太田述正コラム#4650(2011.3.28)
<皆さんとディスカッション(続x1155)>
<太田>(ツイッターより)
危機においてこそ、人間や社会の本質が露わになり、その真価が問われる。
戦前の昭和期は、日本のみならず、世界で現在の大震災(含原発問題)級以上の危機がほぼ恒常的に続いた異常な時代だった。
当時の日本人を偲べ。
<KY>
–放射線のいわゆる「安全性」について–
遠く8000マイルの彼方で日本国内の状況について見聞しておりますが、日本語媒体の情報は意味不明なものが多く、英語媒体に頼っております。
政府や東京電力に加えて、日本国内の「専門家」と称する連中の滅茶苦茶さに閉口しております。
最近、放射線ないし放射性物質、あるいは放射能の許容値についての議論が盛んのようで、私が学部だけ行った某工大の学者も、安全だ安全だと騒いでいる様子です。
こういう連中の言う事で基本的に不可解なのは、そもそも放射線には「安全」など端から存在しないと言う、欧米の技術者には当然の事をきちんと踏まえていない事です。
つまり、ionising radiation による害悪は「非閾値性」ですから、「これ以下なら無害である」という基準なんぞ存在し得ません。
粒子が体内を透過し、電子を弾き飛ばすのは、放射線なら基本的に全て一緒です。
これが例えば超音波なら、体の組織が発熱した時に蛋白質が加熱硬化する温度は明確に決まっている訳ですから、歴とした閾値があるわけで、それ以下なら良い訳です。
そんな基準は放射線には無い。
つまり、基本的に害悪でしかないのです。
透過力が強いγ線が体の外から入射するとか、α線は透過しにくいが、線源を食品とともに摂取すると体内被曝するとか言いますが、有害性の原理は基本的に同じです。
ではどうやって基準を決めるかと言いますと、例えばカラー・テレビのブラウン管から出るX線ならば、これは実際に病人がかなり出ましたので、その後で宇宙線が比較的強力な米国インターステートハイウエイの最高度地点での線量を基準にして、「この上限値なら、ここの自然放射線と一緒です」と決めたわけです。
つまり、決して「安全」ではないけれども、危険性(リスク)の水準は特定の地点の自然放射線に比べて有意な差は無いし、それでも嫌ならテレビを見なきゃいいし、見なければ体内に入射する粒子がそれだけ少ないのだから、極めて微小な差だけれども、それだけ確実にリスクが低い訳です。
そこで、その危険性の意味ですが、これは基本的に確率の問題です。
ある特定の粒子がある細胞のDNA二重螺旋のある部分を破壊して、その細胞がガン化して増殖するとか、粒子が沢山飛んで来て細胞自体が沢山死んで組織も死んでしまう、というのは確率の問題ですから、当然ながら諸々の防護基準にも確率的な、例えば「この値だと、一生のうちに癌を発症する確率が10万人に2人です」という類の疫学的根拠が背景にあります。
ところが、今の水道水の話にしても、「乳児の基準は超えているから、飲ませてはいけないが、止むを得えない場合は飲ませても良い」なんて言うんですね。
それなら、その基準ってのは一体何なんだと。そんなバカな話をしたら、普通の人間なら不安になります。そうじゃなくて、例えば「この放射性ヨウ素の濃度だと、毎日1リッター飲んだら、一生で癌を発症する確率は10万人に3人です」という様に明言すれば、聞いた方も判断できる。
「10万人に3人」が嫌なら逃げるなり金を出して水を買うなりすればいいし、交通事故で死ぬ確率の方が高いから構わないというのなら飲ませればいいし、脱水症状で今死ぬよりはマシかな、という判断だって出来る。
ところが、馬鹿役人が非科学的で意味不明な話をする。
さらに悪い事に、海外の媒体はそういう話を記者会見やら何やらで聞いていますし、こっちの科学担当の記者には結構な大学の理工系出身者が普通にいますから、彼等には「日本政府ってのは一体何なんだ。馬鹿なのか?」と思われますし、当然ですがIAEAのアタマが実際に行って見聞するまでは政府が公表する測定値すら信用されやしない程に呆れられる訳です。
それじゃアメリカのメディアだって大げさに反応しますよ。
日本では医者がX線を矢鱈と使う傾向があると聞きます。
今回の件でも、「X線CTの強度と変わらんからOK」みたいな事を言った者がいたらしいですが、X線CTなんていう代物は他に方法が無いから仕方なくやるもので、抛っておいたら病気で死ぬだろうから、それならX線の有害性は度外視しようという話なのであって、X線CTだって有意な危険性がある事には変わりが無いです。
こういう人は24時間365日をX線装置の中で過ごせば良い。
他にも、原爆投下後にも米国の戦略爆撃調査団は膨大なデータ収集をしています。現在の被曝上限の基準には膨大なデータ
の蓄積が背景にあるのであって、「安全率がかなり見込んであるから、多少超えても問題無い」なんてのは、科学を冒涜する暴言です。
では、そういう話を踏まえた上で、
「あのレベル量ならばホウレンソウだったら、300年分の量を食べれば身体に何らかの影響が出る程度」
という主張を読むと、どう感じられるでしょうか。
先ず第一に、これでは「影響」の定義が不明ですから、科学的な文章じゃないですね。
それに、「何らかの影響が出る」というのは、まるで風邪の症状が300年後に出るというような言い方ですが、そうじゃなくて、「300年分の量を食べれば、99%の確率で『何らかの』癌になります」
と、統計的な話に置き換えたら、どう感じられますか?
「300年分」という数量の馬鹿げた意味不明さを除けば、少しは解り易くなったのではないでしょうか。
繰り返しますが、放射線障害に閾値はありませんから、弱い放射線なら風邪になって、強い放射線なら風邪と肺結核になると言う事では無いんですね。
こういう基本的な考え方は英国の大学に来て、材料工学の実験でX線を使う前に受けさせられた講習で聞きました。
つまり、与太学生レベルの話ですから、いわゆる専門家の暴言を聞くにつけ何ともガックリ来ます。私は放射線の専門家ではありませんので、以上はあくまでも基礎的な話です。本職の放射線取扱主任者なら、私の無教養を笑いながらもっと具体的かつ定量的な話が出来るかと思います。
ここで、話が一転しますが、私の学部生時代の話です。
私は非常に怠惰な学部生活を送りまして、この間に充分鍛錬したものは肝機能と英語力だけという、実に度し難いバカタレでした。
どういう理由かは判然と致しませんが、4年次に原子力工学の授業が1コマだけあり、仕方なく出ていましたが、この時に聞いた話です。
当時は原子核工学専攻の修士課程なぞに進学しようという物好きは珍しく、毎年定員割れで、試験の実態は危険人物排除が目的の面接のみという状態でした。
しかも学部は無く、大学院のみ。
それで授業担当の教授が学生に出願を勧めるのですが、その時の話によると、「日本の原子力研究は素晴らしい」「核融合研究は日本の独壇場」「国策で研究費は豊富」と言うんですね。
それでかなり心が動きましたが、やっぱり止めといて正解でした。
あれから随分経って、東電の技術者やら何やらもそうですが、今回の原発関係者の無能さを見るにつけ思うのは、どうやらあの業界は人材が払底しているのではないかという事です。
あまり学業優秀ではない連中が、政府の潤沢な資金で研究をダラダラやれる環境に行き、利権だらけの産業に棲息して、競争も無く安閑としているのですから、無理も無いでしょう。
情け無い話ですが、あの時に私が出願していれば、英国に来る事も無くそのまま原子炉工学研究所に行き、工学修士を取り、不勉強で怠惰なまま東京電力とか東芝とか日立とかにサクッと就職して、今頃はこの騒ぎの渦中にいたでしょう。
あの頃の自分の底知れぬ馬鹿さ加減を思えば、何とも空恐ろしい話です。
そういえば、ロシア人の留学生連中に原子炉の安全設計を真面目に教えているという話も授業中に聞きました。
「隣国で事故が起きて放射性物質が飛んで来たら困るから」だそうですが、今となっては実に馬鹿馬鹿しく腹の立つ話です。
<εθεθ>(「たった一人の反乱」より)
「東京電力の私の知人」さん、東電は危険である原発の管理運営する会社の責務があることの自覚が全く見受けられない、民間では考えられないまさに官僚機構の特殊の組織であり、今なされている現実の出来事は小出しでの言い訳で逃げて済むような問題ではないことは判りますよね。
≫不確かなことをいいふらし国民感情を掻き立てるのはかえって現場で頑張っている人たちの足を引っ張ることになります≪(コラム#4648。東京電力の私の知人)
↑
本末転倒です。
これは東電の対応故引き起こした問題でしょう。
おそらく東電の広報はじめ多くの社員にすら福島原発の情報はもたらされていないのでしょうが、現場の作業員には情報を共有すべき。
安全の基本部分を放棄しているのは東電の現場での事実です。
これは殺人です。
歯医者で受けた戯れ言程度で泣き言をいっている場合ですか?
それが甘ちゃんの証拠です。
東電も一般人もいろんな人たちがいるのは当たり前です。
24日の被爆は、1週間前の18日に危険レベルの線量を検地していたことを言い訳(これは白状という)しましたが、今まさに福島第一での必死での作業をする下請けと孫請けの人たちに「情報共有すべきだった」という東電のコメント、意識レベルは度し難いものです。
≫東電社員は基本的に建物外部までのケーブル引き、内部は協力会社(関電工など)が担っています≪(同上)
勿論建物外部も危険でしょうが、東電は建物内部での線量が針が振り切れるほどの危険なレベルを承知で、特に危険区域は下請け孫請けには告知せず施工させる理由はどう説明するのですか?
管理責任者である東電社員が、特に危険である内部現場に行っていないのが全てを物語っています。
当たり前ですが、これからは情報の共有と危険である内部現場にも管理責任者である東電社員を配置すべきです。
≫ところで、東電自身も、「過酷労働もう限界、両親は不明…原発の東電社員が
メール・・・」http://www.asahi.com/national/update/0326/TKY201103260360.htmlという形で、 世論への働きかけに乗り出してますねえ≪ (コラム#4648。太田)
↑
ジャーナリズムと原子力産業
http://twitpic.com/4d4v3f/full
あと、広告協会とつながりが深い日本広報学会、その会長は東京電力の社長。
「日本広報学会 会長 清水 正孝(東京電力(株) 取締役社長)」
話は変わるが、懸念されている3号機のプルトニウム
http://takedanet.com/2011/03/36_9d9f.html
↑武田教授は、
「超毒性といわれているが、プルトニウムの粒子は、0.3ミクロン程度の非常に小さな微粒子です。しかしインフルエンザウイルス(0.1ミクロン程度)よりも大きいので、インフルエンザウイルス用のマスクを用意しておけば、おそらく95%ぐらいは被曝を防ぐことができると思ます」
↑だと・・・。
過去にも悪名高きダイオキシンも詳細に述べていたが、同様にプルトニウムを特に怖れ過ぎる必要は無いとのこと。(勿論、放射性物質はとても危険なことはいうまでもないけど)
Mr武田・原発 緊急情報(37) 明日(29日)と明後日(30日)の被曝予想
http://takedanet.com/2011/03/372930_7c21.html
<εεθθ>(同上)
■ニコニコ動画
【転載】深刻な電力不足の最中、パチンコ店だけが節電協力せず
http://www.nicovideo.jp/watch/sm13884964
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/
<εθθε>(同上)
≫例えば、自然災害も擬人化してとらえ≪(コラム#4648。太田)
自然災害では無いが↓こういう事やっちゃうメンタリティーの事?
福島原発をうんち・おならでたとえた動画
http://www.youtube.com/watch?v=5sakN2hSVxA
コメ欄見ると賛否両論みたいだけど意外と高評価だったりして、日本人のこういったメンタリティーが意外と受け入れられてるんだなってのは感じる。
<太田>
記事にもなってたな。↓
http://sankei.jp.msn.com/science/news/110326/scn11032609290000-n1.htm
<εθθε>({たった一人の反乱」より)
それはともかく、
≫だから、今後、外国人移民を大量に受け入れたって、彼らもすぐにこのメンタリティーを身につける、と想定していいの。≪(同上)
ってのはなぁ。
懇切丁寧に説明してくれた太田さんには申し訳無いが理想論が過ぎやしませんか?と言いたくなる。
中共あたりにこの理屈が通用するとはとても思えない。
↓チベットよろしく日本の文化ごと破壊されるんじゃないかって恐怖は拭えませんよ。
中共はチベット文化を絶滅させようとしている=ダライ・ラマ14世
http://www.epochtimes.jp/jp/2007/06/html/d26449.html
(こんなもんソースになるかって怒られそうだが一応)
<ΙΙΕΕ>(同上)
横からツッコミいれるけど、チベットと日本を同列に語るのは無理があるし、中共の対チベット政策と日本の移民政策は別問題だろう。
そして、日本の移民政策について議論するとき忘れてはいけないのは、イニシアティブを持っているのは移民ではなく日本人だと言うこと。
なぜか移民側にイニシアティブがあるように錯覚している人が多いが、それは謬見だ。
また、そもそも中共=中国人じゃないだろう。
<θθεε>(同上)
欧州の移民政策の”失敗”を見るに杞憂とは思えないがね。
特にスエーデンがひどい
<ΙΙΕΕ>(同上)
彼らはイラク、イラン、レバノン等中近東からの移民であるが、彼らの失業率は90%と高く、受け入れ国であるスウェーデンに対し、非常に不満が溜まっているという。
アメリカの保守派のFOXニュースの2007年3月頃の放送と2009年3月12日の放送によると:「スウェーデンは、多数の移民を受け入れた結果、例えばマルモでは、2009年時点で、人口25万人のうち4人に1人は移民のイスラム教徒で占められている[6]。2049年までにスウェーデンの人口の過半数をイスラム系が占めると予測する人もいる。
移民の子供らは10歳から12歳でスウェーデンにやってくるが、母国でまったく教育を受けていない者もいて、また、スウェーデン語がわからないため、学校側は授業に通訳をつけるなどして教育に努めているが、半数以上が卒業できない状態にある。イスラム系移民の居住区の失業率は70%と高い状態であり、受け入れ国であるスウェーデンに対し、移民者の間に非常に不満が溜まっている。移民の多いマルモでは毎年3世帯のうち1世帯が犯罪に巻き込まれていて、また、過去20年間で強姦件数も3倍に膨れ上がった。」としている。近年のスウェーデンで強姦犯罪が増加している[7]原因として、この移民の問題が無視できない。
移民排斥を唱える右翼政党のスウェーデン民主党が、反移民の空気の広がりを追い風にして2010年9月のスウェーデン総選挙で初めて国政に進出し20議席を獲得した[8]。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%B3
ようこそ現実のスウェーデンへ
http://www.youtube.com/watch?v=6DD9Wsnrhxw
大量の移民を受け入れたスウェーデンの惨状
http://omoroid.blog103.fc2.com/blog-entry-403.html
ディスカッションするにも材料を置いておかないと。
<εθθε>(同上)
>イニシアティブを持っているのは移民ではなく日本人だと言うこと。<(前の前のΙΙΕΕ)
そのイニシアティブを日本人から取り上げる為の外国人参政権なんじゃないの?
<ΙΙΕΕ>(同上)
そこの論理展開は自分で典拠付でやるよろし。
ただ、「イニシアティブを日本人から取り上げる為」ってのは意味がわからんぞ。
<ΙΕΙΕ>(同上)
今回の震災でもう外国人は来ないし、西日本が過密化するだろうしで、もう移民政策はオワコン。
<ΙΕΕΙ>(同上)
移民問題とイスラムの問題は、別々に論じなきゃね。
「移民が常に英国の文化と経済の活力の源となってきたことがお分かりいただけたでしょうか。
その英国にとって残された移民問題が一つだけあります。
それは、イスラム教徒たる移民は、なかなか英国に同化しないだけでなく、2002年に内閣府が実施した調査でイスラム教徒は、所得等あらゆる指標で英国の平均を下回る結果が出たこと(コラム#24)です。
もっとも、これは移民問題と言うよりも、イスラムの問題だと言うべきでしょう。」
http://blog.ohtan.net/archives/50955452.html
「イスラム教そのものが世俗化する(=水で薄まる)・・これがむつかしい。論理矛盾と言ってもいいくらいだ。
むしろ、原理主義化のモーメントが常に働いていると考えた方がいい・・か、彼等がイスラム教を捨て去る・・禁止されているからこれも容易ではない・・ことがない限り、間違ってもイスラム教徒を積極的に移民として受け入れてはならない、ということだ。」
http://blog.ohtan.net/archives/52034791.html
<太田>
それでは、その他の記事の紹介です。
まず、大震災関係から。
オバマありがとう。↓
「・・・今回の支援を「TOMODACHI(トモダチ)作戦」と銘打った米軍の態勢は陸、海、空、海兵隊の4軍で約1万6000人、航空機113機、原子力空母「ロナルド・レーガン」を含む艦船12隻だ。特に、海兵隊では、移設問題で揺れる普天間飛行場(沖縄)に所属するヘリ部隊などが物資輸送などを展開している。
米軍はこれらの部隊を統括するため、在日米軍司令部のある東京・横田基地に「統合支援部隊(JSF)」を新設した。米軍の指揮官は、地震発生直後は、フィールド在日米軍司令官(空軍中将)だったが、JSF発足に伴い、格上のウォルシュ米海軍太平洋艦隊司令官(海軍大将)になった。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110327-OYT1T00586.htm
「一読者2」さん(コラム#4625)、米軍、今頃になって、海兵隊の海兵機能のPRのために揚陸艇を引っ張り出してきたね。↓
「震災で連絡船の多くを失って孤立している宮城県気仙沼市の離島・大島に27日、・・・早朝、洋上に停泊している強襲揚陸艦エセックスから、第31海兵遠征部隊(31MEU)の隊員40人が揚陸艇で気仙沼港に上陸した。そこで物資を積み込み、大島に渡ると、島民とともに積み荷を下ろした。電気工事をする作業員も運び、一部で電気が復旧した。島内では、隊員らが放射線の測定もしていた。・・・」
http://www.asahi.com/national/update/0327/TKY201103270197.html
拡大した写真を見ると、ほんのちょっぴり砂浜がある。
被災地域を離島も含めて目を皿にして探し回って、揚陸艇が本来用途で使える場所を発見したんだろうな。↓
http://www.asahi.com/national/gallery_e/view_photo.html?national-pg/0327/TKY201103270203.jpg
東電しっかりせー。↓
「福島第1原発の事故では、発表されるデータの信頼性に疑問符がついたり、訂正されたりするケースが27日にかけ相次いだ。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110327/trd11032722320016-n1.htm
よかったなー。↓
「福島原発で被曝の3作業員、28日退院へ 放医研「健康への影響ない」・・・」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110327/dst11032715450040-n1.htm
ガイジンさん達も頑張ってるじゃないか。↓
「・・・「ジャーナリスト恥辱の壁」という英語のウェブサイトがある。横浜在住で、映画事業に携わるアンドリュー・ウールナー氏が中心となって立ち上げた。東北関東大震災以降、怪しげな情報源をもとに記事を発信したり、事実とは異なる報道をしたりするメディアをネット利用者から「告発」してもらい、「恥辱の壁」のサイトで暴露していこうというものだ。・・・米CNNやCBS、英テレグラフといった大手テレビ局や新聞もやり玉にあがっている。・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/5444547/
この話、落ち着いたら徹底的に究明して欲しいね。↓
「経済産業省原子力安全・保安院が、震災当日の11日夜、東京電力福島第1原発事故に関して、3時間以内の「炉心溶融」を予測していたことが・・・分かった。また翌12日未明には放射性ヨウ素や高いレベルの放射線を検出、原子炉の圧力を低下させる応急措置をとる方針が決まったが、実現するまでに半日も要した。・・・
事態悪化を受け、東電幹部と班目氏らが協議し、1、2号機の炉内圧力を下げるため、ベントの必要性を確認、<午前>4時には保安院に実施を相談した。また菅首相は5時44分、原発の半径10キロ圏内からの退避を指示した。
だが東電がベント実施を政府に通報したのは、首相の視察終了後の8時半で、作業着手は9時4分。排出には二つの弁を開く必要があるが、備え付けの空気圧縮ボンベの不調で一つが開かなかった上、代替用の空気圧縮機の調達に約4時間を費やし、排出が行われたのは午後2時半だった。」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011032701000675.html
緊急用電源等が全部使えなくなるような事態もあると訴え続けて来た共産党議員がいたんだね。
原発反対、という点を除けば、エライ!↓
「・・・Communist Party legislator Hidekatsu Yoshii(吉井英勝)・・・last year raised in Parliament the possibility that a natural disaster could wipe out a nuclear reactor’s backup systems, leading to melting in the core, but the country’s top nuclear regulator responded that such a scenario was “practically impossible.”・・・
The exchange reflects what critics say was an unwillingness among Japanese regulators and reactor operators to prepare for worst-case scenarios. Industry publications repeatedly pointed to the many levels of backup systems in place to keep power and cooling water flowing to nuclear reactors in emergencies.・・・
Mr. Yoshii, who campaigns against the continued use of nuclear energy, has raised such issues in Parliament many times before. In March 2006, he warned that a tsunami could submerge and destroy the diesel engines that pump cooling water to nuclear plants—something that happened at Fukushima Daiichi.
In October 2006, Mr. Yoshii said domestic and overseas accidents had shown that a large-scale earthquake might knock out all outside and backup power at a nuclear plant.
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703576204576226530875684182.html?mod=WSJ_World_MIDDLENews
もうそろそろ、民主党、自民党の支持率を再逆転しそうなもんだが・・。
なお、現時点でこんな感じなら日本での原発の将来は大丈夫そうね。↓
「・・・福島原発事故への政府対応を「評価していない」とする回答が58.2%に達し、「評価している」の39.3%を大きく上回った。一方、被災地対策は57.9%が「評価している」と肯定的な回答となった。
菅内閣の支持率は28.3%と、先月中旬の前回調査から8.4ポイント上昇。・・・
今後の原発の在り方では「減らしていくべきだ」と「直ちに廃止」の合計が46.7%。「増設」と「現状維持」を合わせた46.5%と拮抗している。・・・
民主党の支持率は前回の20.9%から18.9%に下落。自民党も23.7%から20.6%に下げ、差は1.7ポイントに縮まった。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011032701000398.html
専制国家群の本家本元、こんな時にも「健全」だねえ。
中共がよりも筋金入りだわ。
それにしても、東電等、まだ自衛隊を避けてたとは!↓
「・・・震災発生後の十七日と二十一日、ロシアのOL20偵察機やSu27戦闘機が日本海を日本に向かって南下し、複数の基地からF15戦闘機が緊急発進する事態になった。被災時の日本の防空体制を確認する目的としか思えない挑発行為である。・・・
全国に五十四基の原発を持つ電力各社が「原発は多重防護により安全」と主張し、自衛隊との連携を求めない現実があ<った。>・・・
訓練もしていない福島第一原発での放水作業を可能にしたのは、防衛省が九九年に起きた茨城県東海村のJCO臨界事故の再来を想定して、化学防護車の放射線対策を強化したり、鉛入りの放射線防護服を開発したりと準備したからである。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011032802000050.html
日本人が自発的にあらゆることを「自粛」しちゃったことに、NYタイムスが目ん玉をまん丸にしてる。↓
・・・It is as if much of a nation’s people have simultaneously hunkered down, all with barely a rule being passed or a penalty being assessed. ・・・the age of voluntary self-restraint, or jishuku・・・
http://www.nytimes.com/2011/03/28/world/asia/28tokyo.html?_r=1&pagewanted=print
山本常朝、世界の檜舞台に急に引っ張り出されて目をしばたかせ。↓
「・・・古代ローマ時代のストア派哲学者である・・・セネカの思想と、禅の影響を受けた教養ある武士たちが信奉した考え方との間には、興味深い共通点がある。例えばセネカは、朝目覚めたら、その日1日に起こり得る悪い出来事をすべて想像するよう説いていた。・・・
18世紀の武士、山本常朝も同じようなことを説いている。山本は、武士道の要諦をまとめた書物「葉隠」の中で、「不可避の死についての瞑想を毎日行うべきだ」と述べている。
「毎日、心も身体も平穏な時に、自身の身体が矢や鉄砲、槍や刀でずたずたにされた時の様子、大波にさらわれ、大地震で死ぬほど揺さぶられた時の様子を思い描くべきである」・・・」(ファイナンシャルタイムスの翻訳)
http://www.nikkei.com/biz/world/article/g=96958A9C9C81E2E2E3E2E2E3E28DE0E6E2E1E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;p=9694E3E7E2E0E0E2E3E2E6E1E0E2
次はリビア革命関係だ。
ゲーツやクリントンが、リビア体制派の自壊の兆候が見られるとさ。
ま、米国の諜報能力には疑問符がつくから話半分に受け止めとこうね。↓
・・・Defense Secretary Robert M. Gates and Secretary of State Hillary Rodham Clinton・・・predicted that Libyan leader Moammar Kadafi’s regime may crack from within, as allied warplanes, resurgent rebels and the international community put more pressure on Tripoli.・・・
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-libya-gates-20110327,0,6041012,print.story
<反体制派は、多国籍軍が爆撃しているシルテに接近中。ミスラタ攻囲戦は続いている。↓>
・・・Sunday as they pushed from the city of Ajdabiya past the oil towns of Brega and Ras Lanuf, recapturing the two important refineries. By the evening, they had pushed the front line west of Bin Jawwad・・・There wasn’t resistance・・・
In western Libya, however, the rebel-held city of Misurata was still under siege by loyalist forces.・・・
http://www.nytimes.com/2011/03/28/world/africa/28libya.html?hp=&pagewanted=print ・・・international airstrikes were targeting Moammar Gaddafi’s hometown and stronghold of Sirte for the first time. ・・・
http://www.washingtonpost.com/politics/airstrikes-help-libya-rebels-advance/2011/03/26/AFdmWkeB_print.html
<シリアじゃ、政府による反体制派虐殺が続いている。↓>
・・・at least 30 people were shot dead by security forces as hundreds gathered in the southern settlements of Deraa and Sanamein on Friday, which have been focal points of unrest in the past week. The deadly clashes came just hours after a government official announced the president had ordered violence not be used against protesters.
On Saturday, four anti-regime protesters were shot dead in the Mediterranean port city of Latakia・・・
http://www.csmonitor.com/World/Middle-East/2011/0327/Repression-or-reform-Deadly-protests-may-force-Syria-s-Assad-to-choose
<ヨルダン国境近くのダラは体制派中のスンニ派の牙城、港町のラタキアはめずらしくもアサド一族の属するアラウィ派が多数を占める。だから、この2都市での騒擾はアサドにとってショックだろうってさ。↓>
・・・The rush of revolts may be especially unnerving to the leadership because they have occurred in two strongholds of the leadership. Dara’a is a majority Sunni tribal region that has long been a base of support for the elite; it is the home of key leaders in the military and the government, including the vice president, Farouk al-Sharaa.
Latakia is one of the few places in the country that has an Alawite majority. ・・・
http://www.nytimes.com/2011/03/28/world/middleeast/28syria.html?hp=&pagewanted=print
最期にイェメン革命関係だ。
サレー大統領は、その他の条件全部で折り合いながら、亡命せよと言われたこと、ただ一点に反発して、反体制派との交渉を打ち切ってしまったらしい。↓
・・・The deal stalled, however, when Gen. Ahmar on Saturday delivered a fresh demand from the opposition—that Mr. Saleh go into exile after he resigns—sparking a backlash from the president・・・
”We agreed yesterday with Saleh that he would step down and [his ally] Prime Minister Ali Mujawar would become president during a transition period. We agreed that the president’s relatives would command [their units] for five months after he steps down for the sake of security in the country. But Saleh violated our agreement…by threatening me and my men with attacks,” Gen. Ahmar said・・・
Suspected al Qaeda gunmen killed seven government soldiers in a skirmish over the weekend in the southern Mareb province, according to government officials. On Friday, tribesmen from the southern province of Shebwa said they had taken control of 17 military bases abandoned by counterterrorism units belonging to the Central Security forces, which are commanded by President Saleh’s nephew.・・・
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703576204576226281324206972.html?mod=WSJAsia_hpp_LEFTTopStories
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太田述正コラム#4651(2011.3.28)
<ロシア革命と日本(その10)>
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