
<太田>(ツイッターより)
カダフィの最期はどうなるか?
1:反体制派に捕まって殺害される、2:反体制派と戦って戦死する、3:反体制派の包囲下で自殺する、4:外国に逃亡する。
後、時期の問題もあるけどね。そう先じゃないだろうが・・。
オフ会のノリで行くけど、小沢の処分、ようやく決まったね。
小沢、鳩山(由)のどっちが先に議員廃業に追いこまれるかな。
それにしても、カダフィと違って殺される恐れがない日本は何ていい国なんだろう。
怒!
<玄左衛門>
<コラム#4340、4342、4344、4346の「ガリレオ」シリーズを読みました。>
ガリレイを論ずるならその著書を通読してからの方がよいでしょう。
→私のコメント部分が、引用部分に対するものとして誤りがある、あるいは誇張が過ぎている、というご批判ではないようですから、それは、いささか私が引用した本の著者に対して失礼というものではないでしょうか。(太田)
「近代科学」の意味するところが正確には分かりませんが、デカルトなどの懐疑精神が大きいと思います。
ニュートンはその第1法則はガリレオに依るといっています。
→典拠が必要です。(太田)
ガリレイ『新科学対話』1638より
定義 任意の相等しい時間内に物体の通過する距離の相等しい直線運動を,等速直線運動という.
公理1 同一の等速直線運動において長い時間内に通過する距離は,それより短い時間内に通過する距離よりも大きい.
定理2 静止から等加速度運動を以て落下する一つの物体によって通過されるべき距離は,それらの距離を通過するに要する時間間隔の平方に比例する.
落体の法則を思考実験するなど合理的思考の先駆者ではないでしょうか。
→合理的思想の先駆者は多数いますが、とりわけ重要なのは古典ギリシャの哲学者/科学者達でしょう。
先のご質問「「近代科学」の意味するところ?」についてのお答えでもありますが、私は、合理論/演繹論的科学は「近代科学」ではない、経験論/帰納論的科学こそ「近代科学」である、というアングロサクソン的な見方・・この本の著者もそうです・・をとっており、しかるがゆえに、ガリレオは、「近代科学」の先駆者ではなく、いわんや「近代科学」者ではありえない、と考えているわけです。(太田)
<ΦδΦδ>(「たった一人の反乱」より)
衛星映画劇場 アカデミー受賞作品特集「フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白」
2011/02/23 24:45 ~ 2011/02/24 2:33 (NHK衛星第二)
番組概要
ロバート・S・マクナマラ
番組詳細
03年アメリカ。かつてケネディ、ジョンソン両政権で国防長官を務めたロバート・S・マクナマラへのインタビューを通して、キューバ危機やベトナム戦争など、アメリカ政府の内部で彼が関わり、また身近に体験した知られざる歴史に迫るドキュメンタリー。エロール・モリス監督。字幕スーパー。
今晩放送だけど、この映画って既出?
<太田>
コラム#213と4535で出てくるよ。
夜遅いし、見るのは止めとく。
それでは、記事の紹介です。
まず、中東革命関係から。
買春(選挙資金をそのために流用した疑惑を含む)の「自由」を謳歌した前NY州知事のエリオット・スピッツァー(Eliot Spitzer)
http://en.wikipedia.org/wiki/Eliot_Spitzer
が、中東革命において米国の理念たる「自由」が追求されている、と米国讃歌コラムを書く。
これぞブラックユーモアの極致だ。↓
・・・Whatever critiques people in the Middle East may level at the United States, they feel that that we do stand taller than any other nation when it comes to the single fundamental principle of freedom.・・・
http://www.slate.com/id/2285996/
で、焦点のリビア情勢だ。
<反体制派への寝返りがどんどん続いている。↓>
「リビアでオベイディ公安相が・・・、反体制派に合流するとして辞任を表明、軍部隊に対し、最高指導者カダフィ大佐(68)への反乱を呼びかけた。・・・
軍出身のオベイディ氏は一連の反体制デモ発生後、デモ隊に対する外国人傭兵部隊の投入に反対したとされる人物。同国北東部の部族出身で、東部住民や軍に影響力があるといわれる。」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110223/mds11022308570011-n1.htm
「リビアの駐インド大使を辞任したエサウィ氏によると、軍の部隊が反政府デモ側に加わる動きも出ている。同氏は・・・「軍の一部が外国人によるリビア人殺害を見るに堪えず、政権に離反して反体制派に合流している」と述べた。・・・
<駐バングラデシュ大使も辞任したとの報道がある。>
リビアの駐米大使アウジャリ氏は二十二日、「カダフィ大佐の退陣を求める」と述べ、辞職の意向を明らかにした。アルアラビーヤによると、駐仏大使も同日辞職した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011022302000045.html
<空軍の向こうを張って(?)リビア海軍のフリゲート艦も1隻マルタ島に「亡命」。↓>
・・・A Libyan naval frigate which sailed in the Maltese capital, Valletta, was thought to be seeking to surrender.・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/feb/22/muammar-gaddafi-urges-violent-showdown
<スウェーデンのリビア大使館では、デモ隊に王政時代の旧リビア国旗掲揚を許した。↓>
・・・At the Libyan Embassy in Sweden, diplomats allowed protesters to raise the flag of the deposed Libyan monarchy for the first time since Gaddafi took power in 1969. ・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2011/02/22/AR2011022203488_pf.html
<ただし、引用しなかったが、首都トリポリは反体制派が抑え込まれているし、東部、例えば、東端に近いトブルクでも、まだ体制派が見かけられる。↓
なお、地名は下掲↓で確認のこと。>
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Ly-map.png
・・・But it is also clear that deep divisions remain. Even in this coastal town, more than 900 miles from Libya’s capital and in an area that has slipped well beyond the government’s control, some still support Gaddafi, who has ruled this country for 41 years. ・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2011/02/22/AR2011022207366_pf.html
<そうは言っても、東部でまだ体制派との間で騒擾が続いているのは、ベンガジの南方のみ。↓>
・・・Only around the town of Ajdabiya, south of the revolt’s center in Benghazi, were Colonel Qaddafi’s security forces and militia still clashing with protesters along the road to the colonel’s hometown, Surt. ・・・
<イタリアへの海底パイプラインを通じた石油供給はストップされた。↓>
The Italian oil company Eni confirmed that it had suspended use of a pipeline from Libya to Sicily that provides 10 percent of Italy’s natural gas.
Opponents of Colonel Qaddafi tightened their control of their area around Ajdabiya, an important site in the oil fields of central Libya・・・
http://www.nytimes.com/2011/02/23/world/africa/23libya.html?_r=1&hp=&pagewanted=print
<ブレア元英首相は、首相当時英国とリビアの関係を修復させただけでなく、個人的にも裨益したらしい。どんどん剥げ落ちるブレアのメッキ。↓>
・・・Shortly after shaking hands with the Libyan leader on Feb. 24, Blair announced that the Anglo-Dutch oil company Shell had inked a deal for gas exploration rights off the Libyan coast worth $550 million. It was later revealed that Blair had personally lobbied the Libyan leader for the deal, using a letter drafted for him by Shell. ・・・
<ベルルスコーニ現イタリア首相もブレアと同じことをやった。だけど、彼の場合、「個人的裨益」してても、誰一人驚かないだろう。↓>
Berlusconi convinced Qaddafi to look past old colonial grievances by means of a $5 billion reparations package, agreed upon in 2008. Qaddafi then flew to Rome in June 2009 to officially announce a deal to curb illegal immigration, allowing Italian patrols to return would-be migrants to Libyan ports.・・・
Italy imports 20 percent of its oil from Libya, and Italian energy companies have invested heavily in Libyan infrastructure ・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2011/02/22/a_regime_we_can_trust?page=full ・・・Gaddafi and Berlusconi have a famously warm personal relationship. Less well-known, however, is the fact that Berlusconi is in business with one of the Libyan state’s investment vehicles.・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/feb/22/gaddafi-libya-oil-wealth-portfolio
<どうやってリビア革命が始まったかが詳細に書いてある。↓>
http://www.time.com/time/world/article/0,8599,2053198,00.html
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太田述正コラム#4578(2011.2.23)
<日英同盟をめぐって(続)(その17)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x1115)
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