太田述正コラム#4644(2011.3.25)
<皆さんとディスカッション(続x1152)>
<太田>(ツイッターより)
 こういう時、日本の主要メディア電子版の中身が空っぽで、英語版なんてなきに等しいことは、嘘つかずに済んでるだけに幸い? 
 英米の主要メディア電子版の描く原発問題は前者に比べてはるかに深刻であり詳細だもんね。
<太田>
 中共当局がよくまあ厚かましくもこんなこと言えたもんだと思うが、面白いね。
 私に言わせれば、記者クラブ制が形の上じゃ崩壊しつつある現在でも、日本政府と日本の主要メディアとの癒着関係は続いている、ということだ。↓
 「・・・日本政府は震災において、ハードなコントロールとソフトなコントロールによってメディアへの管理を成し遂げた。前者は主に法的手段、後者は主に行政または広報手段による。西側では前者の持つ意味は大きくはない。基準は緩やかで、処理も「標準作業」だ。だが後者はその運用技術が往々にしてコントロールの成否に直接関わってくる。日本政府は主にメディアへの間接的誘導と直接的指導を組み合わせてきた。
 間接的誘導とは主に、政府が報道発表の主要ルートや要所を掌握し、正確な情報を自ら速やかに発表することを指す。・・・
 <また、>枝野氏は・・・「事実を捏造し、誤った情報を広めるメール、チェーンメールが多数出回っている。政府はすでにこうした動きを把握している。こうしたことは避けてもらいたい」と厳しい口調で述べた。・・・
 枝野氏<は更に、>被災者から距離を置くよう公然とメディアに要求した・・・。被災地の各級行政機関は、被災者を尊重するためと称して、敏感なエリアでの記者の取材を制限する・・・。・・・
 日本政府のこうした力強い誘導や戒めの下で、メディアが「自粛」を考えないのは困難だということが見てとれる。日本のさまざまなメディア、特にネット上の発言を観察すればわかることだ。全般的に言って、一部の外国メディアが原子力災害や原発建設の悪弊について一面の過熱報道をし、チェルノブイリやガン、白血病といった敏感な言葉を多用し、日本政府に疑念を呈したり菅直人政権を攻撃する論調にも事欠かない時に、日本メディアの報道や言葉遣いは相対的に平静で寛容なものだった。敏感な語彙の多くはブロックされたようだ。」
http://j.peopledaily.com.cn/94474/7329496.html
 いずれにせよ、その結果、原発問題についても、その情報開示は、遅いし、少ないし、トーンダウンされた形でしかなされないことになる。
 日本国民は、そんなことは珍しいことじゃないから、今のところ我慢してるが、英米のメディアや政府は、呆れ、怒っている。↓
 ・・・the quality and quantity of information coming out of Japan has left gaping holes in their understanding of the disaster nearly two weeks after it began.・・・
 <オーストリアの研究所や米国の物理学者は、チェルノブイリの時と比較して、福島第一原発から出た放射性セシウムは既にその50%、放射性ヨウ素は既にその20%に達している可能性があるとしている。↓>
  An Austrian meteorological institute, the Central Institute for Meteorology and Geodynamics, said this week that computer models showed the emissions of radioactive cesium from the plant might already amount to 50% of what was released from Chernobyl, and that releases of radioactive iodine could be 20% of the Chernobyl total.
 Edwin Lyman, a physicist with the Union of Concerned Scientists in Washington, said Thursday that his own modeling of the data had confirmed the Austrian analysis, suggesting that Japan might ultimately have to exclude humans from a large area and face a remediation effort more costly than thought.・・・
 <日本じゃ情報は官僚が握り、意思決定も官僚が行う、とケンブリッジの日本人教授が言明している。↓>
 Masaru Tamamoto, a professor of Asian and Middle Eastern studies at the University of Cambridge in Britain, said the handling of the crisis by Japanese government and corporate authorities is consistent with a culture that carefully guards information from the public and leaves decisions in the hands of anonymous bureaucrats.
 <メディアと連携しつつ、政府(官僚機構)を調査し隠蔽を暴く非営利政府監視機関が日本にはない、というのだ。↓>
 Japan, Tamamoto said, lacks a nonprofit sector of government watchdog organizations that work closely with the news media to investigate and publicize government coverups. It leaves the public comfortably reliant on official pronouncements, he said.
 <首相でさえ、情報が与えられていない、というわけだ。↓>
 ”The public lives this way every day, and that’s the way things are,” Tamamoto said. “Even if you demanded the information, nobody has the information. Even the prime minister blurted out at one point that he didn’t have information.”・・・
 <福島第一の建屋内の機器や作業員の作業風景の詳しい写真すら公表されていない。↓>
 ・・・until recent days few detailed photographs of the equipment or the personnel working at the Fukushima plant have been made public.
 <そして、原発問題の危機管理責任者も現地での作業責任者が誰なのかも分からない。
 と怒ること怒ること。↓>
 It remains unclear whether there is an incident commander managing the day-to-day crisis and exactly who holds the authority for the operations at the plant. ・・・
 <たまらず、米国の当局が二度介入したと記されている。先週、日本政府のそれよりも二倍以上以遠までを米国人の避難地域に指定したことと、今週、放射性物質が第一原発の北西部に降らしているデータを開示したことだ、とよ。↓>
 ・・・in at least two instances, U.S. officials have asserted an independent voice and offered candid warnings and explicit data. The NRC last week advised U.S. citizens to evacuate from within a 50-mile zone around the plant, more than double what Japanese citizens had been told to do. And this week the agency released radioactivity data that showed a highly radioactive plume on the ground extending northwest of the plant.
 <IAEAももっと積極的にもの申すべきだとさ。↓>
 Nuclear experts have sharply criticized the International Atomic Energy Agency, which promotes the peaceful use of nuclear energy and reports to the United Nations, for not taking a more aggressive role in the crisis.・・・
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-sci-japan-quake-secrecy-20110325,0,4319688,print.story
 私に言わせれば、世界に冠たる日本型政治経済体制が、危機状況においても、困ったことに「機能」してるってことなのよね。
 官僚機構って言ったって、個々の官庁がてんでばらばらに情報収集し、その断片的な情報をもとにてんでばらばらに動いているだけなんよ。
 首相も、一般国民も同じ立場だってこと。
<MS>
 放射線関連の講演会が東工大であったようです。
 わかりやすいので、よろしければ参考にしてください。
http://be.nucl.ap.titech.ac.jp/RI-lecture.pdf
<ΕθθΕ>(「たった一人の反乱」より)
≫同紙では、東京の水道(金町浄水場)であんなに高いヨウ素の値が出たことに疑問が投げかけられている。福島第一の状況は公表ベースよりはるかに深刻なのではないか、というのだ≪(コラム#4642。太田)
 福島第1の放射線計測を西門に 正門は急上昇で、作業員確保を優先
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110317/dst11031708040010-n1.htm
 ↑
 既に17日の朝に、放射線計測の設置場所を変更(正門が危険すぎるため)済み。
 そりゃー数値は下がるわな…。
 やばいとばかり定置計測を放棄しての確信犯行為は、もはや線量数値の捏造かと。
 昨日の“協力会社の作業員”の被爆は、東電では「本人の意志を尊重して作業するか否かを決めてもらっている」としているが、現場での協力(下請け)会社では(今後の会社維持のため)これを拒否することはとてもできないとの報道(北海道新聞)があったが、さもありなんだ。
 どー考えても責任ある東電社員が危険を承知で作業すべきなのを、この期に及んで、まだ札束で頬を叩いて下請けの若い衆に危険な仕事をまる投げして、自分は安全な立ち居地で高みの見物を決め込む…。
 これって、属国根性の日本社会の縮図そのままをうつし出して、それが今演じられているのだな~と。
 東電・・・。
 原発、過酷な現場 食事はカロリーメイト・椅子で睡眠
http://www.asahi.com/national/update/0324/TKY201103240475.html
 ↑
 東電社員の奮闘ぶりのみで、協力会社社員の報道しないのは、上記電事連(電気事業連合会)
http://www.fepc.or.jp/ 
の情報操作だろー。ムカツク。
 マスコミはスポンサーあってのものなのはあれだが、協力会社の作業員が何人いるのか(比率)と、自衛隊・警察・消防等の公務員と東電社員以外の、露出量の少ない命がけで作業している人たちも報道すべきだろーが。
 民主党からも「菅は使用済み燃料棒。冷やさないと放射能を撒き散らすだけ。早く冷やして処理しなければ」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2316
 総力検証・御用メディアが絶対に報じない東京電力の「大罪」
 「三号機が爆発した3月14日、東電側は現場がやりようがあると言っているにもかかわらず、『社長命』で撤退命令をだそうとした」。
 なぜ、初期段階で、最悪のトラブルを防げる海水注入の判断をしなかったのか。
 東電対策本部の円卓会議で、誰一人「海水の注入」を言い出す幹部はいなかった。
 毒性の強いプルトニウムを使う「プルマーサル型」原発の受け入れを拒んだ福島県に対して、当時の東電常務が、副知事に電話をかけ「あらゆる手段をつかって潰す」と恫喝と、当時の佐藤知事が実名証言。
 首相を無視して東電は直接米軍に支援を要請した。
 「内部告発をモミ消す経産省、原子力保安院との黒い癒着」の特集記事も。電力会社を規制するはずの保安院。
 実は、カツラの保安院スポークスマン西山審議官、2年前までは、資源エネルギー庁の電力・ガス部長、つまり推進側にいた
http://www.bunshun.co.jp/mag/shukanbunshun/
 現在、「レベル6」認定されたが・・・まだ止まらない。・・・
 那須御用邸の風呂を開放 両陛下のご意向で
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110324/imp11032415490001-n1.htm
 原発事故の賠償責任はどうなっているのか?
 東電株は紙切れ?株主構成みると東京都が大株主、他電力も地元自治体が大株主・・・。
http://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/cdc68975fb662dc996df0d1fa9486f4f/
 朝日新聞の知っているようで知らない「原発をめぐる内紛」
http://akasakaseinenbu.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=3814336
 「原発は危険」派と「原発は安全」派の確執があって、結論いうと「危険かもしれないが必要」派が勝利。
 問題はこの抗争の過程で「原発は危険」派がほとんど追い出されるか左遷。
 残しておいたら、もう少しましな紙面になったのにね。
 残念!
 他社はどうだったんだろうか?
 返事も寄越さなかったのだから、朝日新聞以下だったんだろう。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 おっとろしいでござる。↓
 「・・・黒煙が発生し中断していた3号機の復旧作業は24日に再開されたが、作業員3人が被曝した・・・
 <また、>東電は25日、1、2号機の建物地下で見つかった水たまりから高い放射線量が確認されたとして、復旧作業を中断したことを明らかにした。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110325/dst11032514410053-n1.htm
 これも、宗主国サマたる米国当局による介入の一例だな。↓
 「北沢俊美防衛相は25日午前の記者会見で、東京電力福島第1原子力発電所の原子炉への注水作業について、米側が海水の注入に懸念を示し、真水に切り替えるため米海軍横須賀基地(神奈川県)からバージ(はしけ)船などの提供を申し出ていることを明らかにした。
 具体的には、バージ船に真水を積んで福島第1原発の南約50キロの小名浜港に移動。その後、オーストラリア軍がC17輸送機で輸送してきたポンプで原発まで送水する。空になったバージ船には自衛隊の補給艦から給水し、継続的に真水が注水できるようにする。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110325/plc11032512100010-n1.htm
 その一方、災害救援・復旧活動はものスゴーい勢いで進展していて、ガーディアンもびっくら仰天している。
 こういうことは、日本型政治経済体制はツオイんだわさ。↓
 ・・・”I think the government is doing a pretty good job of getting the roads open,” said Chad Huddlestone, a volunteer with the Be One Network in Miyagi prefecture. “・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/mar/24/japan-disaster-reconstruction-road-recovery
 日本は、災害予防には弱点があるが、(原発対処はともかくとして、通常の)災害対処は(少なくとも自衛隊を迅速にかませるようになってからというもの、)心配ない、と言ってもいいんじゃないかな。↓
 
 「・・・日本の防災体制<は>・・・「個々の能力は優れているのに、指揮系統がばらばらで互いの連携がうまく進んでおらず力を十分に発揮できていない。まずこの点が1番の問題と感じた。もう1つは内閣府の防災担当の職員が数年在籍したら、自分の出身の官庁に戻ってしまうこと。これでは経験を十分に積むことができないのではないか・・・大災害を想定したFEMAのような組織を日本でも創設すべきではないか」
http://s.nikkei.com/etaNIS;q=9694E0E1E2E1E0E2E3E3EAEAE5E1;p=9694E0E1E2E1E0E2E3E3EAEAE4EB;n=9694E0EAE3E0E0E2E3E2EBE1E1E7;o=9694E0E1E2E1E0E2E3E3EAEAE4E5
 民度のそれなりに高い中共の人々も結構いるってことだね。↓
 「義援金で満杯のスーツケース 上海の総領事館に次々・・・」
http://www.asahi.com/international/update/0324/TKY201103240473.html
 東電叩きに朝鮮日報まで乗りだした。↓
 「福島原子力発電所を運営する東京電力の清水正孝社長が13日以降の記者会見や事故説明に全く姿を見せていないことから、市民の怒りが爆発している。・・・
 清水社長は13日の記者会見で「津波が一番の問題だ」と、安全管理責任よりも自然災害だったことを強調する発言をしていた。清水社長は、役員報酬削減などを主導したことから「コストカッター」という異名を持つ人物だ。今回の事故についても「コスト節減に執着し、安全管理をきちんとしなかったため」という声が上がっている。・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20110325000030
 こういう記事を、どうしてガーディアンや朝鮮日報は電子版に載せるのに、日本のメディアの電子版は載せないのかね。↓
 「福島第1原子力発電所の爆発事故現場で、放射線の恐怖と向き合いながら復旧作業を行っている「決死隊」の多くは一般の労働者だ・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/mar/21/nuclear-samurai-fukushima-japan-reactor
 欧米のメディアは、危険な現場作業を行う人が増え続けているのは、個人よりも会社、あるいは社会を優先する日本特有の文化のためだと分析した。・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20110323000023
 「・・・東京電力をはじめ事故現場に作業員を派遣している企業は、作業員らに対して従来の傷害保険、疾病保険以外に特別な手当は支給していない・・・
 放射線にさらされながら作業を行う<ある作業員>の給与は月20万円ほどで、これは日本の平均給与(29万1000円)に比べかなり安い。・・・
 事故処理に当たっている作業員は、タダさんのように工業高校出身者が多く、決して高学歴とは言えない。彼らに特別な技術があるとすれば、放射能にさらされる危険な環境での作業に慣れているという点だろう。」
http://www.chosunonline.com/news/20110325000031
 こんなことまで、東電はすぐ開示しないんだから、どうしょうもないね。↓
 「被ばくした3人の作業員について東電は企業名を明らかにしていないが、ベータ線による熱傷の疑いのある2人が、電気設備工事大手の関電工(東京都港区)の社員であることが分かった。・・・」
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110325k0000e040087000c.html
 日本の人間主義を礼賛する記事は、とどまるところを知らない。↓
 ・・・If modern Japan has a common ethic, it’s based on mutual respect, not victory in competition. The most potent symbols of this Japanese sense of social cohesion are the dowdy blue overalls worn by Prime Minister Naoto Kan and his ministers at news conferences and other public appearances since the earthquake. The idea is to express solidarity with the workers at the front line and reduce the sense of separation between rulers and ruled. This was a strategy also employed by the legendary business leaders of Japan’s 1960s golden era. Soichiro Honda, for example, attended meetings with bankers in his overalls. ・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2011/03/24/the_island_nation?page=full
 Community spirit shines through in Japan’s dark times・・・
 Japan has never lost its sense of community and in dark times it is shining through.
 This nation’s great disaster has brought out the best in its people.
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific-12845419
 シュピーゲル誌が、宮崎駿の作品と戦災・自然災害が頻発する日本とを結び付けて論じている。
 そういうとらえ方をするんじゃなく、日本文明は(人間主義及び)自然との共生を旨とする、ととらえなくっちゃ。↓
 ・・・Miyazaki is in fact precisely the opposite of Walt Disney. The world of Miyazaki’s animated films is not a rosy; it’s a broken place. His films are about the limits of human creativity.・・・
 For Westerners, Japan’s popular culture has always seemed a bit strange, garish, hysterical and manic. There are the weighty images of samurai battles that Kurosawa designed in his monumental historical films, the colorful and hideous comic images by famed Japanese painter Takashi Murakami, the Godzilla films, in which radiation-created mutant monsters devastate Tokyo. There are the Pokemon cards with their strange creatures, and there are the Tamagotchis, small digital pets kept on key chains that peep when they want to be fed. There’s the vastly profitable, popular art of the Manga comics, in which heroes have eyes like headlights in a land of narrow gazes; there’s a youth culture that seeks to transform the Manga ideal of beauty into reality.
 A culture of artificiality? Or perhaps it was reality, after all — just a little hard to recognize from a distance. Perhaps it was so difficult for us to understand Japanese pop culture because we failed to realize that Japan had outsourced its understanding of catastrophe to its most whimsical modes of expression.・・・
 <ドイツ誌がこんな、英米お仕着せの先の大戦観をそのまま記すとは、嘆かわしい限りだ。↓>
 It began its bloody war of conquest in Southeast Asia and eventually aligned itself with the Nazis. Japanese soldiers committed horrible atrocities in World War II. In the end, atom bombs were dropped on Hiroshima and Nagasaki.・・・
http://www.spiegel.de/international/zeitgeist/0,1518,752710,00.html
 さて、リビア革命関係だ。
 反体制派に現実に武器等を提供した外国はまだないんだって。
 また、アジャビヤを攻撃していた体制派(セルビア人傭兵を含む)は、反体制派と降伏交渉を始めてるとさ。↓
 ・・・In Benghazi, a rebel spokesman said several countries had promised equipment such as anti-tank weapons and radios but none had been delivered.・・・
 ・・・despite resistance by Gaddafi’s forces around Ajdabiya, government soldiers were on the brink of surrender. He claimed Gaddafi’s forces there include Serbian mercenaries.・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/mar/24/libyan-plane-tanks-destroyed-jets
 カタールのようなちっぽけな国が、対リビア多国籍軍に4機の戦闘機を参加させたことの背景が詳述されている。↓
 ・・・For a country the size of Belgium with a population of 1.7 million, Qatar has been playing an extraordinarily high-profile role. This weekend four Qatari fighter jets are set to join the allied forces already off the Libyan coastline. The combat deployment is the first by an Arab or Muslim-majority country and thus of critical diplomatic significance.
 <そもそも、今次アラブ革命はカタール太守家所有のアルジャジーラが火を付けたと言っても過言じゃないとよ。↓>
 Then there is the key role played in the “Arab spring” by al-Jazeera, the satellite TV channel set up by the emir in 1996. Broadcasting from Doha, al-Jazeera is now the dominant Arabic-language news outlet in the region and increasingly recognised around the world. Al-Jazeera English is gaining fans.
 ”Al-Jazeera were the first on to the events in Tunisia. Its reports from there were watched by the Egyptians. Then its reports from Egypt were watched by everyone else. It has been a very important catalyst,”・・・
 <太守は、英陸軍士官学校卒でカタールの安全保障のためにアルジャジーラと外交とを駆使しているってわけ。↓>
 ”The [Sandhurst-trained] emir is a military man and knows that Qatar is basically indefensible,” said Blake Hounshell, the Doha-based managing editor of Foreign Policy magazine. “He has thought laterally about ways of making Qatar more secure.” The emir’s main two strategic assets are al-Jazeera and diplomacy・・・
 <どんだけ外交力があるかは、2022年のサッカーワールドカップ招致に成功したこと一つとっても明らかだろってさ。↓>
 Qatari diplomacy is wide-ranging. Successfully bidding for the 2022 World Cup attracted global attention, as it was meant to. Qatar has good relations with the US, hosting its vast airbase at al-Udeid, and, relative to the rest of the region, with Israel too. It also maintains contacts with Hamas and Hezbollah, shares an oilfield with Iran and is careful to be friendly to Riyadh.・・・
 <もともと、カタールとリビアとの関係は良くなかったが、2週間前にアルジャジーラのカメラマンが体制派によってベンガジ近くで殺害されたことが、戦闘機派遣の引き金になったらしい。↓>
 ・・・though relations between Qatar and Libya had been poor for a long time, it was the killing of an al-Jazeera cameraman near Benghazi two weeks ago, probably by Gaddafi’s henchmen, that justified Qatar’s military commitment to operation Odyssey Dawn.・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/mar/24/qatar-planes-libya-high-stakes
 次はシリア「革命」だ。
 ヨルダンとの国境近くのダラーでの、当局による一般住民殺害数は100名にのぼるとの説もある。
 軍隊はアサドの掌中にあるから、革命が起こるとすれば、リビア型だと。↓
 ・・・Rights activists described Wednesday’s shootings in the southern city of Daraa as a massacre, claiming that more than 100 people may have been killed when troops fired on a mosque in the early hours and throughout the day.・・・
 Syria’s many religious sects are ruled by the minority Alawite Muslim community of al-Assad, and the army is widely penetrated by Alawites and Sunni loyalists. This makes the possibility of the army joining the protesters as happened in Egypt and Tunisia unlikely. Instead, Syrians look to Libya as foretaste of what might come.・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/mar/24/syria-shootings-daraa-government
 <6日間にわたる抗議行動ってのは1982年以来であり、当時はアサドの父親が1万人を虐殺して抗議行動を圧殺した。↓>
 ・・・six days of protests of this size were unknown in Syria since at least 1982. In February of that year, Mr. Assad’s father, Hafez al-Assad, killed at least 10,000 people in an assault on the city of Hama to end an Islamist uprising definitively. ・・・
http://www.nytimes.com/2011/03/25/world/middleeast/25syria.html?pagewanted=print
 次はイェーメン革命だ。
 土曜日にはサレー大統領が辞任する可能性が大。↓
 ・・・Both sides have agreed on the main points of departure, and Saturday is expected to be the day that Saleh and Gen. Ahmar both step down・・・
 President Saleh and Gen. Ahmar agreed to the central demand of the protest movement: that a civilian council should rule in place of Mr. Saleh, instead of an Egyptian-style military council.・・・
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703784004576220712562139244.html?mod=WSJAsia_hpp_LEFTTopStories
 中共じゃ、反体制派弾圧のために、当局は法治主義の装いを完全にかなぐり捨てた、という記事が出てた。
 当局、よっぽど追い詰められてるんだろな。
 ここでも、何が起きるか分からないと思ってた方がいい。↓
 ・・・Signs of tightening control have been visible for several years. Arrests and prosecutions for state security offenses skyrocketed in 2008 and remain high. But the authorities are now employing a range of new, illegal methods to silence their critics.
 Plainclothes police put activists and their family members under restrictive forms of house arrest, depriving them of their rights without any hint of due process. The police prevent suspects from contacting their lawyers and keep them in custody beyond the prescribed time limits. Interrogators practice torture with impunity.
 But most terrifying of all is the way in which enforced disappearance appears to have become almost routine.
 When agents of the state make individuals disappear, it is an act of intimidation designed to instill fear not only in those who have been taken away but also in those who might be next. Without the protection of the law, those who have been disappeared can be subjected to torture without accountability.
 For instance, rights lawyer Gao Zhisheng was feared dead after he disappeared for over a year. When he suddenly re-emerged last April after strong international pressure, he described brutal acts of torture and hinted at other treatment of which he could not speak. Then he disappeared again and, once more, his fate remains uncertain.・・・
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704425804576220102254442640.html?mod=WSJASIA_hpp_sections_opinion
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太田述正コラム#4645(2011.3.25)
<ロシア革命と日本(その7)>
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