太田述正コラム#4605(2011.3.9)
<皆さんとディスカッション(続x1129)>
<太田>(ツイッターより)
 サイフ・カダフィのLSE博士論文は引用文献600付の立派なものであり、テーマは自由民主主義の北アフリカへの適用だったという。
 マイケル・コルレオーネは殺されなかったが、サイフは父とともに死ぬだろうってさ。
 (コラム#4414に関し)米国の北部人と南部人のどっちが好きかって? そりゃ南部人だよ。
 北部人と違ってホンネとタテマエの使い分けをしないからね。
 だが戦前の日本の外交官達のように北部人のタテマエ論を信じ込む愚か者はひきもきらない。
<将門>
 –自衛官に早期退職制度 防衛省検討–
 <表記についてコラム#4601での>回答ありがとうございます。
≫それなら定年を1年か2年前倒しにすればそれなりに解消されると思うけど?≪(コラム#4603。χχδδ)
 自衛官のみなさんとしては、定年延長されてきた経緯みたいなものがあって、じゃあ今後どうするんだよとかおもってしまいますね。
 最年長27で入隊できるとすれば、年金もらうためには52当たりまで働かないといけない。でも、恩給制度があればどうでしょうとかも思います。
 年金、恩給、早期退職というのは、
≫人件費の抑制プラス組織の若返りさ。≪(コラム#4603。太田)
 これを達成するために重要なファクターなのかなーと思いました。
≫自衛隊早期退職制度・・・が施行されたら、間違いなく強制首切りが始まるでしょう、。≪(コラム#4603。χχδδ)
 果たしてどうでしょう?
 自衛隊は体育会系部活甘ったれ組織なのでそう言うことが起こるでしょうか?
 安易な首切りは団結の低下を招くなどといって、なかなかうまくいかないのではないかなと思います。
 曹士は特にそうなのかなと。
 肩を叩きやすいのは任期制隊員ですが、それでは若手になってしまいますし、40代を首切るとなると、勤務成績等は年功序列な自衛隊的には、体力測定でノルマに達していない隊員を切るくらいが関の山なのかなーと思います。
 そして馬鹿ばっかりが残ってしまう。かも…。
<ΨΔΔΨ>(「たった一人の反乱」より)
≫アメチャンは、沖縄の人々だって日本(本土)の人々だって、侮蔑してるのは同じだ。≪(コラム#4603。太田)
 以前、「一般人(海外赴任したとしても)が、属国であることを蔑まれる機会なんて無いからちゃう? (コラム#3448)」と書いたんだけど、メア発言で裏取りできたのは、太田コラム的には良かったんじゃなかろうか。
≫いずれにせよ、公式に問われたら、日米両国政府とも、遺憾の意を表明せざるを得ないわね。≪(コラム#4603。太田)
 一般人が、このような米国務省官僚の生々しい本音を聞ける機会はほぼ無いってことだよね↓。
 「大田昌秀氏・元県知事
 失言ではなく本気でそう思っている。オフレコと自己弁護しているが、単に本音が出ただけだ。
 歴代の総領事は、少なくとも沖縄に敬意を持っていた。メア氏は沖縄の人の心や魂を金で買い取れると思っている。」
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-03-09_15209/
<太田>
 メア日本部長は、国務省を辞めてから発言すべきだったし、少なくともオフレコであることを学生達に徹底すべきだった。↓
 「・・・ フランソワ・ド・カリエールはルイ14世に仕えた17世紀から18世紀のフランスの外交官である。その著書「外交談判法」(邦訳=岩波文庫)は、今日でも世界各国で外交に携わる者の必読書といわれる▲カリエールはだまし合いが珍しくなかった当時の欧州外交にあって外交使臣は「交渉において誠実であるべきで、ウソをつかぬことが大切だ」と訴えた。また同著は交渉者の専門職化の必要も主張した。つまり近代のプロの外交官による持続的な外交を提唱したのだ▲この本では外国使臣が赴任国の王や大臣の行状をけなして不信をかうのは「交渉家に許されぬ非常識」と述べられている。だが非常識に陥る者は何人もいて「必ず告げ口するに決まっている廷臣の前で任国の宮廷の利害に対して甲斐(かい)のない反感をあらわにする」のだ・・・▲カリエールは先の「非常識」な行いについて、自分の感情のために国の利益を損ない「自らの無能力や不忠実を証明するもの」と手厳しい。そして言う。「よい助言者がいる君主ならば、こういう過ちに陥る交渉家を召還するに違いない」
http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/news/20110309ddm001070028000c.html
<ΨΔΔΨ>(「たった一人の反乱」より)
 <– http://www.ohtan.net/video/takajin20071028.html について–>
 米軍基地や思いやり予算は自発的なのか強制的なのかと、↓のやりとりはダブりますねw
橋下 太田さん、もし民間企業の、例えばサービスを提供する側、行政っていうのはサービスを提供する側ですよ。もし太田さんのような言い分を言ったらね、お金を払う側は払わないですよ。税金払わない。
太田 払っておられるんですよ。
橋下 払っているんじゃない!
ざこば 取られとるんや!(会場笑い)
原口 強制徴収されている。
橋下 徴収されているんだから、そりゃ誰もね、そんな太田さんのサービスにね、払おうなんて思わないですよ。そこがね、官僚の考え方の根本的な誤りですわ。
太田 違う!「サービスいらないから金取っとけ」って言って渡しているわけ、国民が。(会場どよめく)
ざこば そんなことない。そんなアホなことを言うな!
橋下 「サービスいらないから金取っとけ」なんて誰が言うんですか!
http://www.ohtan.net/video/takajin20071028.html
 <ところで、>
>太田 だってその、彼正直に「せいたく」(?選択か)めいた事があるようなことも口走っているけども、はっきりした「せいたく」(?)なんか無いんじゃないかと思うんですよね。それから・・・
請託
>その程度のことは次官跨ぎではないですよね。
その程度のことは次官マターではないですよね。
では? <TAさん。>
<qq>(同上)
外国人永住者に地方参政権を与えたくて与えたくて、ムズムズしている先生方。
前原誠司
典拠
http://www.youtube.com/watch?v=AroUJq243Es&feature=related
http://www.mindan.org/shinbun/news_bk_view.php?corner=2&page=1&subpage=3531
小沢一郎
典拠
http://www.youtube.com/watch?v=yxl2y1frfI8
池田大作・太田述正
典拠は省略させていただきます。
<ΔΨΔΨ>(同上)
>外国人永住者に地方参政権を与えたくて与えたくて、ムズムズしている先生方。
>太田述正
 太田コラムを読めば<qqクン>がいかに恥ずかしい書き込みしちゃったのか解かるんだけど、太田コラムは質・量共に難易度が高すぎてニワカには理解しきれないってのはいつもの事とはいえ反応に困る。
<太田コラム読者>(2011.3.6)http://8706.teacup.com/uedam/bbs?page=3&
・・・太田氏のコラムの取り上げ方について、多いに問題があると思いまして、投稿させて頂きました。
 これまでの吉田茂の評価について、本日のコラムの中で太田氏より以下のコメントがありました。
http://blog.ohtan.net/lite/archives/52065448.html
《→植田さん。私のこの二つの吉田観 180度違うんだよ。私のコラムの読み込 み方が足らないぞ。(太田)》
《そりゃ無理な話だよ、植田さん 私の議論をつまみ食いするってのは不可能なんだぜ 自分が重篤の病に罹っていることにう すうす気づき始めているようだが、あな たが快癒するためには、まずもって、自 分の理論という穢れをきれいさっぱり洗 い流す決意をしなくっちゃ 植田さん、国民主権ではない英国は 自由民主主義国なの? 戦前の英国 は?・・という私の問いかけに対して いつまで逃げ回ってるつもりなのさ(太田)》
 私も、そろそろ豊下説から離れた方が良いと思います。
 昭和天皇に対する評価も太田氏の方が正しいと思います。(植田さんとは、180度違います)
 もっとキチンと太田コラムを読んでから、太田説は引用して下さい。
http://blog.ohtan.net/lite/archives/52065448.html
<植田信>(2011,3,6)http://8706.teacup.com/uedam/bbs?page=3&
 –豊下説のどこが間違いなのか、私も知りたいですよ–
 ・・・太田コラム読者さん、太田氏の私へのコメントの紹介をありがとうございました。
 気にかけていただいて、まことにありがとうございます。
 イギリス人の場合は、簡単です。
 自然理性です。
 それで彼らはオーケーです。 
 わざわざ明文化する必要なし、と。
 たとえば、ホッブスの政治哲学を見よ、と。個人は社会に先行する、です。
 とりたてて問題にすることでもないと思っていますが、明示しておく必要はありました。いや、まだ当分先でいいかな、と思っていたのですが。
 遅ればせながら、書いておきます。
 まだいいか、と思っていたのですが、今ここにこうして書いたのは、予定よりも早かったです。昨年来、3人目ですよ、太田氏のサイトから警告してくれたのは。
 労力に応えて、です。
 日本人の場合は、律令理性なので、マッカーサー憲法に寄りかかるしかありません。
 憲法が作ってくれた戦後の国民主権の民主主義です。
 戦前の日本は、天皇・議会制民主主義、でいいでしょう。
 ただし、国民主権はなし、と。
 律令理性・日本人には、ここは大きな違いです。
 もちろん、議会制度的には、戦前も戦後も変わりありません。だから太田氏の説も、それはそれで間違いでありません。
 ついでに、太田氏コラムさんでも、その他の人でも、できたら太田氏の豊下説へのコメントを紹介してくれませんか。
 律令理性論には、かなり重要なところです。
 そんなに豊下説に間違いがあるのであれば、私も早く目が覚めたいです。
 ここはカール・ポパーの説に従って、反証が出るまでは、その仮説でいこう、です。
 間違いが分かったら、私の代わりに、仮説が死んでくれる、と。
 太田氏には、あまり焦らないようにとお伝えください。
 誰よりも、私は太田氏の応援団を自認していますから。
 横井コンセンサスは、面白いですよ。
 そうそう、どこかに「小室直樹には見るべきところはない」との太田氏のコメントがありました。いまどき、こういうコメントを口にできるのは、太田氏くらいのものだろう、と感心しています。
 それはそれとして、まあ、一人くらい、まったく勘違いして解釈している人がいてもいいではありませんか、と。
 まだまだ先は長いことだし、そのうちに、合致してくることでしょう、と。
 太田氏も私も、生きているうちには、憲法9条は変わらないでしょう。
 あまり一致していたら、議論する必要がなくなってしまいますよ、と。
 しかし、太田氏の関係者の皆さん、私の説が気になりますか?
 気になるようでしたら、ともあれ、共闘戦線を張っていきましょう。
 対米従属から、日本は、早く自立せよ、と。
 太田説の「正確な」解釈は、太田氏コラムの読者の皆さんにお任せします。
 ちなみに、豊下説のどこが間違いなのか、私には大いにスリルです。
 スリルとサスペンス。刑事コロンボよりも、名探偵コナン君よりも、やはり、学問のほうがはるかに面白い、と。
 追加。
 私が豊下氏を批判するとすれば、あまりに軸足を日本国憲法に置きすぎている、というところです。それまたメイド・イン・USAなのに、と。
 それでは昭和天皇が可哀想だろう、と。」
<太田>
 反発しつつもどうしようもなく惹かれてしまう太田コラムなんだろが、それにしても往生際の悪い患者であることよ。
 植田患者のビョーキの主なものは2つだ。
 一つは、彼ができそこないの合理論者であることだ。
 欧州哲学が好きみたいだからねえ。
 欧州哲学、というか、合理論哲学は、ボクは大学1年生の時に読むのを止めた。
 数学書を読むのと同じで、アタマのトレーニングにはなっても、人間社会の現実を理解するには役立たないからだ。
 しかし、たで食う虫は好き好きだから読むなとまでは言わない。
 より深刻なのは、彼が、「できそこない」の合理論者であることだ。
 何で「できそこない」かと言うと、彼、ボクの書いてるものさえ「正確」に理解することのできない・・「まったく」の「勘違い」ばかりする・・人間だからさ。
 (例えば、ボクのかつての吉田論は合理論的思考のたまものであるのに対し、ボクの改訂吉田論は経験論的思考のたまものであり、吉田ドクトリンの生誕理由の説明としては180度異なるのに、全くそのことに彼は気づかない。)
 そんな彼、たとえ原語で欧州哲学書をすらすらと読める語学力があったとしても、それらを「正確」に理解できるはずがない。
 いわんや、訳本によってをや。
 そんな彼が、毎日のように「難解」な欧州哲学についてウンチクを垂れ流す。
 これほど時間と労力を空費するマンガチックな営みはこの世にあんまし存在しないだろう。
 
 もう一つは、彼が唯文化論者であることだ。
 文化論が無価値であるとは言わないが、それは、他のあらゆる説明を試みた上での最後の、しかも補完的な、(説明ならぬ)申し開きの手段であるべきだ。
 さもないと、文化論は宿命論に堕してしまうからだ。
 文化論、とりわけ日本文化論は、ボクは高校生の頃に読むのを止めた。
 宿命論が嫌いだったのと、何よりも読めば読むほど思考停止状態(バカ)になるからだ。
 植田患者は、自分の思いつきのトンデモ文化論を、毎日、呪文のように繰り返すことで、日々、よりバカになり続けているわけさ。
 (ボクの設問に対して、彼は「反証」を「出」そうとせず、植田トンデモ文化論で、というか、植田マニア以外にとっては全くワケのわからぬ隠語をつぶやいて・・その上全く関係ない(、しかもどうせ彼が「正確」に理解していないであろう)豊下楢彦説のことまで持ち出して・・逃げたところに、彼のバカさかげんの到達状況が端的に表れているねえ。)
 植田患者がどうしてこの二つのビョーキに罹ったかについての私の想像はあえて明かさないが、ボクは「焦」ってるどころか、大変な努力家でありかつ太田コラムに惹かれている彼に、もっと生産的な余生を送って欲しくて、ただそれだけのために、袖擦り合うも何かの縁で厳しいことを言ってるんだよ。
 少なくとも、「応援団を自認」して、「正確」に理解できてもいない太田コラムを「共同戦線を張る」つもりで紹介するなどという誇大妄想狂的はた迷惑だけは止めて欲しいんだな。
 
 それでは、その他の記事の紹介です。
 まず、リビア革命関連から。
 <ザウィヤ危うし。また、引用しなかったが、体制派は東部でも大攻勢をかけている。↓>
 ・・・The regime of Colonel Muammar Gaddafi has launched a devastating assault on the opposition-held town of Zawiyah, deploying up to 50 tanks and scores of pickup trucks carrying troops.・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/mar/08/gaddafi-forces-devastating-attack-on-zawiyah
 <英国は、一貫して飛行禁止区域設定を唱え続けている。↓>
 ・・・The British prime minister, David Cameron, expressed what seemed to be the prevailing European opinion on Tuesday when he said the preconditions for a no-flight zone were “regional support, a clear trigger for such a resolution and an appropriate legal basis.”・・・
http://www.nytimes.com/2011/03/09/world/africa/09libya.html?pagewanted=print
 <NATOは既にリビア空域の24時間空中監視体制に入っている。↓>
 Nato has launched 24-hour air and sea surveillance of Libya as a possible precursor to a no-fly zone・・・
 <湾岸協力会議(GCC)、イスラム諸国会議機構、アフリカ連合(AU)、及びアラブ連盟事務局長が飛行禁止区域設定に同意したってんだけど・・。↓>
 The Gulf Co-operation Council, the Organisation of the Islamic Conference and the secretary general of the Arab League have called for the protection of Libyan civilians while rejecting the intervention of western ground troops. Turkey, the most reluctant Nato member state, has relaxed its opposition and allowed contingency planning to go ahead.・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/mar/08/un-no-fly-zone-nato-libya
 <NATOのリビア附近での態勢が一目で分かる。↓>
 Libya unrest: Nato military strength in the Mediterranean
http://www.guardian.co.uk/world/interactive/2011/mar/08/libya-nato-no-fly-zone-interactive-map
 国際婦人デーにちなんだ企画(スランドショー)を二つ発見。↓
 <地理的意味での欧州に限定するとはケツの穴の小さいことだ。↓>
 3,000年間にわたる戦士たる女性7選
http://www.guardian.co.uk/books/gallery/2011/mar/08/international-womens-day
 <欧米及びその旧植民地まで対象が広げられている。上記と2人がダブってる。↓>
 反逆的な女性16人選
http://www.time.com/time/photogallery/0,29307,2057714,00.html
 米国、ついに地上戦闘部隊への女性配置に踏み切るか?↓
 Should the U.S. military allow women to serve in ground combat — largely in infantry and armor units — to help their careers? A new report from the Military Leadership Diversity Commission says yes. ・・・
http://swampland.blogs.time.com/2011/03/08/u-s-military-leadership-too-male-and-too-white/
 サンプルが片寄っているし、小さいが、両親が離婚した子供は5年間近く平均寿命が縮むんだって。↓
 ・・・The early death of a parent had no measurable effect on children’s life spans or mortality risk, but the long-term health effects of broken families were often devastating. Parental divorce during childhood emerged as the single strongest predictor of early death in adulthood. The grown children of divorced parents died almost five years earlier, on average, than children from intact families.・・・
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703529004576160601149946420.html?mod=WSJ_Opinion_LEFTTopOpinion  
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太田述正コラム#4606(2011.3.9)
<ニッシュ抄(その2)>
→非公開