太田述正コラム#4628(2011.3.19)
<皆さんとディスカッション(続x1142)>
<コラム#4626の訂正>(ブログは訂正済)
だから、体制派が最終的にリビア全土を「解放」する可能性がある。

だから、反体制派が最終的にリビア全土を「解放」する可能性がある。 
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<みき>
 突然のメール申し訳ありません。
 無礼を承知で送らせていただきました。
 この度の震災が起こり、苦しんでいる方が助けを求めています。
 その記事を読んでいただきたくメールさせていただきました。
 防衛省に直接お届けできるメールアドレスがないか、必死に探していてこちらにたどり着きました。
 すがる思いでメールさせていただいております。
 被災者の声、聞いてください。
 お持ちの広い人脈で、テレビには映らないこういった方々の救援を真剣に呼びかけていただくことはできないでしょうか?
 私は一般市民…命を削って助けに行ってあげたくても叶いません。
 被災地の方が貴重な携帯の電池を使い、アメブロ等で助けを求めています。
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私は今いわき市にいます。
 逃げたくてもこのいわき市にはガソリンがありません。
 2ヶ月の子供と1サイの子供がいます。
 1サイの子はこんな時に高熱40℃以上だしてて病院つれていきたくても遠くに行くガソリンがありません
 ご飯もたべなくて弱ってきてる状態です
 医者も警察官も逃げてしまいました
 食べもの、水もそこをついてます
 哺乳瓶もあらえなくてすごいくさったにおいをしていてこのままじゃ
 でもいわきはもう汚染されてるみたいな感じでテレビで言われ、記者、配給きません。
 放射能も全然あたっていいぐらいの量で大丈夫なのにテレビではいわき市には入るなと言われたって言ってる人がいて…
 測る機会だってあるのに汚染されてると勘違いされこのまま食料もこないままお腹すいた子供になにもできず死ぬの待つしかないのでしょうか
 これを見てるみなさん
 どうかいわき市にガソリン、食料、子供用品を必要としてることお伝えしていただければ嬉しい限りです
 コピーなどして皆様につたえて欲しいです。
 私も電話などをしてこれないかといったところいわきにはいけないと言われ私たちはとりのこされ見捨てられた
 国がうごかなければ私たちは死ぬのをまつしかない
 私はどうなったっていい
 子供だけでもたすけて欲しい
 このような救える命を助けてあげてください。
 しのさんより
 小さな命が失われませんように。どうか助けてください。
 自衛隊などのへの連絡もおねがいします
 3538 ■届けてください Twitterより—–
@skmt09 助けて下さい!【至急拡散希望!】宮城県の亘理小学校で物資不足深刻化。一つのおにぎりを4人で分けて、それが一日の食料です! 水ガスも全くありません!避難民600人です!拡散して情報を伝えて下さい!お願いします!
〒989-2351 宮城県亘理郡亘理町字下小路22-2です (via @Shinobustyle)
<太田>
 いわき市の状況は、かねてよりTVでも報道されていましたし、状況が改善されてきている↓ようですが、上記を掲げさせていただきました。
 「バス復旧 都内到着 いわき、仙台から・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011031902000049.html
<1218tomonari>(ツイッターより)
 <リビアの安保理決議が採択されましたが、>化学兵器等をばらまいて国民を道連れにする可能性はありませんか?
<太田>(ツイッターより)
 リビア政府が停戦を発表した。
http://bbc.in/frWkXm
 カダフィもここは年貢の納め時だと観念したわけだ。
 この分じゃ、彼、逃亡オプションを選びそうだな。
 何はともあれ、これ以上の住民の流血がなくなるのはいいことだ。
<太田>
 「ロイター通信によると、リビアのカダフィ政権の軍は18日夕、反体制派への軍事行動の即時停止を宣言した後も、西部での反体制派の拠点ミスラタで砲撃を続けた。また中東の衛星テレビ、アルジャジーラは同日夜、政権軍が北東部の反体制派本拠地ベンガジに接近、ベンガジから約50キロ離れた町で反体制派と衝突したと伝えた。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011031901000076.html
 「フランス大統領府は18日の声明で、米英両政府と共に、リビアのカダフィ政権に対し、即時停戦や武力で奪回した都市からの撤収、反体制派の本拠地ベンガジへの進撃中止などを要求した。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011031901000081.html
<temtemxxx>(同上)
 あなたの考えに賛成です!!アメリカなしの日本を実現しましょう( ̄∧ ̄)ゞ
<一読者4>
 ・・・米軍は今回、自らの兵士が死ぬかもしれない状況には、兵士を投入せず、設備は提供するが東電社員等に操縦を任せている状況です。
 わかりきったことではありますが、もしこの状況を懸命に楽天的に考えるとすれば、太田さんの目的である「日本の独立」に対する機運が国内で高まってくるかもしれませんね。
<太田>
 私も気づいていましたがが、苦笑しただけで、<昨日の>コラムには書きませんでした。
 <そういうトーンで>書くべきだったかもね。↓
 「・・・福島第1原発への散水について、東京電力職員が米軍横田基地・・・で、放水車の操作方法の指導を受けた・・・。」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110316/plc11031614100014-n1.htm
<santa>
≫<散水の代わりに散雪をするのは>直感的に余り良い方法とは思えませんが、原子炉/冷却プールにお詳しい方、ご意見をどうぞ。≪(コラム#4625。太田)
 雪は液状の水に比べると密度が低く、空気の混入量も多いために、かさばる割には少量の水になってしまいます。
 氷の場合にも質量と体積の面からは少々不利ですが、空気の混入量が無視できるや、搬送の簡便さの点、液水より低温度で冷却効率の高いという面からは有利ですが、落下給水等の乱暴な給水をせざるをえない状況の下では、逆に廃燃料棒や有効に利用できる機器を破壊してしまう危険性が高いので、あまり効率のよい方法ではないように思います。 
 しかし、皆でこのような意見をだしあうとヒット策が見つかるかもしれませんね。 
 いずれにしても技術的な情報が不足しているので困ったものです。
<唯我独尊>
 構造物は、さまざまな要素(実験、経験などによるデータ)を付加した力学に基づいて、さらに安全(具体的数値による)にも配慮して設計されます。
 原子炉本体の安全のみに注力し、発電施設全体に対するバランスの良い安全対策は、経済性の観点からなおざりにされたのではないでしょうか。
 結果を批判するだけのマスコミのように後出しジャンケンになり申し訳ありません。
 後出しジャンケンにならないために付け加えますが、なかば強引に進められているスーパー堤防(高規格堤防)も、極めてアンバランスな安全に対する投資のように見受けられます。
 気の遠くなるような工期と交渉と工費によって完成した後、このスーパー堤防が期待を裏切ったとき、想定外だったという簡単な一言だけで納得するのは役人たちだけではないでしょうか。
 ホンモノの有識者および専門家らの十分な協議を望みます。
高規格堤防:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%A4%E9%98%B2
<MS>
 <コラム#4625のεζζεさんの>書き込み一点おかしいところがあります。
 動画を見てる時間がないのですが(かつちょっと回りくどい説明ですが)、
1.「放射線量は距離の二乗に反比例して弱まるが、放射性物質は一粒でも吸い込んだら距離がミクロン単位まで縮まるので怖い。」というのはちょっと誤解のある表現です。2.「その違いを隠蔽して空間線量だけを問題視するTV解説者は御用学者らしい。」というのもおかしいです。
 1の前半に関しては、別の早野さんtwitterがでもとの書き込みにもあったと思いますが、降雨などの条件にも作用されます。二乗といっているのは、おそらく等方的に放射性物質が拡散した場合です。その過程のもとでも飛行中に崩壊してより非放射性の物質になるものがありますから、あくまで近似です。
 従って、その空間において測定された線量(その空間にどれだけのそしてどんな放射性物質が漂っているかできまる)がまずは重要です。(その線量にかけるところの、吸い込んだ空気の量に、体内被曝の強さが決まるので。)
 放射性物質を吸い込んだ時には、その放射性の原子核からベータ線、ガンマ線、アルファ線などがでるので、その放出位置と、細胞との距離、その間の物質(体内の空気、水など)が問題になります。この影響が距離の関数としてどう変化するかは、上記の線量の距離にたいする分布とは全く違う話です。したがって、1の文の前半と後半は全く関係のない事柄です。
 <従って、>
2. <「その違いを隠蔽して空間線量だけを問題視するTV解説者は御用学者らしい。」についてですが、>1の前半と後半の「距離」は、そもそも全く違う事柄なので、解説者は、距離の違いを隠ぺいしているつもりはないと思いますよ。
<私有自楽>
 4号機の後ろ山側に使用済み核燃料はどのくらいの量が保管されているのですか?
 その保管状態はどうなっていますか?
<太田>
 以下の記事があります。(昨日の二回目のディスカッションに掲げた記事からの抽出です。)
第一発電所全体:
 The electric utility said that a total of 11,125 spent fuel rod assemblies were stored at the site. That is about four times as much radioactive material as in the reactor cores combined.
4号機(_Reactor No. 4)
 The 1,479 spent fuel rod assemblies there include 548 that were removed from the reactor only in November and December to prepare the reactor for maintenance, and these may be emitting more heat than the older assemblies in other storage pools.
 朝日にも載ってましたが、上記NYタイムスより1日遅れたんじゃないかな。↓
 「全基のプールにある核燃料集合体は計4546本。・・・六つの原子炉がある福島第一原発のうち、4号機のプールの発熱量はとくに大きい。使用済み燃料783本のほか、まだ使い終えていない燃料548本が保管されている。・・・使い終えていない燃料の方が使用済み燃料より熱が大きいことも発熱量の大きさに影響している。・・・」
http://www.asahi.com/national/update/0318/TKY201103180577.html
<太田>
 その他の日本の記事の紹介です。
 よかったよかった。↓
 「福島第1原発:東京、「健康上の危険ない」 IAEA・・・」
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110319k0000e030024000c.html
 「福島第1原発:日本への渡航制限「必要なし」 WHO・・・」
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110319k0000e030023000c.html
 「東京電力は17日夜、ツイッターの公式アカウント(http://twitter.com/OfficialTEPCO)を開設した。・・・」
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110317mog00m040017000c.html
 産経は例によって民主党政権マターを小姑的な取り上げ方をしているが、原発問題での菅首相の対応は、率直に評価してしかるべきだろう。↓
 「・・・大津波をかぶって自動冷却装置が破損し、炉内の冷却が思うようにいかない、との報告が上がってきた。官邸内に緊張が走ったが、首相には野党の追及から逃れた安堵感とはまた別種の「意外な自信」(政府関係者)がみなぎっていた。
 「まず、安全措置として10キロ圏内の住民らを避難させる。真水では足りないだろうから海水を使ってでも炉内を冷却させることだ」
 首相の意向は東電に伝えられた。「これが政治主導だ」。首相はそうほくそ笑んだのではないか。
 だが、東電側の反応は首相の思惑と異なっていた。
 10キロの避難指示という首相の想定に対しては「そこまでの心配は要らない」。海水の注入には「炉が使い物にならなくなる」と激しく抵抗したのだ。
 首相も一転、事態の推移を見守ることにした。東電の“安全宣言”をひとまず信じ、当初は3キロ圏内の避難指示から始めるなど自らの「勘」は封印した。・・・
  ところが、第1原発の状況は改善されず、海水注入の作業も12日午後になって徐々に始めたが、後の祭りだった。建屋の爆発や燃料棒露出と続き、放射能漏れが現実のものとなった。
 15日早朝、東電本店(東京・内幸町)に乗り込んだ首相は東電幹部らを「覚悟を決めてください」と恫喝した。直前に東電側が「第1原発が危険な状況にあり、手に負えなくなった」として現場の社員全員を撤退させたがっているとの話を聞いていたからだ。・・・
 「現場第一主義」を掲げる首相は、大震災発生翌日の12日早朝、官邸から自衛隊ヘリコプターで第1原発の視察に向かった。現地の状況を目で確かめ、午後の与野党党首会談で第1原発を「危機的状況にはならない」と言い切ったその最中に1号機で水素爆発が起き建屋が崩壊した。
 「16日に自衛隊による放水ができなかったのは、首相の決断が半日遅れたためだ。その間に放射線量が上がった可能性がある」
 放水オペレーションにかかわる政府高官は指摘する。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110318/plc11031800190002-n1.htm
 この程度の大震災・・被災者の方々にはまことに申し訳ないが・・でも挙国一致内閣が取り沙汰される。
 戦前、日本が挙国一致内閣になるのが遅すぎた、と私がかねてから指摘していることを改めて考えて欲しい。↓
 「・・・菅首相(民主党代表)が東日本巨大地震と東京電力福島第一原子力発電所での事故を受け、自民党の谷垣総裁に原発問題担当相としての入閣を要請していた・・・。・・・
  谷垣氏への入閣要請は、首相周辺から関係者を通じて自民党幹部に伝えられた。谷垣氏側は「入閣は大連立と同じで、責任の所在が不明確になるだけだ」として拒否した。
 これを受け、首相は与党から新ポストへの起用を目指す意向だ。仙谷由人官房副長官や国民新党の亀井代表らの名前が取りざたされている。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110318-OYT1T01107.htm?from=main3
(続く)