太田述正コラム#4785(2011.6.3)
<皆さんとディスカッション(続x1223)>
<太田>(ツイッターより)
結局日和らなかったのは、松木謙公だけか。
(横粂勝仁は離党届を前に出してるからね。)
大山鳴動してネズミ一匹とはまさにこのことだな。
諸君の「選良」達の正体はかくの如し。
それにしても、早く初夏らしい晴天を拝みたいねえ。
直感的に思ったことだが、舞台裏の報道・・どれもあんまし出来がよくないけど・・を読めば読むほど、谷垣、小沢、鳩山、前原らを手玉に取り、コケにした菅首相は、少なくとも、森以降の歴代ダメ首相の中では、小泉と並ぶタマじゃないか。
大震災の時に、彼が首相でよかったねー。
<太田>
というわけで、皆さんも先刻ご承知だろうが、関連記事をまとめておこう。
(本日紹介すべき記事は、これら以外にはなかったな。)
「・・・2日正午すぎ、衆院講堂で開かれた民主党代議士会。くしくも1年前の同じ日、鳩山由紀夫前首相が辞任表明した同じ舞台で、菅直人首相は顔を紅潮させながらマイクを握った。
「この大震災の取り組みに一定のめどがついた段階で、私がやるべき一定の役割が果たせた段階で若い世代にいろいろな責任を引き継いでいきたい…」・・・
代議士会直後、岡田氏は記者団に「合意の文書には出てくるが、それが(退陣の)条件になっているわけではない」と鳩山発言を全否定。これを伝え聞いた鳩山氏は「それは嘘です。人間、嘘ついてはいけません」と色をなして反論した・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110603/stt11060301540001-n1.htm
「・・・ 不信任案は絶対に可決する――。2日の代議士会まで、そんな高揚感に包まれていた小沢グループは、首相の辞任の意向表明で一転、沈滞ムードに陥り、打つ手を見いだせないでいる。・・・」
http://www.asahi.com/politics/update/0602/TKY201106020559.html
「・・・前原誠司前外相は2日夜、・・・嘆いた。グループでは、不信任案採決での大量造反は避けられないと見て、可決、否決にかかわらず、小沢を除名処分にして、菅にも退陣を求めるべきだという意見が強かったのだ。
そこには、ある戦略があった。自公両党内に菅と小沢へのアレルギーが強いことから、「小沢・菅」抜きの新たな連立の枠組みへ踏み出すというものだ。
〈不信任案採決後、岡田と仙谷由人官房副長官が菅に退陣を迫る。菅の後継を選ぶ代表選には前原グループの仙谷を擁立し、自民党との連携を探る〉
グループ内には、こんなシナリオさえあった。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110603-OYT1T00101.htm
「・・・もともと長老らの動きに懐疑的だった<自民党の>石破政調会長は採決後、記者団に<谷垣総裁らが>「『小沢・鳩山チルドレン』のような人たちが決起する、という誤った情報に踊らされて高揚したのは、間抜けだった」と批判した。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110603-OYT1T00163.htm?from=main1
「菅直人首相は2日夜、内閣不信任決議案否決を受けて首相官邸で記者会見し、退陣の「一定のめど」について「言葉通り一定のめどだ。復興に向けて体制作りが必要で原発事故も収束途中だ。安定的な努力が必要だ」と述べ、当面退陣しない考えを強調。「放射性物質の放出がほぼなくなり冷温停止になるのが原発事故の一定のめどだ」とも述べた。収束に向けた工程表で冷温停止を実現するのは来年1月であり、それまでの続投を宣言したに等しい。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110603/plc11060301050001-n1.htm
「鳩山由紀夫前首相は3日午前、・・・「不信任案(採決の)直前には辞めると言い、否決されたら辞めないと言う。こんなペテン師まがいのことを首相がやってはいけない」と指摘。「人間としての基本にもとる行為をしようとしているのなら、即刻党の規則の中で首相に辞めていただくように導いていかなければならない」と述べ、両院議員総会を開いて首相に早期退陣を求める考えを示した。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110603/plc11060310470009-n1.htm
「社民党の福島瑞穂党首は3日昼の記者会見で、菅直人首相が福島第1原発の冷温停止を退陣のめどとしたことについて「続投宣言だと思う。昼間の(民主党代議士会の)発言と夜の発言にぶれはない」と理解を示した。
その上で、「鳩山由紀夫前首相の理解が間違っていたのではないか」と述べ、早期退陣を主張する鳩山氏に苦言を呈した。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110603/stt11060313250009-n1.htm
自民党からは造反者が出なかったんだね。ここは自民党を褒めておこう。↓
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011060302000033.html
なお、舞台裏報道で一番的確らしいと思った記事がこれ。↓
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110603k0000m010136000c.html?toprank=onehour
<ΥεΥε>(「たった一人の反乱」より)
民主党・原口一博の「手のひら返し」が酷すぎると話題に
http://news020.blog13.fc2.com/blog-entry-1561.html
【首相辞意】原口前総務相が代表選に意欲 – MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110602/plc11060216010027-n1.htm
民主党の原口一博前総務相は2日、自発的退陣を表明した菅直人首相(党代表)の後任を選ぶ代表選への出馬に関し、「資格があるかは分からないが、求められれば逃げない」と強い意欲を示した。
国会内で記者団に答えた。
<ΥεεΥ>(同上)
原口が本性を現してきてるね。
たかじんのそこまで言って委員会のメンバー達、特に辛坊治郎さんは最近の原口さんの行動に少し呆れていたように見えたけど。
<ΥεΥε>(同上)
一本気かつ日本の中枢に入る才覚がない。
松木議員のまとめ。
http://www.youtube.com/watch?v=mTEJYsZ9zn4
<εΥεΥ>(同上)
初心者ですいませんが太田さんの基本的な考え方について質問させてください。
最近、太田さんを知ってサイトを拝見しているのですが難しすぎてよくわからないので失礼ながらよろしくお願い致します。
一 縄文モード(狩猟民族=戦争も辞さないアメリカみたいな路線)、弥生モード(農耕民族=日本みたいな平和路線)でよろしいでしょうか?
二 戦後、アメリカから押し付けられた自主<(←トル)>憲法<を>改<正>をし、交戦権をもった日本軍の復活及び核兵器保有(だだし、徴兵制ではなく志願制)
三 外国人参政権賛成(過去の大帝国は優秀な人間がいないと崩壊する。上流~下流までセットで受け入れる。少子高齢化対策にもなる)。
四 天下り根絶。自民は政官業の癒着の温床は解体するべき。
五 東大法学部卒の秀才であり、典拠と過去の歴史データから分析した膨大な知識<(コラム?)>の多くが世間からほとんど支持されない理由。
<↑投稿する前に、一度は読み返そうね。(太田)>
<εεΥΥ>(同上)
だいたいあってる。
<ΥΥεε>
ほとんどあってねーよ。
<εΥεΥクン、>とりあえず「非公式FAQ」を読め。ブログの左上方向に入口があるから。↓
http://wiki.livedoor.jp/veg_tan/
これをしっかりしっかりしっかり読め。「難しすぎてよくわからない」のは、(少なくとも始めは)皆同じだ。
<εΥΥε>(同上)
そんなんだから新規読者が増えないんだよ。
<εΥεΥクンが書いた>くらいの感じで5~6行で要点を説明してみてくれないかな。
あんた正しく理解してるんなら出来るだろ?。
<ΥΥεε>
つっけんどんな書き様に見えたんなら、すまんかった。
「5~6行」で説明できんから「とりあえず「非公式FAQ」を読め」と言ったんだ。
俺は太田さんの言っていることが分かりにくいのは、従来の右・左の言論に関する知識が邪魔をするからだと思ってる。
太田さんの言ってることを理解するには、まず、それまで積み上げてきた知識や物の見方をぶっ壊す必要があると思うんだ。
積み上げたものが大きければ大きいほど、それをぶっ壊すのに勇気がいるだろ。そしてその作業は、結局は自発的に、自らが望んででしか出来ないことだと思うんだ。
そんなわけで、簡単な返答をすることが<εΥεΥクン>のためになるとは思えなかったから、あんな書き方をしたんだ。
<εΥεΥクン、>もし興味があるんなら、↓にクソ長い説明を書いたから読んでくれ。
http://www.ohtan.net/bbs/post.php?id=965
>一 縄文モード(狩猟民族=戦争も辞さないアメリカみたいな路線)、弥生モード(農耕民族=日本みたいな平和路線)でよろしいでしょうか? <(εΥεΥ)
太田さんから「縄文モード・弥生モード仮説」が生み出されたそもそもの発端から考えなければダメだ。↓
「・・・終戦を境に日本は180度変わってしまい、その状態が基本的に現在まで続いている。これは二度の大戦であれだけ叩きつぶされ荒廃したドイツが、先の大戦直後にまずやったことが諜報機関の再立ち上げであり、積極的な諜報面での対米貢献で米国に貸しをつくり・・・その上で次にすみやかに国防軍の再建に着手したのと比べると、余りにも違いすぎる。これは、単に戦争にあけくれてきた欧州にドイツが位置していたからだ、といったことだけでは到底説明がつかない。・・・そこで私は、終戦後の日本が180度変われたということは、その要素が前からあったということだ、と考え、それを縄文モードと呼ぶことにした。そして、これと対蹠的なモードを弥生モードと呼ぶことにして、両モードの循環が日本の歴史ではないか、と考えた。・・・」
http://blog.ohtan.net/archives/50954776.html
「・・・旧軍が降伏すべきところで降伏せず、いたずらに兵を玉砕させたこと等について憤りを抱いている復員者がおられるであろうと思いますし、また、絨毯爆撃や原爆投下で一般市民が多数犠牲になったことで、一般市民の間に戦争忌避感情が醸成されたとも思います。・・・
しかし、それだけで、戦後一貫して続く日本人の戦争忌避感情を説明できません。・・・ソ連だってソ連兵(やソ連一般市民)の命をムチャ粗末に扱ったにもかかわらず、ロシア人の間で戦争忌避感情は見られません。
先の大戦で日本は敗れたけどソ連(ロシア)は勝利した?
いや、それを加味したとしても完全に説明することはできないでしょう。
結局、既述の縄文/弥生モード論を援用することになるのです。・・・」
http://blog.ohtan.net/archives/51366250.html
「・・・<戦後日本人は>善であると確信していた大戦争を戦ってコテンパンに負けた上に悪のレッテルを貼られてしまった、というショックが余りにも大きかったことから、既に縄文モード入りをしていたということもあり、戦争の放棄がストンと胸に落ちた・・・。」
http://blog.ohtan.net/archives/51328646.html
縄文モード・弥生モードそれぞれの説明を詳しくすると(↑以上に)クソ長くなるので、ごく端的に言うと、↓のようになる。
「・・・縄文時代と平安時代と江戸時代を基本的に「軍事と警察」抜きの手弱女ぶりの時代と見て、これを縄文モードの時代と名付け、日本史は、縄文モードと、これと対蹠的な益荒男ぶりの弥生モードの時代が交互に訪れるユニークな歴史である、と考えるに至ったわけです。・・・」
http://blog.ohtan.net/archives/51366250.html
すなわち、あなたの「縄文モード=戦争も辞さない路線」、「弥生モード平和路線」という理解は全くあべこべ。
>二 戦後、アメリカから押し付けられた自主憲法改をし、交戦権をもった日本軍の復活及び核兵器保有(だだし、徴兵制ではなく志願制)<(εΥεΥ)
太田さんは憲法改正(に関することの内、少なくとも改正についての議論)にはむしろ消極的。↓
「私は、改憲論者ではありません。
ただし、ずっと以前から、集団的自衛権行使を禁ずる政府憲法解釈を改めるべきだと主張してきたところです。
それは、憲法改正が極めて困難であること、第9条の政府解釈は変遷を重ねてきていること、集団的自衛権を行使できるようになればそれでほぼ十分であること、からです。
私が、これに加えてしばらく前から、帝国憲法も現行憲法もそもそも規範性がない、だから、憲法を改正する必要性がそもそもない、と主張するに至っていることもご承知おきください。(注1)
なお、自衛隊が米国向けの見せ金軍隊だとすれば、憲法改正は自民党のタカ派国民向け見せ金党是であり、だまされては、というか、だまされたフリをしてはなりません。
(以上、http://blog.ohtan.net/archives/51972375.htmlより)」
http://wiki.livedoor.jp/veg_tan/d/%bd%b8%c3%c4%c5%aa%bc%ab%b1%d2%b8%a2%a1%a6%b9%f1%ba%dd%b9%d7%b8%a5%a1%a6%b7%fb%cb%a1%a3%b9%be%f2
↑以外は、あなたの理解で正しいと思う(コラム#省略)。ただし、現在の日本に交戦権が有るのか無いのかという点に関して太田さんがどう考えているかは知らん。
>三 外国人参政権賛成(過去の大帝国は優秀な人間がいないと崩壊する。上流~下流までセットで受け入れる。少子高齢化対策にもなる)<(εΥεΥ)
まず太田さんの移民についての考え方(原風景)を知っておいた方が良いだろう。↓
「・・・カイロ時代に・・・様々な考え方を持つ種々雑多な民族の人々に囲まれて毎日を送っていた私は、基本的に単一民族で金太郎飴的な日本社会が不自然に感じられ、息苦しさえ覚えるのです。
私の移民受入論は、このような原体験に基づく皮膚感覚に由来するものであることをご理解いただければ幸いです。・・・」
http://blog.ohtan.net/archives/51255499.html
「私は、移民受入は日本の利益になるし、それは先進国である日本にとって義務でもある、と主張しているのであって、感情論を展開しているわけではありません。」
http://blog.ohtan.net/archives/51130708.html
「上流~下流までセットで受け入れる」のではなく、確か太田さんは「上流<層>」を受け入れろという風な意見だったと思う。該当コラムを探せん。移民論については↓を読んでくれ。詳細に説明するとまたクソ長くなる。
日本の移民政策
http://blog.ohtan.net/archives/cat_50041852.html
外国人参政権については、移民受け入れ論と比較しても、消極的賛成と言えるだろうな。↓
「検討したことがないので、アバウトな議論であることをお断りしておきます。
本来地方参政権を一定の要件をみたす外国人に与えるかどうか、なんて大した話ではありません。
しかし、日本の場合、国政レベルでも外交や安全保障をやっていない・・宗主国の米国にぶん投げている・・ことからすれば、地方参政権を与える以上は国政への参政権を与えないのはおかしいということにならざるをえません。
フツーの国では、国政への参政権を得るということは、徴兵の義務を負うことと同値です。権利には義務が伴うということです。
しかし、日本では国政への参政権を付与すれば、それは一方的特権の付与を意味します。
ここのところをよくお考えいただきたいものです。」
http://blog.ohtan.net/archives/51081797.html
「私が地方レベルの選挙権を与えることに必ずしも反対ではないのは、在留許可を得た外国人だって地域社会のアクティブな一員になってくれることが望ましいからです。選挙権を与えれば、彼らが地域社会により強い関心を抱くようになるというものですし、その地域の首長や議会も、より外国人やその居住地域に配意せざるを得なくなる結果、外国人の貧困や犯罪が減ったりしてウィン・ウィン状況が生まれる可能性があると思うのです。
私が一方で、彼らに被選挙権を与えるべきではないと思うのは、首長や議会は国政の一翼も担っており、外国人にそのような役割を負わせることは、忠誠心のコンフリクトが生じうることから不適切だからです。
いわんや、国政レベルの被選挙権は与えるべきではないでしょう。
最後に、私が国政レベルの選挙権を与えるべきではないと考えるのは、普通の国では国政レベルで選挙権が与えられた外国人は徴兵の対象となるところ、日本では、外国人に義務抜きで権利を与えることになってしまうからです。」
http://blog.ohtan.net/archives/51125958.html
>四 天下り根絶。自民は政官業の癒着の温床は解体するべき<(εΥεΥ)
その通り。(コラム#省略)ってか、これに反対な奴っているか?
>五 東大法学部卒の秀才であり、典拠と過去の歴史データから分析した膨大な知識の多くのが世間からほとんど支持されない理由<(εΥεΥ)
「東大法学部卒」ではなく「スタンフォード大卒」だ。というのも、太田さんは東大法学部は短大相当だと考えているからだ(めんどくさいから典拠も探さない)。
「秀才」と言うべきかどうかは知らんが、学生時代の成績についても、確かコラムで明かしていたはずだ。これも探すのが面倒だからそっちで勝手に探してくれ。
「支持されない理由」は、「理解できる人<が>、そもそも少ないから」(コラム#4783)だろ。あと論壇がクソすぎるからだろ。(典拠省略)
<ΥεεΥ>(同上)
>もし興味があるんなら、↓にクソ長い説明を書いたから読んでくれ。
<ボクはεΥεΥ>じゃないけど実に解かり易かった。
コピペして残しとこう。
そもそもいくら要点をまとめても5~6行で説明出来る問題じゃねえもんなぁ。
<ΥΥεεクンは>は「クソ長い説明」って謙遜してるけど良くこれだけ短くまとめたもんだと関心した。
<太田>
そうだそうだ。
ボクでもできない。
<υυΕΕ>(「たった一人の反乱」より)
日本人と英語
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812
↑30分前に読んだ。よく解らんが個人的感想及び意見
1 人間主義的文明の特徴の一つ→ 相手の心理を察する、相手が自分の心理を察する
2 1の特徴は日本語の特性に現れている→英語には理性的特長がある。(論理的思考)
3 1の特徴は時に優れたリーダーを生みにくい風土がある。
4 戦前と戦後の序列の価値観→意味が解らんが基本的に変わってないと思う。
5 日系人はだめ→北米・ブラジルでは成功していると思う。
最終的結論として、相互の心理を察する文化を持つ日本文明は、時折、相手の思考や心理をさえぎって論理を貫徹すること(又は論理的思考)が苦手な一面がある。この弱点を補うために(アングロサクソンの長所である論理的思考を養うため)英語教育が必要である。
※正直に言って、「日本人と英語」はよく解らん文章であり、非論理的文章だと思うが、とりあえず、こんな風に強引に解釈してみた。なぜか、よく解らんが結論には納得できる。
これは私が太田コラムの読者だからでもあるのだろう。
そして最後になるがこの「日本人と英語」の文章には皮肉なことに英語教育の欠如が感じられる。
人間主義的文明の特徴の一つ→ 相手の心理を察する、相手が自分の心理を察する
↑この点はチャーチルの回顧録の引用に現れていると思います。
「日本人は無理な要求をしても怒らず、反論もしない。笑みを浮かべて要求を呑んでくれる。しかし、これでは困る。反論する相手をねじ伏せてこそ政治家としての点数があがるのに、それができない。
それでもう一度無理難題を要求すると、またこれも呑んでくれる。すると議会は、今まで以上の要求をしろと言う。無理を承知で要求してみると、今度は笑みを浮かべていた日本人が全く別人の顔になって、
「これほどこちらが譲歩しているのに、そんなことを言うとは、あなたは話のわからない人だ。ここに至っては、刺し違えるしかない」と言って突っかかってくる。
英国はその後マレー半島沖で戦艦プリンスオブウェールズとレパルスを日本軍に撃沈され、シンガポールを失った。日本にこれほどの力があったなら、もっと早く発言して欲しかった。
日本人は外交を知らない。」
古典的な日本武道の真理には人間主義的な特徴があるのではないでしょうか?
この動画を見てください。
武道における無心
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1769723
相手の心理を読むことが出来なければ、この動画にある浮世離れした技は不可能です。 日野晃師範は自著『武術革命』の中で日本武道の歴史の中で「武道の達人が相手の心理を読むエピソード」が頻繁に登場すると指摘しています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E9%87%8E%E6%99%83
この事実は日本が人間主義的文明であるがゆえにその特徴(相手の心理を読む)が、武道に顕著に現れているとみていいのではないでしょうか?勿論、他国と比較しているわけではないので絶対とは言い切れませんが、少なくとも西洋の武術には日本的エピソードは聞かないように思われます。
<TA>
・・・私は『第二次世界大戦』を3~4年前に読んだのですが、上記の文章に心当たりがなかったので、少し調べてみました。
チャーチルの『第二次大戦回顧録』は有名ですが、一般に普及しているのはその要
約版のようです。↓
「本書の母体をなすものは、わが国では昭和二十四年五月から同三十年十月にかけ
て毎日新聞社翻訳委員会訳によって同社から発行された『第二次大戦回顧録』(原著
六巻・邦訳書二十四巻)であるが、・・・あまりにぼう大であり、チャーチル自身が
右大著から重要部分を全部残して諸国民のために改めて編集し直し、・・・大冊一巻
にまとめたのが本書である。」(W・S・チャーチル 著、佐藤亮一 訳『第二次世界
大戦 1』河出文庫 訳者あとがき(369~370頁)より)
私が読んだのはこの要約版ですので、<上出>の文章に心当たりがなくともおかしくはありません。しかし、調べれば調べるほど、本当にチャーチルが書いたものなのかが疑
わしくなりました。
この文章が初めて著書へ引用されたのは、「WiLL2005年8月号『繁栄のヒント』日下公人」だと思われます。↓
「日本人は外交を知らない」というコピペのネタ元を教えてください。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1338177943
問題は、日下氏が引用される以前からこのコピペが存在したかどうかです。というのも、↓のようなコピペが存在しているからなのです。
ウィンストン・チャーチル「対日世界大戦回顧録」より
http://horon.xxxxxxxx.jp/page146.html
私は『対日世界大戦回顧録』なる著書は知りませんし、ググっても見つけられませ
ん。このコピペがいつから存在しているのかは分かりません。
日下氏のウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E4%B8%8B%E5%85%AC%E4%BA%BA
にあたって見ましたが、出典の不確かな文章から引用をされるような方か否かは、私には判断できませんでした。
私見ですが、日下氏の引用元を疑うような発言もネット上に散見され、かつ一般に普及している要約版の読者からの、「○○頁に記述がある」といった指摘もネット上で見付けられないことから、少なくとも、日下氏が引用されたのは要約版ではないと考えられます。
日下氏が半世紀以上前の二十四巻もの著作を読破なさる方か否かは、私には判断ができません。太田さんはどうお考えになりますか。
ところで、チャーチルをボロクソに批判する太田さんが『第二次世界大戦回顧録』を読んでおられない(コラム#4784(未公開))のは意外でした。
それとも、それは要約版ではない方(二十四巻)を読んでいないという意味でしょうか。
<太田>
TAさん、大変な読書家ですねえ。私はどちらも読んでいません。
一般の読者のために、昨日のコラム#4784(未公開)に記した、上出の「チャーチル」の文章に対する私のコメントを公開しておきましょうかね。
「日本にこれほどの力があったなら、もっと早く発言して欲しかった。日本人は外交を知らない。」というくだりは、チャーチル自身が、日本の軍事力を過小評価し、しかも東南アジアでの英軍の配備や人事に不適切な介入をしたために緒戦において日本軍に大敗北を喫したことの責任を日本に転嫁しようとするものであり、これはチャーチルの矮小さを示しこそすれ、日本側の病理を示すものでは全くありません。
そもそも、チャーチルは、日本に対米開戦をさせることで米国を対ナチスドイツ戦に引きずり込もうと画策し、それに成功したわけですが、かつて日本とあれほど肝胆相照らしあっていた英国の政府首脳であるチャーチルが、日本に対してかくも背信的なことを企むことができたということへの後ろめたさが、このチャーチルのくだりからは全く感じられません。チャーチルの倫理感覚を疑います。
<υΕυΕ>(「たった一人の反乱」より)
「それでもボクはやってない」
2007年の映画なんだけど、最近また鑑賞。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%A7%E3%82%82%E3%83%9C%E3%82%AF%E3%81%AF%E3%82%84%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%AA%E3%81%84
日本の刑事裁判の暗黒性が描かれている。
映画の予告編。
http://www.youtube.com/watch?v=UvRMouIFNkM
実際の痴漢裁判のドキュメンタリー
http://www.youtube.com/watch?v=rORitWrDZNE&feature=related
たまたま見つけた今時の弁護士事務所のHP。
美人弁護士も在籍。
http://www.nakashimalaw.com/essay/miyamoto/0903.html
「「それでもボクはやってない」って映画があって、見た人も多いと思うけど、まあそれはそれは大変にリアルな映画なわけで、・・・
この映画は虚構でも冗談でも何でもない。この国の刑事司法は、この映画のとおりで、ホント出鱈目でどうしようもないんだ。
まず、「人質司法」って言うんだけど、犯罪を認めない限り、逮捕・勾留はずーっと続く。
なんせ有罪率は99.9%だ。友人の検察官は、転勤先で、どう考えても無罪になるだろうと思われる事件を担当させられて、前任者は何でこんなの起訴したんだろう、控訴するのかの審議の準備とかめんどくせーなーと思っていたら、それでも有罪判決が出て、言い渡しの時は耳を疑ったよ、馬鹿じゃないかと思った、弁護士さんすげー怒ってたけど当ったり前だよねぇ、と笑ってた。」
太田さんは検察支持だから、このシステムに賛成ですよね。
日本の刑事裁判のシステムはロシア・中国並みですな。
<太田>
>太田さんは検察支持だから、このシステムに賛成ですよね
ケースバイケースに決まってんだろ。
小沢組よりかは検察の方が信用できると思ってるってだけのことさ。
>日本の刑事裁判のシステムはロシア・中国並みですな
その「日本」っていつの日本?
奈良時代? 江戸時代?
ところで、件の映画、ボクの映画評論をご希望ってことかい?
<υΕΕυ>(「たった一人の反乱」より)
服役し証言した水谷元会長の、川村元社長の狂言(検察ストーリー破綻)証言で、小沢の冤罪事件確定だな。
生ナマしく面白い!
《第13回後半》陸山会公判傍聴記 ── 水谷建設元会長が語る「裏ガネ渡しの流儀」
http://www.asyura2.com/11/senkyo114/msg/339.html
どーする検察?
<太田>
読ませてもらったが、そもそも、川村元社長から小沢側にカネが本当にわたったかどうかなんてどうでもいいんだぜ。
政治資金規正法違反事件の情状に関わる話に過ぎないんだからな。
誰が読んでも、小沢組が、日常的に水谷建設等からみかじめ料をせしめてたって印象を誰でも持つぞ。
それだけで十分なんだよ。
<υΕΕυ>(「たった一人の反乱」より)
前田元検事(犯罪者で懲役確定)作成の調書を証拠採用 陸山会事件公判
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E2E3E2E3E78DE2E3E2E4E0E2E3E39191E2E2E2E2;at=ALL
検察が証拠請求にはとても耐えられる代物ではない(またもやの捏造調書疑惑)として撤回した前田懲役囚の調書を、裁判所が証拠に提出させる。
どーする検察?
<太田>
この証拠採用、検察と小沢側のどっちに有利になるか、分かんねーぞ。
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太田述正コラム#4786(2011.6.3)
<日本文化論の人間主義的批判(その2)>
→非公開